左利き肝臓専門医ブログ

2018.02.16更新

ジョン・ノイマイアーさんの バレエ・椿姫

thn09

もうひとつ 驚いたのは
劇中劇というか 劇中にバレエを組込んでくるのです

それも マノン・レスコー

thn10

男を破滅させる妖女・ファム・ファタールのハシリとされる
美少女マノンと 騎士デ・グリューの 激しくも哀しい愛の物語

thn11


オペラの椿姫では 華やかな舞踏会の場面で幕が開きますが

ノイマイアーさんのバレエでは プロローグに続いて

ヒロインのマグリットと 彼女を愛する青年のアルマンが
バレエのマノンを鑑賞する第1幕が展開されます

その後 全てのストーリーを通して
最後に寂しく死んでいくマノンの姿に 椿姫のヒロイン・マルグリットは
自らの姿を重ねるように 愛憎をともないながら見入り

最後のシーンでは
マルグリット・マノン・デ・グリューが一緒に踊るという

現実と幻想が入りまじったシュールな世界が 繰り広げられるのですよ

thn12

こんな 深みがある凝った演出! びっくりしました!


ノイマイアーさんは この演出について

椿姫の原作 デュマの小説が
さまざまな視点から真実を描写する形式をとった 近代的なもので
語りの観点の多層性という点から とても興味深いと考えていて

だからこそ 映画で表現されるような
記憶の光景を変えて フラッシュバックのような手法を用いることが
可能だと思い

そこで マノンを物語に組み入れて
マルグリットの思いに 常にマノンが投影されるような仕組みを考えついた

と 語っておられます

thn13

うひゃー ですよね!(笑)

よくぞ そんなアイデアを思い浮かべることができるものです


そして 

こうした演出を施すことにより
セリフも歌もない ダンスのみによって 物語を語ることが出来る

と 説明します

なるほどです~!


しかも 挿入するのが マノン・レスコー ですよ

大人の世界ですね~(笑)



前回 真夏の夜の夢を見たときに ノイマイアーさんは

原作の戯曲の世界を 忠実にバレエに再現しようとは思っていない
バレエを観た人の想像力に訴えかけるような世界にしたい

現実の世界と妖精の世界 意識と無意識の世界は
密接につながっていることを 観る人にアピールしたい

と語っておられましたが

今回の演出でも そうしたコンセプトが充分に生かされていると感じました


こうしたオリジナリテイーを随所に散りばめることにより
オペラとは完全に差異化された ノイマイアーさんの椿姫の世界は
ホント 見事に観るものを惹きこみました


マルグリットとアルマンがふたりで踊る
ときに情熱的で ときに切なく哀しく ときに痛々しい数々のシーンは
息を呑むような迫力や美しさがあったし

thn14
thn15


舞踏会の場面で踊られる群舞のコール・ド・バレエは
オレンジ 青 などの 華やかな衣装の色合いも美しく
群舞も見事で 充分に楽しめました

thn16
thn17


カーテンコールは
お約束の 観客全員の スタンディング・オベーション

最後にノイマイアーさんも 舞台に登場して応えられていました


うーん これは
ノイマイアー教に 魅入られてしまうかも?

危ない!(笑)




そうそう プログラムノートの最後で
ノイマイアーさんは こんなことも語っています

アルマンが マルグリットの心をわざと傷つけるために
若い娼婦との親密な関係を見せつける場面こそが
実は最もインパクトのあるシーンであると


マルグリットは傷つき 彼女を傷つけたことを知ったアルマンは
そのあと 狂気のような愛を交わす

ヒトという厄介な生き物の 心の奥に隠れた襞

thn18



いや~ 大人の世界は 奥が深いですね!(笑)



2018.02.12更新

彼は どうやって 料理するのかな?

書き手は 会場に行く道すがら ちょっと楽しみにしていました


昨年末に ソフィア・コッポラ演出のローマ歌劇場オペラで楽しんだ 椿姫

trvc21



今度は バレエで同じ演目を楽しみます

thn01



バレエは 踊りとマイムで世界を表現するわけですが

セリフや歌がない世界で 
あの狂おしいまでの愛憎の世界を どう訴えかけるのか?

困難さがともなう分 楽しみでもあります


しかも 演出するのは
ハンブルグ・バレエ団の ジョン・ノイマイアー

thn02


一昨年 真夏の夜の夢で 書き手の度肝を抜いてくれた巨匠は
どんな演出を見せてくれるのでしょう? 

ますます 期待度が高まります


で 会場について
パンフレットを購入して席について開演を待っていたら

thn01a

糖尿病専門医さんが 
これ あらすじを読んでいた方が良いかもよ 
と パンフレットを読みながら アドバイスしてくれました

バレエの演出でも 椿姫のストーリーそのものは 変わらないのだろう
と思っていたのですが


ところがなんと ノイマイアーさん
大胆な仕掛けを施しておられるのですよ!


オペラの椿姫は 華やかな舞踏会のシーンで幕を開けますが

このバレエは ヒロインの高級娼婦・マルグリットが亡くなったあと
彼女のアパートで遺品がオークションにかけられる場面から始まります


そして プロローグのあとに繰り広げられる舞台は
そのあと全て ショパンの音楽で彩られます

thn03

オケなしのピアノだけで 全てが支えられる幕もあり
舞台の上でピアノが演奏されるシーンもあって
それだけで オペラの椿姫とは 全く異なる世界が繰り広げられます


ピアノ・ソナタ3番 第3楽章 ラルゴ
ピアノ協奏曲2番
華麗なる円舞曲 第1番 第3番
24の前奏曲 17番 15番・雨だれ 24番
ポロネーズ作品22

いずれも 耳慣れしているショパンの曲なのですが
ノイマイアーさんが紡ぎ出すバレエの世界に まさにぴったりで


しかも ショパン・フェチの糖尿病専門医さんをして

今まで慣れ親しんできたショパンの同じ作品とは思えない 

と言わしめるほどの 劇的な効果があるのですよ


ノイマイアーさんご自身が プログラムノートで語られていましたが

彼はこのバレエの構想を頭のなかで思い浮かべていたときに
ショパンの音楽が流れてきて

その調べに沿って
彼の頭のなかで混沌としていた直観的なイメージが
すんなりときれいに整理整頓され
舞台の流れが あっという間に出来上がってしまったそうで

うーん そういうことが 芸術家の頭の中では 起こり得るのですね!


びっくりしたし 感動したし
そんな経験が出来るなんて 羨ましいと思いました

thn04


ノイマイアーさんは ショパンのことを

時代をどのように感じ取るかという点において共感するし
彼の音楽的感受性は
自分がバレエの振り付けを行うときの音楽に対する感受性と同じだ

と語っています


再度 うーん 凡人にはうかがい知れない世界ですね

羨ましい、、、


でも びっくりするような羨ましいことは もっと続くのです(笑) 


2018.02.05更新

イギリスの そして世界の文学史上に燦然と輝く ルイス・キャロルの名作

背伸びして格好をつけていた高校生の頃
書き手は 対訳版の Alice’s adventures in wonderland を片手に

aaw01

その軽快なパロデイやナンセンスな言葉遊びを
さも原語で楽しんでいるかのように振る舞っていましたが
(なんて気障な奴!:苦笑)

本当は 何も理解できていなかったのですよ!(笑)


だって 英語のパロデイが解らないのはもちろんだけれど

日本語訳を読んでも
なんだかよくわからないストーリーなのだもの!(再笑)

aaw02



それでも アリスの物語には 何か惹きつけられる魅力がありました

だから 2年程前に
イギリスのロイヤルハウスバレエの日本公演で
演目にアリスを持ってきたときに

aww03

これは見てみたい! と思って チケットの抽選に挑んだのですが
あえなく ハズレ!(苦笑)


でも そのリベンジを果すチャンスが 遂にやってきました!

先日 真夏の夜の夢 を楽しんだ
ロイヤルオペラバレエのシネマシリーズ
なんと 不思議の国のアリス を上映するのですよ!

しかも 2017年 今年10月の シーズン開幕日の公演の録画です

aww04


しっかり発売開始日にチケットをオンライン購入して
お馴染みになったコレド室町の映画館に足を運びました

さすがに 人気演目のアリスだけあって
いつもより観客は多めで しかも若い女性が多く
しかも ポップコーンを手にした人が少ない!

書き手は ちょっと照れながら 
でも しっかりとポップコーンをつまんでいましたよ(笑)

aww05


さて 前述したように このお話の魅力は
奇想天外なストーリーと ウイットに富んだ言葉遊びですが

バレエは ご承知のように セリフを発しないマイムの世界です

はたして バレエで
アリスの世界の魅力を表現することは 可能なのでしょうか?


はい とっても可能でした!

すごく面白かった!


バレエ 音楽 舞台装置

目で見て 耳で聴いた方が
前頭葉で難解なパロデイやナンセンスな言葉遊びを理解しようとするより
ずっと楽かもしれません

考えてみれば 当たり前?(笑)

aww06


アリスが白ウサギを追いかけて ウサギの穴に飛び込んでから
次から次へと経験する 摩訶不思議な世界

aww07


振りつけ師のChristopher と 作曲のJobyは

aww08
aww09


ほとんど5分おきに 場面が変わるような勢いで
アリスの世界を 軽快に 華やかに 小気味よく 表現していきます

いやー これは 面白いし 楽しい!

舞台装置も 現代的で 華やかで 美しい!

aww10



バレエのダンスそのものは
クラシックはもちろん しっかりテクニックを見せてくれますが

aww11


コンテンポラリー的な振り付けもあり

aww12


マッドハンターが踊るパートでは なんとタップを踏ませます!

aww13



幕間の解説で
マッドハンターを演じたダンサーがインタビューに答えていましたが
(こういう解説があるのが シネマバージョンの美味しいところ!)

タップは下半身を落とし バレエは逆に下半身を上に上げるので
その連続を繰り返し行うのが 醍醐味であり きついところだそうで

なるほどです!


いちばんの見どころでもある
悪役のハートの女王が踊るシーン

aww14


眠りの森の美女で ヒロインが踊る名場面をイメージしたそうで

aww15


そうか オマージュとパロデイを兼ね備えた演出なのですね!

aww16


しかも 強烈な個性が際立つハートの女王を演じるのは
前回ご紹介した
20年にわたりロイヤルバレエのプリンシパルを務められた
実力者のゼナイダ・ヤノウスキーさん

aww17


そりゃ 舞台が 華やかで 滑稽で しかも美しくなるはずです!


ということで この アリス

原作にあふれる風刺精神を
バレエの舞台の上で しっかりと形を変えて表現しているわけで

まさに 新たなアリスの冒険の世界を 創り出していました!

aww18


これは 観る者は 次から次へとワクワクできて楽しいし
世界中で大人気を博すのも うなずけます


幕間が2回あり 舞台だけで2時間以上
幕間の解説も含めると 全部で3時間を超える長丁場でしたが
全く飽きることなしに 楽しめました!

そして またチャンスがあれば
今度はナマで あの不思議な世界に浸ってみたいと思うのでした!



2018.01.19更新

サントリーホールは 既にクリスマスモード!

rapc11



舞台には マリインスキー歌劇場オーケストラのメンバーが登場してきます

ロシアの芸術の都 サンクトペテルブルグを代表するオーケストラですが

団員の皆さんの風貌は さすがにスラブ風

少し濃い目の茶色や黒が目立つ 髪の毛の色
何気にエキゾチックさを感じさせる顔貌
それほど背は高くないけれど がっしりとした体躯

なんとなく アングロサクソンのヨーロッパ人とは 異なります

そして女性は スラブの方がきれいですよね(笑)

rapc12


万雷の拍手の中 登場した指揮者のワレリー・ゲルギエフさん

rapc13

不勉強の書き手は知りませんでしたが
マリインスキー歌劇場を率いて20年余り 斯界では有名な方だそうで
ちょっと強面で 厳格な哲学者のような風貌です


一緒に登壇したピアニストのデニスさんは 縦にも横にも巨体
みるからに気力も体力もみなぎっています!

rapc14


パンフレットで

ラフマニノフのピアノコンチェルト1番から4番までを 1日で弾きこなす

そんなスペシャルな企画をこなせるピアニストは

彼くらいしかいない

と ゲルギエフさんが語っていましたが さもありなん です

rapc15

午後1時から9時まで頑張るには 相当の気力 体力がいりますよね!


ちなみに ラフマニノフ自身は やせ型の190cmの長身で
掌も充分に大きかったので
ピアノを演奏するときは リスト張りの超絶技巧だったとか(笑)

rapc16
rapc17


さて ピアノコンチェルト3番

世の中的には 2番と同じくらい人気が高いそうですが
にわかラフマニノフファンの書き手には
あまり馴染みがありません(苦笑)

デニスさん 最初は巨体を折り曲げるように静かに演奏していましたが
曲が展開して最後の方にいくにつれて 渾身の力を込めた演奏!

いやー その迫力に圧倒されました!

rapc19


この3番は
ロマンチックさを これでもかとばかりに訴えかけてくる2番とは
少し趣が異なります

ベースにあるのが ラフマニノフ独特の 得も言われぬ情緒性であることは
2番と変わらないのですが

直情的に訴えかけてくるのではなく 奥深くしっとりと語りかけてくる感じ

思い切り端折って言うと 大人の雰囲気 ですよ

rapc25

通俗すれすれの甘美さが 強く表に立つ2番と比べると
3番は 大衆受けの要素は少ないものの
構成面での洗練さの度合いは2番をはるかに凌駕する

といった論評もあり

ピアノのテクニックも より高度なものが要求されているそうです


2番は 
ラフマニノフ自身が一時的なスランプにより精神的に落ち込み
その苦境から精神科医の暗示療法により立ち直り
そのあとすぐに作曲されたそうですから
色々な意味でメリハリがストレート といった感じがあるのでしょうが

それに対して

3番は 充実した壮年期に作曲された
4つのピアノコンチェルトのなかで 最もスケールが大きい傑作

と 評価されているそうで

はい 聴き比べてみると とても納得できます


そして 4番 

初めて聴きます

ベースに切なさやロマンチックさがあるのは 変わりないのですが
2番や3番に比べると 情緒的な力強い訴えかけが影を潜め
むしろ 落ち着いて 安心して聴けます

rapc26


アメリカ亡命後に書かれた 唯一のピアノコンチェルトですが
ゲルギエフさんは 4番はユニークで素晴らしい曲と
2番 3番に勝るとも劣らぬ評価をしています

書き手は 結構 気に入りました

2番 3番とは趣が異なる深さが あるように感じます


ひとりの作曲家が作ったピアノコンチェルトを
出来た順番に経時的に聴き比べるという経験を 初めてしましたが
なかなか面白かったです


若い頃に作られた2番

rapc21

円熟味を増した頃に作られた3番

rpr8

さらに歳を重ねてから作られた4番

rapc22


幹を形成する 哀愁を帯びたモチーフは 終始一貫して変わらないけれど
歳を重ねるにしたがい
当然ながら 表現の仕方は変化するのですね

ゲルギエフさんに 音楽の新たな楽しみ方を教わった気がします


それにしても ロシアのロマン派 抗しがたい魅力がありますね!

rapc23



そうそう ファーストバイオリンの女性も 魅力的でした!(笑)

rapc24

 

2018.01.15更新

糖尿病専門医さんは 浅田真央ちゃんの大ファンです

だから フィギュアスケートの中継番組があるときは
我が家のテレビのチャンネル権は 当然 糖尿病専門医さんのもの!

書き手は フィギュアスケートにはあまり興味はないし
真央ちゃんのファンでもないので
なんとなくお付き合いして見ていることが多いのですが

rapc01


でも 真央ちゃんおかげで 趣味の幅が広がりました


そう ラフマニノフ ですよ!

ピアノコンチェルトの2番 でしたっけ?
真央ちゃんがフリー演技の音楽に使われたのを聴いて

この曲 誰の?
ああ ラフマニノフ 良いじゃないの!(笑)

rapc02



それまで ラフマニノフには あまり馴染みはなかったのですが

実は いろいろな映画テレビのCMなどで
彼の作品とは認識せずに 知らぬ間に聴いていて

そして しっかりと気に入っていたことに 気付きました

読み手の皆さんのなかにも そうした方がおられるのではないかな?


ロシアのロマン派音楽を代表する ラフマニノフ

書き手のような天邪鬼からすると

ラフマニノフ 好みなのですよ と公言するのは
あれ 悪ぶっていても 意外に純じゃないの?

などといじられそうで なんとなく気恥ずかしい?(苦笑)

でも 彼の音楽には
惹きこまれる 心揺さぶられるものがありますよね!

あの魅力を なんて表現すればいいのかな?

哀愁 切なさ 甘美 ロマンチック 力強さ メランコリー

どんな言葉が 適切なのでしょう?

rapc03


そんなラフマニノフのピアノコンチェルトを

1番から4番まで 一気に聴き比べてしまいましょう!

という 大胆な(?:笑)催しがありました

その名も ラフマニノフの祭典2017

rapc04

バレエ 音楽など ロシアの芸術を幅広く日本に紹介する
Russian Seasons Japan 2017 の一環で
(いつぞやのロシア天才美少女コンサートと同じ企画です) 

rapc05


マリインスキー歌劇場オーケストラ

ロシア人のデニス・マツーエフというピアニストが

午後1時から9時まで 2部構成で
ピアノコンチェルトの1番から4番まで 
4曲全部を通して演奏してしまう!



うーん 興味はあるけれど
さすがに1時から9時はつらいなあ と 逡巡しましたが

心配しなくても 人気の協奏曲2番が演奏される第1部のチケットは
既に完売になっていました(笑)

それにしても よくこんな企画を思いついたものです!


ということで 3番 4番が演奏される第2部に行ってきました

少し早めに会場に着いたので 周囲をウロウロしていると
第1部を聴いて 第2部に備えて腹ごしらえをしているような方もおられ

うーん 真のラフマニノフファンはかくあるべし 
なのかと思いましたよ!


ラフマニノフのピアノコンチェルトは
ロシアのオーケストラとピアニストの組合せでこそ
その素晴らしさを存分に披露することができる

パンフレットには そう書いてありましたが さもありなん

民族の文化って そういうものですよね!

rapc06


特にラフマニノフの場合 アメリカに亡命したあとも
常に故郷のロシアの自然と豊かさを懐かしみ
それをイメージしながら 作曲に取り組んでいたそうですから

rpr6

やはり 同じ空気を吸って育った音楽家たちによる演奏が
いわく言い難い コアのような情動を 表現できるように思います


さて いよいよ ラフマニノフづくしが始まります



2018.01.12更新

書き手は自分では意識しておらず
糖尿病専門医さんに指摘され 初めて気がついたのですが

絵画や美術品などを見るとき
「これは良いね」とか「これは美しい」と感嘆するのは

青色の場合が 圧倒的に多いそうで

うーん 確かにそう言われれば 青は好きな色かもしれません

onb01


で そんな “ブルーフェチ” (笑)の書き手の心をつかんだのが
セーヴル展で展示されていた これらの作品でして

onb02
onb03


今回の企画展を観て 初めて知ったのですが

セーヴルの代名詞とも言える色は 深く美しい青色

onb04

なかでも

「王者の青」(bleu de roi)
と呼ばれる 深みのある宝石のような青色は
まさにセーヴルを代表する特徴的な色で

onb05


酸化コバルトを顔料として 熟練した職人たちの手により作られました

onb06


うーん ブルーフェチの心が疼きます(笑)


セーヴルで磁器が焼かれ始めた初期には
まだカオリンが発見されず 硬質磁器を作ることはできませんでしたが

逆に軟質磁器では 硬質磁器より鮮やかな発色が出来たので
前回ご紹介した ポンパドール・ピンク をはじめとする
さまざまな美しい色をした磁器を作れたそうで

王者の青も まさにその時期に開発されたそうです


さらに 王立製陶所の特権として 24金を用いた装飾が許されたので

深いブルーの周りを 燦然と輝く優雅な模様で飾ることができ
ため息が出るような美しい作品が生まれました

onb07

ホント きれいですよね、、、

onb07a



セーヴルには 3種類のブルーがあります

@ファットブルー

onb09

深い瑠璃のブルー
まさに「王者の青」と称される 他の追随を許すことの無い濃紺色で

コバルト焼成を3回繰り返すことで
深みのある均一なコバルト地を作り出します


@クラウデッド・ブルー

onb10

夜空に雲を表現したような ぼかし技を用いたコバルトブルー

セーヴルで最も古いブルーの技法だそうで

コバルトを彩色・焼成したあとに さらにコバルトの絵の具で彩色し
こすり職人・たたき職人が その絵の具を 焼成前にこすり取ることで
深遠なぼかしが表現できるそうです


@アガサブルー

onb11

明るく華やかな水色

水色というには安直すぎ
ターコイズというには軽すぎる独特の色合いで
もっとも繊細な技術が必要とされるため 非常に高価だそうです


斯界では クラウデッド・ブルーの人気が高いそうですが

書き手はなんといっても 王者の青 が好みです!

見ていて飽きません

onb12


もちろん 金の装飾が施されたものもきれいですが

onb13

シンプルな濃紺も 甲乙つけがたいくらい美しいと思います

onb14


それにしても
セーヴル陶磁器展で こんな新たな発見に出会えるなんて びっくりです!

世の中 まだまだ勉強しないといけないことは沢山あります(笑)

onb15


うーん 青の世界は深いですね!


2018.01.08更新

サントリー美術館で開かれていた

セーヴル 創造の300年展 を見てきました

srp01


フランスを そしてヨーロッパを代表する磁器である セーヴル

ヨーロッパの磁器と言えば マイセンらいしか知りませんでしたから
セーヴルの予備知識は全くなし

興味本位で ちょっと どんなものか覗いてみましょう
という感じでしたが(笑)

でも これが 予想していた以上に 面白くて 良かったのですよ!


なんといっても 最初の展示品がコレですから!

srp02


マリー・アントワネットのバストを模したと言われる 乳房のボウル

実際にミルクを飲むのに使われたそうですが

ドキッとするようなフォルムだけでなく
セーヴル初期の軟磁器時代の特徴の
美しい白色と上品な紫色のコントラストが  見る者の心をつかみます


教科書的にセーヴルの歴史を紐解くと

17世紀 シルクロードから運ばれてきた  中国の陶磁器の美しさに
心を奪われたヨーロッパの人たちは

srp02a

自分たちもあのような磁器が作れないかと  試行錯誤を繰り返し

やがてドイツのマイセンで ヨーロッパで初めて白磁の焼成に成功し
ヨーロッパにおける陶磁器作製の歴史が始まります


srp02b


フランスは マイセンに後れをとっていましたが
やがてマイセンの秘法が 外部に漏れるようになり
18世紀中頃から フランスでも陶磁器の製陶が始まります

そこで ベルサイユのほど近いセーヴルに王立製陶所を作り
一流の画家彫刻家絵付師品質管理担当者などを雇用して
セーヴルの名を世界にとどろかせたのが

誰あろう
ルイ15 世の寵妾 あの ポンパドール夫人 なのですよ!

srp03


いやー 知りませんでした!

ポンパドール夫人は有名なので ご存知の方も多いと思いますが

平民階級の出身ながら
際立った美貌に加え その深い知性と教養により ルイ15世に見染められ
24 歳の若さで 公爵夫人にまでのし上がり
時の政治・経済・文化に 大きな影響を与えた女性です

書き手は昔 ポンパドール夫人に興味を持って
彼女に関する本を 何冊か読んだことがありますが


自ら文化サロンを主宰して 多くの文化人たちを援助して
文化の興隆に大きく貢献したのは スゴイと思い

そのサロンは どんな雰囲気だったのかなと
思いを巡らしたりしたものです(笑)

srp05


で 彼女が育てた文化こそが ロココ文化

srp06

ブルボン王朝末期の 果物が熟しきる前の 爛熟の極みのような文化

富と権力の象徴で いかにも貴族趣味
豪華で 優雅で 官能的で 女性的で そして 退廃的

srp07

まさに マリー・アントワネットが暮らした時代です

srp08


書き手は この手は 決して嫌いではないのですが(苦笑)

セーヴルの陶磁器も ロココの粋 とも言える特徴を有していて

ブルボン王朝末期の
鼻持ちならない贅沢なベルサイユ宮廷文化を
普段使いの食器や装飾品として 優美に華やかに彩っていたわけです

srp09
srp09a


曲線的な形をした壷や皿や
その名も「ポンパドール・ピンク」を地色にした
カップやポンポニエールが その典型例ですが

srp10
srp11

このピンク

ポンパドール夫人のお気に入りだったようですが
あまりに高価で 色の調合法も複雑だったので やがて廃れたそうです


そうなのか

ポンパドール夫人のサロンや 彼女が興したロココ文化には
書き手も 大いに興味も馴染みもありましたが

セーヴルの陶磁器がそこに絡んでくるとは 知りませんでした


でも それ以上に 書き手の興味をひくものがあって、、、



2018.01.04更新

もう 去年のことになりますが(笑)

大晦日の 朝8時過ぎ

お休みにも関わらず 書き手は早起きして
寒空の下をどこに向ったかというと
ほとんど人が見当たらない コレド室町

swlj01

初雪が舞ったこの日の朝は とても寒かったけれど
頑張って歩いていきましたよ!

ハイ 8時半から始まる これを見るためです

swlj02 


うーん 朝の8時半から映画を見るのは初めてですが
さすがにこの時間だと 空いていたのですよ(笑)

人影がまばらなロビーでは スターウォーズ・グッズが売られていました

swlj04


確か2年前の年末にも この映画館に
前作の The Force Awakens フォースの覚醒 を見に来ました

そのラストシーン

自らの内に潜むフォースの存在に気付いたヒロインのレイが
離れ小島で隠遁生活を送る ルーク・スカイウォーカーを訪ねる

swlj05

こんなシーンを見せられたら
2年後 朝の8時半に 映画館に行きたくなりますよね?(笑)


ということで スターウォーズ・シリーズの第8作 最後のジェダイ

大晦日の朝早くから見に来ている人は
なぜか中高年の男性1人が多く カップルや家族連れは見かけません

うーん なんだか異様な雰囲気だ(苦笑)


で いつもの音楽にのって
これまでの物語の解説が 画面いっぱいに延々と字幕でスクロールされ
本編が始まります

まだ見ていない方もおられるでしょうから
ネタばれしないよう 物語の詳細を語るのはやめますが

前作で登場した
光の世界を象徴するレイと 闇の世界を象徴するレン
心理劇のように語りあいながら物語を進行させます

swlj07


話の大きな筋のひとつになるのが
離れ小島でのレイとルークの ジェダイとしての修行です

swlj08

そのなかで レンとルークの師弟関係が破綻したいきさつ
レンがダークサイドに落ちた理由などが 明らかにされますが

swlj09


この離れ小島の風景が とても美しくて気に入りました

swlj10
swlj11

実在する アイルランドの大西洋に浮かぶ離島だそうです


で 前作では 実の親子であるレンとハン・ソロの関係が
ストーリーの柱となっていましたが

swlj12

今回は ハン・ソロの仲間であった ルークレイア姫
主人公として物語を進行させます

swlj14

まるで 同窓会ですよね(笑)

swlj13

若かりしハン・ソロやルークが活躍した
スターウォーズの初期作を見たのは
書き手がまだ医学生だった30年以上も前のこと

swlj14a

だから 見ている方も同窓会気分になります(笑)


この一連のスター・ウォーズのシリーズ

制作者のジョージ・ルーカスは世界中の神話を読みまくり
そのエッセンスを拾い上げて
ストーリーを作り上げていったと言われますが

確かに 多くの神話の基盤をなす
善と悪 光と闇 親子関係といったモチーフは
観る者を飽きさせません

こんなに長くシリーズが続いているのも うなずけます


さて 物語は最後の方で
ルークとレンとの関係がクローズアップされますが

swlj15

うーん 前作でも感じたのですが ワルの心の内の描き方が足りない!

どうして レンがダークサイドに落ちていったのか?

レンは 光の象徴でもあるレイと
どのような関係を持ちたいと思っているのか?
単に自分の野望のためだけに レイを利用しようとしたに過ぎないのか?

そのあたりを もう少し突っ込んで描いてほしかったです

swij16


フォースは 善の世界だけでなく闇の世界にも隠然と存在するわけで
だから 闇の世界の心理もしっかりと描いてほしい

善の世界はわかりやすいけれど 闇の世界はわかりにくいし

でも 善と同じくらい
もしかしたら善より より人間的かもしれない闇の世界

天邪鬼な書き手は そこをもっと丹念に描いてほしいと思うのですよ(苦笑)


さて 次作の公開予定は また2年後だそうで

前回のラストシーンでのレイとルークの遭遇のような
次作の展開を期待させるような暗示的なラストシーンは
今作では見られませんでしたが

きっと2年後の年末にも 書き手はこの映画館に来ることでしょう(笑)


あ 今回 新しく登場したキャラのなかで いちばん気に入ったのは
クリスタルフォックスでした!

swli17

 

2017.12.29更新

くるみ割り人形 の コール・ド・バレエ について語りましたが

bnc1720

以前 新国立劇場バレエ団のプリンシパルの小野絢子さんが
同劇場のHPのインタビュー記事で
コール・ド・バレエを踊る難しさについて 次のように語っておられました


コール・ド・バレエを美しく見せるには
常に全部の⽅向に神経を配らなければならないし

音楽とうまく調子を合わせることも大切で
ほんの紙⼀重でもテンポがずれるとダンスの感覚が変わり

遅いテンポだと ばらつきが出るし
速いテンポだと ついていけなくてガタガタになってしまうので

本番は与えられた音楽で ダンサーたちがどうにか料理しなくてはなりません


なるほどです

bnc1721

そういう意味では コール・ド・バレエは
バレエ団の実力や底力が 如実に出るように思います

タレントあふれるプリマやプリンシパルがいれば
彼ら彼女らのソロや ふたりで踊るパ・ド・ドゥで魅せることはできますが

でも 20人以上が一同に踊るコール・ド・バレエは
ソロやパ・ド・ドゥとは異なる魅力があります

そして メンバー全体のスキルが 高いレベルで揃っていないと
コール・ド・バレエは美しくなりません

bnc1722


前回も言及しましたが

くるみ割り人形は
幼いクララのイブの夢物語がモチーフなので

まあ お子ちゃまは それだけでも充分に楽しめるでしょうが
正直言って大人的には ストーリー展開に少し物足りなさも感じます

bnc1723

だから 雪と花のふたつのワルツのコール・ド・バレエを愛でながら
バレエ団の力を評価するといった
そんな鼻持ちならない(?:苦笑)大人の楽しみ方もできる演目かな?

とも思います

bnc1724



で 大人のいやらしさで
くるみ割り人形にもう一歩踏み込むと(再苦笑)

花のワルツは 

夢の世界の女性リーダーの金平糖の妖精が踊るバージョン と
クララ自身が踊るバージョン の 
2種類があります

今回のキーエフは後者でしたが 書き手は前者のバージョンが好みです

というのも 前者のバージョンでは

まず クララを夢の世界に引きずり込んだ 老人のドロッセルマイヤーが
花のワルツの主役の金平糖の妖精を クララに紹介して

bnc1725
bnc1726

幼い少女のクララが 大人の女性の金平糖の妖精に憧れて
彼女の仕草や表情を必死に真似て踊るのですが

bnc1727
bnc1728

ドロッセルマイヤーは その様子を
舞台の隅からじっと眺めているのですよ

bnc1729


そして そのあと 王子を登場させてクララと踊らせる

その様子も ドロッセルマイヤーは 舞台の隅からじっと眺める

bnc1730


舞台では クララ 王子 金平糖の妖精らが入りまじり
見事なコール・ド・バレエが展開される


これって 思い切り深読みすると
谷崎潤一郎の「痴人の愛」とか 渡辺淳一の「化身」で表現されていた
微妙で隠微なコンテクストを 感じられません?

そんな突拍子もない解釈をするのは
ひねくれた大人の書き手だけでしょうか?(笑)


物語の最後に 
一夜の夢から醒めたクララは 少し大人になって朝を迎える

仕掛け人のドロッセルマイヤーは
どこで どんな気持ちで そんなクララを見ているのでしょう?

bnc1731


そして くるみ割り人形だった王子は  実は刺身のツマだった?

ドロッセルマイヤー 恐るべし?(笑)

bnc1732



ほらね お子ちゃまが喜ぶ くるみ割り人形

大人だって こんなふうにして楽しむことができるのですよ?(笑)

nc1703

良い子の皆さん ゴメンナサイ!(苦笑)

 

2017.12.28更新

クリスマスイベント第2弾

ヘンデルのメサイア
今日ご紹介する バレエのくるみ割り人形

毎年の我が家のクリスマスの恒例行事で

連日のイベントとなった今年は
糖尿病専門医さんも すこぶるご満悦!(笑)

bnc1701

ただ 昨日のメサイアと同様
毎年ブログネタにしている書き手としては
同じ舞台を新たな視点から料理するのは 意外に大変!(苦笑)


去年のくるみ割りは ボリショイバレエの公演の映画を見ましたが

今年は ウクライナのキーエフ・バレエのナマ公演です

bnc1702

今年1月の新春公演で 眠りの森の美女を見ましたから
なんと 1年に2回もキーエフ・バレエを鑑賞することになりました

この企画を後援している賃貸くんとも再会!(笑)

bnc1703

こんな面白いTシャツも売っていました

bnc1704


さて チャイコフスキーの名作 くるみ割り人形

簡単にストーリーのおさらいをすると

主人公の少女クララ
イブの夜のホームパーテイで 怪しげな老人ドロッセルマイヤーから
くるみ割り人形をもらい

bnc1705

たいそう気に入ったクララは 人形を抱いて眠りにつきますが
やがて不思議な世界に入り込んでいきます


突如 ネズミの大群が襲い掛かってきますが
そこに現れたのが くるみ割り人形!

bnc1706

ネズミの大群との戦いを
クララの機転の助けを借りて制した人形は
なんと 素敵な王子様に変身します!

そしてクララと王子は
ふたりで訪れたお菓子の国で 素晴らしい一夜を楽しむ

bnc1707

というストーリーですが


まあね
幼気なお子ちゃまが イブに心ときめかせるのには
ぴったりのストーリーで

糖尿病専門医さんは 毎年たいそう満足されるのですが

ひねた天邪鬼の書き手には いまひとつ刺激が足りないです(苦笑)


そんなわけで 第1幕のネズミと王子様の対決のシーンでは

bnc1708


天邪鬼なオヤジは

不謹慎にも(?:苦笑)舟を漕いでしまいましたよ

bnc1710



ということで 

糖尿病専門医さんがお気に入りの
クララが不思議の世界に入り込むサインとも言える
クリスマスツリーが大きくなるシーンも 夢の中で見ました?(笑)

バレリーナの体は小さくできないから
ツリーを大きくすることでサイズの変化を 相対的に表現する

bnc1709

なかなか凝ったアイデアですよね(笑)



でも たとえ公演中に舟を漕いでも 帳尻はしっかり合わせる書き手

しばし夢の世界に入り しっかりと目覚めて
今度はホンモノの夢の世界を楽しみます!(笑)


ハイ 目覚めたところで始まったのが
この演目のハイライトともいえる 雪のワルツの群舞です
(業界用語では コール・ド・バレエと呼びます)


くるみ割り人形は 色々なバレエ団のものをたくさん見てきたので
書き手もちょっと薀蓄が語れるようになりましたが(笑)

このバレエは 

第1幕の 雪のワルツ 

bnc1711


第2幕の 花のワルツ

bnc1712


ふたつのコール・ド・バレエを楽しむ演目と
思うようになりました


特に ハープの演奏で始まり
途中でバレエでは珍しいナマのコーラスが入る雪のワルツ
衣装も白に薄い青色が入っていて 書き手の好みです

bnc1713

この前のEDMERのハープも良かったけれど
やっぱりハープは 優雅にメロディを奏でるのが魅力的です


一方 花のワルツ
まさにハープの優雅さ 優しさを 全曲にわたって満喫できますし

少し緊張感がある雪のワルツに比べると
全体的に華やかで 優しくて ほのぼのとした幸せ気分になれます

bnc1714


雪と花 まさに甲乙つけがたい!


そして 今回のキーエフは コール・ド・バレエが素晴らしかった!

ダンスの〆の ビシッとした“決め”が グループ全体で見事に揃っていて
ちょっと感動的ですらありました

bnc1715

その感動を 次回もう少し詳しく紹介します



前へ

entryの検索

カテゴリ

高橋医院 メールでのお問い合わせはこちら 高橋医院 メールでのお問い合わせはこちら