左利き肝臓専門医ブログ

2017.07.06更新

熱中症は これまで説明してきたような環境下で

めまい 失神(立ちくらみ) 生あくび 大量の発汗 強い口渇感
筋肉痛 筋肉の硬直(こむら返り)
頭痛 嘔吐 倦怠感 虚脱感 意識障害 痙攣 せん妄

といった 高体温による諸症状を呈した場合に診断されます

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<重症度と対処の仕方>


重症度は3段階に分けられます

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@Ⅰ度は軽症で 現場にて対処可能な病態

めまい 立ちくらみがある 気分が悪い ボーッとする
手足がしびれる 筋肉のこむらがえりがある 筋肉が痛い
といった症状が認められるときで

涼しいところに避難し 水分・塩分を補給するようします

自力で水分がとれなければ 医療機関を受診する必要があります


@Ⅱ度は中等症で 速やかに医療機関への受診が必要な病態

頭が痛い・ガンガンする 吐き気がする・実際に吐く
体がだるい 意識がなんとなくおかしい
といった症状が認められるときで

あおぐ 服をゆるめる 体を積極的に冷やす対処が必要です

濡らした体にタオルをあてると良いですが
顔だけではダメで
脇の下 首筋 足の付根など 太い血管のある部位を冷やすと効果的です

意識状態があやしい場合は 速やかに医療機関を受診すべきです


@Ⅲ度は重症で
 採血 医療者による判断により入院(場合により集中治療)が必要な病態

意識がない 体がけいれんする 真っ直ぐに歩けない
体が熱い 呼びかけに対する返事がおかしい
といった症状が認められるときで

すぐに救急車で病院に行かねばなりません

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*患者さんの意識があるか?

*自分で水分補給が出来るか?

が重要なポイントで

*意識がなければ 躊躇せずにすぐに救急車を呼ぶ

*自力で水分がとれなければ 医療機関を受診する

ようにしてください

そして何よりも 出来るだけ早くから体を冷やすことが重要です



<熱中症の予防>

熱中症の予防には

*こまめに水分補給をする
*日中の暑い時間帯は外出を控える
*外では 帽子をかぶり 直射日光を避ける
*室内では エアコンや扇風機を上手に利用する

といったことが大切です

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なかでも
塩分と水分の両者を適切に含んだ市販の経口補水液の補給が重要です


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熱中症では 水分とともにナトリウム(塩分)など電解質の喪失があり
Na 欠乏により脱水が生じることが主な病態なので
水分の補給に加えて 適切な電解質の補給が重要となるのです

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最近 いちばんポピュラーに使われているのが
大塚製薬の経口補水液オーエスワン(OS-1)です

推奨されている飲水量は

*高齢者を含む学童から成人が 500~1000ml/日
*幼児が 300~600ml/日
*乳児が体重1kg 当たり 30~50ml/日

とされています

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通常の水分・電解質補給であれば 市販のスポーツドリンクで十分ですが
生来健康な方でも 下痢 嘔吐 発熱 発汗 経口摂取不足で
いわゆる夏バテを感じた際に
電解質が入ったオーエスワンなどを飲むことで 熱中症の予防になります

当院に来られるご高齢の患者さんのなかには
常日頃からオーエスワンを飲むことを習慣にされている方もおられます

そうしたことが お年寄りの熱中症予防につながると思われます


また 梅昆布茶や味噌汁なども ミネラル 塩分が豊富に含まれており
熱中症の予防に有効と考えられています


ちなみに
スポーツドリンクは塩分量が少ないだけでなく
糖分が多いことにも注意が必要です

糖尿病患者さんで 夏場にスポーツドリンクを飲み過ぎて
血糖コントロールが悪くなる方は少なくありませんので
是非 ご注意ください!



2017.07.05更新

熱中症がいちばん起こりやすいのは
梅雨明け前後の暑さのピークで この時期の患者さんは重症率も高くなります

また 暑くなる前は 真夏よりも低い温度でも熱中症が発生し得ます

最近のような梅雨明け前の連続した晴天でも
熱中症の患者さんは増えますから 特に注意が必要です


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<暑さ指数:WBGT>

熱中症の発生には

*気温
*湿度
*風速
*日射輻射

などが関係し

熱中症リスク指標として「暑さ指数(WBGT)」が推奨されています

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暑さ指数については 以前に説明しましたが
人の体温に影響する要素である 気温 湿度 地面や建物からの輻射熱を
計算式により総合的に評価したものです

熱中症の本態は 体温が急に上がってしまい
体温調節が上手く働かず 体温が下がらないことですから

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体温に影響する因子を総合的に判断する必要があります

風が弱いことも 体温を上げる要因になります


<湿度にご用心!>

それらの要素のなかでは 湿度の影響がいちばん大きく

暑さ指数に占める 気温:湿度:輻射熱の比率は
1:7:2 となっています

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湿度が高いと汗が蒸発しないので 体温が下げられないのです


気温がそれほど高くなくても 湿気が高いと熱中症になり得ます

湿度が特に高い梅雨の時期にも 熱中症の注意が必要なわけです


ここ数日 何人かの患者さんに 熱中症と湿度の関連の話をすると
えっ そうなんですか?
と 驚かれる方が少なくありません

高い湿度が熱中症の原因になるという意識は ないのでしょうね


ということで

*暑さ指数が28℃(=気温31℃)を超えると 熱中症の患者さんは急増し

*暑さ指数が31℃(=気温35℃)を超えると
 熱中症による搬送者が大量発生します

リアルタイムの暑さ指数は 環境省のサイトで知ることができます


<暑さ指数に応じた日常生活 運動の注意>

暑さ指数の度合いにより 日常生活や運動は注意して行う必要があります

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@危険(暑さ指数31℃以上:気温35℃以上)

すべての生活活動で熱中症がおこる危険性があり
高齢者では安静状態でも発生する危険性が大きいので
外出はなるべく避け 涼しい室内に移動し
運動は原則全て中止です (特に子供はダメ)


@厳重警戒(28~31℃:気温31~35℃)

すべての生活活動で熱中症がおこる危険性があり
外出時は炎天下を避け 室内では室温の上昇に注意する
激しい運動は中止する


@警戒(25~28℃:気温28~31℃)

中等度以上の生活活動でおこる危険性があり
運動や激しい作業をする際は
30分毎に充分に休息を取り入れ 水分補給する


@注意(25℃未満:気温28℃未満)

一般に危険性は少ないが 激しい運動や重労働時には発生する危険性がある
運動はほぼ安全だが 適宜水分を補給する

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暑そうな日 ジメジメしている日は
暑さ指数をチェックされて
熱中症にならないようにご注意ください



2017.07.04更新

今年は空梅雨のようで 東京も日曜日からかなりの暑さになっています

こんなときに注意しなければならないのが 熱中症

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というのも
熱中症の発症時期は 梅雨明け後の7 月中旬から8 月上旬にかけてピークですが

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まだ本格的に暑くなる前は
真夏よりも低い温度で熱中症が発生するリスクがあるのです

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身体が暑さになれていない しかも 湿度が高い

湿度は あとで説明するように
熱中症を起こさせる大きな原因のひとつなのです


ということで 既に2年前に一度解説しましたが
改めて これからの季節に充分な注意が必要な熱中症について
より詳しく説明します

今回 新たに参考にしたネタ本は
日本救急医学会が出版している熱中症診療ガイドライン2015 です

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まず 熱中症の患者さんは どれくらいの数がいて
どんなヒトが どんな状況でかかりやすいか?


<熱中症の患者さんの数>

2013年の6~9月の4か月間に医療機関を受診し
熱中症関連の診断を受けた患者さんは407,948人おられました

そのうち 入院した方は35,571人(全体の8.7%)で
不幸にして亡くなられた方は550人(全体の0.13%)おられました

65 歳以上の患者さんが184,834人(全体の45%)を占め
高齢者の発症割合が高かったことがわかります

また 亡くなった方の86%が65 歳以上の患者さんで
高齢者の熱中症が要注意であることが 明らかにされています

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では どのような方が どのような状況で熱中症になられるのでしょう?


<熱中症の発症時期>

熱中症の発症時期は
梅雨明け後の7月中旬から8月上旬にかけてピークを迎え
発症時刻は12時および15時前後の日中が最も多くなります

また 興味深いことに 男性の患者さんが多く
年齢・発生状況別にみると

若年男性はスポーツ 中壮年男性は労働による発生頻度が
高い傾向が見られます


<若年・中壮年の熱中症>

熱中症は
*運動や労働など 体を動かしているときに発症する労作性
*普通の日常生活のなかで発症する非労作性
に 大別されますが

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上述したように

*若年男性ではスポーツ中

*中壮年男性では労働中

に起こる労作性熱中症が多く
いずれも 屋外での発症頻度が高くなります


スポーツ中の発症では
陸上競技などグラウンドでのスポーツ中に起こる場合は
重症率が高い傾向にあるので要注意です

特に2時間を超える長時間の連続した練習での発症頻度が高いとのことです

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労働による労作性熱中症は
農林 土木 製造業などの肉体労働で発症頻度が高く

男性 若年労働者 短い雇用期間は危険因子と報告されており
高温多湿な環境 飲水の機会が少ないと重症化しやすい

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しかし いずれも 健康な人が短時間で発症するため
診断も比較的容易で 治療への反応も良く 重症例は少なくてすんでいます


<高齢者の熱中症>

一方 高齢者では
男女ともに日常生活のなかで起こる非労作性熱中症の発症頻度が高く

屋内で発症する非労作性熱中症では

*高齢
*独居
*日常生活動作の低下
*精神疾患や心疾患などの基礎疾患を有すること

などが 熱中症関連死に対する独立危険因子となります


お年寄りは 家のなかでも 熱中症を発症してしまい
低栄養 脱水 持病の悪化などが重なり 重症化しやすくて危険

ということです

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日常生活の中で徐々に進行し
周囲の人に気付かれにくく対応が遅れる危険性があります

特に 高齢の女性 独居者に多いと報告されています

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注意しなければいけないのは
高齢者では たとえ室内にエアコンが設置されていても使用する方は少なく
設置しているにもかかわらず 使用を控える傾向にあったことで
エアコンの未使用者および非設置者の重症度は高い


高齢者の日常生活における非労作性熱中症は増加傾向にあるため
充分な注意が必要です

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家族や周囲に一人住まいの高齢者がおられる方は

*充分な水分補給をしているか
*適切にエアコンを使用しているか 

を チェックしてあげてください



2015.07.29更新

これだけ暑い日が続きますし
何人か疑わしい患者さんも来院されていますので 
熱中症について解説します


<熱中症ってなに?>

高い気温や湿度 などの環境要因
屋外での激しい運動・労働 などの行動要因
高齢 脱水 糖尿病などの持病 といった身体的要因

これらの要因が積重なり 上昇した体温が下がらなくなり
頭痛 めまい 筋肉痛などの症状から始まり
ひどい場合には意識障害まで起こしてしまう病態です

その本質は高い体温が下がらないことです


<なぜ熱中症になる?>

人の体は 体温が上昇したら
汗を出して水分を蒸発させ 皮膚の温度を上げて 
体温が外気へ逃げるようにして調節しますが

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気温が高い 湿度が高い 風が弱い 日差しが強い 
閉め切った屋内 エアコンがない部屋  といった環境要因

屋外での長時間に及ぶ激しい運動・労働で体温が過度に上がる
水分補給できない状況での労働 といった行動要因

高齢者 乳幼児 肥満である
下痢や二日酔いによる脱水状態
糖尿病 低栄養 といった身体要因

これらの要因が積重なり 
体温調節機能の限界を越え 体温が下げられなくなると 
熱中症を起こしてしまいます


<熱中症の指標:暑さ指数;WBGT>

テレビやインターネットの天気予報で
その日の熱中症の危険情報が示されていますが
危険度は暑さ指数(WBGT)をもとに判断されます

人の体温に影響する要素は
気温 湿度 地面や建物からの輻射熱 風などですが

そのなかでは特に湿度の影響がいちばん大きく
(湿度が高いと汗が蒸発しないので体温が下げられないから)

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暑さ指数はそれらを計算式により総合的に評価したものです

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グラフに示されたように
暑さ指数が28℃を超えると 熱中症の患者さんは急増します

リアルタイムの暑さ指数環境省のサイト で知ることができます


<暑さ指数:WBGTによる日常生活・運動の注意点>

WBGTの値により 危険 厳重警戒 警戒 注意 の4段階に分かれ
日常生活や運動の注意点が異なります

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@危険(暑さ指数31℃以上:気温35℃以上)

すべての生活活動で熱中症がおこる危険性があり
高齢者では安静状態でも発生する危険性が大きいので
外出はなるべく避け 涼しい室内に移動し
運動は原則全て中止です (特に子供はダメ)

@厳重警戒(28~31℃:気温31~35℃)

すべての生活活動で熱中症がおこる危険性があり
外出時は炎天下を避け 室内では室温の上昇に注意する
激しい運動は中止する

@警戒(25~28℃:気温28~31℃)

中等度以上の生活活動でおこる危険性があり
運動や激しい作業をする際は 30分毎に充分に休息を取り入れ 水分補給する

@注意(25℃未満:気温28℃未満)

一般に危険性は少ないが 激しい運動や重労働時には発生する危険性がある
運動はほぼ安全だが 適宜水分を補給する


<予防するには>

*通気性のよい吸湿性・速乾性のある衣服を着用し
*屋外では帽子をかぶり 日傘をつかい 
*日陰を利用し涼しい場所で休み
*屋内では通気を良くして 適宜冷房を使用し 

*こまめに水分・塩分を補給する 

といったことが予防策になります


<重症度別の症状と対処>

@重症度Ⅰ度

めまい 立ちくらみがある 気分が悪い ボーッとする

手足がしびれる 筋肉のこむらがえりがある 筋肉が痛い
といった症状が認められるときは 重症度Ⅰ度

涼しいところに避難し 水分・塩分を補給するようします

自力で水分がとれなければ 医療機関を受診してください


@重症度Ⅱ度


頭が痛い・ガンガンする 吐き気がする・実際に吐く

体がだるい 意識がなんとなくおかしい
といった症状が認められるときは 重症度Ⅱ度

あおぐ 服をゆるめる 体を積極的に冷やす対処が必要です
濡らした体にタオルをあてると良いですが 顔だけではダメで 
脇の下 首筋 足の付根など 太い血管のある部位を冷やすと効果的です

自力で水分がとれなければ 医療機関を受診してください


@重症度Ⅲ度


意識がない 体がけいれんする 真っ直ぐに歩けない

体が熱い 呼びかけに対する返事がおかしい
といった症状が認められるときは 重症度Ⅲ度

すぐに救急車で病院に行きましょう

js



<応急処置のチェックポイント>

*Ckeck1 : 熱中症を疑う症状がありますか?

熱中症で見られる症状は
倦怠感 虚脱感 めまい 失神 頭痛 吐き気 嘔吐
筋肉痛 筋肉の硬直 大量の発汗 高体温
意識障害 けいれん 手足の運動障害  などです
こうした症状が見られるときは 熱中症を疑ってください

*Check2 : 意識がありますか? 

あれば 涼しい場所に避難して 服を緩めて体を冷やし 水分を補給する
意識がなければ すぐに救急車を呼ぶ

救急車がくるまでの対処のポイントは
涼しい場所に避難し 服を緩めて 首 脇の下 太腿の付根を冷やし
無理に水を飲ませないことです

*Check3 : 自力で水分を摂取できますか?

できれば スポーツドリンクなどで水分・塩分を補給する 
自力で水分がとれなければ 医療機関を受診しましょう

*Check4 : 上記の処置で症状が改善しましたか?

良くなれば 安静にして休息をとり続ける
良くならなければ 医療機関を受診しましょう

ok


<まとめ>

毎日の気象情報で その日の熱中症の危険度を知り
危険度に従い 屋内外での行動に充分に気をつけ予防する

熱中症が疑われたら
意識があるか 
自分で水分を補給できるか 
をチェックして ダメ
そうなら医療機関を受診するか救急車を呼ぶ

以上のことがポイントです

熱中症は 屋外だけでなく室内でも起こります

また特にお年寄りや乳幼児
は 素早く対応しないと命にかかわります

お年寄りのなかには 暑さをあまり感じない方もおられるようなので
ご本人に暑いかどうかを尋ねるだけでなく
室内の温度計をcheckして冷房の調節することが大切だそうです


age

当分の間は厳しい暑さが続きそうですので 熱中症には充分にご注意ください



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