左利き肝臓専門医ブログ

2018.07.30更新

琵琶と尺八とオーケストラの競演

大きな課題に取り組む武満さんは 長野の山中に籠り 悩み続けます

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そして 山中を散策していたとき

風の音や鳥の音が調和して聞こえる のどかな自然のなかで
公共放送のスピーカーから 
チャイコフスキーの白鳥の湖が田んぼに響くのを聞き

はっと閃かれます

オーケストラが奏でる音を バックに流れる環境の音のように扱い
琵琶や尺八と協奏させればいいのでは?

そうしたアイデアのもとに生まれたのが ノヴェンバー・ステップスです


この曲を通じて 日本の文化を世界に示したい

そう意気込んで NYフィルの本拠地に現れた
武満さん 琵琶の鶴田錦史さん 尺八の横山勝也さん

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和服姿で舞台に昇り挨拶する鶴田さん 横山さんの姿に
楽団員の一部からは笑いが漏れたそうですが

指揮台から小澤さんが即座に投げかけた厳しい視線を受け
沈黙が流れたそうです


その小澤さんは
NYフィルで 武満さんのこの曲が演奏された意義を こう語ります

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日本の楽器 音楽には
西洋音楽に屈しない 
西洋とは異なる音楽の世界があることを
西洋社会に知らしめた


なるほど 先駆者たちは そこまでの意気込みを持っておられたのですね

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格好良いけれど それにしても 小澤さん 若い!(笑)


さて ノヴェンバー・ステップスを聴いてみると

琵琶 尺八とオーケストラの協奏曲 ということでしたが

この楽譜にも示されているように
実際は 両者が重なるところは あまりないのですよね

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少なくとも 融合感はない


オケが通常の西洋音楽を演奏するときとは異なり
微妙に そして緻密に 音を濁らせて
風のうねりのような雰囲気の音を作り出して

そこに琵琶と尺八が入っていくと
オケの音は背景音のように広がっていく

互いに譲らず しかし 互いを損なわず


小澤さんは 尺八と琵琶の喧嘩を オケが包み込むような
といった表現をされていました


まあ しかし 初めてこの曲を聴いたNYの人たちは
さぞかしビックリされたことでしょう

日本人の書き手が聴いても ちょっとびっくりでしたから(笑)


正直言って 書き手は この曲を聴いて
面白いとは思いましたが
それほどスゴイと感動するまでの気持ちは持てなかったのですが

オケのなかで ハープの存在が気になりました

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その音色や響きが
琵琶・尺八の世界とオーケストラの世界を
うまく繫げているような気がします


武満さんの世界は
なんとなく難解な哲学的雰囲気が漂っていそうですが
一度 彼が書かれたものを読んでみようかなと思いました

 

2018.07.27更新

司会者が変わった らららクラシック

武満徹さんの ノヴェンバー・ステップス を紹介していました

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武満徹さん 

現代日本を代表する作曲家として有名ですが
不勉強な書き手は あまり聴いたことがありません


番組では まず
武満さんの音楽史上における位置づけを こう解説します

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モーツアルトは 美しくて楽しい 音楽のジャンルを打ち立てた

ベートーベンは 哀しくて怖い 音楽のジャンルを打ち立てた

ドビッシーは 幻想的で神秘的な 音楽のジャンルを打ち立てた

そして 武満さんは
環境 ノイズ 雑音を 音楽として聴かせるジャンルを打ち立てた


なるほどですが
武満さんの音楽を 環境音楽としてとらえる認識はなかったなあ、、


ちなみに 環境音楽と言うと
書き手は学生時代に好んで聴くことが多かった
ブライアン・イーノを思いだします

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あ すみません 脱線しました(苦笑)


さて ノヴェンバー・ステップス

1967年に 今は亡きバーンスタイン率いるNYフィルの125周年記念公演で
若き日の小澤征爾さんの指揮のもとで初披露され

世界に武満徹の名前を知らしめた名曲とされています


尺八と 琵琶と オーケストラの競演

初めて見聞きする世界に バーンスタインは
なんて生命力のある音楽なんだ! と感動したそうです

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ここで再び 西洋音楽と日本の音楽の違いについて 解説が入ります

西洋音楽は
音の積み重ねによりメロデイが表現されるもので
ひとつひとつの音 そのものが 世界を表すことはない

一方 日本の音楽 たとえば 尺八や琵琶の演奏では
ひとつの音に意図的に強弱をつけて それだけで世界観を表す

しかしこれは 西洋人には 雑音やノイズに聴こえてしまう


青島さんという面白い解説者さんは
この彼我の違いを アルファベットと漢字の違いになぞらえます

西洋では アルファベットの文字を重ねて 意味のある言葉を作るが
日本では 漢字ひとつひとつが 既に意味を有している

西洋と音楽の音に関する感覚の差異は この違いと同じですよ


なるほど~ わかりやすい解説ですね!


で 小澤さんから NYで日本の音楽を披露してくれと頼まれた武満さんは

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こんなに根本的な差異がある西洋音楽と日本音楽を
どのようにして融合させたらいいのかと 悩み尽されます

当時 武満さんは
それまで日本でもいちども一緒に演奏されたことがなかった琵琶と尺八を
初めて競演させて 喝采を浴びていましたが

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今度は その尺八 琵琶と フルオーケストラを
どうやって競演させればいいのか?


次回に続きます

 

2018.07.23更新

以前 ご紹介したことがある NHKの らららクラシック

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なぜかしばらく見る機会がなく 先日 たまたま久し振りに見たら
なんと司会者さんが代わっていました!

NHKのHPを見ると

この番組は2013年4月に始まっていて
2017年3月までの4年間

(ということは 1年以上 この番組を見ていなかった:苦笑)

作家の石田衣良さんと 作曲家でピアニストの加羽沢美濃さんが
司会をされていました

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書き手は このコンビ ご贔屓だったのですよ!


美濃さんの ピアノを弾きながらのわかりやすい解説
とてもエネルギッシュ 快活な感じで 見聞きしていて楽しかった

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一方 石田さんは
美濃さんの傍らで ちょっと元気なさげに ぼそぼそと語られるのですが
その語りが 意外性があるというか ポイントを突くというか

解説者さんがよくされるような 教科書的なコメントでなく
肩に力が入っていない ごく普通の目線で
でもときどき エッと思わせるような鋭い感想を述べられるので
個人的には ツボにはまっていました

このコンビの妙はなかなかで 総集編を見逃したのが悔やまれます

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で 新しい進行役は
俳優の高橋克典さんと 局アナの牛田茉友さん

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素人目線を大事に クラシックの楽しさを伝えていきたい

というコンセプトのようで

これまで美濃さんがされていた 自ら演奏しながらの解説は
毎回 番組内容に馴染みのある音楽家が ゲストとして登場して
色々と語ってくれるようです


あまりクラシック音楽との関連性を感じさせない高橋克典さんの起用に
少し驚きましたが

ご両親が 音楽家としてクラシック音楽に関わる仕事をされていて
子供の頃からさまざまなジャンルの音楽に
慣れ親しんで来られたとか

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ただ 興味がクラシックに偏っていたというわけではなく
むしろ40歳を過ぎた頃から
クラシック音楽に興味を持たれるようになったそうで

そういう意味では コアなクラシック愛好家と言うより
素人代表のようなスタンスで
コメントされていかれるような期待が持てて 何気に楽しみです


ホント なぜか最近 この番組はご無沙汰だったので
また こまめにチェックするようにしようかな

 

2018.07.06更新

梅雨の晴れ間の日曜日

お気に入りのヴァイオリニストのギル・シャハムさんが来日して
ソロでリサイタルを開いたので
久し振りに 彼の音色を楽しみに行きました

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彼の長年の友人であるピアニストの江口玲さんとの共演です

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プログラムは こちら

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前半のウィーラー ドルマンは聴いたことがありませんが
プログラムノートに書かれているように
ギルさん自身がとても好みの曲のようなので楽しみです

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いつものように 楽しそうな表情を浮かべて ギルが登場

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期待が高まります!


でも前半の後半に入り始めたとき
突然 不協和音のような音が響いてきて

あれっ? 急にヴァイオリンの調子が悪くなった?

思わず隣に座る糖尿病専門医さんを見ると
彼女もなんとなく怪訝な面持ちです


ドルマン作曲の ヴァイオリン・ソナタ 第3番 ニグン

全く初めて聴く作曲家さんのソナタですが
うーん スムーズで心地良い感じは 全くしないなあ

むしろ 少し心が不安になるような聴き心地です

ちょっと難解な現代音楽を聴いているような感じ


でも 曲が展開していくうちに 違和感はなくなってきて
不協和音に聴こえた激しい旋律も 次第に心地良くなり

最後のアダージョ フィナーレは
満足して聴き終えることができました

それにしても この曲は インパクトがあった!


プログラムノートによると
ドルマンさんは 1975年生まれのまだ若い
ギルと同じイスラエル人の作曲家さんで

今回のヴァイオリン・ソナタは
ギルと 妹のピアニストのオルリさんのリクエストで作られたそうです

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ニグン

初めて聞く単語でしたが
ユダヤの伝統音楽のことを指す言葉だそうです

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ドルマンさんは 作曲にあたって
東欧のクレズマー音楽や 北アフリカから中央アジアなど
世界各地に伝わるさまざまなユダヤの伝承音楽を調査されましたが

その根幹に存在する共通性に気がついて 驚かれたそうです

そして それらからインスパイアされたイメージと

各地域によって異なる非ユダヤ系音楽的伝統 
東欧 グルジア マケドニアなどの民族音楽の要素も取り込み
綜合的に曲を構成されたそうです


面白いですね!

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ユダヤの伝統音楽に触れるのは 初めての経験でした

確かにユダヤの民は 西暦紀元直後から起こった
民族の離散・ディアスポラによって
世界中で暮らすことを余儀なくされました

このあたりは 結構デリケートな問題なので
軽々しく話題にするのは 憚られる気もしますが

離散を余儀なくされた人々が
自分たちオリジナルの伝統的なユダヤ民族音楽を
移住した地域の民族音楽と融合させながら
世界各地で それぞれの新たな音楽世界を形成していった

ということには 歴史やロマンを感じずにはいられません

しかも 根本に流れているユダヤ音楽の共通性は 失われていない

そうなんだ~! 興味があります!


東欧 ロシア 中央アジア 北アフリカ
ユダヤ人たちが世界の各地でどんな音楽を作っていったのか?

そして どんな部分が共通エレメントなのか?

ドルマンさんに聞いてみたくなりました


それにしても
民族音楽でよく聴かれるフォルクローレ風の響きは
哀愁を帯びていて 心に訴えかけるものがあって良いですよね

初めて聴いたニグン

とても興味深かったので
すぐにCDを購入してしまいました!

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ユダヤの伝統音楽ねえ

新しもの好きの書き手は またも簡単にはまってしまいそうです(苦笑)

ギルさん 新しい世界を教えてくれて どうもありがとう!

彼は いつかニグンをオーケストラで演奏したい と言っていたので
それを聴ける日が楽しみです!


アンコールで演奏してくれた
ボルコムのポップス風の曲も素敵でした!

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初めて彼の演奏を聴いたときも ハリウッドの映画音楽でしたが

ギルは守備範囲が広く なんでも楽しそうに美しく聴かせてくれるので
いつも大満足です

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良い気分で会場を出ると 見事な紫陽花を愛でることができました

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あ ちなみに 糖尿病専門医さんは
やはりバッハやフランクの方が安心して聴けて
ユダヤ伝統音楽はパスだそうです

CD買って そんな旋律を部屋で聴いていたら
楓が驚いてテロするよ!
と忠告されましたが 今のところまだ大丈夫です(笑)

 

2018.04.13更新

NHK・eテレで放送していた 弦楽四重奏の特集番組

最初に登場したアルデッテイ・カルテット
再びインタビューで 

なぜ そこまで現代音楽に固執するか 問われると

リーダーのアルディッテイさんは

ピュアでシンプルだから と まさにシンプルに答えます

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フォローするように チェロのルーカスさんが こう語ります

弦楽四重奏は 基本的には伝統的で古典的なものだが
20世紀後半からの作曲家は 新たな未知の表現を求めるようになり
彼等が作る弦楽四重奏曲では
演奏家と聴衆の間に 独特の緊張感を生み出されるようになった

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なるほど 書き手が聴きながら感じていた
姿勢を正さなければというニュアンスは まさにその緊張感だったのですね

納得です!(笑)


確かに現代音楽作曲家は 作品に深みを出したがるが故に
曲が難解になりがちだけれど
現代音楽は特別なものではないし 我々が生きている時代の一部なのだから
もっと興味を持たれていいのではないかな?

と ルーカスさんは まとめていましたが


うーん 確かに 現代音楽は
ちょっと近寄りがたいというか 馴染みにくいところもあります(苦笑)

書き手も 若い頃は嫌いではなかったのですけれどね(再苦笑)

その“緊張感”は 確かに惹きこまれる部分ではあるのですが
ちょっと しんどい気がしないでもないのが 正直なところで(再々苦笑)

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彼等は最後に 日本人の細川俊男さんが作曲された
沈黙の花 を演奏しました

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間のとり方や音色が まさに日本的で
まるで雅楽を聞いているような気すらしましたが

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彼等は 

この曲は間違いなく日本の伝統音楽の影響を受けていると感じ
こうした曲を西洋の弦楽四重奏が演奏するのは
異なる文化の重なり合いを具現していることにほかならず
独特の緊張感が生まれて面白い 

と語っていました

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うーん やっぱり 緊張感なのですね、、、



2時間にわたった番組の後半には エマーソン・カルテットが登場し
伝統的で古典的な弦楽四重奏曲が演奏されました

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ハイドンが基礎を作った弦楽四重奏曲に

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歌を加えたとされる モーツアルトの弦楽四重奏曲15番

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祈りを加えたとされる ベートーベンの弦楽四重奏曲11番

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はやり 安心して聴けるというか 穏やかな気持ちになります

緊張感は 感じないけど(笑)


アルゲッテイと比べて エマーソンの4人組は

演奏しているときの目線を交わしてのコミュニュケーションが
より頻繁で しかも柔和な感じがしました

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それに 作曲家が曲を作った時に抱いていたであろう感情も
喜怒哀楽が容易に想像できて わかりやすいように思いました

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現代音楽では
聴きながら作曲家が何を訴えたいのか必死に探らなければならないのと
まさに好対照です(笑)



同じ弦楽四重奏の形式をとりながら

前衛的な現代音楽を得意とするアルデッテイ・カルテット
伝統的な古典音楽を奏でるエマーソン・カルテット

対照的なふたつのグループの演奏の聴き比べは とても面白かったのですが

うーん 現代音楽 もう少し勉強しようか 聴き込んでみようか
正直 迷うところですね(笑)



で ふたつのグループが演奏する姿や インタビューでの受け答えを見ていて
ちょっと気になったのですが

弦楽四重奏におけるチェロの役割って どんな位置付け 役割なのかな?

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興味があります!



2018.04.09更新

それは 音楽の最も精神的な形をとったもので
精神が音楽の形をとった 精神とそれらの究極の姿である

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かの吉田秀和さんが そう評されたのが 弦楽四重奏

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NHK・eテレのクラシック音楽館で放送していた
弦楽四重奏の特集番組の冒頭で いきなり こうした言葉が引用されて

さらに

きしむ弦 交錯する視線 共鳴する魂  そして 究極の対話

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こんなものものしいキャッチコピーがナレーションされるのですよ


えーっ 弦楽四重奏って
個人的には サロンで優雅に楽しむイメージなのですが

そんな おどろおどろしい言葉で形容されるものなの?(笑

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で 登場してきたの アルディッテイ・カルテット

お好きな方は 文頭のつかみの流れから
この4人組の登場を予期されたかもしれませんが

不勉強の書き手は 皆さん はじめまして! です(苦笑)

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そして いきなり演奏が始まったのが バルトークの弦楽四重奏曲3番

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確かに 4人の掛け合い 対話 共鳴 という雰囲気は
ひしひしと伝わります

でも なんというか 姿勢を正さなければ という気もしてくる
リラックスして楽しむ という感じでないかな、、、

でも 徐々に4人が奏でる世界に惹きこまれていくのですよ


ただ 癇に障る というか 不協和音のように聴こえる部分も出てきて
書き手は それはそれでいいかもと 更に深みにはまりそうになりますが

一緒に見聞きしていた糖尿病専門医さんは この時点で
どうもバルトークは苦手だなあと 席を立たれてしまいました(笑)


アルデッテイ・カルテットは
現代音楽のエキスパートの弦楽四重奏団で
その圧倒的な表現力と超絶技巧は 世界的に高く評価されているそうです


バルトークの曲が終わったあとに 彼等のインタビューが入ります

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弦楽器は さまざまな音を奏でるのに適していて
ビヴラートの使い方で 多様な音を生むことが出来る

だから弦楽四重奏では 曲をどのように表現するかは 演奏家次第
作曲家の楽譜を忠実にコピーするわけではない自由さがある

現代音楽では 作曲家をリハーサルに招いて
作曲家と演奏家が共同で 作品を解釈し 理想を追求していくことができる

これは 作曲家が生存していない古典音楽では経験できないことで
古典音楽は 慣習を追い求めるものだが
現代音楽は 現在進行形で伝統を築いていくものだ

だからこそ 我々は現代音楽にこだわりたい


彼等は そんな風に語ります

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聞くところによると アルデッテイ・カルテットは
難解とされる前衛的な現代音楽の曲に敢えて挑戦することが多いそうで
なるほど そういうスタンスだからかと 納得しました


そして ハンガリーの現代音楽家・リゲティの弦楽四重奏曲 第2番

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現代音楽ねえ

書き手も若い頃は嫌いではありませんでしたが
正直言って 最近は 少し耳障りが悪く感じることも増えてきて
歳はとりたくない?(苦笑)

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長くなりそうなので 次回に続きます

 

 

2018.01.19更新

サントリーホールは 既にクリスマスモード!

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舞台には マリインスキー歌劇場オーケストラのメンバーが登場してきます

ロシアの芸術の都 サンクトペテルブルグを代表するオーケストラですが

団員の皆さんの風貌は さすがにスラブ風

少し濃い目の茶色や黒が目立つ 髪の毛の色
何気にエキゾチックさを感じさせる顔貌
それほど背は高くないけれど がっしりとした体躯

なんとなく アングロサクソンのヨーロッパ人とは 異なります

そして女性は スラブの方がきれいですよね(笑)

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万雷の拍手の中 登場した指揮者のワレリー・ゲルギエフさん

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不勉強の書き手は知りませんでしたが
マリインスキー歌劇場を率いて20年余り 斯界では有名な方だそうで
ちょっと強面で 厳格な哲学者のような風貌です


一緒に登壇したピアニストのデニスさんは 縦にも横にも巨体
みるからに気力も体力もみなぎっています!

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パンフレットで

ラフマニノフのピアノコンチェルト1番から4番までを 1日で弾きこなす

そんなスペシャルな企画をこなせるピアニストは

彼くらいしかいない

と ゲルギエフさんが語っていましたが さもありなん です

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午後1時から9時まで頑張るには 相当の気力 体力がいりますよね!


ちなみに ラフマニノフ自身は やせ型の190cmの長身で
掌も充分に大きかったので
ピアノを演奏するときは リスト張りの超絶技巧だったとか(笑)

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さて ピアノコンチェルト3番

世の中的には 2番と同じくらい人気が高いそうですが
にわかラフマニノフファンの書き手には
あまり馴染みがありません(苦笑)

デニスさん 最初は巨体を折り曲げるように静かに演奏していましたが
曲が展開して最後の方にいくにつれて 渾身の力を込めた演奏!

いやー その迫力に圧倒されました!

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この3番は
ロマンチックさを これでもかとばかりに訴えかけてくる2番とは
少し趣が異なります

ベースにあるのが ラフマニノフ独特の 得も言われぬ情緒性であることは
2番と変わらないのですが

直情的に訴えかけてくるのではなく 奥深くしっとりと語りかけてくる感じ

思い切り端折って言うと 大人の雰囲気 ですよ

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通俗すれすれの甘美さが 強く表に立つ2番と比べると
3番は 大衆受けの要素は少ないものの
構成面での洗練さの度合いは2番をはるかに凌駕する

といった論評もあり

ピアノのテクニックも より高度なものが要求されているそうです


2番は 
ラフマニノフ自身が一時的なスランプにより精神的に落ち込み
その苦境から精神科医の暗示療法により立ち直り
そのあとすぐに作曲されたそうですから
色々な意味でメリハリがストレート といった感じがあるのでしょうが

それに対して

3番は 充実した壮年期に作曲された
4つのピアノコンチェルトのなかで 最もスケールが大きい傑作

と 評価されているそうで

はい 聴き比べてみると とても納得できます


そして 4番 

初めて聴きます

ベースに切なさやロマンチックさがあるのは 変わりないのですが
2番や3番に比べると 情緒的な力強い訴えかけが影を潜め
むしろ 落ち着いて 安心して聴けます

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アメリカ亡命後に書かれた 唯一のピアノコンチェルトですが
ゲルギエフさんは 4番はユニークで素晴らしい曲と
2番 3番に勝るとも劣らぬ評価をしています

書き手は 結構 気に入りました

2番 3番とは趣が異なる深さが あるように感じます


ひとりの作曲家が作ったピアノコンチェルトを
出来た順番に経時的に聴き比べるという経験を 初めてしましたが
なかなか面白かったです


若い頃に作られた2番

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円熟味を増した頃に作られた3番

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さらに歳を重ねてから作られた4番

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幹を形成する 哀愁を帯びたモチーフは 終始一貫して変わらないけれど
歳を重ねるにしたがい
当然ながら 表現の仕方は変化するのですね

ゲルギエフさんに 音楽の新たな楽しみ方を教わった気がします


それにしても ロシアのロマン派 抗しがたい魅力がありますね!

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そうそう ファーストバイオリンの女性も 魅力的でした!(笑)

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2018.01.15更新

糖尿病専門医さんは 浅田真央ちゃんの大ファンです

だから フィギュアスケートの中継番組があるときは
我が家のテレビのチャンネル権は 当然 糖尿病専門医さんのもの!

書き手は フィギュアスケートにはあまり興味はないし
真央ちゃんのファンでもないので
なんとなくお付き合いして見ていることが多いのですが

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でも 真央ちゃんおかげで 趣味の幅が広がりました


そう ラフマニノフ ですよ!

ピアノコンチェルトの2番 でしたっけ?
真央ちゃんがフリー演技の音楽に使われたのを聴いて

この曲 誰の?
ああ ラフマニノフ 良いじゃないの!(笑)

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それまで ラフマニノフには あまり馴染みはなかったのですが

実は いろいろな映画テレビのCMなどで
彼の作品とは認識せずに 知らぬ間に聴いていて

そして しっかりと気に入っていたことに 気付きました

読み手の皆さんのなかにも そうした方がおられるのではないかな?


ロシアのロマン派音楽を代表する ラフマニノフ

書き手のような天邪鬼からすると

ラフマニノフ 好みなのですよ と公言するのは
あれ 悪ぶっていても 意外に純じゃないの?

などといじられそうで なんとなく気恥ずかしい?(苦笑)

でも 彼の音楽には
惹きこまれる 心揺さぶられるものがありますよね!

あの魅力を なんて表現すればいいのかな?

哀愁 切なさ 甘美 ロマンチック 力強さ メランコリー

どんな言葉が 適切なのでしょう?

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そんなラフマニノフのピアノコンチェルトを

1番から4番まで 一気に聴き比べてしまいましょう!

という 大胆な(?:笑)催しがありました

その名も ラフマニノフの祭典2017

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バレエ 音楽など ロシアの芸術を幅広く日本に紹介する
Russian Seasons Japan 2017 の一環で
(いつぞやのロシア天才美少女コンサートと同じ企画です) 

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マリインスキー歌劇場オーケストラ

ロシア人のデニス・マツーエフというピアニストが

午後1時から9時まで 2部構成で
ピアノコンチェルトの1番から4番まで 
4曲全部を通して演奏してしまう!



うーん 興味はあるけれど
さすがに1時から9時はつらいなあ と 逡巡しましたが

心配しなくても 人気の協奏曲2番が演奏される第1部のチケットは
既に完売になっていました(笑)

それにしても よくこんな企画を思いついたものです!


ということで 3番 4番が演奏される第2部に行ってきました

少し早めに会場に着いたので 周囲をウロウロしていると
第1部を聴いて 第2部に備えて腹ごしらえをしているような方もおられ

うーん 真のラフマニノフファンはかくあるべし 
なのかと思いましたよ!


ラフマニノフのピアノコンチェルトは
ロシアのオーケストラとピアニストの組合せでこそ
その素晴らしさを存分に披露することができる

パンフレットには そう書いてありましたが さもありなん

民族の文化って そういうものですよね!

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特にラフマニノフの場合 アメリカに亡命したあとも
常に故郷のロシアの自然と豊かさを懐かしみ
それをイメージしながら 作曲に取り組んでいたそうですから

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やはり 同じ空気を吸って育った音楽家たちによる演奏が
いわく言い難い コアのような情動を 表現できるように思います


さて いよいよ ラフマニノフづくしが始まります



2017.12.27更新

我が家のクリスマスの定番
鈴木雅明さんのBCJの ヘンデルのメサイアに 今年も行ってきました

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鈴木雅明さんは 以前にブログで紹介しましたが
プログラムによると このクリスマス公演も 今年で17回目

ほぼ毎年行っているので 書くネタがなくなるですが
なんとか 話題をひねり出して、、、(苦笑)

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今年は チケットを買いに行くのが例年より若干遅れたので
ホールのうしろの方の席になりました

糖尿病専門医さんが購入してくれたのですが
彼女は今時珍しいアナログ派で オンラインでのチケット購入が苦手

で プレイガイドで店員さんと対面しながら買われたそうですが

かなり前か かなりうしろの席しか空いていなくて
どちらにしようか迷っていたら
店員さんがうしろの席を勧めてくださったとか


コンサートや舞台で
ホールのどのあたりの席で見聞きするか 迷いますよね!

前の方だと
演奏家やバレリーナの細かい表情まで見れて 迫力満点だけれど
なんとなく圧迫感もある?(苦笑)

真ん中あたりの席で
ときどきオペラグラスを使いながら楽しむのがいちばんかな
と 思っているのですが

さて うしろの方の席だと どうでしょう?


ということで 席からは こんな眺め

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舞台の全体が空間的に把握できる感じで 意外に良いんじゃない?


で 舞台を眺めていて ふと気がついたのですが
今日は 指揮台のところにチェンバロが置いてあります

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普段の演奏では 下の写真に写っているように
息子さんの優人さんが 舞台の中央後方で通奏低音を仕切られますが

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今回は 雅明さんが 指揮をしながらチェンバロも演奏されるようです


この形式は ビデオなどで見たことがありますが
ナマで見聞きするのは初めてで

演奏しつつ指揮をするのは 格好が良いです!

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ちなみに ピアノとチェンバロの見分け方は 鍵盤の白黒の違いで
通常のピアノの鍵盤では白い部分が
18世紀のチェンバロだと 写真でご覧のように黒くなっています

ピアノとチェンバロの違いの蘊蓄は
また別の機会にすることとして(苦笑)



1年ぶりのメサイア

さすがに毎年聴いていると 違和感なくヘンデルの世界に入り込めますが

初めて糖尿病専門医さんに連れられて聴いたときは
あなたの知らない世界で 面喰いましたよ!(笑)

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だって 書き手は糖尿病専門医と異なり
キリスト教に慣れ親しんで育ってきたわけではないし

ハレルヤコーラスになって 聴衆の信者の方が立ち上がったときは
ホントに驚いたものです(苦笑)



さて 今年のゲスト・ソプラノは 森麻季 さんでした

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森さん
コンサート会場で配られるチラシで 高頻度にお姿を拝見していて
その存在は充分に認識していましたが ナマで聴くのは初めて!

で 最初のうちは 普通という感じでしたが
聴き込んでいくうちに 段々と琴線に触れてきて
なかなか良かったです!

容姿も華がありますが
なにより ご自身が楽しんで歌っておられる雰囲気が所作に滲み出ていて
表情が豊かで 見ていても楽しくなります

そういうのって 意外に大切だと思います

糖尿病専門医さんは 歌い方にオリジナリテイがあって好感が持てる
と プロらしいコメントをされていました(笑)


うしろの席で聴く効用も あるように思いました

音の波長が ちょうどよく全ていい塩梅に耳に届くというか
うまく表現できませんが トータルで楽しめるというか

プレイガイドのプロの店員さんが うしろの席を勧めてくださった訳が
わかったような気がしました


で 森さんも良かったのですが
アルトのカウンターテナーのテリー・ウエイさんが
とても印象に残りました

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女声のパートであるアルトやソプラノを 男性が歌うカウンターテナー

書き手は昔
変声期の前の少年の甘美な声を維持するために
睾丸を切除してしまうという
17世紀にイタリアで行われていた カストラートにまつわる映画を見て

へえー 世の中は奥が深い と驚いたものですが

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カウンターテナーは 男性が裏声を使って女声を表現するわけで

その甘美さには テノールやバスより魅かれるものがあります

今回 テリーさんの美声が印象的だったのは
うしろの席効果の影響もあったかな?(笑)


ということで
もちろん 毎年のようにコーラスも素敵でしたが
今年は例年にも増して 独唱の美しさに魅了されたメサイアでした

プログラムに書いてありましたが 鈴木雅明さんは

ヘンデルの音楽には
バッハにはない スペクタクル感や明るいエンタテイメント性があり
独唱はオペラテイックで 合唱も趣が異なる大きな役割を果たしている

と語られていて

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はからずも そうしたご指摘を満喫できた夜でした!



2017.12.22更新

ステージが明るくライトアップされ 
いよいよ HIROMI EDMAR が登場しました

ふたりとも小柄!

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EDMARは 書き手の知り合いのコロンビア人と同じで
やや褐色の肌合いで 陽気で優しい雰囲気が 全身から醸し出されています

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コロンビアの首都ボゴタの出身
書き手の留学時代のボスのManuelも ボゴダ産まれだったので 懐かしい!


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それにしても 
ステージの上にあるのは 
グランドピアノとハープだけ
というのも 初めて見る光景です!

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しかもハープは 見慣れている大きなどっしりとしたものでなく
ちょうど小柄なEDMARの背丈くらいの小ぶりなもので
電源装置と接続しているから エレクトリックなのかな?

ちなみに あとで聞いた話だと
彼が演奏していたのは コロンビアン・ハープという楽器で
弦の数がオリジナル・ハープより2本多い34本だそうです
(オリジナル・ハープが32弦だなんて 知りませんでした!)


で もうひとつ つかみで驚いたのが HIROMIの髪型

後ろの方が 爆発していました!
お似合いだけど 整髪剤で塗り固めたのかな?

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ふたりは 去年の6月のモントリオールのジャズフェスで
初めて出会ったそうです


HIROMIは EDMARのソロのハープ演奏を聴いて

It was jaw-dropping experience. I was like WOW !
口があんぐりするほど驚いた! ハープってこんな楽器だったの?

と 驚いたそうです


一方 EDMARは HIROMIのピアノ・ソロを初めて見聞きして

やはり WOW! で(笑)

他のどんなピアニストとも違う これまで見たことがないような
彼女のエネルギッシュなタッチに驚愕したそうです


そしてふたりはお互いに
私たちは同じ音楽の言葉を共有していて 簡単にコラボできるだろうと感じ

実際に一緒にセッションしてみたら
ケミストリーが予想以上にすごくて驚いた

と語っていました

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うーん どんな ケミストリーを体験できるのかな?
ワクワクします!


そして ライブが始まりましたが

すごいです! 興奮します! 鳥肌が立っちゃう!


初めての ナマHIROMI !

鍵盤が壊れてしまうのでは? と思うくらいの力強いタッチ

勢い余って立ちあがって演奏
表情もすごくエネルギッシュで ピアノと格闘している雰囲気?(笑)

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で EDMARとしっかりアイコンタクトしながら進めていくのですが
なかば即興なのかな?

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EDMARは 

ハープ全体を抱きかかえるようにしながら

左手を伸ばして長い弦の低音部を
右手で手前の短い弦の高音部をつまびく
両手の指が 絶え間なくリズミカルに動きます

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まるでハープが 指とつながった体の一部のようです

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ハープというと 
チャイコフスキーのバレエ音楽などで
優雅で落ち着いた音色を奏でてくれる楽器という印象でしたが

うーん HOROMIが感じたような ハープの概念が変わる
まさにそんな WOW!の世界が目の前で繰り広げられて びっくり!

低音部は まるでベースのような音の響きで
高音部の従来のハープらしい音色と
絶妙にマッチして 経験したことがないような音の世界が広がっています


そして ピアノとハープのケミストリー!

お互いが支え合い 補完しながら
サビの部分では 一緒に一気に 大いに盛り上がる!

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オーデイエンスは 総立ち!

書き手も糖尿病専門医さんも 思わず立ち上がって 
頭の上で拍手していました!

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もちろん HIROMI EDMARそれぞれが
しっとりと聴かせてくれたソロパートも 心に染み入りました


いやー 初ナマ HIROMI
そして 想像していた域をはるかに越えた EDMARとのケミストリー

素敵な時間を 楽しませていただきました!

帰りに思わずCDを買っちゃいましたよ!(笑)

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HIROMIさん
以前のThe Trio Projectのときも思ったけれど
コラボメンバーを選ぶセンスがあるよね! 

これからも 目が離せないです!



そうそう 糖尿病専門医さんが発見したのですが

フロアのオーディンエスのなかに 
ご高齢の男性の二人組の方がおられて

曲に合わせて身体を自然に絶妙にスイングされていて
その振る舞いが とても格好良かった!


たまたまHIROMIが ステージでのトークで

この世界は現役の長老プレーヤーが多くて
50歳過ぎてやっと大人扱い 38歳の私はまだベビー 

80歳過ぎの尊敬するミュージシャンに
いちばん気に入っているアルバムはどれですか? と聞いたら

Next one!  と答えられたそうで

そういう大人になりたいなあ~と 同年代のEDMARと話しています

と語っていましたが

書き手も 
あんなフロアのおじいさんのようになりたいな! と思いました(笑)

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幸せ気分で 帰りに表参道を通ったら
イルミネーションのライトアップが始まっていました!

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