スノーデン・ファイルの暴露をきっかけに
世界で諜報活動・情報収集に関する議論が
され始めたことを紹介しましたが

個人の行動を知らぬ間に監視している人

こうした状況は

*このような諜報活動 情報収集は 
 本当に必要なのか?

*必要だとしたら 
 個人のセキュリテイとプライバシーの問題は
 うなるのか?

という ふたつの問題を提起するに至ります


前者に関しては

緊迫する世界情勢を考えると当然必要である
という意見が多いようで

日本は軽武装の国なのだから
逆に 情報収集 インテリジェンス能力は 
高くないといけない

自前の情報収集システムを作って
自分で国際情勢を判
断できるようにならないといけない

といった意見が 
国内の専門家たちの間に根強くあるようです


また アメリカでは
諜報活動に制限はない 
国家が行う不正は不正ではない
といった 極端な擁護意見もあるようです


諜報活動を行う人

書き手は 
ジェームス・ボンドを擁護するわけはありませんが(苦笑)
必要悪というか 
ある程度は仕方ないのかなと感じています


で この問題に関して 
ちょっとびっくりしたのは

アメリカは
日本も情報収集の監視対象にしていて

日本が世界から非難された捕鯨活動に関して
国際会議に提出して
反論の根拠にしようとしていた情報が
あらかじめアメリカに漏れていて 
上手くいかなかったそうで

他人事ではないのね 
という感じで驚きました

特集を報道するテレビ番組の画面


また アメリカが諜報活動で収集した情報は

ファイブ・アイズと呼ばれる
アメリカ イギリス カナダ NZ オーストラリア
の各国は見ることが出来るけれど

日本を含めた
サード・パーティと呼ばれるアメリカの同盟国は
機密情報の共有は限定されているそうで

ファイブ・アイズのマーク

えっ 日本は仲間はずれなの?

これもちょっと驚きました


さて 後者の 
セキュリティとプライバシー については

プライバシー権は 
人が自由であるための根源的な権利なので
セキュリティとのバランスをどうとるか 

という
かなりデリケートな問題になります

セキュリティとプライバシーに関して論争する人たち
個人のプライバシーが侵害されていることを警告するポスター

イギリスやアメリカでは
プライバシーよりもセキュリティが大事
とする風潮があり

一方 ドイツなどでは
セキュリティよりもプライバシーが大事
と考える人が多いそうです

この 
英米とドイツの国民性の違いは 
何気に面白い!


そして この問題は 
市民の知る権利との関連 
も生まれてきて

セキュリティやインテリジェンスに関することは 
当然秘匿されるわけですが
それを市民が知る権利が保障されなれければ 
民主主義が成立しない

また

過度に強力な
セキュリティやインテリジェンスに関する法案が整備されれば
民主主義や社会が委縮しないか?

という危惧も叫ばれています

市民の知る権利について説明するポスター

さらに
権力者は
あらゆる情報を集めたがる誘惑に
かられる傾向があるので

そこを監視するシステムがないと 
エスカレートしかねない
という声も上がっています


うーん つい最近 
どこぞの国でももめていますね(笑)


スノーデンさんは 
番組のインタビューに答えて

日本は
国民の自由やプライバシーを大切にする
素晴らしい国だが

最近は 
その風潮が変化しているのではないか?

日本の報道の自由度の
国際的な評価が低下しているのが気懸りだ

と コメントしていました


池上彰さんをはじめとする 
番組のコメンテーターの方たちは

セキュリティとプライバシーの問題に関して
日本はどうするか? という議論を 
今すぐにでも開始すべきである

とコメントされていましたが

うーん そんなこと 
今まで考えたこともありませんでした


セキュリティーかプライバシーかを問うポスター

書き手は
セキュリティの保持のための
諜報活動・情報収集活動は必要だと思います

そして 哀しいかな 
デジタル技術の進歩により
個人のプライバシーに関する情報収集が
可能になってしまったなら
諜報活動がその領域にまで及ぶのは 
仕方ないのかもしれない

とも思います

自分はやましいことはしていないのだから
プライバシーを第3者に覗かれても 
別に問題は感じないとも思いますが

でも 
セキュリティとプライバシーの問題って
個人レベルに根差しているものの 
社会全体のシステム 価値観の問題だから
もう少し真剣に考えないといけないのかもしれません

確かに 一定の歯止めをかけないと 
リスクがあるように思います

人間性善説が 
必ずしも担保されるわけではありませんからね

日本はどうするか? という議論は 
確かに必要だと思いました

ネットワークに掛けられた鍵の画像

今まで スノーデンさんのことは 
何か他人事のような気がしていましたが

この番組を見て 
身近な問題として認識することができて良かったです
高橋医院