ときどき 能を観たくなります

能舞台の様子

でも 能は公演そのものが多くないし
開演時間が早く仕事終了後だと
間に合わないことも多いので
なかなかナマで観られるチャンスが
ありません

しかし 
最近読んだ本を書かれていた
観世流宗家の観世清和さんが
舞われるプログラムを発見し

観世清和さんの写真

日曜午後の公演だったので 
観に行くことができました

場所は東中野にある 
梅若能楽学院会館

観世流と言えば 何年か前に
渋谷の東急のすぐ裏にある
観世能楽堂にうかがったことがありますが
あそこは今年に閉館になったのですね

とても静かで
雰囲気の良い落ち着いた環境だったので 
残念な気がします

それにともない 
観世会の定期能は
今は東中野の梅若能楽学院会館で
開催されているようです

初めてうかがいましたが 
ちょっと場所がわかりにくかった(笑)

梅若能楽学院会館の看板

閑静な住宅街のど真ん中で迷子になり
お散歩をされていた
近所の方に教えていただきました

これまで行ったことがある能楽堂と言えば

千駄ヶ谷の国立能楽堂
松濤の観世能楽堂
渋谷のセルリアンタワー能楽堂

ナマの能は 
これまでの人生で 
10回も観ていません

で 梅若能楽学院会館は
これまでに行ったどの能楽堂よりも 
こじんまりとしていて

プライベートなお稽古場 
といった雰囲気があり

ちょっとびっくりしましたが
それはそれでなかなか良いものです

梅若能楽学院会館の外観

さすがに客層の年齢は高い

これも驚きでした
品の良さそうな 
着物姿の年配のご婦人がとても多い

ロビーを歩いていて 
他の方と少し体が触れてしまったとき
すごく丁寧なお詫びの言葉をかけられて

この中ではまだ若輩の無作法者は 
面食らいましたよ(苦笑)

梅若能楽学院会館の内部の様子

ロビーには 
能楽関係の品物を扱う小さな売店があるだけで

食事や飲みものは売られておらず 
お茶碗でお茶がふるまわれています

うーん 独特な雰囲気で 
初めて来た者はちょっと萎縮してしまいます(苦笑)

お客さん同士が知り合いの方々が
とても多いようで
あちこちで お久しぶりでございます 
といったやり取りがされていています

それもそのはず

プログラムの裏面を見ると
席の多くが年10回公演の区画会員席になっていて

正面だと1回1万円 
脇正面だと1回5500円のお値段の
いわばシーズンチケット制になっているようです

書き手はネットで
チケットを購入しましたが
購入できる席がすごく限られていたのは 
そういう理由だったのですね

梅若能楽学院会館の座席表

だからお客さん同士は
知り合いが多いのかと納得しましたが

うーん 正直言って
一見さんには
ちょっと馴染みにくい雰囲気かも(苦笑)

実際に場内に入ってみると 
まさにお稽古場の雰囲気

梅若能楽学院会館の能舞台

派手さはなくて 
少し古びた感じがしますが

場内の能舞台の反対側にある
壁の高い位置に設けられた窓から
午後の西日が舞台に向けて差し込んでいます

その光が 
これから始まる夢幻の世界の演出に
一役買っているようです

座席数も適度に少なく 
なんとなく良い雰囲気です

座席の列の表示が 
いろは順になっているのも
能楽堂ならではでしょうか(笑)

チケットに記された座席の列の表示

そんな場内の雰囲気を楽しみながら 
開演を待ちました


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