左利き肝臓専門医ブログ

2017.10.19更新

二次性貧血とは 他の病気が原因で生じている貧血のことです

体内で持続的に炎症が続くと
赤血球が十分に作れなくなるので 貧血が生じます

持続的炎症は 膠原病 感染症 悪性腫瘍などが原因で起こってきます

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また 

腎臓の機能が低下すると腎性貧血が生じますし

肝臓の機能が低下して 二次的に脾臓が大きくなってくると
赤血球が多く破壊されるようになって
やはり貧血が引き起こされます


このように貧血は
さまざまな病気の症状のひとつとして現れてきますから

鉄 ビタミンB12 葉酸の欠乏や
骨髄の機能異常といった 
貧血の原因が認められない場合は

背後に貧血の原因となる病気が隠れていないか 検査する必要があります


@慢性関節リウマチ・膠原病

慢性関節リウマチでは 患者さんの6割以上に貧血症状が見られます

貧血の程度は軽度から中程度で 高度な貧血になることは稀です

よく処方される痛み止め(消炎鎮痛剤)が 胃を荒らしやすく
副作用として胃潰瘍を起こすことがあり
出血による鉄欠乏性貧血へとつながる恐れがあります

また 鉄の利用障害 赤血球が壊れやすくなる といった原因が複合して
貧血を引き起こすと考えられています


全身性エリテマトーデスなどの膠原病でも 
しばしば貧血の症状が見られ
原因としては 慢性関節リウマチと同様のことが考えられています


慢性関節リウマチでも膠原病でも
まずはリウマチや膠原病に対する治療を行います

もとの病気がよくなれば貧血も改善しますが 完全に正常化することは稀です


@感染症

結核 感染性心内膜炎などの感染症では
うまく赤血球が作れずに 貧血を起こしてしまうことがあります

特に 高齢の患者さんでは 注意が必要です



リウマチ 膠原病 感染症のような
持続炎症の際に貧血が生じてくる機序には

炎症で産生されるTNF-α IL-6 IFNなどのサイトカインが関与します

これらが 腎臓 骨髄 肝臓など
赤血球の分化・合成に関わる諸臓器に作用して
造血機能を障害して貧血が生じてきてしまいます


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特に IL-6が肝臓に作用して作られるヘプシジン

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マクロファージからの貯蔵鉄の放出を抑制し
腸管からの鉄吸収を抑制して
貧血の発症に深く関わっています



@腎性貧血

腎臓で作られる造血因子のエリスロポエチンが不足して起こる貧血です

以前に説明したように
腎臓で作られるエリスロポエチンというホルモンが
赤芽球前駆細胞に作用して 赤血球が成熟するラインが動き始めますが

慢性的な腎臓病などで 腎臓でのエリスロポエチン産生が上手くいかないと
骨髄での赤血球への分化が滞って 貧血が起こります


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遺伝子工学的に作られたエリスロポエチン製剤の開発により
定期的なエリスロポエチン投与が可能となり
腎性貧血は治療ができるようになりました


@肝臓病 消化器の病気による貧血

胃・十二指腸潰瘍消化器の悪性腫瘍からの出血も 貧血の原因として重要です

貧血の原因が出血による場合は 鉄欠乏性貧血と同様の治療法が考えられ
鉄剤を用いた治療が行われます

また アルコール性肝硬変で葉酸が不足したり
他の肝臓病で骨髄の造血機能が障害されている場合もあり
脾臓が肥大して 赤血球が壊れやすくなっていることもあります


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但しこれらの場合は 貧血の程度 症状はそれほどひどくはならないので
肝臓病の治療に専念し 貧血については経過をみることが多いです


@悪性腫瘍による貧血

胃や大腸の悪性腫瘍の患部からの慢性的な出血により 貧血が起こることがあり
この場合は 鉄欠乏性貧血の症状が現れます

また 出血がなくても
悪性腫瘍が進行すると貧血が見られるようになることがあり
この場合は 腫瘍が組織を破壊していくにつれ 鉄が利用しにくくなり
徐々に貧血が進行していくと考えられています


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特に高齢者で原因不明の貧血が見られる場合には

悪性腫瘍の精密検査を行うことが重要です



 

2017.10.18更新

今日は鉄欠乏性貧血と同様 日々の食生活の栄養不足で起こり得る
巨赤芽球性貧血 について解説します


@巨赤芽球性貧血とは?

ビタミンB12 葉酸 の欠乏により起こる貧血です

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体内のビタミンB12や葉酸が欠乏することによって
細胞分裂が正常に行われなくなり

骨髄中で赤血球が造られるプロセスで
赤芽球の段階で分化がとまってしまいます

ビタミンB12と葉酸がDNA合成に必須で
これらの不足がDNA合成を不可能にするからです


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白血球や血小板も同様の状態となり
赤血球 白血球 血小板のすべてが減少する汎血球減少症になります


@原因

ビタミンB12 葉酸の 摂取不良や吸収障害により起こります

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*ビタミンB12

1日の必要量は2.5μgですが
体内には5~1mgが貯蔵されており
さらに腸肝循環により再利用されるものもあります

しかし 何らかの理由により吸収されていない場合は
徐々に貯金を使い続け 約5年後には使い果たして貧血の症状がでてきます

小腸や胃の摘出手術を受けた場合や
胃酸の分泌が減少している場合などでは
ビタミンB12の吸収率が低下して起こることもあります


摂取されたビタミンB12は 
胃壁の細胞から分泌される内因子と結合した後
回腸から吸収され 主に肝臓で貯蔵されます

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胃壁の細胞を攻撃する自己抗体を持っているヒトでは
内因子が分泌されず ビタミンB12吸収障害が発生します

この自己抗体の存在によるビタミンB12欠乏を原因とする巨赤芽球性貧血は
悪性貧血と呼ばれ 日本人の巨赤芽球性貧血の61%を占めています


胃全摘は 巨赤芽球性貧血の発症原因の34%で
その他のビタミンB12欠乏が2%を占めています

また ベジタリアンは
ビタミンB12の摂取が不十分で発症することがあります


*葉酸

葉酸は 動物性食品とともに植物性食品にも含まれており
特に新鮮な野菜や果物には豊富に存在しています

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しかし アルコールの飲みすぎなどにより 小腸での吸収が障害されますし
葉酸を必要とする妊娠時に欠乏することが多くなります

葉酸の貯蔵量は5~1mgありますが 1日の必要量が50~200μgと多いので
ビタミンB12より早期に貧血の症状が現れてきます

巨赤芽球性貧血の約2%は 葉酸欠乏を原因としています


@症状

一般的な貧血の症状として
動悸 息切れ 全身倦怠感 疲労感 顔面蒼白などがあり

それに加えて

*舌の表面が平滑になり 痛みや灼熱感を生じるハンター舌炎
*味覚低下や食欲不振といった消化器症状

が 他の貧血と比べて特徴的です

ビタミンB12欠乏では
四肢のしびれや歩行障害をきたすケースもみられます

症状は徐々に進行していきます


@検査

*赤血球だけでなく 白血球や血小板も減少する
*鉄欠乏性貧血と正反対の 大球性高色素性貧血がみられる
*間接ビリルビン LDHが高い
*ヘモグロビン結合蛋白であるハプトグロビンの値が低い

のが 巨赤芽球性貧血の特徴です


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@治療

ビタミンB12欠乏は
ビタミンB12が注射か点滴で投与され 経口投与も有効です

ただし根本的な治療とはならないため
定期的なビタミンB12の補充が必要です


葉酸欠乏では 葉酸の経口投与による補充療法が基本になります

葉酸を多量に含む ほうれん草やレバーなどの食品の摂取も指導されます


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2017.10.17更新

前回ご紹介した鉄欠乏性貧血の 治療について解説します

@食事療法

平成16 年の厚生労働省の調査では
男性で1日あたり8.1mg 女性で7.7mgの鉄しか摂っておらず
特に鉄を必要とする20歳台で6.9mg 30歳台で7.0mgと
必要量の半分しか摂取できていません

したがって 女性の半数が
鉄欠乏性貧血 または貧血にまでは至っていないけれど 鉄欠乏状態です

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食事からの鉄の摂取は 年々減り続けているのが現状で
日頃の生活の食事内容に注意が必要です


食事中には ヘム鉄と非ヘム鉄とが含まれています

*ヘム鉄は 肉や魚に多く含まれ
*非ヘム鉄は 穀類、緑黄色野菜、海草に多く含まれています

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ヘム鉄の吸収率が15~25%であるのに対し
非ヘム鉄の吸収率は2~5%と 吸収が不良なのが特徴です

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したがって レバー 肉 魚などを積極的に摂ることが勧められます


また 非ヘム鉄はヘム鉄より吸収率が悪いですが
動物性タンパク質と一緒に摂取すると吸収率が上がりますので
上手に食材を組み合わせて食べることが大切です


消化管での鉄の吸収に影響をおよぼす因子があるので 注意が必要です

コーヒー 緑茶 紅茶にはタンニンが含まれ
このタンニンは鉄吸収を阻害します

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非ヘム鉄は タンニンなどからの吸収阻害を受けますが
ヘム鉄は鉄イオンがポルフィリン環に囲まれているため阻害を受けにくく
そのために吸収されやすいとされています


一方 ビタミンC は
鉄を吸収しやすい形にすることによって 鉄吸収を促進します

消化管における非ヘム鉄の吸収効率は ビタミンCにより改善しますし
後述する経口剤の鉄剤服用時にも ビタミンCを合わせて飲むと効果的です

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ちなみに 意外にバカにならない点として

*鉄鍋や鉄瓶で調理したものからは 鉄分が多く摂れること
*鉄を含む健康食品やサプリメントは 予防に有用であること

があげられます

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欧米では人口の20~30%がサプリメントを使用していますが
日本では 2~3%にすぎません

コンビニなどで売られている鉄剤サプリを服用するだけで
貧血が改善する患者さんもおられますのでお勧めです



@鉄剤を用いた治療

食事療法は 貧血の再発予防には有用ですが
食事療法だけで鉄欠乏性貧血の治療をするのは 困難なこともあります


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そうした場合は 鉄剤を用いた治療が行われます

経口鉄剤は 
1日に鉄分を100~200mg投与し
通常は2か月程度で 貧血は改善します


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副作用としては

食欲の減退 むかつき 吐き気 便秘 下痢などがみられる場合があり

ものを噛んだとき金属の味がしやすい
便が黒くなる 
といったこともあります


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こうした副作用の予防や 前述した消化管での吸収率向上のために
ビタミンC製剤を同時投与することが多いです


また これも前述しましたが
お茶やコーヒーに含まれるタンニンが鉄分の吸収を妨げることから

鉄剤の服用時には お茶やコーヒーと一緒に飲まないようにいわれています


副作用がどうしてもつらくて 薬を継続して飲めない患者さんもおられます

当院でもそうした患者さんがおられますが
その場合は 鉄剤の静脈注射による治療を行います

経口鉄剤の副作用のため 治療に逡巡されている方は ご相談ください


治療を行うと 

まず 血清鉄が最初に増えてきて
それからヘモグロビンが上昇しはじめて
最後にフェリチンが上昇してきます

体内で鉄が減ってくる順番と まさに逆パターンです


そこで 治療の目標は

ヘモグロビンだけでなく 貯蔵鉄のフェリチン値が正常化することで
原則として それまで治療を継続します

そのため 
ヘモグロビンが上昇したからといって鉄剤を自己判断でやめずに

担当医の指示に従って
しっかりとフェリチンを基準値が戻るまで治療を続けましょう


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ちなみに

ピロリ菌に感染していると 鉄の吸収が障害されるので
経口の鉄剤が効きません

除菌治療でピロリ菌を除去してから 治療を行うことが必要になります

 

 

2017.10.12更新

貧血の約70%を占めると言われる
いちばん頻度が多い 鉄欠乏性貧血 について説明します

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鉄欠乏性貧血は その名のとおり
体内の鉄が不足することにより起こります


食物から吸収された鉄は 体内で

*肝臓などにフェリチンとして蓄えられる 貯蔵鉄
*血液中にタンパク質と結合して存在する 血清鉄
*赤血球中の ヘモグロビン

として分布しています

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何らかの原因で 体内の鉄が不足してくると
これらの鉄分布に変化が起こり
段階的な鉄欠乏状態が生じてきます


@潜在的鉄欠乏状態

体内での鉄の減少は まず貯蔵鉄であるフェリチンから起こってきます

食物からの摂取不足や慢性的な出血などにより
鉄の供給よりも需要が増加すると
不足分を補うために まずフェリチンが使われるのです

この状態を 潜在的鉄欠乏状態といいます


ですから フェリチンの量を調べることで
表向きはヘモグロビンが正常で貧血がなくても
貯蔵鉄が枯渇して徐々に貧血へと進行する
潜在性鉄欠乏を知ることができます

フェリチンが不足すると やがて血液中の鉄分も不足していき
最後に鉄を材料にして作られているヘモグロビンが作れなくなるため
貧血がおこります

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成長期には 鉄需要が亢進して高率に鉄欠乏状態にありますが
潜在的鉄欠乏にとどまっていて 実際に貧血を発症することは稀です

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@リアルな鉄欠乏性貧血

上述したように フェリチンが底をつくと ヘモグロビンが作れなくなるため
リアルな鉄欠乏性貧血が生じてきます

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閉経前の成人女性の10~20%に 鉄欠乏性貧血が見られるとされています



@鉄が低下する原因

鉄が喪失してしまう状態が いちばん多い原因です

*胃潰瘍や腸の病気などで 消化管から出血する場合
 (閉経後の女性 成人男性の貧血では要注意)

*女性の子宮筋腫などの月経過多 不正性器出血など


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女性に鉄欠乏が多いのは
食事からの鉄の摂取が足りないことも 原因のひとつです


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男性では1 日に 10 mg の鉄をとれば十分ですが
女性では 生理 妊娠 分娩 授乳がありますから
男性より多い 15 mg はとる必要があります

ダイエットなどで接種する栄養の偏りがあると 
こうしたことが生じてしまいます


次回は 鉄欠乏性貧血の治療について解説します


 

2017.10.11更新

貧血は
月経過多 ダイエットの影響などが原因となり 女性に多くみられる病気で
成人男性では 高齢者以外は稀です

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赤血球を作るのに必要な 鉄 ビタミンB12など欠乏による貧血が最も多く
日本人女性の10%は 鉄欠乏性貧血であるというデータもあります


@貧血の種類 起こる原因

赤血球は骨髄で
造血幹細胞 → 赤芽球前駆細胞 → 赤芽球 → 網状赤血球 → 赤血球
というプロセスで作られることを説明しましたが

この成熟段階の各パートで異常が起こると 貧血が生じます

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造血幹細胞のレベルで異常が生じると

再生不良性貧血

骨髄異形成症候群

といった貧血が起こり


赤芽球前駆細胞のレベルで異常が生じると

赤芽球癆

*腎臓でのエリスロポエチン産生低下による腎性貧血

が起こり


赤芽球でのDNA合成レベルで異常が生じると

葉酸ビタミンB12欠乏による巨赤芽球性貧血 が起こり


赤芽球でのヘモグロビン合成レベルで異常が生じると

*鉄が足りないために生じる 鉄欠乏性貧血

*ヘムの合成障害により生じる 鉄芽球性貧血 ポルフェリア

*グロビン鎖の合成障害により生じる サラセミア

などが起こります

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このように 骨髄の中で赤血球ができる過程で
幹細胞の異常や 分化・成熟に必要な栄養素の不足
などによって生じる貧血以外に

出来上がった赤血球が 血管内で壊されてしまう

溶血性貧血

発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)

といった貧血もあります


@赤血球の大きさ 色の濃さ

このように 貧血は沢山の種類がありますが

医者は 血液検査で赤血球の大きさ(MCV)を見て
どんなタイプの貧血かめぼしをつけて さらに詳しい検査に進みます

赤血球が 大きい場合(大球性)は
葉酸やビタミンB12欠乏による巨赤芽球性貧血

小さい場合(小球性)は
ヘモグロビンのヘム グロビンの合成異常や 鉄不足による貧血
慢性炎症にともなう貧血

普通の場合(正球性)は
急性の出血による貧血 赤血球が壊れてしまう溶血性貧血

を疑います

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MCV MCHという 血の色の濃さを反映する検査項目があり
これにより ヘモグロビンの濃度 量がわかります



@貧血の症状


初期には 倦怠感 易疲労感などが自覚されますが
進行すると 動悸 息切れ めまい 頭痛といった症状が出てきます


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ヘモグロビン(血色素)の量は

小児・妊婦では 11g/dl
思春期 成人の女性では 12 g/dl
成人男性では 13 g/dl

が 基準値とされています

ヘモグロビンが8~9 g/dl程度までなら 無症状のこともありますが

7g/dl以下になると
息切れ 頭痛 耳鳴り めまいなどの自覚症状が出てきます


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また

*皮膚が蒼白になる 顔色が悪い
*眼瞼結膜(眼でアッカンベーをしたときの眼球の下の部分)の赤みが薄くなる
*爪が 扁平脆弱化したり スプーン様の変形が見られる
*舌炎 口角炎がみられる
*咽頭 舌 食道入口部の粘膜の異常による嚥下痛が起こる
*手足のしびれを感じる

といった 自覚症状 他覚症状が見られることもあります

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こうした症状に思い当たる節がおありの方は
貧血かもしれませんから 早目に受診されてください



2017.10.10更新

当院に来院される女性の患者さんの病気で 意外に多いのが貧血です

だるい 階段を昇ると息切れがする といった症状で 来院されることが多い


そこで今週は 貧血について解説します


貧血は
血液のなかの赤血球の数が減り
赤血球中のヘモグロビンという酸素を運ぶタンパク質の量が低くなる病気です

ということで
まず 赤血球やヘモグロビンについて説明します


@赤血球

赤血球は 血液の細胞の1種で
内部に存在するヘモグロビンというタンパク質に 酸素を結合させて


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酸素を体のすみずみに運搬する役目を果たしています

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骨髄という骨の内部で
1秒間に200万個 1日に2000億個 産生され
その寿命は約120日です

凄い数ですね!

酸素を体のすみずみに行き渡らせるには それだけの赤血球が必要なのです


では 骨髄では どのようにして赤血球が造られているのでしょう?

骨髄は 体のあらゆる骨の内部にある部分で
赤血球のみならず 白血球 血小板などの 血液の成分が造られる場所です

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お母さんのお腹のなかにいる胎児期には 造血は肝臓で行われますが

出生後は骨髄で行われるようになり
生まれてから3年目までは 主に大腿骨で
それ以降は 椎骨(背骨) 胸骨(心臓や肺を覆う骨) 肋骨で血が造られます



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赤血球は

造血幹細胞 → 赤芽球前駆細胞 → 赤芽球 → 網状赤血球 → 赤血球

という具合に 
骨髄のなかで元となる多能性造血幹細胞から 分化・成熟していきます


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腎臓で作られるエリスロポエチンというホルモンが
赤芽球前駆細胞に作用して 赤血球が成熟するラインが動き始めます

また別の機会に説明しますが
腎臓の調子が悪くなると貧血が生じるのは
エリスロポエチンが産生されなくなり 骨髄で赤血球が造られなくなるからです



@ヘモグロビン

さて 赤血球系の成熟が赤芽球まで来ると
赤芽球がヘモグロビンを合成し始めます

ヘモグロビンは
2本ずつのα鎖 β鎖からなるグロビンに ヘムという酸化鉄が結合して
分子が形成されています


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赤血球 ひいては血液が赤いのは この酸化鉄が赤い色だからです

そして ヘムに含まれる鉄に酸素が結合して
赤血球によって血管を流れて 全身にくまなく酸素が供給されます


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ですから 何らかの理由で貧血になり
赤血球やヘモグロビンが足りなくなると 酸素が運べなくなるので
だるくなったり 動くと息切れがしたりするわけです



@鉄

さて 酸素と結合する鉄ですが 体内には3~4g存在します

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そのうちの70%は 赤血球のヘモグロビンに存在し

それ以外は
*筋肉のミオグロビン
*電子伝達系 代謝酵素の補欠分子のヘム族
として存在し 機能しています


赤血球が老化して脾臓で壊されると そこに含まれている鉄は再利用されます

血管を流れる血液中に存在する
トランスフェリンというタンパク質と結合して
骨髄に運ばれて 赤血球が作られる際に利用されます

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また トランスフェリンに結合した鉄は 肝臓などに運ばれ
フェリチンという貯蔵鉄としても存在します


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肝臓 脾臓 心臓など各臓器の細胞内に鉄を貯蔵していて
何らかの理由で体内の鉄が不足してくると
不足を補うために まず貯蔵鉄のフェリチンが利用されます

あとで詳しく説明しますが
貧血の治療で鉄分を補う際には このフェリチンが充分に補給されるまで
治療を続ける必要があります


貧血の原因となる 赤血球の役目と その造られ方
赤血球が酸素を運ぶために必要な ヘモグロビン 鉄の働きについて
ご理解いただけたでしょうか?

次回は 貧血という病気について 具体的に説明します



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