左利き肝臓専門医ブログ

2017.10.30更新

昔 スペイン北西部のガリシア地方を旅したとき
荒涼とした海岸線や自然を目の前にして
「太陽の国・スペイン」といったイメージとのギャップに驚きました

現地ガイドさんに その印象を話すと
「フラメンコや闘牛だけがスペインではないのだよ」
と ポツリと言われましたね

バスク地方を旅したときも
町中の道路標識や公共機関の案内には
必ずスペイン語とバスク語の両方が記載されているのを認識して
なるほどね~ と思いました

スペインには さまざまな地方文化があり
田舎に行くほど
マドリードやEUのことをよく言わない人が多いようにも感じました

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そして今回の  カタルーニャ独立騒ぎ

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バルセロナは  大好きな街です


ガウディやモンタネールの建築物
ピカソやミロの美術館
ゴシック地区の迷路にたたずむ歴史あるバール
バルセロネッタの海水浴場
そして スリにあった地下鉄(笑)

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カタルーニャは
スペインのスパークリングワイン カヴァの名産地でもあります

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そんなカタルーニャが 今 大揺れです


9月に起こった悲惨なテロ事件のあと
10月初めに行われた独立選挙に端を発した騒動は

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中央政府の強硬かつ稚拙な対応のせいもあって 泥沼化しています

28日には

中央政府は 初めて憲法155条を用いてカタルーニャの自治権を停止し
自治州政府の指導者たちを罷免し
新たな選挙を12月に行うことを発表しました

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それに対し カタルーニャ議会は 再度 直ちに独立を宣言して

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解決の落としどころが見つからない 最悪の状態に陥ってしまいました

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もともと カタルーニャ バスク ガリシア といった地域は
統一国家としてのスペインが成立するずっと前から
独立した言語や文化を有する地方として 長い歴史を持っていました

だから ジモピーの認識としては
スペイン人である前に
カタルーニャ人であり バスク人であり ガリシア人であり
自分たちの歴史や文化に 強い誇りを持っている

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でも カタルーニャは
バスクやナバーラが自治州として独立した徴税権を有するのと異なり
税収を中央政府に払い 中央政府から補助金を貰うシステムに
組み込まれているそうで

スペイン全体の 国土の6% 人口の16%を占め
そしてGDPの20% 総輸出額の25%を有し
国内屈指の経済力を持つにもかかわらず

上記システムのために 経済的な潤いを得られず
教育 社会保障 インフラ整備などは 国内でも下位レベルだそうです

だから 余計にマドリッドの中央政府に対する不信感が強い


さらに 両者の関係を決定的に悪くしたのが

カタルーニャ州議会が2006年に成立させた自治憲章を
中央政府が国の最高裁に訴え 2010年に憲法違反との判断を導きだし

それ以降 カタルーニャ州議会が提出するあらゆる独立のための政策を
ことごとく司法に訴え無力化する手段をとり続けていること


そうした背景で起こった 今回の独立騒ぎ

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ここまで泥沼化したのは
独立選挙の投票日に ラホイ政権の中央政府がとった
警察を導入しての強硬な排除策のせいで

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あれがなければ
カタルーニャの人々の心を ここまで頑なにさせなかったのでは?
という論説が 欧米のメデイアには多く見られるようです


確かに ラホイ政権の初期対応は稚拙だったように感じますが

でも その後の一貫した強硬な対応には
一歩たりとも譲らないぞ!という強い意志を感じます

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また フェリペ国王のコメントも
カタルーニャに対する思いやりは微塵もなく
中央政府の対応に近いものがあったように思います

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書き手は 地方の文化や伝統は 大切にされるべきだと思います

でも 国民国家としては 国の統一を守るためには
こういう対応をせざるを得なかったのかな? とも思う


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カタルーニャは EUや他のヨーロッパ諸国に仲介を求めたいようですが

他の国だって国民国家なのだし
ましてやEUは そうした国民国家の上に立とうとしているわけだから
カタルーニャからのヘルプ!の声は 無視されますよね

唯一 スコットランドがカタルーニャにシンパシーを示していますが
EUはもちろん他のヨーロッパ諸国は 無視を決め込んでいます


独立意識が強い地方と 国民国家・ネーションとの関係は 難しい

地方は独立した共同体として
国民国家ができる以前のずっと昔から 機能してきたわけですからね


さて この問題 どうなるのでしょう?

落としどころが 見つかるのでしょうか?


現地在住の大野ゆり子さんが
Foresightというオンラインマガジンに書かれたレポートによると

幸いなことに カタルーニャ人は非暴力をモットーとしているので
暴力沙汰が起きる気配はないそうです

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それと カタルーニャの人々全てが 独立に賛成しているわけではなく
自治州政府の独立宣言に異を唱える人々も多くおられて

独立に 賛成 反対 の双方の立場のデモが起こっているそうです

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内乱のような状態にならなければいいけれど、、、


しかし カタルーニャ人らしい気質を表した言葉に

Seny という

知恵 良識 精神的なバランス感覚 
といったニュアンスを意味する単語があって

そうしたメンタリティを カタルーニャの人々は誇りにしているとか

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SENY と書かれたプラカードを持って
デモに穏やかに参加する人々も少なくないそうで

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まさに Senyに 平和裏に 落としどころを見つけて欲しいものです!



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