左利き肝臓専門医ブログ

2015.12.11更新

去年の今頃は 
既にインフルエンザの患者さんが たくさん来院されていましたが

今年はまだ 当院では
インフルエンザと診断された患者さんは おられません


東京都健康安全研究センターが
毎週金曜日に発表しているインフルエンザ情報でも
都内で報告されているインフルエンザの患者さんの数は
去年の同時期の20%にも満たず 
過去5年でも一番少ない状況です

if1


去年が過去5年間で一番早く流行が開始したのとは対照的に
今年は逆に 過去5年間で一番流行の開始が遅れていて
本格的に流行り始めるのは 12月半ば以降と推測されています

そんなわけですから
インフルエンザワクチンの接種を受けられていない方は
まだ間に合いますから 是非 早目にお受けください


というのも 今年のインフルエンザの流行は ちょっと複雑そうだからです

日経メディカル電子版に掲載されていた情報によると
今までに報告されている
インフルエンザ患者さんから検出されたウイルスのタイプは

A型(H3N2)が最も多く
2009年に大流行したA型(H1N1)が その次に多いのですが

B型は 例年ではA型の流行が終息してから流行し始めることが多いのに
今年は既に山形系統 ビクトリア系統ともに検出されています

下の棒グラフに示されているように
去年はビクトリア系統は検出されなかったのに 今年は検出されていますし
山形系統は 今年は既に去年一年分の検出数と同等です

IF2

A型(H3N2)が主役だった去年とは異なり
今年はA型(H3N2)とA型(H1N1)の混合流行が既に始まっていて
さらに例年と異なり
初期からB型の流行が重なる可能性があるようです



インフルエンザのタイプについては 
今年のワクチン情報のブログで説明しましたが

こうした今年検出されている
A型(H3N2) A型(H1N1) B型(山形系統 ビクトリア系統)
いずれも 今年接種しているワクチンがカバーしているタイプです

去年までのワクチンがカバーしていたのは
A型(H3N2) A型(H1N1) B型(山形系統)の3種類(3価)で
今年のワクチンは それらに加えてB型(ビクトリア系統)が追加されて
4種類のタイプをカバーしています(4価)

ifv2015

厚労省が 今年はこの4種類のタイプが流行しそうだと予想したので
こうした新たなワクチンが用いられるようになりましたが
厚労省の予想通りの結果が出ているので
是非 今年はワクチンを接種した方が良いと思われます


また 今年 ワクチンを接種した方が良い理由が もうひとつあります

今年流行しそうなB型は ちょっと厄介なのです

健常者が 今年のワクチンで用いられているタイプに対する抗体を
どれだけ有しているか調べた結果
特定の年齢層では 
B型に対する抗体の保有率が低いことが明らかになったのです

ifv1



*A型(H3N2) A型(H1N1)に対する抗体の保有率は 比較的高いのですが
B型(山形系統)に対する抗体の保有率は中程度
 0~4歳 70歳以上では特に低い
B型(ビクトリア系統)に対する抗体の保有率は低く
 0~9歳 20代および50代以上で特に低い

したがって 4歳以下のお子様や 70歳以上の方は
シーズン初めから流行しそうなB型(山形系統)に感染するリスクが高く

9歳以下のお子様や 20代および50代以上の方は
今年新たに流行しそうなB型(ビクトリア系統)に感染するリスクが高い

ですから 特にそうした年代の方々は 
B型ウイルスへの感染対策のためにも 早目のワクチン接種をお勧めします

ifbbb



A型とB型では 感染したときの症状に大きな差はありませんが
B型はA型に比べると
*感染力が強く 潜伏期間が長いので 周囲の人にうつしやすい
*高熱がでないこともあるので インフルエンザを疑いにくい
*治療しても A型では1日で解熱するが B型では解熱に2日ほどかかる
*咳や痰などの気管支症状が多い
*嘔吐や下痢などの消化器症状が多い
といった特徴があります

ifab

高熱などの症状が激しく 容易にインフルエンザを疑うA型に比べて
B型は 比較的発熱が軽度で 嘔吐や下痢などの消化器症状をともない
非典型的なので インフルエンザが疑われず 放置されるリスクもありますから
心配な方は早目に受診されることをお勧めします


また 厄介なことに
1シーズンでA型とB型の両方にかかってしまう方もおられます

インフルエンザに一冬で二度かかってしまうのです

ウイルスのタイプが異なるので 
A型にかかったから B型にはかからない というわけにはいかないので
お気をつけください


これから寒さが厳しさを増し 空気が乾燥してくると
インフルエンザウイルスが繁殖しやすくなり 流行のリスクが高まってきます

繰り返しになりますが 
まだワクチン接種をされていない方は早目に受けられ
ワクチン接種をされた方も 日々の手洗い うがいを励行されて
インフルエンザにかからないようにご注意ください



entryの検索

月別ブログ記事一覧

カテゴリ

高橋医院 メールでのお問い合わせはこちら 高橋医院 メールでのお問い合わせはこちら