生活習慣病

生活習慣病とは

 生活習慣病は、その名の通り「生活習慣」(食事・運動・喫煙や飲酒・睡眠など)の乱れにより発症進展する病気の総称で、具体的には糖尿病・高血圧症・脂質異常症・肥満・高尿酸血症・脂肪肝などがあります。
 これらは初期段階では自覚症状がないので放置されることが多く、知らないうちに徐々に動脈硬化が進展してしまい、いずれは脳梗塞・脳出血・狭心症・心筋梗塞・腎不全といった命にかかわる大きな病気を引き起こします。いわばサイレントキラーです。

どうして生活習慣病になるのか? : ご先祖様の体質が仇になる?

 生活習慣病は、遺伝因子(体質)と生活習慣の関与により発症・進展します。
 ご先祖様が生活していた太古の昔は、自然環境が厳しく飢餓が多かったので、食べた栄養素を体内にため込むシステムができました。また、当時は塩分が大変に貴重だったので、腎臓で塩分を再吸収してため込むシステムもできました。さらに夜は暗かったので、昼間に充分に活動して食事もとり、夜は早く寝て、寝ている間に栄養を備蓄するシステムや生活パターンができました。これらのシステムが、遺伝的な体質として私達の体には引き継がれています。
 しかし、文明の進歩により現代社会の生活習慣は、太古の昔のそれとは大きく異なってきました。飽食の時代で、食物や塩分は豊富にあり、ジャンクフードのような過度にカロリーの高い食物が24時間いつでも食べられます。交通手段も便利になり、運動しなくなりました。夜は照明があるので遅くまで仕事をするようになり、睡眠パターンに乱れが生じてきました。夜遅くにも容易に食事ができるようにもなりました。寝る前にジャンクフードも食べられます。
 栄養素や塩分を体内にため込もうとする体質を受け継いだ現代人が、飽食の時代・塩分過多の時代・運動不足の時代・夜型生活の時代で生活し始めたら、体がどうなっていくかは自明のことです。糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病が増えてくるのは、ある意味で当然の帰結で、逆に言うと現代社会では余程しっかりと意識していないと、簡単に肥満や生活習慣病になってしまう危険性が高いのです。

代表的な生活習慣病

糖尿病

 主に肥満によりインスリンが働かなくなることで血液中の糖の濃度が高くなる病気で、生活習慣病の中でも最も多いのがこの糖尿病です。
 適切な治療を受けないと、脳梗塞・心筋梗塞・網膜症・腎症・神経障害などの合併症を引き起こし、最悪の場合、失明したり足の指を切断しなければならなくなったりしてしまいます。
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高血圧症

 「最高血圧が140mmHg以上」もしくは「最低血圧が90mmHg」の方が高血圧症です。
 過食・肥満・運動不足・塩分の摂りすぎなどによって血圧が高くなると、心臓に負担がかかるようになり、血圧が高い状態が続くと動脈硬化も進みます。高血圧症を放置すると心臓病や脳卒中の発症リスクが急増しますので、血圧の的確なコントロールは大変に重要です。
 また、高血圧に脂質異常症や糖尿病が加わるとリスクが増えますので、注意が必要です。


脂質異常症

 肥満、運動不足、喫煙等により、動脈硬化を促進する悪玉コレステロール(LDL)や中性脂肪が多過ぎる状態、もしくは動脈硬化を改善する善玉コレステロール(HDL)が少な過ぎる状態を、脂質異常症と言います。
 脂質異常症は全身の血管の動脈硬化に繋がるため、心臓病や脳卒中の発症リスクが増えますので危険です。また、狭心症・心筋梗塞、糖尿病、高血圧を合併している患者さんでは、より厳格な脂質異常症のコントロールが必要となります。

高尿酸血症

 高尿酸血症は中高年の男性に多い病気です。食事やアルコールから多量のプリン体を摂取すると血中の尿酸値が上昇し、これが関節に溜まると痛風になります。
 高尿酸血症の患者さんは、高血圧、肥満、脂質異常症を高率にともなうため、高尿酸血症も生活習慣病の一員と認識されています。

脂肪性肝炎(NASH)

 NASHとは、肝臓に余分な脂肪が蓄積して機能が低下した状態です。日本のNASHの患者さんは急増しており、患者さんの多くは高率に糖尿病や脂質異常症を合併しています。
 NASHの10~30%は肝硬変に進展し、そのうちの10%は肝細胞がんを発症することが明らかにされ、危険な病気として注目されています。

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慢性腎臓病(CKD)

 肥満、高血圧、脂質異常症の患者さんは慢性腎臓病になるリスクが高いことが明らかにされ、CKDも生活習慣病の一員と認識されるようになりました。

生活習慣病の治療

 生活習慣病と診断・治療されている患者さんの数は、年々右肩上がりで増加中です。生活習慣病や予備群の方々をできるだけ早期に発見して、いかに早くコントロールして「薬を飲まなくていい」「入院しなくていい」という状態を保っていくかが、治療目標になります。
 当院では、以下に記す治療方針で、生活習慣病の治療にあたっています。

「未病」「先制医療」を目指します。

 ほとんどの生活習慣病は、自覚症状が出た頃にはかなり病状が進んでおり、お薬なしで治療をしていくのは困難です。場合によっては入院して治療しなければならないこともあります。
 当院では、健康診断などで軽度の異常を発見された方が、本格的な病気にならないように、もしくは初期段階で進行を食い止められるように、食事療法や運動療法、生活習慣の改善などにより上手くコントロールしていくことを目指します。

患者さんひとりひとりに合ったオーダーメイドの治療を行います。

 患者さんの生活習慣、お仕事の都合、食事の好みなどはひとりひとりで異なりますから、その方に合った、無理なく実現でき長期にわたり継続していける治療法や予防法を提案させていただき、いくつかの選択肢の中から患者さんに納得のいくものをお選びいただいています。
 多くの生活習慣病の治療は、一生のお付き合いになります。だからこそ、無理なく継続可能なオーダーメイドの治療が大切だと考えています。

一つの病気を診るだけでなく、生活習慣病全般を包括した診療を実施します。

 多くの患者さんが複数の生活習慣病をあわせ持たれていますが、ひとつの病気が別の病気を発症させたり、進行を早めたりして、複雑に影響しあいます。また、生活習慣病の数が多いほど、心臓病や脳卒中になるリスクがどんどん増えていきますので注意が必要です。
 当院では2つの異なる分野の内科専門医が、それぞれの専門領域の最新の知識、内科専門医としての総合的な知識を駆使して、生活習慣病全体の状態を把握して、きめ細やかな治療により入院治療を受けなくて済むように予防を進めていきます。


こんな方は生活習慣病に要注意

 生活習慣病を予防したり、悪化しないようにしたりするためには、早期に治療を始めることが重要です。以下に当てはまる方は生活習慣病のリスクが高いので、早めにご相談にいらしてください。

健康診断で、要注意、要経過観察と指摘された項目があった
普段、何をどのように気をつければいいのか分からない
40歳以上である
20歳のときと比べて、体重が10kg以上増加した
暴飲暴食をしている
お酒を飲む頻度や量が多い
タバコを吸っている
運動する習慣がない
ストレスが溜まっている
十分な睡眠時間を確保できていない
原因不明の身体の不調を感じることがある
仕事が忙しく、心身共に負担をかけている
脂っこいものが好き
寝る前に食べる癖がある
味の濃いものが好き
深夜の時間帯によく食事する
朝食を食べないことが多い
食べるのが早い
ファストフード、レトルト食品をよく食べる
ジュースや清涼飲料水をよく飲む
間食が多い
歩くより車を使うことが多い
階段よりエスカレーター、エレベーターを利用することが多い

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