左利き肝臓専門医ブログ

2015.06.02更新

ハムレットを そしてシェークスピアを語るときに 必ず出てくるこのセリフ

To be or not to be?

満島さんはこのセリフについてこう語ります

「単純に死ぬとか生きるとかではなくて 
 自分の価値感に殉じられるかどうかということですよね

 ”生きるべきか 死ぬべきか”なんて そんな単純な訳は好きではない」

 1371


僕が彼女くらいの若さのときに そんな風に解釈していたかな、、、
ふとそんなことを思い なんだか焦燥感にも似たようなものを感じます(苦笑)

オフィーリアの心が崩れていく有名なシーン

 1372

彼女なりのオフィーリアを表現しようとする満島さんは 
悩み 苦しみ 舞台上で試行錯誤を繰り返します

思い余ってトリッキーな演技すら試みる彼女に 
演出家はこうダメ出しをします

「ここで描かれているのは家族愛なんだ 
 それを無視して自分勝手にバタバタあがくんじゃねーよ!

 自分のナイーブな感性を信じるんだ そうすれば必ずキャッチできるから」

ものを作り上げていく現場は 苦しいけれど面白い のかな?

そして満島さんはこう語ります

「先入観や固定観念を壊してから作らないといけない
 わからないまま演じることが大切だと思う わかったらアウト 
 計算し始めてしまうから」

 1373


でも 計算して演技することの面白さもあるんじゃないのかな? 
と 歳だけは重ねてきたオヤジはふと思ったりもします(苦笑)


この番組の大きなモチーフのひとつは 初共演する弟との役作りの葛藤
昨日のブログの冒頭に出てくる彼女の発言は 
その弟に対して発せられた言葉でした

 1374


でも 正直言ってそこにはあまり興味がなかったです 
一人っ子が兄弟姉妹の間の葛藤を理解するのは ちょっと難しい

ただ満島さんの母性は強く感じました 
男はいくつになっても 母性には弱いものです(苦笑)


いやー 久しぶりに面白い番組を楽しむことができました

満島さんが演じるオフィーリア 
ナマの舞台で見てみたかったけれど 
とうに埼玉も大阪も公演は終了してしまったようで残念です

久しぶりにシェークスピア悲劇を舞台で見てみたくなりました


そうそう この番組が秀逸だったもう一つの理由は 
ナレーションの中里雅子さん

言葉を大切にするという内容の番組を
しっかりと説得力のある語り口で案内してくださいました
彼女がテレ朝のアナウンサーだった頃 ファンだったのですよ(笑)


それにしても 
役者さんは誰もがシェークスピア劇に憧れを持つものなのですね

そういえば 昔 研究会で訪れた
シェークスピアの生まれ故郷のストラトフォード・アポン・エイボンでは
スワンシアターの土産物屋でこんな筆箱が売られていました

 1375


デッサンならともかく 
ブログの原稿を書くには 2Bはちょっと濃すぎないかな?(笑)

2015.06.01更新

「芝居はお互いの間に広がる空間の重さを感じることなのよ 
 あなたはそれがわかっていない」

人と人の間にある空間の重さか、、、

「人と人の間」については 
精神科医を志していた医学生のときに少しは考えたことがありましたが
その間に広がる「空間の重さ」なんて 思いついたことすらありませんでした

アーティストが発する言葉はいつも新鮮で 
そして(そうでなければ困るけれど)いつも非日常的です

女優の満島ひかりさんが 初めてシェークスピア劇に挑む
その舞台稽古中の彼女の心の葛藤を描いたドキュメンタリー番組を見ました

芸術家の内面に切り込もうとするドキュメンタリーは好みです

それに まだ一度もきちんと芝居も映画も見たことがないのですが
プロモーションビデオなどで彼女の存在は気になっていました

 1361


今回 彼女が挑戦するのは蜷川幸雄演出のハムレット

そう あのオフィーリアを演じます!
それを聞いただけで期待感が膨らみますね(笑)

 1362


画面に登場してきた蜷川さん

体調を崩されているようで 
俳優へのダメ出しの際に灰皿がしょっちゅう宙を飛んでいた
往年の激しさは身を潜めていますが
眼光の鋭さは 逆に凄みを増しているように見えます

 1363


稽古前に満島さんは「怖い 緊張している」と思わずこぼします
そして初稽古を終えたあとの感想は
 「芝居を始めた頃を思い出す つかむところがなにひとつない」

そんな彼女を見つめる蜷川さんは
「彼女のなかに眠っているものを 
 オフィーリアを演じることにより解放させたい」
と語ります

いやー 演出家と役者の関係って 
深くて 怖くて でも傍から見ていると興味深くて、、、(笑)


自分なりのオフィーリア像を探す葛藤の中で 彼女はこんなことを言います

「自分の生理が あのセリフを語らせない」
「相手との”間”をどうやってとるか 
 台本に書いてある悲しみを演じるだけでは 相手との関係を表現できない」

うひゃー! 引き込まれます?(笑)

そう 大切でそして難しいのは 「ヒトとヒトとの間」 ですよ


一方の演出家は役者にこう語りかけます

「現代の日本に生きる我々が 
 シェークスピアの古典を演じる意義をどう考えるか?

 セリフの言葉に真摯に向かい合い それを身体を通してどう語るのか?」

厄介なことに こういう禅問答もどきは嫌いではないのですよ
思わず食い入るように テレビ番組の世界にのめりこんでいきます(苦笑)

長くなりそうなので 続きは次回に、、、

最近のブログ記事

entryの検索

月別ブログ記事一覧

カテゴリ

高橋医院 メールでのお問い合わせはこちら 高橋医院 メールでのお問い合わせはこちら