左利き肝臓専門医ブログ

2017.09.28更新

食欲がどのように制御されているか 説明してきましたが


当院に来られる肥満や糖尿病の患者さんたちが よく言われるのが

食欲を減らす薬を下さい!

ということです

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肥満糖尿病の治療は ある意味で食欲との戦いですから 
その願いは切実です



そこで 食欲制御シリーズの最後に

脳の食欲制御部位に働きかけて食欲を制御する薬

について解説します


このタイプの薬は 残念ながら日本で使えるものはまだありませんが

アメリカやヨーロッパでは
何種類かの薬剤が実際に臨床の場で使用されていますから
参考までに その現状をご紹介します


@Lorcaserin

セロトニン受容体作動薬
視床下部のセロトニン受容体活性化を介して食欲を抑制します

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2012年にアメリカで承認され
*BMIが30以上の方
*糖尿病 高血圧 脂質異常症でBMIが27以上の方
が 治療の適応になります


@Phentermine

モノアミン賦活剤
GABA受容体拮抗作用を有する 抗てんかん薬のトピラマートとの合剤の形で
2012年にアメリカで承認されています

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体重が5%減少できる確率は70%と報告されています


@Bupropion

ノルアドレナリン ドパミンの再取り込み阻害薬で
抗うつ剤のオピオイド受容体拮抗薬・ナルトレキソンとの合剤の形で
2014年にアメリカで承認されました

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3.2~5.2%の体重減少効果を認め
体重が5%減少できる確率は50%と報告されています


さらに これらに加えて

*ノルアドレナリン ドパミンの再取り込み阻害作用を有する薬
*POMCニューロンを活性化する αMSH受容体を刺激する薬

などが 開発されています


しかし 

こうした食欲制御に関わる脳内の神経伝達物質を
活性化または抑制する作用機序の薬には
大きな副作用のリスクがあります

というのも

それらの神経伝達物質は 脳内で食欲の制御だけに関わるのでなく
他のさまざまな機能にも関わっているため

開発された薬剤が 食欲制御以外の多様な機能を有し
予期せぬ副作用を誘引する可能性があり
抑うつや自殺などの重大な副作用が起こりかねません

そのため 開発した薬の安全性を確かめる過程が
従来の薬に比べてはるかに大変です


そこで 異なる作用機序を有する複数の薬剤の合剤が開発されています

合剤化により 各薬剤の容量が減らせるので 副作用を減少できますし
薬効の相乗効果も期待できます



一方 食欲抑制作用を有する消化管ホルモン
食欲制御や肥満の薬剤として用いる試みが 盛んに行われています

たとえば 前回ご説明したように
GLP-1は食欲抑制作用を有していますが

その受容体を刺激するGLP-1アナログ(誘導体)のLiraglutide

アメリカでは 糖尿病治療薬としてだけでなく
肥満症治療薬としても用いられて FDAのお墨付きも得ています

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糖尿病に投与される量の約3倍量が投与されますが
4~6%の体重減少効果が報告されています


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ちなみに 当院でも
GLP-1アナログを用いて治療している糖尿病の患者さんが沢山おられますが

通常量の投与でも 多くの方々が食欲の減少を自覚され 体重も減る方が多い

で 糖尿病のコントロールが良くなって投与を中断すると
体重減少が滞る方もおられて

GLP-1アナログの食欲制御 体重減少効果を リアルに実感しています


さて 既にご説明したように

消化管ホルモンの多くは食欲抑制作用を有し
実際に腸脳相関系で脳に作用している生理活性物質なので

上述した薬剤とは異なり 重大な副作用のリスクも少なく

消化管ホルモンの誘導体 その受容体刺激剤は
食欲抑制薬 肥満症の治療薬として注目されています


特に 肥満症の患者さんでは

*通常みられるグレリンの食後の低下が減弱しているので
 その受容体GSH-Rの阻害剤を投与して
 グレリンの働きを抑え込もうとするとする試み

*PYYの血中レベルが低下しているので
 PYYの誘導体を投与して働きを高めようとする試み

などが 有力な候補として検討がすすめられています

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消化管ホルモンの多くは

*血中半減期が短かったり

*経口投与すると分解されてしまうので
 静脈注射しないと効果が出ない

といった
使い勝手の良い薬剤として使用するには 克服すべき問題もありますが

分解されにくい誘導体を作製したり
鼻粘膜から血中に直接移行する剤形にするといった工夫により
近い将来 なんとか食欲を上手に抑制できる薬ができて

食欲との闘いに悩める患者さんたちの
食欲制御という切なる願いがかなうことを 期待したいと思います

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2017.09.27更新

肥満なヒトでは 食欲の恒常性調節に異常が生じていて

生体内の栄養・エネルギーが充分な状態であっても
食欲が抑制されず 必要以上に食べてしまいます


どうしてそんなことになるかというと

@食欲制御を司る視床下部で 慢性炎症が起きているからです

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高脂肪食の摂取を続けたマウスでは
1週間程度で視床下部の弓状核に炎症反応が起きて

肝臓や骨格筋でインスリン抵抗性が起こるのと同様に
弓状核でレプチン抵抗性が早期から起きてきます

この現象には
肥満によって誘導される小胞体ストレスが深く関与していて
炎症を惹起するNFkBやSOCS3などの転写因子が
活性化 発現されることによります


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実際に 小胞体ストレスを緩和する物質が
レプチン抵抗性を改善することが報告されています

小胞体ストレスとは
細胞内でタンパク質の品質を管理する小胞体が機能不全を起こす現象で
それにより炎症や細胞死が生じてしまいます

この現象は さまざまな疾患の病態に関与していることが明らかとなり
とても注目されています

また稿を改めて詳しく説明しますので ご期待ください


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また 弓状核での炎症反応は
食欲抑制系のPOMC/CARTニューロンを減少させ
αMSHの分泌が低下して 食欲抑制が起こらなくなります

さらに 満腹中枢の室傍核へのシグナルに異変が起こり 食欲が促進し
腹内側核や外側核のシグナルに異変が起こり エネルギー消費量が減ります


こうした 肥満で生じる視床下部における慢性炎症は
動脈硬化巣や肥満の脂肪組織で見られる慢性炎症と類似しています

実際にヒトでも 肥満による視床下部の炎症が生じています



@肥満は食欲の恒常性調節のみならず 報酬系調節系に異常も惹起します

まず レプチン抵抗性が報酬系の腹側被蓋野・側坐核でも生じるので
レプチンによる報酬系調節系の抑制が効かなくなり
快楽を求める食欲がさらに亢進します


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さらに 肥満したヒトでは
腹側被蓋野・側坐核における ドパミン合成・分泌量が減少
ドパミン受容体の量や活性の低下も認められます

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こうしたことから 食欲に対する依存性が発生して
食べても快楽が得られない 満足できないので
さらにたくさん食べてしまうという悪循環な状況になります



@肥満になると 迷走神経の変化も認められます

高脂肪食を続けて肥満になると
レプチンだけでなく
食欲抑制性の消化管ホルモンのCCKに対する反応性も低下します

また 糖尿病では合併症として自律神経障害を認めますが
それにより 迷走神経を介した消化管ペプチドの情報伝達が上手くいかず
過食などの摂食調節異常につながっている可能性もあります

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肥満による腸内細菌叢の変化も 迷走神経の変化に影響を及ぼします

腸内細菌叢変化による炎症惹起性のLPS産生の増加が
SOSC3発現を誘導してレプチン抵抗性を導き
腸管に炎症を惹起して 炎症が迷走神経や視床下部に広がっていきます


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このように 肥満になると

*視床下部・弓状核で慢性炎症が生じ 食欲の恒常性調節に異常をきたし

*腹側被蓋野・側坐核でドパミンの量・活性の低下が起こり 
 快楽を求める食欲が増し

*迷走神経にも異常をきたし 消化管ホルモンによる食欲抑制が効かなくなる

その結果 さらに食欲が増して 肥満が進んでしまいます


まさに悪循環で なんともおそろしいことです

肥満の恐ろしさを 新たな視点から 再認識させられます



2017.09.26更新

食欲の恒常性調節系には 消化管ホルモンも影響を及ぼします

消化管ホルモンの仲間には
胃 小腸 大腸などの消化管で 食物の刺激などで分泌される
さまざまな種類の 多彩な機能を発揮するホルモンが含まれています

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過敏性胃腸障害シリーズで 腸脳相関をご紹介しましたが
腸脳相関は 食欲の制御にも関わっています


脳幹にある孤束核には
腹部内臓などからの情報が届き それを視床下部に伝達することで
食欲の恒常性調節系に情報を提供します

孤束核に届く情報には

*消化管からの迷走神経による情報

*脳神経からの味覚情報

*胃の伸展刺激情報

*肝臓のグルコースセンサーからの代謝情報

などがありますが

消化管から分泌される消化管ホルモンも 大きな情報源になります


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消化管から孤束核に達する迷走神経には
消化管ホルモン受容体が存在し その刺激を孤束核に伝えます


では 食欲に影響する代表的な消化管ホルモンをご紹介します


@グレリン

胃で分泌され 空腹時に多く分泌され 食後に分泌は低下します

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消化管ホルモンのなかで 唯一 食欲促進作用を有していて
健康な人にグレリンを静脈注射すると 食物摂取量が30%も増加します

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孤束核から弓状核に情報が伝わり

食欲促進系のNPY/AgRPニューロンの活性化
抑制系のPOMC/CARTニューロンの抑制により
食欲が促進されます

また 報酬系調節系も活性化されます

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一方 食欲抑制作用を有するレプチン
食欲抑制性消化管ホルモン(CCK GLP-1など)と拮抗します

特に 早食いをすると
早期からCCK GLP-1などの分泌が起こりますが

その時点では まだグレリンの分泌低下が起こっていないので
CCK GLP-1の食欲抑制効果がグレリンにより打ち消されてしまい
過食につながります

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早食いはやめましょう の理論的裏付けです


興味深いことに
グレリンの食後の分泌低下は肥満なヒトでは認められず
病的な肥満の病態に関与している可能性が示唆されています


@コレシストキニン(CCK)

十二指腸内に アミノ酸 脂肪酸が流れ込むことによって
十二指腸 小腸上部からの分泌が促進され

胆嚢を収縮させ 胆汁排出を促進する
膵臓に作用して 消化酵素の分泌を促進する

といった作用により タンパク質や脂質の消化を手助けします


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約30年前 食欲抑制作用が報告された 初めての消化管ホルモンで
レプチンとの相乗的な食欲抑制作用も認められます


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GLP-1

小腸におけるグルコース 食物繊維 ω3系脂肪酸などの存在が刺激になり
小腸や大腸 特に直腸でL細胞により分泌されます

糖尿病治療薬の項で解説したように

*インスリン分泌促進
*β細胞増殖促進
*グルカゴン分泌抑制

といった作用を有する新たな糖尿病治療薬として 
現在 臨床の場で多用されていますが

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高濃度のGLP-1は食欲抑制作用を有し
 その効果が注目されています


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GLP-1の受容体は 視床下部や孤束核にも発現していて
食欲促進ニューロンのNPY/AgRPニューロンを抑制し
食欲抑制ニューロンのPOMC/CARTニューロンを活性化します

GLP-1の食欲抑制作用については またあとで詳しく解説します


@PYY

小腸や大腸 特に直腸で GLP-1を産生するL細胞から分泌されます

食後に分泌が増加し 逆に空腹時には分泌は低下するホルモンで
胃の運動 膵液の分泌を抑制します

弓状核での
食欲促進系のNPY/AgRPニューロンの抑制
抑制系のPOMC/CARTニューロンの活性化により
食欲が抑制されます

食欲抑制効果は GLP-1との協調作用も認められています

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肥満したヒトでは
空腹時 食後のPYY分泌が低下しているとの報告があり
肥満の病態への関与が示唆されています

また 体脂肪が減少するとPYYの分泌が増加することから
PYYを肥満したヒトへの食欲抑制薬として用いる試みもなされています




最後に 興味深い情報をひとつご紹介します

肥満の治療に 胃を縮小させる外科手術が行われること を紹介しましたが

なんと 
その手術の2日後に 血中のGLP-1とPYYが上昇してきて 数か月持続します

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この食欲抑制性の消化管ホルモンの増加が
手術後の体重減少に関与すると考えられていて

しかも上昇しているGLP-1とPYYの効果が相乗的に見られるため
より強力に食欲を低下させます

こうした手術前には予見されていなかった事実は
食欲制御における消化管ホルモンの重要性を改めて示唆するものと
考えられています


消化管ホルモンと食欲制御との少し複雑な関係を 
イメージしていただけたでしょうか?


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あとで詳しく解説しますが 今日ご紹介した消化管ホルモンは
食欲をコントロールする薬剤の有力な候補として 注目されています



2017.09.21更新

ドパミンは 中枢神経系に存在する神経伝達物質で
交感神経系のホルモンのアドレナリン ノルアドレナリンの前駆体でもあり
運動調節 ホルモン調節 快の感情 意欲 学習に関わる脳内物質です

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前回紹介した 
中脳腹側被蓋野と大脳基底核の側坐核が司る食欲の報酬系調節系
このドパミンが仕切っています

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そして 厄介な依存性が生じる機序にも ドパミンは深く関わっています

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報酬系調節系の基本は
中脳腹側被蓋野で ドパミンが合成されて
それが側坐核へ投射されることです

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側坐核がドパミンを受取ることが 快楽の中心となりますが

側坐核は受け取ったドパミンを放出して
前頭連合野 扁桃体 帯状回 視床下部 海馬などの脳の部位に
情報を伝えます

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報酬系調節系のドパミンシグナルには さまざまな物質が影響を与えます

大脳皮質の前頭連合野で喜ばしい体験・経験を感じると
中脳腹側被蓋野に興奮性のグルタミン酸を送り ドパミンを作らせます

アルコール ニコチン コカイン アンフェタミンなどは
ドパミンの産生や作用を増強させますが

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食欲抑制作用があるレプチンは ドパミンニューロンを抑制します

レプチンの受容体は中脳腹側被蓋野にも多く発現していて
レプチン刺激により ドパミン放出量が減って 側坐核のドパミン濃度が減り
快楽は抑制されます

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摂食中枢の食欲促進系のオレキシンニューロン
中脳腹側被蓋野のドパミンニューロンを活性化しますが

摂食中枢のもう1種類の食欲促進系ニューロンのMCH
逆に側坐核のドパミン系を抑制し
オレキシンによるドパミンニューロン活性化も抑制します

恒常性調節系による快楽系の制御機構は複雑です



さて 厄介な依存性の発生には ドパミンの枯渇が関与しています

過剰な快感・快楽刺激が持続すると
ドパミン受容体の減少 ドパミンシグナル強度の低下が起こり
ドパミンによる側坐核への報酬刺激が減弱してしまいます

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このため
以前と同じ報酬を得るためには より多くのドパミン分泌が必要になり
よりたくさん食べないといけなくなります

こうして 依存性が形成されてしまいます

ちなみに 食欲の依存性は 薬物のそれを凌駕するもので
ラットの実験では 薬物依存は3日で消失しますが
食欲依存は2週間たっても残存します

恐ろしいものです



一方 肥満したヒトでは
ドパミンの放出や ドパミン受容体発現が 低下しています

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中脳腹側被蓋野から側坐核に放出されるドパミン量が少ないので
摂食終了後も なかなか快感・満足感が得られず
その結果 よりたくさん食べるようになってしまいます

肥満のヒトは まさに食欲依存性になっているわけですね



また 食事内容も 報酬系調節系に影響を及ぼします

ジャンクフードや高脂肪食を食べていると
報酬系におけるドパミン合成・分泌が低下してしまい

食べても満足が得られない まさに依存性の状態になり
ますます ジャンクフードや高脂肪食を食べ続けることになります


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以前 砂糖に対する習慣性・依存性を紹介しましたが
砂糖の常習的な過剰摂取でも
同じような報酬系の変化が起きているのかもしれません


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逆に 健康的な食事は 報酬系を鍛えるとされています

減量プログラムで半年間 健康で低カロリーな食品を食べ続けた人は
報酬系領域でのドパミン合成・分泌が増えて
ヘルシーな食品を食べたときの報酬が増加し 喜びを示すようになりました

それと同時に 不健康な高カロリー食品への報酬は低下したそうです

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ジャンクフードや高脂肪食の
何がどのように 報酬系でのドパミン合成・分泌を低下させ

健康で低カロリーな食品の
何がどのように 報酬系でのドパミン合成・分泌を低下させるのか

とても興味深いところです



2017.09.20更新

これまで説明してきたように
生物の食欲は 生命維持のために起こってくるもので

体内の栄養・エネルギーレベルにより規定され
視床下部・脳幹で制御されます

これを 恒常性(ホメオスタシス)・メタボリックハンガー調節系 と呼びます


しかし ヒトは他の生物と異なり
恒常性調節系とは別の食欲調節系を有しています

栄養・エネルギーレベルでなく 食の快楽・欲求により規定され
本能的な恒常性調節系を凌駕してしまう調節系

それが 報酬系(快楽性)・ヘドニック調節系です

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この独特の調節系を理解するために
まず脳内で快感を得る 報酬系 というシステムについて説明します

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報酬系は 快楽中枢と呼ばれ

何かをしたい という欲求刺激の増加により ポジティブな情動が生起され
その行動が維持され さらに増加していく現象を司ります

ある行動を行うことにより 欲求が満たされると
ヒトの脳内には 快楽が発生します

この 行動により快楽が発生する現象は 報酬を得る と表現されます

だから 報酬系


そして この快楽により
ヒトはもっと その行動をしたいと欲するようになります

こうなると 快楽を求める欲求は 意志の力を超えてしまいます
報酬を得る行動は 意志の力では止められなくなってしまう


そして 依存性が生じてきます

ある行動をすると報酬が得られることが続くと
ヒトはもう その行動をすることでは
快楽を得ることが できなくなってしまいます

飽きてしまうのです


そこで 快楽を得るために
もっと激しい行動をするようになる

これが 依存性の発生です

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快楽を得るための報酬系の活動 そして依存性の発生は

薬物依存などで起こりますが 食欲でも起こるのです

報酬系の活動により
恒常性調節を超え 体内の栄養・エネルギー状態を無視して
ひとえに快楽を得るために
もっと食べたいと思うようになってしまう

そして 食べて快楽を得ることに依存性が生じて
さらにもっとたくさんのものを食べるように
エスカレートしてしまう

恐ろしいことです


この報酬系は

中脳・腹側被蓋野 と

大脳基底核の側坐核 が司ります

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簡単に説明すると

中脳・腹側被蓋野ドパミンという脳内神経伝達物質が合成され

それが側坐核に投射され 側坐核がドパミンを放出することで
報酬系の活動が起こってきます


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このシステムの詳細は 次回説明しますが

報酬系の基点となる腹側被蓋野には

恒常性調節系を司る視床下部の弓状核・外側野・室傍核などから
POMC AgPY オレキシン MCH CARTなどのニューロンが投射され

恒常性調節系が 報酬系調節系の制御に関わっているのが興味深い点です

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食欲が 恒常性と報酬系の二本立ての調節系で制御されているのは
ヒトに特有の現象ですが

より本能的でプリミティブな恒常性調節系が
ある意味で本能を凌駕している報酬系調節系を
どうして制御しているのでしょう?

食欲の制御を報酬系調節系だけに任せていては
危ないからではないでしょうか?


上述したように 報酬系では行動に飽きが生じます

この飽きを克服する形で さらなる食の欲求が起こり
依存性が発生しますが

報酬系に不具合が生じて 依存性が発生せず
さらに食べたいという欲求が生じず 食べることに飽きてしまったら
生命活動を維持できなくなります

そこで そんなリスクを有する報酬系を独り歩きさせないように
恒常性調節系が報酬系調節系に働きかける
そんなシステムが出来たのではないでしょうか?


ヒト特有の報酬系調節系というシステムは
他の生物も共有する本能的な恒常性調節系からすると理解不能で

ときに 本能の恒常性調節系を無視した過食行動をとらせる厄介なもので

だからこそ 報酬系調節系を独り歩きさせてはいけないと
ヒトのなかに潜む生物学的な本能が
恒常性調節系に報酬系調節系を監視させている?

恒常性調節系と報酬系調節系の関係 
そんな具合に深読みすると 意外に面白いかも?(笑)



2017.09.19更新

レプチンは 食欲を抑制するので

肥満のヒトにレプチンを投与すれば痩せられる!

レプチンが発見されたとき 大騒ぎになって
大手製薬会社は レプチンの発見者に
大きな研究所が建てられるくらいの大金を払って その権利を買ったそうです

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ところが その目論見は あっという間に崩れてしまいました

だって 

肥満のヒトの血中レプチンを測定してみたら
やせている人よりも はるかに高かったのです!

下の棒グラフ 左の3本が男性 右の3本が女性で
黒が肥満 濃いグレーがやや肥満 薄グレーが肥満でない人

体重が増えるにつれて 血中レプチン値が高くなっています 

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やせさせるためにレプチンを投与しても それでは意味がない!(苦笑)

まあ レプチンは脂肪細胞から分泌される物質なので
脂肪たっぷりのおデブちゃんの血中にレプチンが沢山存在するのは
当たり前といえば当たり前ですが


では どうしておデブの血中にたくさんあるレプチンは
食欲を抑えて 代謝を亢進させて 痩せさせてくれないのでしょう?


そういえば 似たような話を
このブログで以前に読んだことはありませんか?

糖尿病の患者さんの一部では
インスリンがたくさん分泌しているのに 血糖が下がらない

だって インスリン抵抗性 になっているから


はい それと同じで

肥満のヒトは
レプチンがいくら沢山あっても 食欲は抑制されません

だって レプチン抵抗性になっているから

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レプチン抵抗性


肥満で脂肪細胞がレプチンを分泌し続けたり
高脂肪食を食べ続けたりすると

レプチンがあっても その作用は見られなくなります

食欲制御に関係する脳の部位では
弓状核にいちばん早く
レプチン抵抗性が見られるようになるそうです


前回説明したように レプチンは
食欲制御に関係する脳のさまざまな部位に作用して
食欲を低下させ 代謝を活発化させ 
快楽をともなう食欲だって 低下させるのに

残念なことに
おデブさんはレプチンをたくさん持っているのに
そうした効果は全く認められないのです


インスリン抵抗性といい レプチン抵抗性といい
ホントにデブの体は めんどうくさくて厄介なことになっていて
困ったものです(苦笑)

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で どうしてレプチン抵抗性が起こってくるのか?

インスリン抵抗性と比べると
その詳細なメカニズムはわかっていませんが

肥満なヒトでは

*レプチンが血液と脳を隔てる脳脊髄関門をうまく通過できないので
 血中には沢山あっても 脳で働くレプチンは少ない

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*視床下部でレプチン受容体を発現する細胞において
 細胞内から細胞表面へのレプチン受容体の移動が上手くいかず
 レプチンの刺激が細胞内に伝わらない

*同上の細胞において
 受容体の細胞内部分におけるシグナル伝達が
 SOCS3 PTP1bなどの抑制因子により過剰に抑制されるため
 レプチンの働きが阻害される

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*視床下部で 過剰な脂肪酸による脂質毒性や過剰な栄養により
 小胞体ストレスが生じて それが慢性炎症を誘導してしまう

*視床下部で慢性炎症が生じると
 受容体の細胞内部分におけるシグナル伝達が抑制され
 さらに弓状核でのニューロンが減少してしまう

といった いくつかの原因が想定されています


インスリン抵抗性で見られたように
受容体から核に至る細胞内情報伝達に障害が起きている可能性があり

それに加えて
肥満によって誘導される脳内の慢性炎症が関わっている
と推測されています


こうしたレプチン抵抗性を誘導する機序が解明され
その状態を改善する手立てが見つかれば
肥満状態でもレプチンが機能できるようになり 

まさに 当初の目論みどおり
レプチンが夢の抗肥満薬として活躍できる日が来るかもしれません



2017.09.14更新

視床下部の弓状核が 
食欲制御の第一次中枢として
体内の栄養・エネルギー状態を感知して 食欲促進 抑制ニューロンを働かせ

その情報が
第二次中枢である 摂食中枢 満腹中枢に伝わり

そこからさらに 脳全体に情報が伝えられて 食欲が制御される

こうした機序を説明してきました

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全体像がなんとなくつかめた感じがしてきたところで
レプチンと食欲制御との関わりについて まとめておきましょう


レプチンは 食欲を抑制する働きを有する物質であることを 説明しました


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また 脂肪細胞から分泌されるレプチン
体内の脂質エネルギー状態を反映して
長い時間スパンでの食欲制御に関わることも 説明しました


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具体的には

栄養・エネルギーセンサーの弓状核や 
摂食中枢 満腹中枢の働きが
レプチンにより制御されることも 説明しました


でも それぞれの説明のなかで断片的に出てきただけなので
レプチンがどのようにして食欲制御に関わっているか
なんとなく消化不良になっているかと思います


レプチンという言葉の語源は ギリシャ語の痩せる・leptosと言われています

その名のとおり レプチンには

視床下部に作用して食欲を抑制して
エネルギー代謝を促進し 脂肪細胞を縮小させて体重を減らす作用

があります

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ですから 1994年にレプチンが発見されたとき
夢のやせ薬がついに見つかった!? と大騒ぎになりました

しかし残念ながら そうは問屋が卸さなかった
そのてん末については 稿を改めて説明することとします


さて レプチンの受容体は 脳内の様々な部位に発現していますが 

特に発現の程度が強いのは

*視床下部の 弓状核 満腹中枢 摂食中枢
*室傍核 腹側被蓋野

といった食欲制御に関わる部位であることがわかりました


では 具体的にレプチンがどのように作用しているかというと

弓状核への作用は 全体の作用の50%ほどと見做されていて

*食欲促進系のNPY /AgRP/GABAニューロンのNPY産生を抑制する
*食欲抑制系のPOMC/CARTニューロンを活性化する

ことにより 食欲を抑制します


また脳の他の部位にも 残りの50%ほどの力で作用し

*摂食中枢に作用して
 食欲促進系のオレキシンニューロンを抑制して 食欲を抑制する

*満腹中枢のTRHニューロンを刺激して
 甲状腺ホルモンの合成を促し 代謝を活性化して体重を減らす

*腹側被蓋野・側坐核の報酬系のニューロンを抑制して
 快楽による食欲を抑制する

といった働きにより 食欲を抑制し 代謝を活発化させます

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このように 

レプチンは さまざまな機序により 食欲を抑制していること

が明らかにされました


では そんな働きを有するレプチンの
ヒトの体にとっての存在意義は なんなのでしょう?


その後の研究により

レプチンがあることで食欲が抑制されることよりも

レプチンがないことで飢餓感を感じて食欲が増すこと 

の方が 
生物学的には重要ではないか? と考えられています


次回に説明する 肥満のヒトで認められるレプチン抵抗性という現象
そうした考え方が起こるに至った大きな原因のひとつですが

人類の祖先は 食糧難の環境に生きていましたから
常にエネルギーを得るために お腹が減った飢餓状態だった

当然 肥満のヒトは少なく体脂肪も少ないので
レプチンも産生されず 食欲はいつも全開状態だった

だから 体は
レプチンがある状態より レプチンがない状態に親しみがある
と解釈するのが妥当と考えられているのです


またしても ご先祖様が作られた体質には逆らえません ということ?(笑)


ちなみに
痩せてレプチンが低下すると 食欲は増しますが 性腺機能は低下するそうで

これは
低栄養状態で生殖行動を起こすと 妊娠維持に支障がきたす恐れがあるので
そうしたことが起きないようにするための 合目的的現象とされています

うーん 人の体の仕組み・反応は 深いですね!


次回は

レプチンが多く存在して食欲を抑制することに 
なぜ意義が見出せていないのか?

について説明します


 

2017.09.13更新

エネルギーセンサーとして 体内の栄養状態の情報を得て
食欲制御活動をスタートさせた弓状核からは

前回 説明した 食欲促進系 抑制系ニューロンを介して

主に 視床下部の別の部位にある

*外側野

*室傍核

に情報が伝わります


外側野は 摂食中枢として 食欲促進活動を牛耳り

室傍核は 満腹中枢として 食欲抑制活動を取り仕切ります


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そして これらの部位から さらに脳の他の部位に情報が伝わるので
二次ニューロン と呼ばれています


<外側野・摂食中枢>

食欲を亢進させる

*MCH・ニューロン

*オレキシン・ニューロン

という

MCH オレキシンというペプチドホルモンをそれぞれ産生し
他の部位に情報を伝えるニューロンが存在します


前回 説明した 

弓状核の
亢進系ニューロン・NPY/AgRPニューロン
抑制系ニューロン・POMC/CARTニューロンから
それぞれ情報を受け相反的に調節されます

また グルコース レプチンにより抑制されます

エネルギー状態が良いと
摂食中枢が抑制されて食欲が低下するのは 合目的的ですね!



appet44


一方

見る 匂う 音 などの感覚系から得た情報を統合的に判断する部位の
大脳辺縁系の扁桃体から情報が入り
そうした感覚が 食欲亢進に影響を及ぼしていると考えられます


つまり 摂食中枢は

栄養状態の情報と 感覚系の情報を統合して

適切な食行動を起こすために 
脳の各部に情報を送る役目をしているのです

appet42


@MCH

食欲亢進に大きな役割を果たし
代謝を下げて 体重を増やす作用がある
ペプチドホルモンです

報酬系の側坐核 外側中隔に情報を伝え
食欲に関わる感情や行動にダイレクトに関与している可能性があります


@オレキシン

意識の覚醒の維持 に関わるホルモンで
脳幹部のモノアミン作動性ニューロンに情報を伝えますが

飢餓時に 覚醒レベルを上げて 食欲を促進させる働きがあります

このホルモンの働きのおかげで
ヒトはエネルギー補給をしないといけない状況下では しっかり覚醒し
モノを食べることが出来るのです

寝ながら食べるわけには いきませんからね(笑)


また 感情をつかさどる辺縁系から 豊富な入力があり
さらに食物認知などの感覚系からの情報入り 
総合的に 食欲を亢進させます

さらに 腹側被蓋野に情報を伝え 報酬系の制御にも関わっています



<室傍核・満腹中枢>

食欲を抑制する

*CRH・ニューロン

*オキシトシン・ニューロン

が 存在します

appet43


弓状核から情報を受けますが
上述の摂食中枢の外側野からも 情報が入ります


@CRH

弓状核からのαMSHの作用により 食欲を抑制しますが
食欲促進作用がある弓状核からのNPYにより その働きは抑制されます

ストレスにより発現が誘導され
下垂体前葉に作用してACTHを分泌させ 副腎皮質刺激ホルモンを放出させます


@オキシトシン

弓状核からのαMSHの作用を受け
孤束核に情報を伝えて 食欲を抑制します

報酬系の制御にも関わっています

また 下垂体後葉にも情報を伝え 各種のホルモンを分泌させます


appet41

さて 興味深いことに

満腹中枢は 交感神経系 甲状腺ホルモンとの関係が深く
それらを介して生体内の代謝反応を亢進させる方向に働きます

特に 
甲状腺刺激ホルモン(TSH)を分泌させるTRHを産生するニューロンを有し
甲状腺の働きを活性化させますが

これはレプチンにより合成・分泌が促進されることから
レプチンは甲状腺ホルモンを介して 
代謝を促進し 体重を減らすことが示されました


このように 満腹中枢は 食欲を抑制するだけでなく
交感神経系や甲状腺を活性化させて 生体内の代謝を亢進させます

しっかり食べて栄養素が体内に充分に入り満腹な状態になると
今度は それらを存分に利用・活用するために
代謝反応を亢進させるのでしょう

ヒトの体は ホントに巧妙で合目的的な調節機構が備わっているものです

 

2017.09.12更新

前回 説明したように

視床下部にある弓状核
体内のエネルギー状態をモニターするセンサー として働いており

血中の グルコース レプチン の値によって その働きが制御されます


また 同じ視床下部の別の部位にある

*1日24時間の慨日リズムを形成する部位や
*体温調節をつかさどる部位

からも それぞれ情報を受けます


弓状核は こうした情報を統合して
いよいよ脳内における食欲の制御を開始します



appet21


弓状核には

*食欲を亢進させるニューロン

*食欲を抑制するニューロン

が それぞれ別個に存在していて

(ニューロンとは 脳のなかに存在する 情報を伝達する神経細胞です)

それらの働きにより
脳内における複雑で込み入った食欲制御がスタートされます


今日は それらについて 少し詳しく説明します


<食欲を亢進させるNPY/AgRP/GABA ニューロン>

亢進させるニューロンは NPY/AgRP/GABA ニューロン と呼ばれ

ニューロンの末端から

*NPY
*AgRP
*GABA

という3種類の神経伝達物質を分泌して 他のニューロンに情報を伝えます

このニューロンは絶食状態で強く活性化され
消化管から分泌されるグレリンによっても活性化されて
食欲を亢進させますが

食後は グルコース・インスリン により抑制され
レプチン によっても抑制されます

appet32

@NPY

室傍核 外側野に情報を送り
摂食頻度や摂食量に関与して 食欲を亢進させます


@AgRP

AgRPも強く食欲を亢進しますが
後述する食欲を抑制するPOMC/CARTニューロンを抑制します

しかし 食物を摂取した途端に 速やかに抑制されます


@GABA

NPYやAgRPのように 直接的に食欲を亢進させるのではなく
POMC/CARTニューロンや 視床下部の外側野・脚傍核にある
食欲を抑制するニューロンを抑制することで  間接的に食欲を亢進させます


このように
単純に食欲のアクセルを踏むだけでなく

食欲のブレーキをかけさせないようにして 結果的に食欲を亢進させたりする

なかなか複雑です

どうして こんなまどろっこしいことをしているのでしょうね?(笑)

appet31



<食欲を抑制するPOMC/CARTニューロン>

一方 食欲を抑制するニューロンは POMC/CARTニューロン と呼ばれ

ニューロンの末端から

*POMCの一部が切れたαMSH
*CART

という2種類の神経伝達物質を分泌して 他のニューロンに情報を伝えます

レプチンで強く活性化されるのが特徴です


@αMSH

報酬系の孤束核 摂食中枢の外側核などに情報を伝えて 食欲を抑制し
骨格筋での糖利用 脂肪組織での脂肪分解を促進して
エネルギー消費を亢進させます

αMSHの受容体が機能しないマウスは 食欲がとまらず 肥満になります


@CART

報酬系の腹側被蓋野 側座核に情報を伝えて
快楽による食欲の制御に関わるとともに

室傍核 扁桃体 小脳脚傍核 孤束核を活性化することで
ストレスによる食欲減退にも関わります


このように 弓状核は
体内のエネルギーレベルを最初にキャッチして
食欲の制御をスタートさせる まさにセンサーとして機能していて

脳の他の部位に情報を伝えることで 食欲の制御活動をスタートさせます

食欲を亢進させるか 抑制するかは
グルコース レプチンの動態により規定され

appet33

内部に有する 亢進系 抑制系のニューロンそれぞれが
グルコース レプチンにより 活性化されたり抑制されたりしますし

それぞれが相互に抑制しあうシステムもあって なかなか複雑です

 

 

2017.09.07更新

脳で 実際にどのように食欲が起こっているか?

食欲の促進 抑制には 脳の複数の部位が関与します

その主だったものを紹介します


<栄養・エネルギーセンサーとしての 視床下部・弓状核>

前回ご紹介した
食欲の起動源である体内の栄養・エネルギー状態を感知するセンサー

視床下部の 弓状核 という部位です


appet21

弓状核は 体内におけるグルコースレプチンの動態の情報を得ます

その情報に基づき
さまざまな種類の物質を放出するニューロンを駆使して
脳の他の部位に情報を伝えて 食欲 摂食行動を制御します

いわば 食欲制御の出発点となる部位です



<栄養情報の中継基地としての 視床下部の摂食中枢・満腹中枢>

栄養センサーである弓状核から得た情報を
さらに 脳の他の部位に伝達する中継基地のような部位が

視床下部の

*外側野
*室傍核
*腹内側核

の3つの部分で

appet22


外側野は 摂食中枢として

室傍核は 満腹中枢として

appet23


それぞれ機能して 他の部位への情報伝達を介して
食欲を実質的に促進または抑制します


<胃や腸からの情報センサーとしての 脳幹部の孤束核 脚傍核>

一方 視床下部よりさらに下の方にある脳幹部には

sishonokan

孤束核 脚傍核 という部位があり 

胃や腸から
食べ物で胃が膨らんだよ とか 腸で消化を始めたよ
といった情報が届き

これらの情報は視床下部や大脳皮質に伝えられ 食欲に影響を及ぼします


<快楽としての食欲に関わる 報酬系の側坐核・腹側被蓋野>

脳幹部には もうひとつ食欲制御に関わる重要な部位があります
それが 腹側被蓋野 です

また 大脳基底核という脳の別のところには 側坐核 という部位があり

この側坐核と腹側被蓋野が 快楽としての食欲に関わる報酬系パートです

appet24

報酬系には
摂食中枢の視床下部外側野などから さまざまな種類の情報が伝わり

エネルギーを得るために食べる という動物の本能を越えた
ヒト特有の快楽としての食欲が制御されています


<食欲に影響を及ぼす 大脳皮質>

食欲は 食物の見た目 匂い 味わいなどにも影響されますが
そうした感覚は大脳皮質で得られ

その情報が基底核の扁桃核に送られ評価され
その評価が報酬系の側坐核に送られて
食欲に影響を及ぼします

appet25


一方 ヒトで特異的に発達している大脳皮質の前頭前野からは
本能を律して 社会的に正しい形で 摂食行動をとらせる情報が
食欲を制御する部位に伝わっています

appet25a



脳で食欲がどのように起こっているか イメージすることができましたか?

次回から少しオタクに
上述したそれぞれの部位で 具体的にどのような情報伝達がなされ
食欲が促進・抑制されているかを 説明します



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