左利き肝臓専門医ブログ

2017.01.19更新

アレルギーがの病態形成に関与する
咳喘息アトピー性咳嗽について説明してきましたが

最後に 風邪にともなう咳 についても説明します


言うまでもなく 咳は風邪にともなうことが一番多いのですが

最初は 鼻水や喉の痛みから始まって
そのあとに咳や痰が出てくるパターンがよく見受けられます

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ちなみに このように 鼻水 喉の痛み 咳などと
時間経過にともなって症状が変化してくるのは
ウイルス感染によって起こる風邪の典型的なパターンで

症状が時間経過により変化せず
一貫して鼻水だけとか 喉の痛みだけという場合は 細菌感染を疑い
抗生剤の投与も考慮する必要があります

そして 咳だけでなく
発熱したリ 緑色などの色のついた痰をともなう場合
気管支炎肺炎に注意しなければなりません



しかし そうした注意すべき症状がなく
風邪にともなう咳だけが 2週間以上も続くこともあります

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この場合 咳は就寝前から朝方にかけて悪化することが多い


こうした状態では
細菌やウイルスの感染による 気道内皮傷害・気道炎症が
一過性の気道過敏性亢進状態を引き起こしていると考えられます

咳喘息やアトピー性咳嗽の原因となるアレルギー体質がない人でも
風邪のあとに咳が長引くことはあり得るのです


このような咳の治療には

*咳反射を延髄でブロックする 中枢性非麻薬性鎮咳薬
*アレルギー反応を抑える ヒスタミンH1受容体拮抗薬
*気道の粘膜などを潤す作用がある 漢方薬の麦門冬湯

の3種類の薬剤を併用すると効果的なことが多いです




最後に 咳を改善させる鎮咳薬についてまとめます


鎮咳薬は 作用機序により

*中枢性麻薬性

*中枢性非麻薬性

に分類されます


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いずれも咳中枢を抑制して咳を鎮めますが


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中枢性麻薬性鎮咳薬

延髄の孤束核にある咳中枢に作用して効果を発揮する薬剤で
リン酸コデインなどが代表的な薬剤です


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モルヒネなどと同類の麻薬に分類されるオピオイドμ受容体アゴニストで
便秘などの副作用をともなうこともあり
安易な連用は避けるべきとされています


一方 中枢性非麻薬性鎮咳薬
メジコンという商品名のデキストロメトルファンが代表的で

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上咽頭神経や迷走神経から孤束核に刺激が伝わる部分の抑制により
鎮咳効果が発揮されると考えられています


軽い咳には メジコン 
重い咳には リン酸コデイン

が用いられますが


これらの鎮咳薬は あくまで咳反射の経路を抑えるものなので

既に解説したように
アレルギーが病態のベースにある咳喘息やアトピー性咳嗽には
効果を発揮できません


そうした病気には 既に説明したように

*気管支拡張剤
*抗ヒスタミン剤
*吸入ステロイド

などが効果的で 投与されます



これまで説明してきたように 咳は高頻度に認められる症状ですが

ひとくちに咳といっても
生じてくる病態はさまざまで 用いられる治療薬も異なります

風邪のあとに長引く咳 風邪とは関係なしに咳が続いてお困りの方は
是非 受診されて 適切な治療をお受けください



2017.01.18更新

長引く咳の原因として 咳喘息に次いで多く 
約30%を占めるのが 

今日ご紹介する アトピー性咳嗽 です


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咳のことを 専門用語では 咳嗽(がいそう)といいます


アトピー性咳嗽

*20~40代の若い女性で
*花粉症などの鼻炎のある人に多い傾向があり
*風邪を契機に発症することが多い 

病気です

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咳だけが唯一の症状

*ホコリや冷気などの外部刺激により咳が出やすく
*就寝時 夜中から早朝にかけて多く
*冷気 暖気 喫煙 会話 運動などが 咳の誘因となります


鼻炎 副鼻腔炎を合併している方も多く
その場合は 痰をともなう湿った咳になります

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咳喘息と異なり ホンモノの喘息に移行することはありません



咳喘息との大きな違いは
咳喘息には有効な 気管支拡張剤が効かない ことです


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咳喘息と同じく アレルギー反応により病気が起こりますが

炎症・アレルギーが起こるのが 肺に入る前の太い気管支が中心
咳喘息のように細い気管支では炎症は起こっていません

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さらに 病態の中心をなすのは
咳受容体の感受性が亢進していることで

咳喘息と異なり 気管支平滑筋の収縮はありません

だから 気管支拡張剤が効かないのです


*気管支の過敏性亢進 咳受容体の感受性亢進はあるけれど
*気管支平滑筋の易収縮性はない
*炎症が起こるのは太い気管支で 細気管支は大丈夫

これがアトピー性咳嗽の病態の特徴で

同じアレルギーを元にして起こる咳喘息とは
似て非なる病気なのです



ですから 治療に用いられる薬剤の種類も異なります

咳喘息のように気管支拡張剤は使われず

アレルギーを抑える抗ヒスタミン剤(H1受容体拮抗薬)
炎症を抑える吸入ステロイドが用いられます


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繰り返しになりますが

気管支拡張剤の吸入薬を使って

*咳が改善すれば咳喘息 
*改善しなければアトピー性咳嗽 

と診断できます

そして 咳喘息のように
咳が改善したあとも長期間にわたり治療を継続する必要はなく
薬を減量・中止しても 再発することはありません

この点も 咳喘息との大きな差異です



どうして 
咳喘息とは似て非なる アトピー性咳嗽という病気があるのか?

なぜ 太い気管支にだけ炎症が起こるのか?
気管支平滑筋の易収縮性がないのは なぜか?

とても 興味深いです

 

2017.01.17更新

何週間にもわたってが長引く場合
アレルギーなどの感染症以外による咳が疑われます


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こうした慢性咳嗽をきたす病気は 何種類もありますが

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その約半数を占めるのが 咳喘息
成人女性に多く 患者さんの数は年々増加しています


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<症状>

咳だけが唯一の症状

普通の喘息のように
息苦しくなったり
呼吸をするときにヒューヒューと音がしたリすることはありません


咳がひどくなるのは

*夜から早朝
*ホコリや冷気を吸ったとき
*運動をしたあと
*春や秋などの特定の季節
*過労 ストレスがあるとき

などです

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また 風邪をひいたあとに発症することも多く

鼻水や喉の痛みなどの他の症状が良くなっても
咳だけが持続して残るのが特徴です

前回 ご説明したように
気道の過敏性が残っているので
わずかの刺激で咳が出やすくなっているのです


アレルギー性鼻炎副鼻腔炎を合併していることも多く
この場合は 痰をともなう湿った咳になります

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さらに 逆流性食道炎を合併している患者さんも少なくありません

逆流性食道炎は 胃酸が胃から食道に逆流するために
胸のあたりの違和感やゲップなどが生じる病気で

それ自体が 咳喘息やアトピー性咳嗽に次ぐ 長引く咳の原因疾患です

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咳と胃酸逆流の自己永続サイクルがあるとされ
咳が胃酸の逆流を惹起し 胃酸の逆流が咳を誘導すると考えられています



<病態>

咳喘息の病態は 喘息に類似していて

気道に炎症が存在し
細い気管支が収縮していることがポイントですが

喘息と異なるのは
気管支粘膜が浮腫により肥厚していないことです

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そのため 喘息のような息苦しさや
呼吸をするときのヒューヒューという音は聞こえません


しかし きちんと治療をせずに放置しておくと
約30%が本格的な喘息に移行してしまうので 要注意です!

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<治療>

病態の本質が 細い気管支の収縮ですので
治療には気管支拡張剤が用いられ

気管支拡張剤によって咳が改善することが この病気の大きな特徴です

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また 気管が炎症により過敏性を起こしているので
わずかな刺激でも咳が出てしまいます

ですから 炎症による過敏性を抑え込むために
吸入ステロイド薬 が治療に用いられ

それにより喘息への移行率が低下することが明らかにされています


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このように
治療には気管支拡張剤と吸入ステロイド薬の合剤が使われますが

原因となる気管の炎症・過敏性を徹底的に抑えこむため
咳症状が改善しても 一定期間 治療を継続することが大切
治療中止により 再燃することも多くみられます

理想としては 半年くらいの治療継続が望ましいですが
咳が良くなっても 最低でも1か月間は
吸引を継続してくださいとお話ししています


アレルギー性鼻炎を合併している場合には
吸入剤に強力な抗アレルギー剤を併用することが多く

短期間だけセレスタミンを服用し
その後 抗ヒスタミンや抗ロイコトリエン剤を用いると
改善率が良くなります


治療で重要なもうひとつのポイントは
風邪のときに使われる咳止め薬は 全く効かないことです

風邪の咳は 咳嗽反射右よる咳ですから
咳中枢を抑制する薬が有効ですが

cas11


咳喘息の咳は アレルギーによる咳なので
風邪の咳止めをダラダラと使っていても
効果はありません



咳喘息の病態の本質は アレルギー体質ですから

花粉症や皮膚炎などのアレルギー性疾患を有している方で
長引く咳に悩まれている方は
咳喘息を疑い 受診されてください



2017.01.12更新

風邪をひいたあとに どうしてが長引いてしまうのでしょう?


まず 風邪をひいたことそのものが 咳の原因になります

細菌やウイルスなどの外来刺激により 
気道上皮細胞が傷害され 気道で炎症が惹起され
咳嗽反射が亢進して咳が起こります

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しかし普通は 鼻水 喉の痛みなどの症状と同様に
数日経過すると自然軽快していきます


ときとして 生体の免疫反応により細菌やウイルスが排除され
他の風邪症状が軽快したあとも
咳だけが1~2週間ほど残ってしまうことがありますが

これは 気道上皮の傷が未だ癒えないためで
時間が経って気道上皮が完全に修復されれば 咳は止まります

こうした咳は 咳嗽反射によって生じているので
咳嗽反射の中枢である延髄に作用する鎮咳薬を服用していれば
症状は改善するはずです



しかし 1~2週間過ぎても さらに咳が持続することがあり
こうした咳は 風邪による咳とは趣が異なってきます

このような咳は どうして生じてくるのでしょう?


呼吸器系の内部で空気と接する気管支の外側には
気管支上皮が存在することを説明しましたが

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風邪をひいて 細菌やウイルスが感染すると
この気管支上皮が 傷害されてしまいます

気管支上皮は
外界から気管支の内側を防御する重要な役目をしているので

ここが傷害されると バリアーが壊されて
気管支の内部に細菌やウイルスなどの刺激が直接侵入してきます

既に説明したように それだけでも咳の原因になりますが
気管上皮の修復が完了し 物理的に穴が塞がれれば咳は収まります



しかし アレルギー体質のヒトは
気管上皮の下にアレルギーを起こす細胞が集簇しているので

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カバーが壊れた部位から侵入したさまざまな刺激が入り
(ホコリ ダニ タバコの煙 気温差 花粉 など)
炎症が起こって アレルギーを起こす細胞を刺激してしまいます

刺激されたアレルギー細胞は 種々の化学物質を放出して
咳受容体を刺激して 咳を起こさせます


アレルギー細胞から放出される化学物質は
気管支平滑筋を収縮させて 気管支が狭まってしまいます

また 気管支粘膜下の血管から水分が漏出して 粘膜が浮腫むので
さらに気管支が狭まります


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さらに 粘液を分泌する気管支腺も刺激されるので 痰がでてきます


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このように 気管上皮の障害が修復されても
気管や咳受容体が過敏な状態になっているので
わずかな刺激でも容易に咳が出てしまいますし 長引きます


つまり 風邪のあとに咳が長引く場合は
アレルギーが関与していることが多いのです


上述したように アレルギー反応により

*気管支平滑筋の収縮

*咳受容体の感受性亢進

のふたつの現象が起こります


気管支平滑筋の収縮
は 
それ自体が咳の原因になり
喘息 咳喘息などの主たる病態となります

咳受容体の感受性亢進により
吸気の温度変化や弱い刺激物質でも容易に咳が起こるようになり
アトピー咳嗽などの主たる病態となります


実際に 長引く咳の原因で多いのは
アレルギーが病態形成に関与する 咳喘息 アトピー性咳嗽
前者が50% 後者が30%ほどを占めると言われています

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こうなると
風邪をひいたときに処方される咳止めの薬では 歯が立ちません

原因である

*気管支平滑筋の収縮
*気道の過敏性

への対処が 治療のポイントになります

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次回から 咳喘息 アトピー性咳嗽について説明していきます



2017.01.11更新

風邪をひいたときに苦しむですが
実は咳には とても重要な働きがあるのです

それは 咳をすることで
呼吸器系に入った異物を外に出すことです

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つまり 咳は 重要な生体防御反応 といえます

咳をすることで
異物が呼吸器系に入ってくるのを防いでいるのです

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ちなみに 咳をするときに吐きだすものは
1秒間で50~100mも先まで飛んでいくそうで
すごい威力ですね

風邪をひいたときに
細菌やウイルスが沢山存在している粘液を 周囲にまき散らさないように
マスクをすることが大切な理由が わかっていただけるかと思います

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また 咳を1回すると2kcal分のエネルギーを消費します

咳が長引いてつらいときに
体力を消耗してしまう理由がよくわかります



では 咳はどのようにして起こるのでしょう?

端的に言うと 咳は咳嗽反射により起こります

咳嗽(がいそう)なんて言葉は初めて聞くかたも多いと思いますが
咳のことをオタクっぽく言うと(笑) 咳嗽と呼びます


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咳嗽反射
とは 脳を介した反射経路です

*上気道・下気道に分布する咳受容体への刺激

*末梢神経の上咽頭神経・自律神経の迷走神経に伝わり

*その刺激が 脳の延髄にある孤束核に到達し

*孤束核から刺激が横隔神経 肋間神経に伝わって
 胸郭を構成する筋肉が反射的に収縮します

そうした反射経路の結果として 咳が起こります

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咳という 一見単純に見える症状も
脳を巻き込んだ複雑な反応であることを ご理解いただけたでしょうか?

あとで述べますが 脳を巻き込むからこそ 
風邪のときなどに処方される鎮咳薬が 脳に作用して
効果を発揮することができるのです



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では 咳嗽反射を引き起こす最初の引き金は 何でしょう?

それこそが 咳の原因となる異物 微生物 化学物質などです

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気道には 入ってきた異物を認識するセンサーがあって

ホコリ 細菌 ウイルス 化学物質などが
そのセンサーを刺激すると 咳嗽反射の引き金を引くのです

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センサーの正体は 咳受容体 と呼ばれています

気管に存在する知覚神経の終末には
irritant receptor C線維 で構成される咳受容体があり

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C線維が刺激されると
神経末端に蓄積されている神経ペプチドや
(サブスタンスP ニューロキニンなど)
プロスタグランジンなどが遊離され

それらがirritant receptorを刺激して 咳嗽反射が起こります

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少しオタクっぽい話になりますが

咳を起こす代表的な化学物質であるサブスタンスP

*咳をしている患者さんの血中で高値を示しますし
*気道感染があると サブスタンスPを分解する酵素が減少して
 結果的に血中のサブスタンスPが増えます

また 服用すると咳を起こすことがある血圧降下剤のACE阻害剤は
血中のサブスタンスPを増加させます

このように サブスタンスPは 咳に原因に大きく関与しています


サブスタンスPを増加させ 咳を誘導する物質としては

*各種のプロスタグランジン
*ヒスタミン
*ロイコトリエン
*一酸化窒素
*カプサイシン

などが知られています


プロスタグランジンD2 E2 F2α ヒスタミン ロイコトリエンなどは
アレルギーの病態形成に関わる物質で
アレルギーのときに咳が出やすくなる原因です

また カプサイシンは唐辛子の辛み成分で
辛いものを食べたときに反射的に咳がでるのは
カプサイシンがサブスタンスPを増加させるためなのです

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さて 今日の話をまとめますが

@咳は生体防御に欠かせない重要な生理的な反射反応である

@異物や微生物が咳受容体を刺激して咳嗽反射が誘導される

@さまざまな物質が 咳受容体の活性化に関与する

ということを イメージできたでしょうか?


では 

本来なら 異物を除去してすぐに収まるはずの咳が
どうして風邪をひいたりすると 長引いてしまうのでしょう?

その理由を 次回に説明します



2017.01.10更新

この季節は 風邪インフルエンザが流行しますが
そうした病気でよくみられる症状が です

咳は 医療機関を受診される患者さんが訴えられる症状のなかで
かなりの高頻度を占めると言われ
咳がつらくて外来を受診される患者さんは とても多いのです

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そこで この悩ましい咳について 解説していきます


咳は 喉 気管支 肺 といった
呼吸器系の病気にともない起こる代表的な症状です

そこでまず 咳について理解するために 呼吸器系について説明します


呼吸器系
 
鼻 喉から始まり 肺に至るまでの部分で
上気道 下気道 のふたつのパートに分かれます

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<上気道>

上気道は

*鼻
*咽頭
*喉頭

の3つの部分から構成されます

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@鼻は 空気が体内に入る最初の部分で

鼻毛により空気中の異物を捉えたり
鼻の粘膜から分泌される粘液が 細菌やチリを付着して
フィルターのような役目をしています

分泌される粘液は 鼻水の元となります


@咽頭は 鼻の奥から喉につながる 10cmほどの長さの部分で

鼻から入った空気 口から入った食物の通り道になり
喉頭につながります


これらの鼻や咽頭が
風邪をひいたときにいちばんやられやすい部位で
鼻水が出たり 喉が痛くなったりする場所です

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@喉頭は 喉のさらに奥深い部分で 気管や食道につながり
空気は気管に 食べ物は食道に流れていきます


気管は 食道より前方に位置します

医学生の頃 機関(気管)車は食堂(食道)車の前 と 
ゴロ合わせで覚えたものです(笑)

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喉頭のいちばん上部には 喉頭蓋と呼ばれる蓋のようなものがあります

食物が気管に入ると 呼吸器系が感染を起こして大変なことになるので
食物を飲み込むときに気管に入らないように蓋をする役目を果しています


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寝たきりのお年寄りなどでは 
この飲み込みの動作が上手くいかず
喉頭蓋が気管に蓋をできず食物が気管に入ってしまい
嚥下性肺炎という 危険な肺炎を起こしてしまうことがあります

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<下気道>

喉頭からつながる下気道は

*気管
*気管支
*肺

から構成されます


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@気管は10cmほどの長さで
下の方で 肺につながる左右の気管支に分岐します

@気管支は に入り
肺の中で枝分かれを繰り返しながら だんだん細くなってゆき 
細気管支になります



気管や気管支は 内側(気道)から外側に向い
粘膜層 気道上皮 平滑筋 気管軟骨が 輪状に層を作っています

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細菌やウイルスが感染すると 
気道上皮が損傷したり 気管支平滑筋が収縮したりします

これらが 咳や喘鳴の原因になりますが その点はまた詳しく説明します


また 大量に存在する粘液分泌細胞から分泌された粘液
気管に入ってきたゴミなどを吸着して

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さらに 上皮細胞の外側に存在する線毛の動きにより 
咽頭方向に送り返されます

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こうして送り返された異物を含んだ粘液は として喀出されます


細気管支はさらに分岐を繰り返し
やがて 呼吸器系の最末端装置である
直径0.2mmほどの小さな 肺胞 になります

肺の中に いくつものブドウの房が存在していて
それぞれの房を構成する小さなブドウの実が肺胞
そんなイメージです


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肺胞は 小さな袋のようなもので 肺全体に約6億個も存在します

また 全肺胞の表面積は60~70平方メートルにもなります


この肺胞1個1個のなかで
鼻から入ってきた空気中の酸素が 肺胞の壁に存在する毛細血管に取り込まれ
全身に運ばれていきます


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酸素は全身の細胞に運ばれて
ミトコンドリアで栄養素からエネルギー(ATP)を産生する反応に使われます

また全身から集められた二酸化炭素が 毛細血管から肺胞に放出され
酸素とは逆のルートをたどって 体外に排出されます


この 肺胞での酸素と二酸化炭素のガス交換こそが
呼吸器系が果たす一番重要な働きです


呼吸系とはどんなものか イメージすることができたでしょうか?


次回は 咳がなぜ起こるかを説明します



2015.01.16更新

この時期 長く続く咳を心配されて来院される患者さんが多くおられます

風邪をひいたあとに 咳だけが残ることは珍しくありません

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日本呼吸器病学会の「咳嗽ガイドライン」にも 
咳が続いても3週間くらいまでなら感染にともなう咳を疑いましょう 
と記されています

ですから 風邪を引いたあとに1-2週間咳だけが続いていても
しかも徐々に改善傾向にあるなら それほど心配されることはありません

ただ 激しい咳が続く場合は 
マイコプラズマや百日咳の可能性も否定できないので
早目に受診された方が良いと思います


一方 3週間以上にわたり咳が続く場合は 
慢性の病気の存在を疑う必要があります

この場合 痰をともなうかどうかがひとつのポイントで
痰をともなう場合は 副鼻腔気管支症候群 などを疑い 
痰の培養 細胞診検査をします


痰をともなわない場合は 咳喘息 アトピー咳嗽 などを疑います
特定の季節や 夜間から明け方にひどくなる 温度変化で増悪する 
アトピー体質がある などの場合
咳喘息 アトピー咳嗽の可能性が高いです

咳喘息やアトピー咳嗽は 
日本人の長引く咳の原因の35-55%を占める 最も多い原因です
吸入薬で改善することが多いので 思い当たる節がある方はご相談ください


意外に盲点なのが逆流性食道炎が原因で咳を自覚されている場合です

逆流性食道炎は 胃酸が食道に逆流する病気で
胸焼け 呑酸(酸がこみ上げてくる感じ)を訴えられる場合が多いですが
なかには 咳や喉のあたりの違和感だけを自覚される方もおられます
この場合も 逆流性食道炎のお薬で症状はすっかり改善します

いずれにせよ 2週間以上 咳が続く場合は 
念のために受診 相談されることをお勧めします


そして 忘れてならないのが 咳エチケット

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もし感染性の咳だったら 
周りにウイルスや細菌をまき散らすことになってしまいます

咳をされている場合は 必ずマスクを着用するように心掛けてください
当院では受付けに無料マスクがありますので 遠慮なくご利用ください

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