左利き肝臓専門医ブログ

2015.09.07更新

すみません 前回 前々回に続いて もう一度だけEUのお話をします

前回は EU統合を支えているのは 政治的理念なのだから
ドイツも簡単にはギリシャを排除しないだろう
という水野さんが著書に書かれていた説をご紹介しましたが

アメリカ外交問題評議会が編集している雑誌の最新号の
「ヨーロッパの終わりなき混迷」という特集で 
ブリンストンの政治学者が こんな記事を書いていました

ドイツの政治は変化している

もはやかつてのような EU統合に向けた強い意志は持っていないし
むしろ統合より共通ルールの厳格化を重視している

EU Germany

だから EUで長くタブー視されてきたメンバー国の離脱を
ドイツは最早 それほど問題視していない

この記事はさらに
 
ヨーロッパはドイツを中心とした中核と 南欧などの周辺に 
二分化されつつある

(フランスが中核に位置しているかは微妙な問題であるが)

と述べています

greek

一方 アメリカの大学で研究するギリシャ人国際政治学者は

EUの中核は ギリシャ危機をモラルの問題ととらえており
ヨーロッパの規律を失わないためには
ギリシャ経済はむしろ破綻すべきだと考えているが

周辺国の市民
EUの中核は かつてEUの指導者たちが有していた統合に向けての理念を
信じていないと思っている 

と分析しています

さらに 最近ヨーロッパ各国で勢力を伸ばしている極右 極左政党
彼等の反EUの主張の展開に ギリシャ危機を利用しているとし
複数の次元でヨーロッパは分断されつつある
 と論を結んでいます


確かに最近の向こうのニュースを見ていると
東欧やイスラム圏からの移民排除を声高に叫ぶ政治勢力の伸長
目覚ましいようですね

下図の濃い色で示された国
イギリス フランス デンマークなどでは 極右政党が大躍進しているようで
フランスでは オランドの次の大統領はルペンと言われているそうで?

far right

そしてこの急増している移民  
ギリシャ危機に優るとも劣らぬほどの 頭の痛い課題になりつつあるようです

特にここ数日 
シリア難民の小さな子供がヨーロッパに向かう途中で亡くなった事件が
ちょっと過剰反応じゃない?というほどセンセーショナルに報道されています

imin

WSJのHPに この事件を報ずるヨーロッパ各国の新聞の1面が出ていましたが
上の写真よりもっとショッキングな写真が 大きく出ていて驚きました
向こうではそうしたリアルな報道がされているのですね


さて ここでもドイツの対応が焦点になっているようで
移民が定住を希望する国として大人気のドイツが

移民の入口となるギリシャやイタリアに 
EU主導の登録窓口を設置し
そこで政治移民と経済的豊かさだけを求めてやってきた移民を選別する

ヨーロッパ各国に数的に公平な移民受け入れ分担を求める

といった方針を提案しているそうで

こうした姿勢が 自国の利益だけを優先しているように見えて不評だとか

でも もともとドイツはアジール法の下に移民の受入れに積極的だったし
他の国と比べてもかなりの数の移民を受け入れている実績はある

さらに 確かに経済移民の数が増えるとジモピーは職を奪われかねなくなり
そうなると上述の極右・極左勢力がますます勢いを伸ばして
社会全体が不安定になってしまうのも事実で

この問題に関しては ドイツだけを責めるのも酷なような気がします


やはり現実は さまざまなファクターが複雑に絡み合ってきて
頭で考えたきれいごとでは解釈しきれないですね、、、

もちろん 書き手は国際政治や経済には全くの素人なので
眼についた記事や論説を読み齧って 上っ面を撫でているだけですが

EUはこの先どうなるのかな? という興味は大きい

EU


ちょうど書き手がスウエーデンで学んでいた頃が
EUが 統一貨幣のEUROが まさに生まれようとしていた頃で
個人的には ちょっとヨーロッパに対する思い入れもあります(苦笑)


近い将来行われる予定の 
イギリスのEU脱退の是非を問う国民投票の結果も気になります

イギリスは 歴史的に見ても立派なヨーロッパのメンバーなのに
どうもEUに対しては一歩引いてみているところがあって
(ポンドは維持しているし)

海峡を隔てて大陸を眺めるという 
地政学的な立ち位置による影響も大きいのでしょうが
それだけにより一層 イギリスの判断は興味深いと思っています

EU UK

さて ヨーロッパ EU 
いったい この先 どうなるのでしょうね?

個人的には フランスの動向に注目しています


 

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