左利き肝臓専門医ブログ

2017.11.24更新

2008年 リーマン・ショックが起こります

kkg41

金融工学を駆使して生み出された 住宅ローンの不良債権化に端を発し
アメリカでは 800万人が家を失い 1000万人が失業し
全世界に大きく深刻な爪痕を残しました

正直に告白すると 書き手も ちょっと”火傷”しました(苦笑)

kkg42


この期に及んで ようやく 金融工学の罪が 問われ始めます

そして 金融工学者にも 
全てではないが 一部の罪はあると考えられるようになりました

金融工学は重要な技術革新ではあったが
リスクを隠していた部分もあり

粗悪な証券が破綻することに賭けて儲けた 

そんな金融機関すら あったようです


結果的に 金融工学は 暴走してしまった

kkg43



前提条件を常にチェックして
壊れたときにどうなるかを考えてやらないと 危ない

数式の前提が崩れると 数式は機能しなくなる

物理学や数学と金融の世界は 似て非なるものだった

kkg44

大志を持って金融の世界に転向した科学者たちは 今になって述懐します

私達は 思い違いをしていたのです

kkg45


人間がパニックになると 
どんな行動をとるか そのとき価格がどう動くか

それを数学や物理学で計算するのは不可能だ


うーん このコンテクストだと
ノーベル財団さんは 1997年以降の世界の経済状況の紆余曲折を鑑みて
自嘲を込めて 今年の賞を行動経済学に与えたのかな?(笑)


kkg46




それに 金融工学は 他の自然科学で行われる実験が出来ないので
実際にお金を投入して取引をしないと 検証できない

また 金融工学はブラック・ボックス

数式は 表に出れば 真似られてしまうので
決して表に出ることはない秘密主義
(数式では特許がとれない というハンデもあるようですが)

オープンにされていない 議論が出来ない 
それでは 発展できない

だから 金融工学は 本来の科学ではない

とする意見もあります

kkg47



リーマン・ショック後には こうした議論を背景に
金融機関の動き 金融派生商品への規制が必要という意見が出てきて
現在 多くの規制がかけられ コントロールされようとしています

その一方で 規制に対応した新たな金融工学を開発している科学者もいて
彼等は 規制を新たな利益を得るチャンスと とらえています

科学者は 障害があると乗り越えたくなるそうです(苦笑)



さらに最近は AIの参入という 新たなトピックが世を賑わせています

クリスタルという洒落た名前のAIは
過去20年間の膨大な市場データにより 有利な売買パターンを学習し 

High Frequency Trading HFT 高頻度取引 と呼ばれる
まばたき1回の間に1万回の取引という 
圧倒的なスピードによる売買を行います

kkg48

人間は 対応不可能です(苦笑)

やがて コンピューターがトゥルースを生み出す時代が来るかもしれません
トゥルースの基本は人が作り AIがそれをより効率的に改善する

しかし
AIコンピューターの暴走による 瞬時の異常な株価の変動も起こりました

kkg49


何が金融危機のきっかけになるか 原因を特定できなくなる時代

そんなリスクが囁かれ始めています

所詮は その時代の技術の限界を越えた金融危機には 対応できないのです



では そんなお騒がせの金融工学は 世の中に必要なのか?

多くの市場関係者は ないとダメ! と言われます

今更 勘 経験 度胸 の世界には戻れないし
第一 既にシステムのバックボーンになっているので
金融工学なしの市場は成り立たない



では 金融工学者の社会的責任は どうなのか?

もちろんそれは重大で
金融は知識の格差が非常に大きいので ブラック・ボックス化できやすいため
余計に倫理感を持ち

何が正しくて 何をやってはいけないか という考えをしっかり持ち
金融工学的手法に取り込む必要がある

その不具合により被害を受ける人がいて
社会的影響が大きいことを認識すべきである

市場関係者は そのように自らに警鐘を鳴らしています


ただ 彼等のホンネの中には
強欲な面がないと金融工学者には向かない という意見もありました

まあねぇ これまでも何回か話題提供しましたが

ヒトがその本性の一部である ”強欲” をコントロールするのは
簡単ではありませんからね(苦笑)

ybsb06


そして ソープもショールズも
いくつも会社を破綻させ 多くの人々に不幸を及ぼしましたが
ともに70歳過ぎて 悠々自適の生活を送っているそうで

さらに今年2月には トランプ政権により
リーマン後に続いていた金融市場への規制が 緩和され始めました

kkg50


さて 世界の経済は どんな方向に進んでいくのでしょう?

過ちを再び繰り返さず
地に足がついた発展を遂げられるのでしょうか?



エピローグには ニュートンのこんな言葉が登場します

星の動きは計算できるが 人間の狂気は計算不可能だ

kkg51



そして番組は こんな警句で〆られます

トゥルースは 狂気さえも計算できるか?

科学は誘惑する

kkg52



うまい!(笑)

この番組の企画制作に携わった方々のセンスに
敬意を表したいと思います!


で 最後に

リーマンで火傷してから 色々と勉強した書き手は 
正直言って こう思うのですよ

額に汗して働いて得たお金と
金融工学的に楽して(?)儲けたお金 Easy Money  では
持つニュアンスが少し違わないかな?

ybs53

こんなことを書くと
お金に質の差があるか! と 怒られるでしょうか?(苦笑)

 


2017.11.20更新

NHK特番の「ザ・トゥルース(真実)世界を変えた金融工学」の続きです

ソープが生み出した 金融工学 は
数学者ブラックと経済学者ショールズによって 大きく成長します

kkg21


彼等は 金融派生商品の適正価格を的確にはじき出せる

ブラック・ショールズ方程式を 作り上げました

kkg22

これは ソープ理論を学問的により洗練させた 非常にシンプルな数式で
条件を変えることで 色々な金融商品の価格が計算でき

これまでランダムとされていた 市場の動きのかなりの部分を 
この方程式で説明することができ
株式市場に革命をもたらすことになりました

この方程式を用いて
次々と金融派生商品が生まれ 市場が拡大していきます


1994年には ショールズ自らが
Long-Term Capital Management LTCMという投資会社を立ち上げ
ブラック・ショールズ方程式を用いて12兆円を運用

年率40%の利益をあげ続け!

kkg23


なんと1997年には ノーベル経済学賞を受賞したのです

kkg24



えーっ ノーベル経済まで 

しかもそんな短期間で 獲っちゃったの?
知りませんでした、、、


ちなみに それから20年後の今年

ノーベル経済学賞は
行動経済学の魁 リチャード・テイラーさんに贈られました

kkg25

20年前にノーベル財団が 先見の明を示して
ショールズさんでなくテイラーさんに賞を授与していたら
世界の経済の模様は変わっていたかもしれませんね?(笑)



さて ブラック・ショールズ方程式は

ザ・トゥルース 真実という名の数式

と呼ばれました

kkg27


予測不可能な市場の動きも 解析・数式化して的中させるための試み
全てを統一できると 科学者たちが信じた数式でしたが

その一面で 富を得るための数式 錬金術 とも揶揄されました

kkg28


しかし 栄華が長続きしないのは世の常で

新たな市場開拓のために
ロシアなどの新興国の国債をターゲットにしたLTMCは
1998年のロシアのデフォルト・債務不履行により破綻して

損失は46億ドルにも上りました

ブラック・ショールズ方程式では
0.0003% 100万年に3回の確率でしか起きない事象と計算していた
ロシアのデフォルトが 現実に起こってしまったのです


世のエコノミストたちは

ショールズらが数式に頼りすぎていた 目の前の現実より数式を信じていた

数式は 平常時の状況は予測できるが 金融危機は予測できず対応できない

破綻はごくレアな現象ではあるが
数式が成り立つ前提条件が破綻すると うまくいかなくなる

これが 金融工学の限界である 

などと論評しました



一敗地に塗れた 金融工学


しかし たくましく復活してきます

マネーゲームの魅力は強力で
一度よい目を味わうと 失敗してもあきらめきれず

より効率的なトゥルースを求めるため
金融会社は 多くの科学者を雇い
たくさんの新たな金融派生商品を作り出します


ちょうどその頃のウォール街には
アポロ計画の終焉により職を失った科学者・ロケット工学者が参入し始め
彼等は トゥルースの在り処を 月でなく金融の世界に求めたのです

当時 ロケット物理学から金融工学の世界に転入した物理学者は

金融業界での仕事は
物理学のそれとほとんど変わりなくエキサイティングで

kkg29

物理学の法則が金融工学の世界にもあると信じていた そうです

kkg30


マーケットに進出してきた科学者たちは

自分たちの理論の正しさを証明したい
金融市場で利益をあげたい 金儲けがしたい

という

数学としての純粋な面 儲けたいという貪欲な面 の2面性を持ち

kkg31

金融商品をヒットさせて 巨額のボーナスを得るという
いかにもアメリカ的な価値観に基づく  サクセスストーリー

を描いていきました


そして

新たな局面を迎えた金融工学の大躍進により

為替 原油 住宅ローン 天候 などが 投資の対象となり
市場はカジノのようになり 規模は500兆ドルに膨れ上がりました

金融派生商品(デリバティブ)は
世界のGDPの7倍以上のマネーで運用されるという
 

実態をともなわない まさにバブルで異様な世界と なっていったのです

kkg32


でも 世の人々はその時点で
BRCISなど新興国の好景気も合わせた 右肩上がりに浮かれてしまい

そうした浮かれた状況の背景に潜む異様さに
哀しいことに 気がついていなかった

もちろん 少し火遊びをしていた書き手も
ことの重大性や異様さに 全く気がついていませんでした(苦笑)

 
そして あの 2008年を迎えるわけです


2017.11.17更新

書き手は  大学院で免疫学を学んでいました
(学ぶというより遊んでいた?:苦笑)

当時はインターロイキンという 
リンパ球が産生するホルモン様物質が同定され始めた頃で
免疫の分野は とても活気づいていました

ちなみに 現在ではインターロイキンは40種ほど同定されていますが
書き手が遊んでいた30年ほど前は
まだ数種類しか発見されていませんでした

日本は この分野の研究で世界をリードする立場にあり

そのフロントランナーの研究所のひとつが
今年 文化勲章を受勲された松原謙一先生が率いられ
IL-6の発見者 岸本忠三先生が活躍されていた
大阪大学・細胞工学センターでした

kkg01

細胞工学 Cell Engineering  という言葉は

それまで聞いたことがなかったのですが
その響きはとても印象的でした

細胞 という単語と 工学 という単語の結びつきが
なんだか違和感があるようで
それでいて なんとなく先駆的な格好良さも感じて


で 長い前振りになって恐縮ですが

書き手がもっと大人になってから(笑)

工学という単語が 別の単語とくっついているのを見聞きして
もっと驚いたのですよ!

それが 今日のお題の 金融工学 です

kkg02


NHKの「ザ・トゥルース(真実)世界を変えた金融工学」

という番組を見ました

kkg03


なぜか最初に 吉川晃司(なつかしい!:笑)が出てきて
ショーペンハウアーが語ったという こんな警句を紹介します

富は海水に似ている 飲めば飲むほど  喉が渇く

kkg04


うまい導入ですよね!(笑)


金融工学

その響きは 細胞工学よりも
もっと違和感があって もっとアヤシイ!(笑)

kkg05


番組では まず 金融工学が何たるかを紹介します

数学 物理学の数式を駆使して 富を拡大して 儲けようとする科学で
現在の金融ビジネスのほとんどの分野で 金融工学が使われており
金融工学の登場により 世界の富は500兆ドルまで膨れ上がっている

確率論をベースに構築されたもので
株価を 単純な数式で表し予測することを 初期の目的としていた


金融工学が出てくる以前の投資は
企業の経営に関する情報を集め
そのうえで カン 経験 度胸 で 投資判断をしてましたが

金融工学の登場により その景色が一変してしまい
次々と新しい金融派生商品(デリバティブ)が生まれて
市場は巨大に膨れ上がった

kkg06


そして そのあと 突然 暴走を始めて
かってないほどの規模の経済危機を生み出したのは ご承知のとおりです


では 金融工学は 誰が いつ どのようにして 生みだしたのでしょう?

1960年代のマサチューセッツ工科大学に
エドワード・ソープという 金融工学を生み出した数学者がいました

kkg07


世界恐慌の時代に子供時代を過ごし
経済的自由の重要性を認識していた彼は
要は 金儲けが好きだった?(笑)

自らの数学的才能を駆使して
確率論によりブラックジャック必勝法を見出し

そのアイデアを基に
株価の不規則でランダムな動きを 数学的に表現し予測する試みを始め
ウォール街の投資の世界に持ち込んで 巨額の富を得ようとした

kkg08


Beat the Market マーケットをぶっとばせ という書籍を執筆 出版し

従来の投資の重要な参考資料だった 会社の財務状況 経営方針など全く無視し
自らが考案した数式のみを信じて 投資を行う

そんな当時としては破天荒なやり方に
多くのウォール街関係者は 興味を示しませんでしたが

彼の出現を契機に
金融界は 数学者・物理学者が幅を効かせる世界となりました


個人的に 彼の業績(?)で注目だったのは
「空売り」という方法を発明したことです

kkg09


空売りは 今でこそ投資家さんやヘッジファンドさんらが
マーケットで巨額の利益を得るために
日常茶飯事的に行われていますが

値上がりだけでなく 値下がりでも儲けようという 空売りのアイデア

kkg10

書き手は 初めてそのやり方を知ったとき
ずいぶんとえげつないことを考えだした奴がいるものだと
びっくりしたものですが

なんとエドワード・ソープが思いついたものだそうで

ワラントという
金融派生商品とリアル株の割合を 絶妙に調整する数式を作り上げ
年に20%の利益をたたきだしていたそうです


さて ソープが生み出した金融工学 
この先 どんな風に暴れていくのでしょう?(笑)

 

2017.10.20更新

飛行機の中で スッチーさんに優しくしてもらいたい!

そう願う世の殿方は 少なくないと思います

そこで今日は スッチーにモテモテになる秘策を 特別に伝授します

ca01


以前 学会の帰りの某地方都市から東京へのフライトでのこと

隣の席には 40代くらいの金髪の男性が座っていました

地方都市から東京に向かう便に
外国人がひとりで乗っているのが珍しかったので
「旅行ですか?」という感じで 話が始まりました

彼は カナダのモントリオールに本社がある会社の
日本支社のマーケティング責任者で
仕事の関係で 四国や九州の田舎にほとんど毎月行くそうです


最近の日本の若者は海外に行かなくなったから
精神的鎖国状態に拍車がかかるね

日本はアメリカべったりだから ハワイの次の51番目の州でしょう?

いや ハワイのあとにはカナダがいるから 日本は52番目

などなど 途切れることなく どうでもいい会話が続きました(笑)



会話はずっと英語でしていましたが

その途中でふと思ったのが

日本語をしゃべらない外国人が
九州や四国の田舎に一人で行って不自由しないの? 

ということ


日本語が喋れなくて 田舎では不自由じゃない?

日本語 喋れるよ
伊予弁や熊本弁は喋れないけど(笑)

え そうなの?
でも さっき スッチーと英語でやりとりしていたじゃない?

ca02


彼は書き手の質問を聞いて にやりとして こう答えました

日本語を喋ると
スッチーのサービスが悪くなるんだよ!



ええっ?


日本では 英語しか喋れないふりをした方が
色々な状況で 良い待遇を受けられることが多いんだよ

そう言って 彼は ウインクするのですよ!

ca03


いやはや まいりました(笑)


でも 確かに彼の指摘は 的を得ているかもしれません

明治以来 脱亜入欧で アメリカやヨーロッパばかり見ていて

一生懸命 手を変え品を変えで 英語教育に勤しんできたのに
残念ながら GAIJINさんから
世界でいちばん英語が使えない国 と揶揄されてしまう現状ですから

英語を喋る西洋人に対する崇高の念(?:苦笑)は
哀しいかな 日本人に染みついているのかもしれません


ca04


そして 特に男女の関係のシチュエーションで
そのコンテクストを見抜いて上手く利用されておられる

日本に長く住んでいる GAIJINさん男性の知恵!

うーん 日本男児としては 正直 微妙な気持ちがします(苦笑)

ca05


でも このシチュエーション 

金髪女性と日本男児の間でも

きっと成立しているのかもしれませんね?(再苦笑)

ca07


 
そういえば 今日はこんなベタなタイトルにしましたが

スッチー なんて呼び方 今や死語ですね!
若い人には わからないかな?

でも 書き手的には CAさんというと このイメージなのですよ(苦笑)

ca06


PANAM

もっと わからないか?(再苦笑)



2017.09.01更新

民主主義とは何だ? 

NHKの特番 欲望の民主主義

だらだらと感想を述べ綴ってきましたが やっと最終回です
ここまでお付き合いいただいて 有難うございました(苦笑)

さて 冒頭に記した 根源的な問いがなされる最終パートでは
ドイツの哲学者の マルクス・ガブリエル の登場頻度が増えます

ybmin81


彼は 民主主義について こんな風に語ります

民主主義は 情報処理の特定の形であり
人間の行動を組織化する方法で 真実を中立的に判断すること である

ともすれば人は
民主主義を 真実を得る方法 うそつき政府を暴く方法 と信じがちだが
そうした解釈では混乱を招いてしまう

また 現在 直面しているさまざまな問題は
感情的な判断から引き起こされているので
感情的でない民主主義が必要だ


民主主義は あくまで社会を機能させるシステムであり
そこに善悪の判断や 過度な感情的な期待を求めてはいけない

ということでしょうか?


また 彼は こんな風にも語ります

民主主義の機関は 巨大な情報処理システムである

現代では 大きな社会システムが どのようにして稼働しているか
誰も理解できていない

政府の仕事は この仕組みを理解できている者がどこかにいる
という錯覚を生み出し それを維持することである


現代社会を支配する巨大で複雑化したシステムを
俯瞰的に理解できている人なんていない

という指摘は 確かに色々なところで見聞きします


でも そうしたら 人はどうすれば良いの?
見通しの効かない霧のなかで ひたすらもがくしかないの?

ybmin83



彼は テロリズムについても言及します

テロリズムは 恐怖を作り出すことによる支配 統治であり
人々の間に恐怖が増しているが 

極端な恐怖と不安には 大抵 根拠はない
根拠のない視線が恐怖を作り出している

うーん ここは わかったような わからないような、、、(苦笑)


そして彼は 民主主義の未来について こう語り続けます

民主主義は 手続きや制度の中で 普遍的価値観を実現する試みで
私達は まだ民主主義を実現していない

民主主義は 未完成なもの 常にこれから実現されるもので
今の民主主義が正しい規範だと勘違いしてはならない


では どのような方向に 作り上げていくのか?


民主主義は 共同体の倫理の実践であるが
それは 反対派の共同体とも言え

異なる意見を意見として認めること
声なき声を尊重する制度 少数派の気持ちを尊重することが
民主主義の必要最低条件である

民主主義が機能するのは
普遍的価値を受入れたときだけだと認識すべきで
その普遍的価値は 他人の苦しみを理解する 人間の度量にかかっている

苦しんでいる人の気持ちを推し量り
それを自分のこととして認識することが 倫理感の原点であり
それがないと 民主主義は機能しない


結局 民主主義のキモは 前回も言及しましたが

他者への思いやりであり 反対意見への寛容さ 

ということでしょうか?

ybmin85


そして彼は こんな警句も発します

もし民主主義の価値観が世界で崩壊したら
かってない規模の戦争が起こるであろう

だから 民主主義を守るのは価値があることで
今のところ 人間がみんなで生き残るための唯一の選択肢である



最後に 民主主義と欲望の資本主義の関係 について言及します

民主主義は 欲望の資本主義と明らかに関係している
この恐怖の欲望を乗り越えなければならない

ybmin86


では どうすれば乗り越えられるか?

そのための唯一の道は
民主主義の最大の価値を思い起こすことである


彼が敢えて具体的な言及をしなかった 民主主義の最大の価値とは

再度 他者への思いやりであり 反対意見への寛容さ

ということでしょうか?



ということで 欲望の資本主義 の続編 欲望の民主主義

アメリカ フランスという 民主主義の老舗の国々において
民主主義がいかに苦悩しているかがよくわかりましたし

民主主義とは何か? という根源的な議論も交わされ

今回もなかなか面白かったし 勉強になりました



意外な収穫だったのは マルクス・ガブリエル を認識したことです

ybmin87


実は彼のことは そのうちに紹介しようと思っている
「いま 世界の哲学者が 考えていること」という とても面白い本に
現代哲学界のスーパースター 的な扱いで紹介されていたので


ybmin88

彼の名前は知っていたし 興味を持っていたのです

それが この番組で 実際の風貌 話し方などを見ることが出来て
驚きましたし とても面白かった

確かに
番組のまとめのパートのほとんどを 彼のインタビューが占めていたように

彼の意見は面白かったし 説得力がありました

今後も注目したいと思います

ybmin89


プロデューサーの丸山さん さすがのご人選でしたね!(笑)



さて 一昨日 哲学者の中村雄二郎さんの訃報を新聞で知りました

yunakamura


書き手が学生時代 自分の価値観を形成しようとしていた時期に
中村さんの著作をむさぼり読んで とても大きな影響を受けたものです

ものを考えるときの指標を与えてくださった方 のひとりです

共通感覚論 魔女ランダ考 感性の覚醒 などなど

懐かしいです、、、

ご冥福をお祈りしたいと思います



2017.08.28更新

久々にNHK特集の 欲望の民主主義 の話題に戻りますが


番組も終盤にさしかかり まとめに入っていき

民主主義とは何だ? 

という根源的な問いが投げかけられます


ybmin71a



番組をリードする形でコメントしてきたマルセル・ゴーシュは 
こんなことを語ります

自由の本来の意味は 自らの運命を決定する力である

そして 社会全体として より高度な目的を達成するために
個々人の自由の領域を超えて 互いの自由を結集することが出来る

民主主義とは 理想の世界であり
個々人の自由の領域を超えて
同意できないことについて議論することこそが面白い

ybmin72


さまざまな人たちから構成される社会で
お互いの違い 対立 矛盾 根本的な多様性から
創造的なものを生み出すことが民主主義であり
その結果 文明は発展していく



一方 精神分析のシシリア・フルーリー
民主主義の熟成を阻むものについて言及します

度を超えた個人主義は 民主主義を危険な状況に陥れるので
個人主義でなく 個性化を確立することが大事である

個性化を確立するということは
自分は他とは異なるけれど 公共的なことにも参加する ということで

自分自身の特異性 才能を明確にしつつ
他人とともに集団的物語を築くことである

民主主義が進化するには この点が欠かせない

ybmin73



こうしたコメントを受けて ナビゲーターの吉田さんが こうまとめます

感情の民主主義を越えるために

*他者の存在を尊重すること

*理不尽さを和らげる社会を作っていくこと

が 大切なのではないか?


民主主義の根幹を成す部分が なんとなく 見えてきたような気がします

他者への思いやりと寛容を持てる個の確立

目新しさがない 言い古されたことですが
民主主義には それが大切ということでしょうか?

ybmin74



ここで 政治学のヤシャ・モンクが とても興味深い意見を語りました

現状の解決策は
民主主義からの撤退でなく グローバリゼーションからの撤退でもない

民主主義を再活性化し グローバリゼーションによる衝撃を緩和するような
新たな政策を採用すること

グローバリゼーションが国内にもたらす影響に対応するには
どうしたら良いか考えること

ybmin75



欲望の資本主義と民主主義の関係について考えてきた番組をまとめるには
なかなか好ましい(?:笑)意見です

歯触りの良い意見で
なにをどう 具体的に実現するかは難しそうだけれど(苦笑)


以前 BS朝日で日曜夜に放送している
世界情勢を報道する「いま世界は」という番組で

コメンテーターのエコノミストの伊藤洋一さんが

これからの社会で重要なのは いかにしてグローバリズムを修正していくかだ

と述べられていたのが 印象に残っていますが


民主主義は 欲望の資本主義を修正できるか?

どうなのでしょう?



番組の中で 民主主義における欲望 についても
度々言及されていたのが面白かったです


前述のヤシャ・モンクは

欲望の資本主義によるグローバリゼーションに対抗する
そうした役割を求められる国家のなかでも
人々は見えない敵におびえながら 欲望を渦巻かせている 

と語り 民主主義にも欲望が関わってくることを示唆しています


また 前回にご紹介したように
18世紀のアイルランドの哲学者・政治家 エドマンド・パーク
フランス革命後の混乱を揶揄し

我々の本性が抱える大きな過ちは
次から次へと 飽くことなき欲望の追求の果てに
手に入れた全てのものを 失うしかないことである

と 民主主義の理念が 欲望によって変容するリスクを看破しています


マルセル・ゴーシュは

人は 理性的な理由ではなく 情動的な理由で思考を維持する 

と語り やはり 民主主義と情動 欲望との関連を指摘しています



これらの意見を受けて 番組では

民主主義は 人々が生き延びようとする欲望の集合に過ぎないのか?

という ネガティブで刺激的な問題提起もしています

ybmin76


グローバル資本主義にも 民主主義にも 大きな影響を及ぼす 欲望

うーん 厄介ですね、、、

 

 

2017.08.14更新

番組は 舞台を再びフランスに戻します

フランスでは 自由 平等 博愛 の建国の理念が 今でも尊ばれ
国民の多くがそのことを誇りにしています

ybmin51


何回も言及して恐縮ですが

パリ市内で不幸なテロが起きた時
現場に献花するご婦人が 涙を流しながら
自由 平等 博愛 と口に出されていた映像を見て

書き手は 不謹慎な言い方かもしれませんが 本当にびっくりしました

フランス国民にとって 建国の理念は
そこまで 肌に染みついたものなのですね


そして今

その理念がどこまで多様性を受入れられるか 試されています

ybmin52



他のヨーロッパ諸国と同様
フランスにおいても 移民はとても大きな社会問題です

ybmin53


都市地理学者のクリストフ・ギリュイ

フランスは アメリカやイギリスとは異なる形の
異文化を共和国に同化させる形での
多文化共存モデルを築こうと試みたが その試みは失敗に終わった

と語ります

なぜなら 多文化共存社会では
人は他人と交わろうとせず 他の文化とは同化せず
距離を保ったままでいるから

そして

これが 現在のヨーロッパを覆っている
アイデンティティの緊張関係の原因となっている

と推論します



ここ20年余りで フランスは変わってしまったと嘆く人も多い

かつてはフランスも多くの移民を受入れ 上手に共存していたのに

今では郊外に住む移民の若者は 年を追うごとに他人を信用しなくなり
差別されていると感じる移民の若者は過激化する

そんな彼等はもちろん
移民を寛容に受け入れてきた 昔の愛すべきフランスを知らない

ybmin54


そこで再び 問われます

自由 平等 博愛 の精神は フランス社会で生き残れるのか?

ybmin56


政治学者のドミニク・レニエ

ybmin57

ここ20年間で
国内のコミュニティでの分断の感情 分裂が著明になってきていて
3つの理念への信念の衰退 精神の弱体化が見られる

と危惧します


精神分析が専門のシシリア・フルーリー

ybmin58

ルネ・ジラールの
政治共同体の運営には 外部の敵 内部の敵 の存在が必要 

という指摘を引用し

今のフランス社会を成り立たせている
外部の敵はテロリスト 
内部の敵は失業者 難民 移民で

他者への不信が 新たな敵を次々と生み出し続けている

と嘆きます


どうしてフランスは そんなに変わってしまったのか?


1968年の5月革命の影響がある と考える人たちがいます

教育制度へ不満を持つ学生から始まった政府に対する抗議行動が
やがて暴動となり 労働者や市民に広がっていき
パリの街は破壊され フランスは騒然とした状態になりました

ybmin59

過去の戦争を知らない若者たちによる 消費社会への反発

その動きは
日本を始め 豊かさを享受し始めた全世界に広がっていきますが
過度の急進性から支持を失っていき やがて衰退します


このときに生じた 絶対自由主義の大きな動きが
フランス社会を大きく変えた

今までの歴史が完全に断絶され 重要な慣習 文化が捨てられ
個人の自立性ばかりが強調されるようになった

というのです


ちょうどその頃から 欲望の資本主義が加速化し
経済の論理ばかりが社会の争点となり始め
社会の分断も生まれてきた

そして社会の分断が加速度的に顕著化し
やがてテロや難民の問題が生じる


こうしたフランス社会の分析の過程で
エドマンド・パークという 18世紀のアイルランドの哲学者・政治家の
人の性に対する警句も 紹介されます

人間は いたずらに現状からの変化ばかりを求めてしまう
そのため 輝かしいフランス革命も 恐怖政治になりかわってしまった

我々の本性が抱える大きな過ちは
次から次へと 飽くことなき欲望の追求の果てに
手に入れた全てのものを 失うしかないことである

ybmin60




また 政治哲学のマルセル・ゴーシュ

人は 理性的な理由ではなく 情動的な理由で思考を維持する

と 注意を促します

ybmin61


一方 社会学者のジャン=ピエール・ルゴフ

そもそも人の根底には 破壊的欲望がある 

と語ります

ybmin62

これらの警句や 人の性に対するペシミステイックな分析を受けて
番組は問います


純粋な夢は 破壊的欲望に変わってしまうのか?

歴史は繰り返すのか?


どうなるのでしょう?



2017.08.07更新

憂鬱な時代のアメリカでは 欲望の民主主義はどうなっていくのか?

レポートは続きます


アメリカ人は もともと内にこもりやすい性質を持っている 
といいます


ybmin41

外交政策も

積極的に他国に働きかけていく政策と
他国との交渉を避け 内にこもる孤立主義の間を
振り子のように行ったり来たりしていました

第二次大戦以降は
世界の警察官を自負して 積極的な外交を行ってきましたが
その流れが このところ勢いを潜めているのが現状です

ybmin42



パスク・アメリカーナが終焉し 孤立主義に向かうのか?


特に9.11以降
アメリカはより内向きになってきたという指摘もあります

そして 

どこにもつながっていないと感じる個人が増えてきた というのです

ybmin43


かつてのアメリカには
自由な中間共同体 コミュニティ 市民組織が存在し
それこそが アメリカ民主主義を支える光でしたが

それらが この50年余り 力を失っているというのです

こうしたアメリカの社会基盤が崩壊したからこそ
人々は孤独・不安を感じ どこにもつながっていないと感じるようになり
ますます内向きになる

こうした個人の孤独な思いが
トランプ現象につながっている との指摘もあります


さらに グローバリズムの厳しい競争社会が その傾向に拍車をかけます

トマス・ホップスが350年以上前に指摘したような

万人の万人に対する闘争 欲望と欲望のぶつかり合い

それこそが まさにグローバル資本主義がもたらしたもので
それに対する個人の不安が アメリカを内向きにさせているというのです

ybmin44


では そんなアメリカは この先 どうなっていくのでしょう?

政治学者のヤシャ・モンク(彼の意見は面白い!)は
3つの可能性があるといいます

*独裁的なポピュリストによる 独立機関の弱体化 報道の自由の抑圧

*トランプに対する抵抗勢力の立ち上がりにより 独立機関は破壊されないが
 それでも 長期的にはポピュリズム人気は持続し 民主主義は弱まっていく
 新たなトランプが出現してくる可能性

*現状を愁う若いアメリカ人が 民主主義 憲法の大切さを再認識し
 民主主義のために戦う 政治に積極的にかかわるようになる

もちろん 3つ目の可能性がいちばん好ましいのですが
はたしてそうなるのでしょうか?

ybmin45


ドイツ人哲学者のマルクス・ガブリエル(彼の意見も面白い!)は

アメリカで トランプを弾劾する動きが出てきたら
それこそが民主主義が独裁政治に勝つ貴重な瞬間である

それが出来たら アメリカは優れた民主主義制度を証明したと
世界は感心するであろう

と述べます

ybmin46


そして 今 起きている
トランプと行政機関の対立 チェック&バランスシステムの存続の可否は
民主主義制度に対する極端なストレステストである
と指摘します



一方で 政治哲学者のマルセル・ゴーシュ

グローバリズムの競争主義が席巻する世界では
人々は自分を守ってくれる存在の必要性を感じている
頼れる存在がないと不安を感じる

と指摘します

そこで 守ってくれる存在としての国家が 注目されてきます

ybmin47



グローバルに広がる 欲望の資本主義

国に守られる 欲望の民主主義

ybmin48



このねじれの先は どうなるのか?
そもそも 資本主義と民主主義は 敵対するものなのか?

議論は 少しずつ佳境に入っていきます



2017.08.04更新

NHKの番組 欲望の民主主義 の続きです

番組では 民主主義が生まれたフランスおける現状分析に続き
もう一方の民主主義国家の雄である アメリカの分析に入ります


アメリカ

フランス革命に先駆けて独立戦争により合衆国となり

ybmin21

自由と平等を礎とし 民主主義の壮大な実験を行った国です

ybmin22


と同時に まさに世界を混迷させる根源とも見做されている
グローバル資本主義 金融資本主義を推進している国でもあります

ybmin23


そんなアメリカにおける 民主主義の状況はどうなのか?

ybmin23a

どうって あのトランプを 大統領に選んだわけですよね(笑)


政治学者のヤシャ・モンク

ybmin24

民主主義は倦怠期にあり
多くの人々が かつてのように民主主義に期待していない一方で
独裁的な民主主義を 以前より容認するようになっている

と指摘します

そして 今のアメリカは
民主主義を大切にし そのルールを守らない大統領を選んでしまった
まさに危機的な状況にある

と危惧します


なぜ そんなトランプを選んでしまったのか?


経済学者のダニエル・コーエン

ybmin25

ポピュリズムの台頭は 自分の居場所のない庶民の抗議表明で
社会に置き去りにされた人々のうめきである とし


社会心理学者のジョナサン・ハイト

ybmin26

民主主義には
全てを焼き尽くしてしまいたい 破壊したいという破壊衝動があり

それこそが トランプを支持した人の気持ちで
アメリカのポピュリズムの原点である

と 分析・指摘します


えっ ここでまた 破壊衝動が出てくるの?

ybmin27


前回シリーズの 欲望の資本主義 でも
破壊衝動が ヒトの欲望 羨望の根底にあると話題になりましたが

破壊衝動は 民主主義の根底にも うごめいているの?

根深いですなあ(笑)



では 民主主義とは何なのか?

番組では折に触れ この根源的な問いを発します

ybmin26a


そして この段階では

民衆が主権者で 民衆による支配で動く 理念 政治制度である

と定義します


民主主義とは 何なのか?


政治学のリチャード・J・サミュエルズ

ybmin28

これまでの全ての政治制度を除けば 民主主義は 最悪の政治制度である

という チャーチルの言葉を揶揄的に引用しながら

ybmin29

民主主義を

*礼節ある対話 受け入れられた規範のもとで行われる 政治的競争
*特定のグループに権力が集中しないようにするためのプロセス
*民衆がリーダーを選び リーダーに公共政策に対する責任を問える仕組み

と定義し

この制度がきちんと行われるためには

*法による支配と権利の保障
*言論 信仰 報道の自由 少数意見の尊重

が 絶対に必要である

こうした状況が整い 大衆の信頼があれば
民主主義はうまく機能していると言える 

と説きます


民主主義は 権力を持たない人に 権力を与えること
つまり 
富める人も貧しい人も 同じ1票の投票が出来る平等である

ybmin30


そんな解説もします


また ドイツの若き哲学者 マルクス・ガブリエル

ybmin31

民主主義は 共同体の倫理の実践であり
声なき声を尊重する制度 少数派の気持ちを尊重することである

とコメントします

ybmin32


一方 ジョナサン・ハイトは 少し意地悪なコメントもします

そもそもアメリカ建国時のリーダーたちは
民主主義は 民衆や大衆により決められるので 独裁政治になると考え
民主主義を好んでいなかった

論理的思考は 感情や激情によって 左右されてしまう
人が怒っているときは 正しい判断ができず
煽情的な政治家に魅かれてしまう

だから 民主主義には危うい側面がある

それこそがまさに
今のアメリカやヨーロッパのポピュリズム台頭の根幹ではないか?

ybmin34



アメリカの現状分析を通して

民主主義とは何か?
どんな問題点を内包しているのか?

おぼろげながら 見えてきた感じがします


さらに番組は 悩めるアメリカの現状について 掘り下げていきます



2017.07.31更新

NHKで放送された 欲望の民主主義

番組が放送されたのは
ちょうどフランス大統領選挙の第1回投票の日でした

ybmin11

ご存知のように 大統領選挙では
中道のマクロン候補が極右のルペン候補を破り 世界を安心させたわけですが

ybmin12

それでも これまでのフランス政治を支えてきた
社会党 共和党の2大政党の候補が
いずれも決選投票に残れないという異例の状況

しかも 極右だけでなく極左も大いに躍進したという
まさに大揺れのフランスでした


そもそもフランス

200年以上前に 自由 博愛 平等の精神を掲げて
革命を経て共和国となり 民主主義を推し進めてきた国です

ybmin12a


書き手は以前 パリで不幸なテロが起こったあとの追悼集会で
襲撃されたお店に献花をしていたおばあさんが

「自由 平等 博愛」と 泣きながらつぶやいていた映像を見て

民主主義の本家本元では
一般市民が こうしたシチュエーションで この言葉を語るのか!

と びっくりしてブログにも記しましたが

その 本家本元の国で 民主主義はどうなっているのか?
フランスの知識人たちにインタビューしていきます


政治哲学者のマルセル・ゴーシュ

民主主義は 生か死かの瀬戸際にあると嘆きます

ybmin13


フランス人の80%は 民主主義が機能していないと感じていて
政治体制が重要な問題に対処できていないとも感じている

そしてその原因は
経済のグローバリゼーションにともなう社会の分裂だ と説きます


都市地理学者のクリストフ・ギリュイ

ybmin14

全世界的の中流階級が グローバリゼーションで職を失い 消失してしまい
それにより 経済的な分裂が起こってしまった

そして 社会のシステムは
中流階級の人々が落ちていった下層階級の意見を拾い上げられなくなった
これはまさに 民主主義の崩壊に他ならない

とコメントします


社会学者のジャン=ピエール・ルコブ

ybmin15

フランスでは 統治する者とされる者の溝が深まっていて
多くの貧しい大衆は 自分たちが生きている社会を
先が見えない 広大なカオスのような状態と感じていると指摘し

社会全体が
それでもがむしゃらに前に進もうとする生き方と
こんなではなかった過去の状態に戻りたいという回帰主義的な生き方の
非現実的な二者択一状態に埋没している

とも指摘します


そして 彼等が共通して指摘するのは

二分化された社会の人々の多くを占める悩める大衆が
極右や極左を支持する母体となり
ポピュリズム隆盛の原因となっている

ということです

ybmin17


こうした 欲望の資本主義 グローバル経済により

社会が富める者 貧しい者に分断されてしまう状況

トランプを大統領に選んだアメリカでも まさに同様に認められたことです

ybmin18


では こうした状況が
民主主義にどのような影響を及ぼしているのか

番組では 悩めるアメリカの状況を分析して その答えを探ろうとします



前へ

entryの検索

カテゴリ

高橋医院 メールでのお問い合わせはこちら 高橋医院 メールでのお問い合わせはこちら