左利き肝臓専門医ブログ

2016.09.01更新

機能性ディスペプシアの治療目標は
患者さんが納得・満足しうる 充分な症状の改善を得ることです

機能性ディスペプシアの患者さんは
胃の症状のつらさで生活の質・QOLが低下しているわけですから

治療により 生活の質をもとのレベルに引き戻してあげたい


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血液検査データなどの具体的な数値で 治療効果が判断される他の病気との
大きな違いです


もうひとつ 機能性ディスペプシアの治療で
他の病気と大きな違いがあるのは

薬物治療でのプラセボ効果が とても大きいということです

プラセボは 薬物の治療効果を判定する臨床試験で
本当の薬物の代わりに投与される まったく薬理効果がない偽薬のことです

例えば 糖尿病や高血圧の患者さんに
「このお薬は本当によく効きますから」と充分に説明して
プラセボを投与しても 効果は全く認められません

しかし 症状の発現に精神的要素が大きく影響しているときは
「よく効くお薬ですから」と説明して プラセボを服用していただくと
症状の改善が見られることがあります

これが プラセボ効果です

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機能性ディスペプシアの場合は
プラセボの投与により40~50%の有効率が認められるそうで

このことは
機能性ディスペプシアの症状発現への心理的要素の関与が
いかに大きいか  を物語っています

そして 治療にあたって
医師が患者さんに 病気や治療についてどれだけ詳しく説明していて
両者の信頼関係がどれだけ成立しているかが
治療効果に大きく影響することも 物語っています

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実際に 医師が機能性ディスペプシアの患者さんに

この病気は胃の機能の変調で起こっている病気であって
症状はつらいかもしれないけれど
生命予後に影響する可能性は少ないこと を説明すると

それだけで患者さんの症状が改善することが珍しくありません

機能性ディスペプシアの治療は かなりデリケートな要素を有しているのです



さて 実際の治療ですが

薬物治療を行う前に 食生活や生活習慣の改善の指導を行います

暴飲暴食のない 規則正しい食生活の励行
コーヒー・アルコールなどの嗜好品をなるべく控えるようにする
ストレスの発散や 十分な睡眠をとるような指導
などを行い 症状が改善するか見守ります

*胃に負担をかけない食生活・生活習慣を身につけましょう
*できるだけ決まった時間に食事をとるようにしましょう
*よく噛んで ゆっくり食べましょう
*食事の量は腹八分目にしましょう

*食後には休息をとりましょう
*睡眠を十分にとり ストレスや疲れをためないようにしましょう
*適度な運動をしましょう

*アルコールのとり過ぎに注意しましょう
*禁煙を心がけましょう

こうしたことが 食事や生活習慣のポイントになります

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薬物治療に関しては

食後の胃もたれや食後早期の満腹感などの症状(食後愁訴症候群)に対しては
消化管運動改善薬(ガナトン プリンペラン ガスモチンなど)が

心窩部痛や心窩部灼熱感等の症状(心窩部痛症候群)に対しては
胃酸分泌抑制薬

それぞれ第一選択薬として用いられます

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また 日本では数年前から
アコファイドという
世界で初めて機能性ディスペプシアの保険適応を取得した
消化管運動機能改善薬が 日常診療で用いられるようになりました

当院でもアコファイドを服用して
症状の改善を認めている患者さんが何人もおられます

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こうしたお薬で症状が改善せず
背景に精神・心理学的な問題を有していると思われる患者さんには
抗不安薬を用いたりします



最初のお薬が効くかどうかは 約4週間の投与で判断して
有効性が認められた場合には 薬の服用を中止することも可能です


機能性ディスペプシアの生命予後は とても良いですし
数年の自然経過で約50%が症状消失するとも言われており

前述したように
胃の内視鏡検査を行い基質的な病変の存在を否定したのちに
機能性ディスペプシアの病態を詳細に説明すると
約1/3の患者さんは 安心されて症状が消失するとも言われています


医師も患者さんも こうした事実をよく把握して
良好な関係を作り 一緒に治療に取り組んでいくことが大切と思われます



2016.08.31更新

機能性ディスペプシアのつらい症状が生じる原因として
胃の運動障害と 内臓知覚過敏についてそれぞれ説明しましたが

機能性ディスペプシアをはじめとする機能性胃腸障害の患者さんは
高率にうつ状態不安障害を合併しているのが大きな特徴です


つまり 
胃の運動障害 内臓知覚過敏といった身体的要因
心理的・社会的ストレスによって引き起こされる心理的な要因
相互に関連しあって病態が形成され 症状が起こるのです


だからこそ 機能性ディスペプシアの患者さんは
高率にうつや不安障害を合併され

*うつや不安障害があると 機能性ディスペプシアの症状がひどくなり
機能性ディスペプシアの症状がひどいと うつや不安障害が起きる

まさに悪循環です


前回 ご説明しましたが 脳と腸管は深い関係があります

不安やストレスがあると 脳がそれを感じ
脳で生じた変化により 消化管の運動に変化が生じて
胃や腸の症状が起こります

一方
 
胃や腸の具合が悪いと その知覚異常は脳に伝えられ
脳の活動性に影響を及ぼします

このように 脳と胃腸は相互に影響を及ぼしあっていて
そうした現象が 脳腸相関 として注目されてます


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だからこそ 不安 幼少時の虐待歴などの心理的要因や 
さまざまな社会的ストレス
機能性ディスペプシアの病態 症状に大きく影響を及ぼすわけです

機能性ディスペプシアの奥の深さを
イメージしていただくことができたでしょうか?



機能性ディスペプシアの症状に影響を及ぼす因子としては その他にも

*アルコール 喫煙 不眠 などの生活習慣
*食事摂取パターンの乱れ

が指摘されており それらの改善により機能性ディスペプシアは良くなります


食事因子の関与も明らかにされていて

機能性ディスペプシアの患者さんは
高脂肪食で膨満感 吐き気などの症状が出やすい
カプサイシンで症状が増悪する
ことが報告されています


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自律神経の乱れの関与も報告されています

機能性ディスペプシアの患者さんは
副交感神経系の低下 相対的な交感神経系の亢進を認めることがあり

自律神経バランス異常のある患者さんでは ない患者に比べて
消化器症状が強く出現する傾向を認めます

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また 副交感神経の活動低下は 神経症傾向やうつと関連があるようです

こうした自律神経障害は
偏りのある生活習慣により引き起こされると考えられています



一方 ピロリ菌との関連も検討されています

ピロリ菌に感染している機能性ディスペプシア患者さんに除菌療法を行うと
約10%の患者さんで 除菌後6~12ヶ月間で
ディスペプシアの症状が消失または改善するという報告があり

今年改訂された機能性ディスペプシアの診断基準(ROMA Ⅳ)では
ピロリ関連ディスペプシアという 独立した疾患概念が認められました


また 消化管感染との関連も明らかにされています

急性サルモネラ胃腸炎などの消化管感染後の
機能性ディスペプシア発症が報告され
感染非経験例に比し 約5倍発症しやすいとされています

こうしたタイプの機能性ディスペプシアは
感染症後機能性ディスペプシアというカテゴリーでまとめられ

消化管粘膜に残存する炎症が知覚過敏を引き起こす可能性
が指摘されています


このように 機能性ディスペプシア患者さんの一部は
ピロリ菌や他の感染が引き金となって発症することがあるようで

消化管粘膜の炎症などが どのように病態形成に関わるか興味深いところです



ということで まとめますと

機能性ディスペプシアは 

*遺伝・環境・精神心理学的素因をベースにして
*そこに身体的・心理的な外的ストレスが加わり
*消化管運動機能に影響を与えることで 消化管機能が障害を受けるので

自覚症状が誘発されると考えられ

また 
*増悪した消化管の自覚症状が 精神心理学的に悪影響を及ぼし
*心理的ストレスにより さらに消化管症状が悪化する
という
負のスパイラル を形成してしまうこともあるようです


今回は説明しませんでしたが 遺伝要因として
機能性ディスペプシアに特異的なSNPも いくつか同定されています


もちろん 精神心理学的素因が関与しない機能性ディスペプシアの患者さんも
多くおられますが

精神心理学的素因が関与するタイプの機能性ディスペプシア患者さんは
治療に難渋することも少なくなく
メンタルや心療内科の専門家との共同での治療が必要になることもあります


次回は 機能性ディスペプシアの治療について説明します



2016.08.30更新

胃の運動機能が悪いだけでは機能性ディスペプシアの症状は起こってきません

もうひとつの要素 胃の知覚過敏がないと 症状は起こらないのです


内臓知覚過敏 というのは

*食物が胃の中に入り 胃の壁が物理的に伸展されるときに生じる刺激
*胃酸や食物の内容により 化学的に胃の粘膜で生じる刺激

に対して 過剰に反応してしまう状態です


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実際に 機能性ディスペプシアの患者さんは
胃の伸展刺激 温度刺激による知覚過敏が35~50%程度に認められ
酸や脂肪による十二指腸への刺激に対する知覚過敏もみられます


このように 機能性ディスペプシアの患者さんは
内臓知覚過敏の状態にありますが

前回説明した 胃の排出能の低下により 胃内に食物が長時間停滞すると
持続的に胃壁が伸展され 
食物による化学的刺激に長時間暴露されることになり

健康な人と比較して より高頻度に刺激にさらされることになります

また 適応性弛緩反応も低下していますから
食物により胃の内圧が上昇して 胃壁の過剰な伸展がもたらされる

内臓知覚過敏の状態にある患者さんが
胃の運動機能の異常により
刺激を過度に受けてしまうわけですから

健康な人は何も感じない程度の弱い刺激でも
機能性ディスペプシアの患者さんは
腹部膨満感 早期飽満感 腹部不快感 痛みなどを感じてしまうのです

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では どうして機能性ディスペプシアの患者さんは 
内臓知覚過敏なのでしょう?

胃を含めた消化管には 知覚神経や迷走神経が分布していて
消化管で生じた刺激の知覚 消化管の運動 消化液やホルモンの分泌などに
深く関わっていますが

消化管で生じた刺激は 知覚神経や迷走神経により脳に伝えられ
内臓知覚は 現場である胃腸ではなく 脳で感じるのです

痛みは胃腸でなく 脳で感じる

言われてみれば 当たり前のような気もしますが イメージできますか?

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実際に 胃に食物が入ってきて拡張刺激が起こると
脳の前帯状回 視床 尾状核 島 中脳中心灰白質といった部位の
活動性が高まります

そして 機能性ディスペプシアの患者さんは健康な人と比べて
こうした脳での活動性の変化が より軽度の拡張刺激で起こってしまう

つまり 内臓知覚の閾値が低下していることが 明らかにされています


ということは 胃や腸だけの問題ではなく 脳にも問題があるということ?


はい この点こそが
機能性ディスペプシアをはじめとする機能性胃腸障害の奥が深いところです

この 胃腸と脳の関連は 脳腸相関 と呼ばれ 最近とても注目されています

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非常に興味深いところなので
機能性ディスペプシアと過敏性腸炎の解説を終えたあとに
稿を改めて詳しく解説します

以前に解説した腸内細菌叢とうつ病などの精神疾患との関連にも
脳腸相関は深く関わっていると考えられています


そして この脳腸相関は
機能性ディスペプシアをはじめとする機能性胃腸障害の患者さんが
高率にうつ病や不安障害を合併されることにも関わります

そのあたりを 次回詳しく説明します

 

2016.08.25更新

機能性ディスペプシアのつらい症状は
胃や十二指腸に はっきりとした病変があるから起きるわけではありません

むしろ 内視鏡検査をしても 何の異常もないのに
つらい症状が続くのが この病気の特徴です

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では どうして つらい症状が起きてくるのでしょう?

ベースにあるのは 胃の運動機能の異常と考えられています

それに加えて 胃の痛みを感じやすい
この状態を専門的には内臓知覚過敏と言います

*胃の運動に異常があるので 痛みや不快さが生じて
*痛みに敏感なので より容易に感じやすい

こうして つらい症状が出現してきます


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今日はまず 胃の運動機能の異常について説明します

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ヒトは食事をすると 食道から胃に咀嚼された食物が入りますが
そのとき 胃は どのように動くのでしょう?

胃に食物が入ると 通常は

さらに食物を続けて受け入れられるように 胃の上部が広がります
この反応を 適応性弛緩反応 と呼びます

ついで 胃全体が波打つように蠕動運動をして
食物と胃液を充分に混ぜて消化をしながら 
食物を胃の出口の方に運びます

それから 消化した食物を十二指腸に排出します

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これが生理的な胃の運動ですが
機能性デイスペプシアでは これらの運動に異常が生じてきます


ディスペプシアでの胃の運動の異常
は 大きくふたつに分かれます

@適応性弛緩反応の低下

上述したように 胃に食物が入ると
通常は胃の入口に近い部分が弛緩することで
多くの食物が受け入れられますが

この適応性弛緩反応が低下すると 胃が拡張されないので
早期に胃の飽満感を感じ
上腹部痛や不快感などの症状が起こります

早期飽満感を訴える機能性ディスペプシア患者さんの約40~50%で
適応性弛緩反応の低下がみられるとされています

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@胃排出の遅延

胃排出とは
食物を消化して胃から十二指腸に排出する食後の胃の運動ことで

通常は胃の中に食物が入ると 十二指腸につながる部位が収縮して
内容物を十二指腸に送り出します

この胃排出が遅延すると 食物が胃に長く停滞することになり
胃もたれ 食後膨満感 嘔気などの症状の発現につながってしまいます

前回説明した 食後愁訴症候群の症状の原因と推察されていて
機能性ディスペプシア患者さんの約20~40%で
胃排出の遅延を認めます

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この2種類の異常は 相互に密接に関連していて

通常は 胃のなかの食物は
十分な時間をかけて十二指腸へ運び込まれますが

胃の拡張が低下すると貯めこまれないので
急に十二指腸へ食物と胃酸が運び込まれてしまう

すると十二指腸はびっくりして
ゆっくり食物が入ってくるように 胃の排出機能を抑えるように働きかけ

その結果として 食物が胃から排出されなくなり
胃もたれなどの症状が生じてしまう

悪循環です



また 食物の内容も機能性ディスペプシアの症状に影響します

脂質やデキストロースが十二指腸内に急に入ってくると
嘔気が認められ 飽満感や腹部不快感が増強することが示されています

その際に十二指腸では 各種の栄養素の刺激で
セロトニン CCK サブスタンスP セロトニンといった
消化管ホルモンの産生が高まり

胃や脳に作用して胃の運動が変化して 症状が発現すると考えられています


こうしたことから 機能性ディスペプシアの症状の発現には
胃そのものだけでなく 十二指腸も関与していると考えられていて

最近は一部の機能性ディスペプシアでは 
十二指腸粘膜における炎症や免疫細胞浸潤が
病態形成に関与することが明らかにされています

胃には炎症がなくても 十二指腸に炎症があると 胃の症状が起こる

なんだか複雑ですね


もうひとつの原因の 知覚過敏については 次回に説明します



2016.08.24更新

ディスペプシア って なんだ?

確かに この名前からは どんな病気かイメージできません

患者さんに この病気のことをお話しすると
病名を聞かれて 「???」 といった反応をされることが 
とても多いです(笑)


ギリシア語で ディスは不快な症状 ペプシアは胃のあたり

ふたつ合わせて 
胃のあたりに不快な症状を呈する病気 の名前が ディスペプシア

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その前に 「機能性」 という単語がつくのがミソです

つまり
胃の機能 すなわち 動き が悪くなることで
不快な症状が生じる病気 が 

機能性ディスペプシア


機能性ディスペプシアの患者さんの数は 極めて多いと推定されています

健診受診者の11~17%
上腹部症状で医療機関を受診した患者さんの45~53%
全国民の10~20%が
 
機能性ディスペプシアである可能性があると言われているほどです

どちらかというと 男性より女性に多く 高齢者より若い人に多い

肥満・BMIとは直接関係ありませんが
肥満の原因となる食習慣 生活習慣 心理社会ストレスとの関連は
強いようです


世界的な診断基準(ROMA Ⅲ)では

つらいと感じる

*食後のもたれ感
*早期の膨満感

*心窩部(みぞおちのあたり)の痛み
*同部の灼熱感 焼けるような感覚

の症状のうち1つ以上があり

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*上部内視鏡検査(胃カメラ)等で 器質的疾患が確認されない
こと
*6ヵ月以上前から症状があり 最近3ヵ月間が前記基準を満たしていること

が 診断の条件になっています 

しかし 日本人は医療機関を受診しやすい環境にあるので
症状が出てから1ヶ月程度での受診が多いようです


今年改訂された 新たな診断基準のROME Ⅳでは

生活の質(QOL)が低下するほどつらいと感じる“厄介な症状”であることが

機能性ディスペプシアと診断されるための必要条件で
気にならない 問題ない程度なら 機能性ディスペプシアではない
と記されました


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ということで ポイントは

*潰瘍や胃炎などの器質的異常がないのに
*もたれる 膨満感 痛い といった症状があり
*その症状は 普段の生活に支障が出るほどのつらい症状で
*3か月以上の長期にわたり 症状が続いている

などが 機能性ディスペプシアの特徴ということになります


機能性ディスペプシアは 症状の起こり方により 
以下のふたつのサブグループに分かれます

@食後愁訴症候群(Postprandial Distress Syndrome:PDS)

*食後に症状が現れることが多く
*週に数回以上 普通の量の食事でも
 つらいと感じるもたれ感がある もしくは 早期膨満感のために食べられない

といった症状が主体で

*上腹部の張った感じ 食後のむかつき 大量の呑気をともなうことがある
*心窩部痛症候群が併存することがある

のが特徴です


@心窩部痛症候群(Epigastric Pain Syndrome:EPS)

*心窩部痛などを主体とする
 心窩部に限局した中等度以上の痛みや灼熱感が 週に1回以上ある
*間歇的な痛みである
*腹部全体にわたる または 上腹部以外の胸腹部に局在する痛みではない
*排便 放屁では改善しない

といった症状があり

*痛みというより灼熱感のこともある
*食事摂取で誘発されたり改善したりするが 空腹時に起こることもある
*食後愁訴症候群が併存することもある

のが特徴です


このふたつのサブタイプが併存したり
日によって症状が変わることもあります


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症状の起こり方の特徴は

*症状は慢性的に消長し 頻回に出現するが 持続的ではない
*ストレスにより症状が惹起される
*80%は食事摂取により症状が悪化する

といったことです


機能性ディスペプシアの合併症としては

*胃食道逆流症が 24.6%
*過敏性腸症候群が 43~60%
*慢性便秘が 13.8%

ほど存在するとされています


過敏性腸症候群・IBSは 別項で詳しく説明しますが 
機能性胃腸障害の腸管タイプで

機能性ディスペプシアと過敏性腸症候群が高率に合併するということは
両者の背後に共通した病態が存在するということで
それについては また詳しく説明します



2016.08.23更新

食後に胃がもたれる 
すぐに膨満感を感じる


みぞおちのあたりが痛い 
焼けるような感じがする

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あるいは

下腹部痛や腹部不快感が繰り返し起こり

そうした症状が 排便によって軽減したり

発症時に排便頻度や便の形の変化がある

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そんな症状に悩んでおられる方は 少なくないと思います
当院にも そうした患者さんはたくさん来られます

いちばん心配なのは
胃 十二指腸 大腸などに 炎症 潰瘍などの病気があって
そうした症状が出現している場合です

ですから 上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)や
下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ)を行い
目で確認できる病気があるかどうかチェックするのが望ましい


ところが そうした検査を行っても
なんの異常も見られない場合があります

でも 不快な症状は続いている


しかも 往々にして症状は
患者さんが「つらい」と感じられるほどひどい もので

症状のために会社を休んだり 日常生活に差しさわりが出たり
QOL(生活の質)が乱されてしまうほど つらい

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いったい どこが悪いのでしょう?

患者さんは不安になり 精神的にもつらくなってきてしまいます


こうした患者さんは 実は少なくありません


そんな患者さんたちが患っておられる病気の名前は

機能性胃腸障害 Functional Gastro Intestinal Disorder FGID

あまり聞いたことがないと思います

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医療の世界でも まだあまりポピュラーではありませんが
最近はこの病気の認知が進み 注目されてきています

実際に 機能性胃腸障害で悩まれている患者さんの数は多いのです


内視鏡検査で 明らかな病気が認められないにもかかわらず
生活の質(QOL)が低下するほどの つらいお腹の症状がある

機能性胃腸障害は まさにそんな病気です


厄介なのは 機能性胃腸障害には

うつ病や不安障害といった
精神的な病が一緒に認められることが多いことで

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場合によっては 消化器専門医だけでなく
心療内科やメンタルの専門家と 一緒に治療にあたる必要があります



機能性胃腸障害には 多くの病気が含まれていて
今年2016年に改訂されたROMA Ⅳといういちばん新しい診断基準では

*食道障害
*胃・十二指腸障害
*腸障害
*消化管由来腹痛の中枢介在性障害
*胆嚢・乳頭括約筋障害
*直腸・肛門障害
*新生児および乳幼児の消化管障害
*小児・青年期の消化管障害

の 8つに分類されています


なかでも いちばん頻度が多いのは

*胃もたれやみぞおちの痛みがつらい 機能性デイスペプシア
*下腹部の痛み 下痢や便秘がつらい 過敏性腸症候群

の ふたつの病気です


機能性胃腸障害 機能性デイスペプシア 過敏性腸症候群

いずれも馴染みのない病名かもしれませんが
実は とても多くの患者さんが悩まれている病気なのです

こうした病気について 解説していきます



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