糖尿病になる原因でいちばん多いのは
太ってしまうこと!

若い頃と比べて
10Kg以上体重が増えた方は要注意です!


しかし 必ずしも太らなくても
糖尿病になってしまうことがあります

毎年受けている健康診断で 
去年までは何も異常がなかったのに
今年は糖尿病の項目が要受診になってしまい
びっくりされて
相談に来られた患者さんがおられました


健診の結果表を見てびっくりする人

持って来ていただいた
健康診断の結果表を拝見して 
こちらもびっくりです

というのも 
初めて糖尿病を指摘されて相談しに来られた方は

たいていは去年と比べて
体重が増えていたり 
肝機能が悪くなって脂肪肝になっていたり
悪玉(LDL)コレステロールや中性脂肪が増えていたり
尿酸値が増えていたり
そうした変化がみられるものです

健診の結果表

しかしその患者さんは
体重は全く増えておらず
肥満の指標のBMIは25以下の正常値
肝機能も 脂質も 尿酸も 
全てが正常値なのです

それなのに
去年は基準値内に合ったHbA1cは 
今年は7以上になっている!

いったいどうして
糖尿病になってしまったのでしょう?


しかし 
患者さんの生活パターンをうかがい始めて
すぐにその疑問は解けました

患者さんはこの1年間とても忙しくて 
夜遅くまで仕事をすることが多く
充分な睡眠がとれていなかったのです

居眠りする人


睡眠時間が短かったり 
睡眠の質が良くなかったりすると 
それだけで糖尿病になってしまうのです!

こうした睡眠の問題と糖尿病の関連は 
最近大いに注目されていますが

夜型の生活になり
夜間に食べたり飲んだりすることにより
体重やコレステロールが増え
肥満や脂質異常症に誘導される形で
糖尿病になることが多いのですが

睡眠時間の長さと糖尿病発症率の関係

今回相談に来られた患者さんのように
肥満も脂質異常症が全くなくても
睡眠の障害だけで糖尿病になってしまう

他の要素とは無関係に
純粋にある原因だけで病気を発症してしまった場合
その原因は
病気の発症に関する独立危険因子であると言いますが

睡眠障害は
糖尿病発症の独立危険因子である

最近の研究で明らかにされている事実を
診察室でリアルに
認識させていただきました

臨床診断学 
内科学の大御所のウィリアム・オスラーはこう語りました

Listen to the patient, he is telling you the diagnosis.

医者はいくつになっても
常にひとりひとりの患者さんから
学ばせていただくものです

では 
どうして睡眠の障害で
糖尿病になってしまうのでしょう?

次回はその理由について解説します
高橋医院