左利き肝臓専門医ブログ

2018.08.10更新

尿の回数 尿の量が 多くても少なくても 病気の可能性があります


<排尿に関わる器官>

腎臓で作られた尿は
尿管により膀胱に運ばれ そこで溜められてから
尿道を介して体外に排出されます

尿管は ぜん動運動により 尿を腎臓から膀胱に運ぶ働きをします

膀胱は 尿を貯める袋で 300~500mlの尿を溜めることができ
 周りを排尿筋という筋肉が囲んでいて
 尿を溜めている間は 排尿筋は弛緩しています

尿道は 膀胱の尿を外に出す管で
 男性では 20~25cm 女性では 5cm の長さがあり
 尿道括約筋というバルブがあり 排尿のタイミングを調節しています

前立腺
 男性の膀胱のすぐ下にあり器官で 精液の成分を作っています
 加齢により肥大が生じたりすると
 尿管を圧迫したりして 排尿に異常を生じさせます

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<排尿の仕組み>

排尿は 反対の働きをする
膀胱の排尿筋 尿道括約筋のバランスにより規定されていて

尿を溜めているときは 排尿筋は緩み 括約筋は締まり
排尿するときは 排尿筋は収縮し 括約筋は緩みます

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<尿の量と回数>

健康な方では
通常は1日に500~2000mlの尿を出していて
トイレに行く回数は10回以内が多い

それより 量や回数が 多かったり 少なかったりした場合は
なんらかの病気が隠れていることがあるので注意が必要です


@乏尿

1日の尿量が500ml以下の場合は 乏尿です

頻尿になると 老廃物を排泄できなくなるので危険です

原因は

*腎前性  血圧低下などで 腎臓に行く血流が足りなくなる

*腎性   腎臓が急性に障害されて 尿ができなくなる

*腎後性  尿路が閉塞されて 尿が排泄できなくなる

に分類され

それぞれの状態は さまざまな病気により起こってきます

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@多尿

1日の尿量が2000ml以上だと 多尿です

原因としては

*尿を濃縮するホルモン(ADH)の濃度が低いか 腎の反応性が悪い
 中枢性尿崩症 腎性尿崩症

*心因性多飲症

*慢性腎不全 急性腎不全の多尿期

*糖尿病

*利尿薬

などがあります


@頻尿

昼間に8~10回以上トイレに行く
夜中に2回以上トイレに行く

場合は 頻尿です

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多尿が原因のことが多いのですが

*過活動性膀胱
 膀胱の筋肉が勝手に収縮するので 急にトイレに行きたくなる状態

*神経因性膀胱 
 排尿のコントロールが上手くいかない状態

*膀胱炎

*前立腺肥大

といった病気が隠れていることもあり 注意が必要です


@残尿感

尿をしても し残したような感じがする状態で
尿道の通りが悪くなることが原因です

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前立腺肥大 がん 尿道狭窄 などを疑う必要があります


@夜間の頻尿・尿量増加

通常は水分摂取量が減るので 夜間の尿量は減少し 排尿回数も減ります

しかし 夜間に何度もトイレに行く場合は

*過剰な水分摂取

*膀胱容量の減少

*尿路系の炎症

*前立腺肥大

などが疑われます


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また 夜間の尿量が増加する場合は

慢性腎不全 心不全 肝硬変

などの病気の存在が疑われます

 

2018.08.09更新

尿の検査は 外来で試験紙を用いて 簡単に行われます

尿検査で検出できるのは

*白血球

*赤血球

*タンパク

*糖

などです

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@蛋白尿

通常は タンパク質は尿細管で再吸収されるので 尿中にほとんど出ず
出たとしても 1日に100~150mg程度です

そのうち アルブミンが10~30mgで 約半分を占めています


尿中に蛋白がたくさん漏れていることは
腎臓に障害があることを反映し
また蛋白尿それ自体が 腎臓に障害を与えます


蛋白尿が見られた場合
それが 持続性か 一過性か が問題になります

というのも
健康な方でも 運動後などに一過性に蛋白尿がみられることがあり
起立性蛋白尿と呼ばれます

また 発熱 ストレスなどでも 蛋白尿がみられることがあります


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通常は 早朝起床時 安静時には見られないことが多いので
朝起きてすぐの尿を持参していただいて検査したり
随時尿を何回か検査して 3回以上連続した場合に持続性と診断したりします


@血尿

血尿は

*肉眼的血尿  見た目でわかる 赤褐色 暗黒褐色の尿

*顕微鏡的血尿  見た目ではわからない

に分類されます


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原因として多いのは

*腎・尿路系の 結石 腫瘍 外傷

血液凝固異常

IgA腎症などの腎実質病変

腎尿路感染症

などで 

そうした病気を疑った詳しい精密検査が必要になります


@白血球

膀胱炎などの尿路感染症の際に認められ
細菌も同時に検出されることが多く 診断の助けになります


@糖

血中の糖は 腎臓で濾過される過程で 尿細管で再吸収されますが

血糖が異常に増加して限界(閾値)を超えると
尿に糖が出てきて検出されます

一般的には 血糖値が160~180mg/dLを超えると 尿に糖がでてきます

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尿糖は
排尿から次の排尿までの間に起こった高血糖を反映しており
糖尿病の可能性を示唆する所見ですから
精密検査を進める必要があります


しかし 尿に糖が出たら 必ず糖尿病 というわけではありません

尿糖の排泄閾値が低い つまり尿細管で糖を再吸収する力が弱いと
血糖値が正常でも 尿糖がでることがあり
この状態は 腎性糖尿 と呼ばれます

腎性糖尿は
糖尿病とは関係ありませんが
腎臓病の1種である尿細管障害と関連していることがあります

 

2018.08.08更新

尿の 泡立ち 色の変化 臭いの変化と 病気の関連について説明します


@尿が泡立つ

尿にとても泡が立っている と心配されて来院される方は多くおられます

病気でなくても 尿は濃くなると排尿中に泡立ちますが
この場合 しばらく便器の中の尿を見ていると泡が消えます

しかし 排尿する度に泡立ちがあり 泡がなかなか消えない場合は
尿に蛋白が混ざっている可能性がありますから
検査を受けて下さい

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また 全身の病気によって尿の泡立ちを認めることがあり
最も多いのは 糖尿病です

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血糖が160mg/dL以上に増加すると 尿の中に糖が排泄されるようになり
尿糖が増加すると 尿の粘稠度が高くなって
尿の泡立ちが目立つようになります


@濁った尿 茶褐色の尿が出る

健康な方は
朝起きたとき 汗をかいた後などは 色が濃い尿が出ますし
水分をたくさん摂ったあとは 薄い尿が出ます

これは 尿の量により 体内の水分バランスを調節しているからで
尿の量が少ないときは 濃縮されて濃い色になり
逆に多いときは 希釈されるので薄い色になります

たとえば 夏の熱中症などで 体内の水分が不足する脱水症状では
尿の量が減るので 尿の色が濃くなります

ビールなどをたくさん飲んだときは すぐに色の薄い尿がたくさん出ます

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しかし

*常に尿がにごっている
*コ-ラや赤ワインのような色の尿が出る

場合は なんらかの病気が存在している可能性があります


肝臓の病気では
褐色系の濃い尿がでることがあり
この場合 尿の色の濃さの原因になるのは ビリルビンという物質です

ビリルビンは 赤血球が寿命を迎えて壊されて出来てくる物質ですが
通常は尿中に出てくることはありません

しかし 肝臓や胆道に病気があったりすると 血液中にあふれ出し
尿から排泄されるので 尿の色が濃くなります

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こうした状況は 病的でよくない状態ですので すぐに受診して下さい


赤褐色で濁っている場合に心配なのは 血尿です

血尿は 腎結石 急性腎炎 腎臓がんなどが原因で起こります

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また 赤褐色・茶褐色の尿は 横紋筋融解症という病気でも起こります

これは 何らかの原因で筋肉が壊れて
ミオグロビンという濃い色の物質が放出され
血液から尿に排出される状況で

脂質異常症 高血圧の薬 抗菌薬などを処方されている人で 稀に起こります


一方で 尿の色は 薬やビタミン剤の服用でも変化しますから
尿の色の変化が心配で医療機関を受診する際には
飲んでいる薬のことを 必ず医師や看護師に伝えてください


@尿が白っぽく濁る

膿尿(尿に膿が排出されている)が疑われます

膿尿は 膀胱炎 尿道炎などの尿路感染症や
腎盂腎炎などの腎臓の感染症によって生じます

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@尿が臭う

通常の尿は ほとんど臭いがありません


臭う場合で多いのは

膀胱炎などで ツーンとした刺激臭のようなアンモニア臭がする

糖尿病などで 甘酸っぱいアセトン臭がする

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場合で そうした際は 早目に医療機関を受診してください

  

2018.08.07更新

「尿が変な色をしているので心配です」

「このところ おしっこに泡がたつのが気になるんです」

そんな訴えで 当院に来られる方は少なくありません

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そこで 尿について説明しようと思います


<尿はなぜ出来るか?>

普段 何気なく意識せずに出している尿ですが
尿には とても大切な役割があります

それは 体内から害になる老廃物を排出することです


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尿を作る腎臓には
1分間に1リットル 1日に1.5トンもの大量な血流が運ばれています

運ばれた血液は 腎臓の中にある糸球体という部分で ろ過され
尿のモト(原尿)が作られます

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この糸球体は 腎臓の働きの中心的な役割を示すところで
さまざまな原因でここが痛んでくると 腎臓の病気が起こってきます


さて 腎臓では
血液を糸球体でいったんろ過して尿のモトを作ると

尿細管という別の部位で 尿のモトから必要なものを再吸収します

尿細管で 捨てるべきもの 再利用すべきもの の鑑別を行っているのです

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水分 塩分などの電解質は 99%が再吸収されますし
ブドウ糖 アミノ酸などの栄養素の多くも 再吸収されます

一方で 後述するアンモニアなどの老廃物は そのまま尿に排泄されます


こうして 最終的に尿が作られ排出されますが

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1日の尿量は1.5リットルで
*腎臓に運ばれた血液量の1000分の1
*糸球体で濾過された原尿の100分の1
にしか過ぎません

腎臓が いかに大変で重要な仕事をしているか イメージできましたか?

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<尿を作る意義 尿の働き>

ヒトの体が尿を作る大きな意義のひとつが
体内の水分量を一定に保つことです

体内の水分が足りなければ 尿は濃縮されて 出る量が減りますし

逆に水分が多ければ
尿はたくさん作られて 薄い尿が沢山出るわけです

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このように 主に腎臓と脳が協力して
尿の量を調節して 体内の水分バランスを整えているわけです


もうひとつの尿の重要な意義が 老廃物の排泄です


尿には

*電解質 (ナトリウム カリウム カルシウム リンなど)

*代謝老廃物

などが含まれていますが

前述のように 電解質の多くは再吸収され 老廃物は捨てられます


老廃物に含まれるものは

*タンパク質が分解されて生じる窒素酸化物

*尿素 尿酸 クレアチニン(筋肉の崩壊物) ホルモンの分解物

*薬の代謝産物

などです

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なかでも重要なのが 尿素です

なぜ 尿素が重要かというと

ヒトの体内では さまざまな場面で 有害なアンモニアが作られます

たとえば 食餌に含まれるタンパク質に含まれる尿素が
腸内細菌によって分解され  多量のアンモニアが産生されますし

脳などで生成され 血中を輸送されたグルタミンは
腎臓 腸管 肝臓などでグルタミナーゼにより
グルタミン酸とアンモニアに分解されます


こうして出来たアンモニアには 神経毒性があり
神経細胞のエネルギー産生を低下させたり
神経伝達物質を低下させたり
ひどい場合は 脳浮腫を来たしてしまいます


そこで アンモニアは 
肝臓で尿素回路により尿素に変換され
尿素は水によく溶けるので 腎臓で尿中に排泄されるのです

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ちなみに 尿を放置しておくと
尿中の尿素が微生物により分解されてアンモニアになって臭います


このように 腎臓は
体でいちばん働く代表的な老廃物の排泄器官であり

尿は 老廃物の排泄という重要な使命を担っているわけです


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