左利き肝臓専門医ブログ

2016.07.28更新

食物から得られた糖質グルコース

ミトコンドリアのエネルギー産生プラントに入る前に 
まず解糖系で処理されます

ktk0


ヒトの細胞の祖先がミトコンドリアと共生したことを説明しましたが

解糖系は 

地球上に酸素がない環境で生きていたヒトの細胞の祖先が
ミトコンドリアと共生する以前から使用しているシステムで

嫌気性エネルギー産生システムと呼ばれます

しかし 酸素を利用しないため エネルギー産生効率が悪い

ヒトの細胞の祖先は この自らの低エネルギー産生性を克服するため
ミトコンドリアとの共生の道を選んだと考えられています



さて 細胞の内部の細胞質と呼ばれる空間

ミトコンドリアや小胞体などの細胞内小器官が存在している空間ですが
そこで 解糖系は働いています


ktk1


食物中の炭水化物が消化され吸収されたグルコース
細胞の中に取り込まれて

細胞質で 
解糖系の連続した酵素反応により 処理されてゆきます

10数種類の酵素が関与する連続反応により
グルコースに含まれる結合エネルギーが ATPに変換され

最終的には 1分子のグルコースから

*2つのピルビン酸

*2つのNADH(電子の運搬体)
*2つのATP(エネルギー)

が産生されます

ktk2

この反応系で 1分子のグルコースから得られるATPは わずか2分子

確かに効率は良くありません


しかし 解糖系で産生されるピルビン酸が重要で

ピルビン酸が 次のステップの
ミトコンドリア酸素を用いて行われるTCA回路
の材料となります

また NADHも TCA回路に連続する 
酸化的リン酸化反応である電子伝達系において
電子の運搬体として重要な役割を果たします

ktk3


つまり 解糖系の働きがなければ
ミトコンドリアのエネルギー産生プラントは働かないわけで

エネルギー産生プラントで利用される材料を作る前段階として 
重要な働きをしています




また 酸素を利用せずにエネルギーを作れるということは

ヒトの細胞が 急にエネルギーが必要になったとき
無酸素の状況下でも 瞬時にエネルギーを作り得るということで 
即時系のATP合成系として役立つのです

さらに 解糖系でのATP合成は 
ミトコンドリアでのATP 合成の約100倍の速度を持つため

そうした理由からも 瞬時のエネルギー供給が可能になります


ktk4


但し 解糖系で作られたエネルギーは 
短距離走などの無酸素運動では使えますが

エネルギー産生量が少ないので 
長距離走などの有酸素運動には 貢献できません



さて 解糖系でピルビン酸ができて

酸素が充分に存在すれば 
ピルビン酸はミトコンドリアのTCA回路に入っていきますが

酸素が充分に存在しないと
ピルビン酸は 乳酸に変換されます

ktk5


また 酸素が充分に存在していても 
過剰な運動などにより
ミトコンドリアのエネルギー産生能力を超えたエネルギーが
必要になった場合は

解糖系によるエネルギー合成が過剰に活発になり

ミトコンドリアで処理しきれないほどの量のピルビン酸が生成され
その場合も 
ピルビン酸は乳酸に変換されます

過激な運動が続いたり 無酸素運動が続いた場合は
このような機序で筋肉内に乳酸がたまるので 疲労を感じるわけです


しかし 乳酸は血中に出て肝臓に運ばれ
再びピルビン酸に変換され グルコースが作られます

ktk6


この反応系は コリ回路と呼ばれ 
体内で糖質・グルコースが作られる糖新生という現象です

また詳しく説明しますが 
体内では 糖は分解されるだけでなく 必要に応じて作られてもいます



ちなみに ちょっと話が脱線して恐縮ですが
左利きの書き手としては 
この文脈でのコメントを忘れてはならないことがありまして

解糖系でピルビン酸ができて そこに酸素がないと
ヒトの細胞では乳酸ができますが

そこに酵母が存在していたら アルコール発酵が起きて
お酒(エタノール)が出来てくるのですよ

ブドウや麦やお米から 
酵母の力で 
ワインやビールや日本酒ができてくる過程は
 

まさに解糖系なのです!


ktk7


あ どうも失礼しました
つい 左利きの血が騒いでしまい、、、(苦笑)


ということで 栄養素の代謝によるエネルギー産生は
まず細胞質で行われる 酸素を使わない解糖系によって開始され

次のステップである 
ミトコンドリアでの酸素を使った反応に引き継がれていきます


次回は 
ミトコンドリアでの反応の第1段階である TCA回路の説明をします



2016.07.27更新

ミトコンドリアが独自のDNAを有していることを紹介しましたが

そうした事実から

ミトコンドリアは かつては独立した生物で 
進化の過程で 核を有するヒトの細胞の祖先と共生するようになった

と考えられています

いわば ミトコンドリアは ヒトの細胞のパートナーなのです


細胞の中に核を有する生物を 真核生物
核を有さない生物を 原核生物

と呼びますが


shinkakugenkaku


ミトコンドリアの祖先は 
原核生物の大腸菌やヘリコバクタなどの仲間の真正細菌
アルファプロテオバクテリアという細菌と考えられています

このアルファプロテオバクテリアが生きていた頃に
地球上には木々が生い茂るようになり
木々の葉緑素が炭酸ガスを酸素に変えることで
地球上に酸素が豊富に存在する環境ができてきました

やがてアルファプロテオバクテリアは
現在のヒトの細胞の中にあるミトコンドリアと同じように

酸素と栄養素を利用して
エネルギーのATPを作るシステムを持つようになりました

mt O2 eiyou



この酸素を用いるエネルギー産生システム
それまで主流として生きてきた原核生物が有していた
酸素を使わないエネルギー産生システムに比べて

はるかに効率よくエネルギーを産生できるため

ミトコンドリアを有する原核生物が どんどん繁殖するようになりました



しかし ミトコンドリアを有する細菌は 大きな問題を抱えていました

それは 酸素を利用すると どうしても活性酸素が生まれてきて
それによりDNAが傷つけられてしまうのです


mtkattseisanso1


どうして酸素を利用したエネルギー産生過程で活性酸素が生じるか
活性酸素がどうしてDNAなどを傷つけるか
については 稿を改めて詳しく説明しますが

ポイントは 
せっかく効率よいエネルギー産生システムを得た真正細菌も

エネルギー産生過程で 自らのなかに活性酸素が生まれてしまい
遺伝情報のDNAが傷つけられるという 
致命的な欠陥を有していた ということです

kattseisannsodamage


そこで 酸素を使ってエネルギー産生する細菌

ヒトの細胞の祖先と考えられている
核を有する 酸素を使わない生物(真核細胞)に 
共生するようになった

考えられています


mtkyousei1


この共生は 
核は有するがミトコンドリアを有さない生物にとっても
ミトコンドリアは有するが核は有さない細菌にとっても
まことに好都合です

なぜなら

真核細胞は ミトコンドリアとの共生で 
酸素を利用した効率良いエネルギー産生システムを得ることができます

一方 ミトコンドリアは 真核細胞との共生で
自らのDNAの多くを核に移動させることにより
DNAが活性酸素により傷つけられるのを防ぐことができます

mtkyousei2


つまり 核とミトコンドリアは 
共生により 見事に役割分担をするようになったのです

は DNAの保持 複製に特化した役割に専念
 エネルギー産生機能は捨て 
 活性酸素からDNAを守り 保持・複製に専念します

ミトコンドリアは エネルギー産生に特化した役割に専念し
 活性酸素の危険にさらされる遺伝情報の保持・複製は 核にまかせて
 自らはエネルギー産生に専念する


こうして ヒトの細胞の祖先は 
核とミトコンドリアの共生により
遺伝情報の保持・複製も エネルギー産生も
どちらも安全に効率よく行えるシステムを手に入れ 進化したわけです


こうした現象は 細胞内共生説 と呼ばれていますが

現代ビジネスの最先端を行くM&Aを
ヒトの細胞の祖先は はるか昔に見事に行っていたということです

ミトコンドリアは M&Aの先駆者!

さすが 先見の明ありです?(笑)


ミトコンドリアが 身内であって身内でないような存在で
いわばパートナーである

というニュアンスを イメージできたでしょうか?


さて 少し回り道をしましたが

次回からは いよいよ 
ミトコンドリアがどのようにしてエネルギーを産生するか
その機序の説明をしていきます



2016.07.26更新

エネルギー産生工場としてのミトコンドリア について紹介しましたが

書き手がミトコンドリアと聞いて思いだすのが
「パラサイト・イブ」という小説と映画です

paraciteeve



愛する奥さんを事故で亡くした主人公の科学者が
その遺体の肝臓の一部から細胞を培養して育てていくうちに
彼女のミトコンドリアが自立し反乱するというSFホラーで

映画版では 当時 魔性の女と呼ばれ大人気だった
葉月里緒菜さんがヒロインを演じていましたが

hazukireona

彼女 最近全く見ることがありませんが どうしているのかな?
(別に里緒菜さんのファンだったというわけではありませんよ:笑)


で 映画では 自律増殖したミトコンドリアが
それこそ酸素を吸って莫大なエネルギーを放出して 街を破壊するのですが

ミトコンドリアが酸素を利用してエネルギーを産生するのは
前回ご紹介した通りですから
決して荒唐無稽なストーリーではありません


そして ミトコンドリアが自立するというアイデア
荒唐無稽なものではないのです

というのも 

ミトコンドリアは 
現在の形のヒトの細胞が出来上がる過程で
ヒトの細胞に侵入して寄生というか 
共存関係を作ったと考えられているからです

いわば 自分の中の他人 のような性質が 
ミトコンドリアにはあるのです


ミトコンドリアは 細胞の中に存在する細胞内小器官のひとつです


mt shoukikan

ちなみに 
ミトコンドリアなどの細胞内小器官を研究する分野が細胞生物学
書き手は医学生の頃 細胞生物学は好みの科目でした(笑)


で ミトコンドリアは 
外膜と内膜の二重の生体膜からなる構造をしています

mt kouzou


ひとつの細胞あたり 数百~数千個存在していて
エネルギーをたくさん使う細胞では ミトコンドリアの量が多い
骨格筋や心筋では 特に多いと言われています

細胞内を絶えずダイナミックに動き回り 
それぞれのミトコンドリアが くっついたり離れたりを繰り返していて
*活動期には 丸い粒がいくつかつながり 糸のようになって活動している
*休止期には ひとつひとつの粒がバラバラなこともある



mtbunretsu


ミトコンドリアは 
自らが産生する活性酸素によりダメージを受けているので

健常な他のミトコンドリアとくっついて 
成分を交換して回復を図っているようです

活性酸素は 老化などにも関与するとても興味深い物質で
ミトコンドリアとは切っても切り離せませんが
また別の機会に詳しく説明します



ミトコンドリアが 他の細胞内小器官と異なる最大の特徴は
自らの独自のDNA(ミトコンドリアDNA)を有していることです

はるか昔 ミトコンドリアが自立していたことの証左でもあります

mtdna


ミトコンドリアDNAは ヒトの核に存在するDNAと比べると
はるかに規模が小さく 20万分の1程度で

エネルギー産生に関わる電子伝達系やATP合成酵素などの
ミトコンドリア独自の機能に関わるごく少数のタンパク質の鋳型となる
限られた遺伝子を有しているに過ぎません

核のDNAが23000種類ほどのタンパク質を作るのに対し
ミトコンドリアDNAは たった13種類のタンパク質を作るだけです

それでも 核のDNAとは異なる 独自のDNAを有しているのは
とても特徴的なことです


ちなみに このミトコンドリアDNAの解析により 
人類の祖先がアフリカから発生してきたことなどが解明されました

mtdna jinrui


独自のDNAを持ち 独自の働きで利用するタンパク質を作っている 
ミトコンドリア

そんなミトコンドリアが 
どうしてヒトの細胞のなかに存在するに至ったかを
次回 説明したいと思います



2016.07.21更新

前回ご説明したように ATPはエネルギー源として
体内で起こるあらゆる生命活動に使われますが

ヒトの細胞のなかで 栄養素からエネルギーのATPを作り出すのが
ミトコンドリアです



mt1



ミトコンドリア

どこかで聞いたことがあると思いますが
(多分 中学の生物の授業で出てきたはず)

ミトコンドリは 細胞内のエネルギー産生工場です

mt2



食べた食物が胃腸で消化吸収され

炭水化物は グルコース(ブドウ糖)にまで分解され
脂質は 脂肪酸にまで分解され

それぞれ血流に運ばれて細胞にたどり着くと
ミトコンドリア工場に取り込まれて そこでATPが産生されます


このエネルギー産生過程は 次の2段階に分かれています

@第1段階: 解糖系

@第2段階: 酸化的リン酸化反応(TCAサイクル と 電子伝達系)

kaitoukei


それぞれについては 稿を改めて詳しく説明しますが
大まかにはしょって概説すると

*解糖系により グルコースがピルビン酸に代謝され
*得られたピルビン酸が アセチルCoAになり

*アセチルCoAが TCA回路の材料として用いられ
*TCA回路で NADH FADH2という電子キャリアーがつくられ

*NADH FADH2と 電子 水素イオンが 電子伝達系に入り
*電子伝達系でエネルギー:ATPと水が産生される

という流れになっています

mt3


*栄養素の分子構造に蓄えられている化学エネルギー
 
細胞質解糖系によりピルビン酸に形を変え

ミトコンドリアに入り 酸化的リン酸化反応により
 いったん電子エネルギーに変換され

*最後に電子伝達系で 再び化学エネルギーのATPに変換され 

それが生命活動に利用される という段取りですが


ピルビン酸とかアセチルCoAとか電子とか 
聞いたことがない物質名や

化学エネルギーとか酸化的リン酸化とか電子エネルギーとか
馴染みのない単語がたくさんでてきて

もう うんざり ギブアップ! と思われる方も少なくないでしょう(笑)


でも ミトコンドリアで行われているこのプロセスこそが
ヒトの生命活動の根本をなすもので

ミトコンドリアが これを四六時中行ってくれているおかげで
ヒトは生きていられるのです


そして 呼吸でとりいれた酸素は 
電子伝達系での連続反応の最後の方 
ATPが産生される直前で働きます

そこで 電子が酸素に渡されることにより
ATPを生み出すエネルギーが形成されるわけで

繰り返しになりますが 酸素がなければ ATPは産生されないのです



ヒトがなぜ食べて なぜ呼吸するか?

その目的であるエネルギー産生に 
ミトコンドリアがどう関与しているか?

なんとなく イメージできたでしょうか?


次回は ミトコンドリアの素顔について もう少し詳しく説明します



2016.07.20更新

前回は ヒトはなぜ食べるかを説明しましたが

では ヒトはなぜ呼吸をするのでしょう?

kokyu1


「そりゃ 酸素が必要だからだよ」

はい 確かにヒトは
空気中から酸素を体の中に取り込むために 呼吸をしています

では どうして ヒトの体は酸素を必要とするのでしょう?


ヒトが食べるのは エネルギーを得るためでした

そして ヒトが呼吸するのも エネルギーを得るためなのです

kokyu2



体内で栄養素をエネルギーに変換するのに 酸素が必要とされます

細胞のなかで
酸素を用いて栄養素を燃やし エネルギーを得るイメージです

私達は エネルギーを作るために
四六時中休まず せっせと呼吸して 酸素を体内に取り入れているのです

だから 呼吸ができなくなり 酸素が体内に入っていかなくなると
エネルギーが枯渇して 命の営みを閉じることになってしまう
基礎代謝が行えなくなるので 生命活動が終わってしまうのです


では どうしてエネルギーを産生するのに 酸素が必要なのでしょう?
どうやって 酸素を用いて栄養素を燃やしているのでしょう?


その話は 出し惜しみして次回以降に詳しくお話しすることとして
今日は体内で産生されるエネルギーの正体について 説明したいと思います



ATP 

という単語を 聞かれたことはありますか?
中学校の生物の授業で 勉強したことがあると思います

ATPは 痛風の解説をしたときに
痛風の原因のプリン体の材料となる物質として紹介しましたが

正式名称はアデノシン三リン酸(adenosine tri phosphate : ATP)で

アデニン(塩基) リボース(五炭糖) リン酸 から構成される物質です

アデニン(塩基)とリボース(五炭糖)が結合したアデノシン
3分子のリン酸が結合しています



ATPkouzoujap


ちなみに 塩基と糖が結合した化合物が ヌクレオシド で
これにリン酸基が結合すると ヌクレオチド になります

ヌクレオチドは DNAやRNAの構成単位でもあり
細胞内情報伝達に関わるcAMPも ヌクレオチドの仲間です


このATPこそが ヒトの体で用いられているエネルギーの正体です

書き手が医学部3年生のとき 
ゼミ形式の授業で輪読した英語の生化学の教科書に

「ATPは人体のエネルギー通貨である」と書かれていて 

上手い表現をするものだと感心したのを憶えていますが


ATPを構成する3個の
リン酸の
2番目と3番目の結合には 大きなエネルギーが蓄えられており


ATPrinnsannki

リン酸の結合がひとつが離れて

ATPがADP(アデノシン二リン酸)になるとき
1モルあたり約7Kcalのエネルギーが放出され


ATPADP



ヒトはこのエネルギーを さまざまな生体反応に用いています


ATPは さまざまな場所で さまざまな状況下でおこる生体反応で
どこでも いつでも 利用されるので
人体のエネルギー通貨と称されるのです


そしてATPは 細胞内で 栄養素から作り出されます

ATPeiyou


1日に 体重とほぼ同じ量のATPが産生されますが
それらは できたと同時にあっという間に使われてしまい
貯蔵することはできません



ちなみに ヒトの体内では 
摂取した栄養素が有するエネルギーの 

約45%がATPに変換され

残りの55%のエネルギーは熱となり
体温保持に使われたり 空気中に放出されます


書き手は 体温維持に多くのエネルギーが使用されているのが
ちょっと意外でした

この熱放散の話は あとで詳しくします




また
体内で作られたATPの90%近くが
タンパク質の合成に使われており

それだけ ヒトの体にとってタンパク質は重要なのですが
タンパク質については また稿を改めて詳しく説明したいと思います



さて 話が色々と脱線してしまい恐縮ですが(苦笑)


ヒトの生命活動におけるATPの重要性 をご理解いただけたでしょうか?


そして これが今日のお話のいちばん重要なポイントですが

その大事なATPを栄養素から作り出す過程で 酸素が必要とされます


繰り返しになりますが
だからこそ ヒトは呼吸をして酸素を体内に取り込んでいるのです

次回から ヒトの体内で栄養素からATPが作り出される過程
そこでどうして酸素が必要になるかを詳しく説明します



2016.07.19更新

ヒトは どうして ご飯を食べるのでしょう?

taberu1

いきなり話が脱線して恐縮ですが
先日 TVで久しぶりに映画の「家族ゲーム」を見ました

上掲写真の食事シーン 印象的でしたね


で なんのために食べるか?

そりゃ 甘いものや脂っこいものをたくさん食べて
脳内に快楽物質を放出させて 気持ち良くなるためだよ!

taberu2

と答えたあなた 

是非 当院に糖尿病・メタボチェックにおいでください!(笑)


つまらない冗談はさておき

ヒトが食べるのは エネルギーを得るためです

食物を食べると 胃や腸で消化分解されて 
糖質 脂肪 タンパク質などの栄養素になります

そして 栄養素を材料にして エネルギーを作るのです


taberu3



エネルギーは ヒトの体のさまざまな活動で必要とされます


以前に基礎代謝のお話をしましたが
ヒトの体でエネルギーは 以下の3通りに使用されます

@基礎代謝  
 起きているときも寝ているときも 四六時中行われている代謝活動で
 全エネルギー消費の60%を占めます

@活動時代謝  
 運動や生活活動で 全エネルギー消費の30%を占めます

@食事誘発性熱産生  
 食事をしたときに産生される熱で 体温維持等に関与し
 全エネルギー消費の10%を占めます

taberu4


具体的にエネルギーが消費される状況は多岐にわたります

手足や体幹の筋肉が収縮するとき

1日中休むことなく内臓が働く
*心臓や肺が働くとき
*肝臓が栄養素の代謝や体成分の生合成をするとき
*腎臓が尿を作るとき
 
頭を使って考えるとき
(脳内の沢山の神経ニューロン間で複雑に情報がやりとりされる)

細胞の新陳代謝
さまざまな働きをするタンパク分子や細胞膜を新たに作るとき

体のなかの分子のメインテナンスするとき
*傷ついたDNAを修復 
*機能が低下したタンパク分子を修繕

食べ物からエネルギーのもとになる栄養素を得るために
消化吸収するとき

寒さに耐えられるように体温を保持する


ちなみに
体のさまざまな臓器が消費するエネルギーの割合は
*筋肉が21.6% 
*肝臓が21.3% 
*脳が19.9% 
*心臓が8.6% 
*腎臓が8.1%
ですが

各臓器の1Kgあたりが1日に消費するカロリーは
*心臓 腎臓が440Kcal 
*脳が240Kcal 
*肝臓が200Kcal 
*筋肉が13Kcal 
*脂肪が4.5Kcal


筋肉は全体量が多いので 消費エネルギーに占める比率は高いですが

臓器が機能するために必要とされる 
単位重量あたりのエネルギーは(kcal/Kg/日)
心臓 腎臓 脳 肝臓で多く 筋肉では低い

taberu5

こうした視点からみると 人間の体って面白いですね


そして 常日頃からお話ししているように
体内で消費される以上の量のエネルギーを摂取したら
余分なエネルギーは脂肪として蓄積され デブになります


いずれにせよ
このように体の中で日夜消費されているエネルギーを得るために

ヒトはせっせと 朝昼晩 食物を食べているわけです


では 食物の摂取で得られた栄養素から 
どのようにして エネルギーが得られるのか?

話を先に進めましょう



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