左利き肝臓専門医ブログ

2017.10.04更新

昨年のインフルエンザの流行の様子を解説しましたが

今年もいよいよ インフルエンザのワクチン接種が開始されます

そこで ワクチンについて復習も兼ねて 再度説明します


インフルエンザワクチンを接種してから その効果が発現するまでに
約2週間かかります

体の免疫系がワクチン成分に反応して 体内に抗体を作成するのに
2週間ほどの時間を要するからです


ifz1711


インフルエンザの流行は 例年11月中旬~末頃から始まりますが
年によっては11月に入ってすぐに流行することもありますから

10月中旬から 遅くとも11月中旬までには 接種した方が安心です


ワクチンの効果は 約5か月間持続しますが
接種後5か月すると 50%の人で抗体が有効水準以下になってしまいます

ですから

去年ワクチンを接種したので 今年はしなくても大丈夫!
というわけにはいきません

ましてや 流行するインフルエンザウイルスの亜型は年によって異なるので
毎年新たにワクチンを接種する必要があります


インフルエンザワクチンに どのような種類のウイルス亜型成分を組込むかは
日本では 国立感染症研究所が厚労省の依頼を受け決定します

世界的見地からの世界保健機構(WHO)の推奨や
日本での昨年の流行動態 抗体保有率などを参考にして
そのシーズンにどのような亜型が流行するか予測して
ワクチンに用いるべきウイルス亜型が決まります


今年のインフルエンザワクチンには

*A/シンガポール/GP1908/2015 (IVR-180)(H1N1) pdm09
*A/香港/4801/2014(X-263)(H3N2)
*B/プーケット/3073/2013(山形系統)
*B/テキサス/2/2013(ビクトリア系統)

の4種類のウイルス亜型が用いられます

ifz1714



日本人が これらウイルスの感染リスクを下げるのに充分量の抗体を
どれくらい保有しているか 昨年末に調査したところ

A型では A(H1N1)pdm09亜型 A(H3N2)亜型ともに
30歳以降の中高年層で抗体保有率が低く

また各年齢層ともに
A(H1N1)pdm09亜型よりも A(H3N2)亜型の方が
抗体保有率が低いことがわかりました


ifz1712


一方 B型では 山形系統 ビクトリア系統ともに
A型に比べて抗体保有率が低く
やはり30歳以降の中高年層で その傾向が著明なことがわかりました


ifz1713


前回 説明しましたように
今年はAH1pdm09亜型 シーズン終盤にはB型の流行が予想されますから

特に それらに対する抗体保有率が低い30歳以上の方は
ワクチン接種を受けられることをお勧めします


残念ながら
ワクチン接種したら絶対にインフルエンザにならないわけではありません 

統計によると ワクチンの効果は70~80%と言われていますが

ワクチンを接種しておけば 
たとえ感染しても 症状が軽くてすみ 重症化を防げますし
なにより会社や仕事を休まなければいけなくなるリスクが減ります


高齢の方や 糖尿病 呼吸器 循環器の病気などで治療されている方は
感染のリスクが高いことから 是非お受けください


ifz1715


また 妊婦さんや授乳中のお母さんも ワクチン接種をお勧めします

妊婦さんは 赤ちゃんへの安全性の面から
抗インフルエンザ薬を服用しにくい場合があるので
余計に予防接種が推奨されますし

授乳中でも予防接種は問題なく行えます



当院でのインフルエンザワクチン接種は 10月2日から開始しています

既に一昨日も昨日も 接種に来られた患者さんがおられました

接種費用は昨年同様 税込み3200円 です

ifz1716


今年度のワクチンの生産量 供給量は
昨年と同様~やや少なめとの情報が 厚労省・医師会等から伝達されています

ですから 感染リスクが高い方は 早目に接種された方が良いですし
13歳以上の方には 適切に1回のみの接種が勧められています

当院では 昨年とほぼ同数のワクチン確保を予定していますので
昨年接種され今年も接種を希望される方
今年から新たに接種をご希望の方は 
お早めにお問い合せ下さい

不明なことがあれば 遠慮なくお問い合わせください

 

2017.10.03更新

毎年9月末に インフルエンザワクチン のお知らせをしていますが
今年もそんな時期になりました


まず 去年冬のインフルエンザ流行がどんなだったかを
国立感染症研究所と厚労省がまとめたレビューを参考に見てみましょう

去年 インフルエンザの流行が始まったのは 11月中旬
例年より1ヶ月ほどスタートが早く

ピークは今年の1月下旬~2月上旬で 例年とほぼ同じで

ifz1701


インフルエンザで医療機関を受診された患者さんの数は1672万人で
過去2シーズンよりやや多いものの 例年とほぼ同程度でした

ifz1702


ちなみに 東京都内において インフルエンザの

*流行開始が宣言されたのは 11月24日
*流行注意報が出されたのは 12月28日
*流行警報が出されたのは      1月26日

でした

流行開始が宣言されてから 約2か月間でピークに達する のがわかります



では どんなタイプ(亜型)のインフルエンザウイルスが
流行したのでしょう?

以前 説明しましたように

インフルエンザウイルスには A型とB型があり
感染時に出現してくる症状が異なります


ifz1703


また A型とB型は流行の時期も異なり
シーズン始めはA型が流行し 終盤にB型が流行するパターンが多い

ifz1704



A型ウイルスの表面には
HAタイプとNAタイプの抗原が発現していて

ifz1705


HAには16種類 NAには9種類の異なる抗原性があるので
その組み合わせによってH1N1〜H16N9までの亜型に分類されます

一方 B型ウイルスは 山形系統とビクトリア系統に大別されます



このように インフルエンザウイルスには多くの亜型がありますが

毎年 主に流行する亜型が異なります



去年 主に流行したのは AH3亜型で
シーズン全体に占める割合は85%に達していました

またシーズン終盤の2月末からはB型の流行が始まり
3月末以降はB型がA型を上回っていました

ifz1706


一方 一昨年の2015~16年シーズンは
AH1pdm09亜型が主流であったものの 48%にとどまり
B型などの他の亜型の流行も高頻度に見られました

さらに興味深いことに その前の年の2014~2015年シーズンは
昨年と同様に AH3亜型がメインで

2013~2014年シーズンは 2015~2016シーズンと同じで
AH1pdm09亜型が主流で B型も多かった


ifz1707


上に示した 昨年から過去4年間のシーズンの
ウイルス亜型ごとの流行の経時的変化の棒グラフを見ると
1年おきに パターンが似通っているのがわかります

また下に示す
各シーズンに流行したウイルス亜型の頻度を表す円グラフでも
流行する亜型のパターンが 1年おきに似通っているのがわかります


ifz1708
このように
主として流行するウイルス亜型が 1年ごとに交代する現象が観察されます


この興味深い現象が生じる理由のひとつとして
前年に流行したウイルス亜型に感染した人は抗体を有していることが
推察されています


ということで
これまでと同じような1年おきに流行する亜型が異なる状況が続くならば

今年の冬に流行しそうなのは
一昨年と同じAH1pdm09亜型で シーズン終盤にはB型の流行も推測されます


はたして 予想通りになるでしょうか?

そして インフルエンザにかからないためには どうすればよいのでしょうか?

 

entryの検索

月別ブログ記事一覧

カテゴリ

高橋医院 メールでのお問い合わせはこちら 高橋医院 メールでのお問い合わせはこちら