左利き肝臓専門医ブログ

2018.11.23更新

ビタミン・ミネラルのサプリメントの効果
疑問符がつけられていることを紹介しましたが

最近はむしろ サプリを摂ることによるリスク・健康障害が喚起されています

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<サプリメントのリスク>

@人によっては サプリ摂取により
 アレルギー反応肝障害を起こすことがあります

実際 健康食品やサプリの服用による肝障害は決して少なくありません

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@サプリと医薬品が相互作用を起こし
 薬の効果が変化したり 副作用が増すリスクがあります

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具体的には 下記に示すようなことがあります

ビタミンB6は 抗てんかん薬フェニトインの効果を減弱する

葉酸は 一部の抗がん剤の効果を減弱する

ビタミンKは 抗凝固剤ワーファリンの効果を減弱する

ビタミンC
 抗てんかん薬アセタゾラミドとの併用により尿管結石を起こす可能性がある

ナイアシン
 高コレステロール治療薬・HMG-CoA還元酵素阻害薬の副作用を増強する

ビタミンDは 心不全治療薬ジギタリスの効果を増強させる



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カルシウム
 骨粗しょう症治療薬・活性型ビタミンD製剤併用で
 腸管で過度のカルシウム吸収増強が起こるリスクがあり
 ジギタリスの効果を増強し
 骨粗しょう症治療薬・ビスホスホネートの効果を減弱し
 抗生物質・テトラサイクリン ニューキノロンの効果を減弱する

マグネシウム
 骨粗しょう症治療薬・ビスホスホネート
 抗生物質・テトラサイクリン ニューキノロンの効果を減弱する


 骨粗しょう症治療薬・ビスホスホネート
 抗生物質・テトラサイクリン ニューキノロン
 降圧薬・メチルドーパの効果を減弱する


@病人 子供 妊産婦 高齢者 アレルギー体質のある人は要注意

サプリは健康な大人が摂ることを前提にしているので
病気で治療している人などは
上記のようなリスクが起こる可能性があるので注意が必要です

薬を服用している人は 基本的にサプリは摂取しないようにすべきですし
どうしても服用したい場合は 必ず主治医に相談してください

特に腎機能障害がある人は
ビタミンやミネラルの排泄に問題があることがあるので要注意です


<サプリ服用によるビタミン・ミネラルの過剰摂取のリスク>

ビタミンやミネラルをたくさん摂るほど効果があるという説は
正しくありません


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これまで通常の食品から摂取していた栄養素を
サプリとしてさらに大量に摂取することのメリットは
現時点では明らかになっていません

むしろ
特定のビタミンやミネラルを多量に摂ったり長期間摂ったりすれば
健康被害のリスクが高くなると考えられます


<対策>

@含有量のチェック

サプリによるビタミンやミネラルの過剰摂取を避けるためには
製品に含まれている含有量の確認が必須になります

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日本人の食事摂取基準には サプリ等による過剰摂取を防止するため
耐容上限量が設定されていますから
その量を超えて摂取することがないように注意が必要です

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特に必要量と過剰量との差が少ない

セレン 鉄などの微量ミネラル

ビタミンA ビタミンD などの体内に蓄積しやすい脂溶性ビタミン

などは 過剰にならないように気をつけなければなりません


セレン
毒性が強く 必要量と中毒量の差が小さく
慢性的な過剰摂取により
爪の変形 脱毛 胃腸障害 下痢
疲労感 末梢神経障害 皮膚症状等がみられ
多量に摂ると
重度の胃腸障害 心筋梗塞 急性の呼吸困難 腎不全等が起こります


蓄積しやすく
過剰摂取により体内に蓄積した鉄は組織や器官に炎症をもたらし
肝炎から肝臓がんへの移行等にも関わります

ビタミンA
妊婦が過剰摂取した場合の胎児奇形のリスク
成人では 肝臓への過剰蓄積による肝障害のリスクがあります

ビタミンD
体内での貯留期間が長く
投与を中止しても1ヶ月程度効果が持続します
過剰量を長期にわたって摂取すると カルシウムの過剰吸収を起こし
高カルシウム血症 腎障害 軟組織の石灰化等の健康障害が起こります


@一度に多種類のサプリの摂取は避ける

多種類のサプリの同時摂取や
多くの成分が含まれているサプリの摂取により
健康被害の可能性が高くなりますし

被害が起こった場合に原因となった物質の同定が難しくなります

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何種類かのサプリを摂取している場合は
それぞれのサプリに同じ成分が重複していることもあり
過剰摂取になりやすいリスクもあります


<サプリに頼らない食生活を>

サプリに頼るより 食事全体のバランスをチェックすることが大切です

よほどの偏食でなく 通常の食事をしている限り
ビタミンやミネラルを食事以外からサプリによって摂る必要はありません

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生の野菜 果物を日常的に多目に摂り
魚や乳製品を多く食べ たまに肉を食べる
といったバランスのとれた食生活をしていれば大丈夫です

サプリでなく 本物の加工されていない食品を食べるように心掛けて
できるだけ多くの種類の食材を食べるようにすることが大切です

 

2018.11.22更新

ビタミン ミネラルの解説をしてきました

それぞれが
栄養素の代謝をはじめとするさまざまな体内の重要な機能に
深く関わっていることをご理解いただけたと思います


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ところで読み手の皆さん方が
ビタミン ミネラルと聞いてまず思い浮かべるのは

サプリメント ではないでしょうか?

ビタミン ミネラルの話題の最後に
このサプリメントについてお話ししたいと思います


世間では 実に多種多様なビタミンやミネラルのサプリが出回っています

テレビ 新聞 インターネットなどでのサプリの広告は多く
人気があるので 身近な人との間で情報交換が行われることも多く
ネットや通販などで容易に入手できます

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さらに 世の中には根強い“サプリメント信仰”のようなものがあり
大きな支持が得られています

世界でも イギリス人の35% アメリカ人の50%は
サプリメントを日常的に摂取していると報告されています


<日本におけるサプリメント利用の状況>

日本でのサプリメントの利用状況はというと

愛好者は年々増加していて
最近では約40~60%の人がサプリを利用しているそうです


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また 以前にサプリを利用したことがある人は約80%に達します

サプリの愛好家は
加齢とともに増加し 男性より女性の方が多いようです


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複数の種類のサプリを同時に摂っている人も多く
51.7%が2種類以上使っていて
5種類以上使っている人も8.2%もいるそうです


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さらに 大人だけでなく子供の使用者も多く
子供の身体の成長や脳の発達のため 約8〜10%程度の親が
特にビタミンやミネラルのサプリを子供に与えているとのこと


サプリを使用する目的としては

健康の維持・増進や病気の予防
食事で不足している栄養素の補給や強化
疲労回復
美容やダイエット

など 性別や年齢により目的はさまざまなようですが

加工食品を食べることが多く 生野菜や果物を食べることが少ない

そんな現代の食生活の欠点を補うために
ビタミンやミネラルのサプリを利用する人も多く
なかには野菜サラダ代わりにサプリを飲んでいる人もいるとか

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<サプリは本当に効果があるのか?>

世間に出回っているサプリの広告では
心臓病や老化が防げるとか がんの発症を抑制できるとか
色々な効果が喧伝されています

しかし 実際のところ その効果は不明なのです

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サプリの服用が普通の食事より
健康によいことを証明した科学的根拠は
十分にあるわけではありません


抗酸化作用を有するビタミン ミネラルである
カロチン ビタミンE セレニウムなどのサプリは
動脈硬化の予防などに効果があると言われてきましたが

最近の研究で 心臓疾患への効果は全くないことが明らかになりました

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そればかりか
ビタミンEを過剰摂取すると 出血性脳卒中の発症率が高くなり

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喫煙者がカロチンを過剰摂取すると 肺がんの発症率が高くなることが
報告されています


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また マルチビタミンのサプリも
死亡率 慢性疾患の罹患率を下げる効果は全くないことが
明らかにされています


サプリメント信仰者には 気に入らないデータかもしれませんが

実は世間で言われているほど
ビタミンやミネラルのサプリの効果は芳しくないようです

むしろ最近では サプリ使用のリスクすら喚起されています

次回に詳しく説明します

 

 

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