左利き肝臓専門医ブログ

2016.06.30更新

お品のないタイトルで恐縮ですが(苦笑) でも 大切なことのようです

女性の方は おわかりにならないでしょうが
男性の方は若い頃に これで股間を抑えて目が覚めたことを
経験されたことがあるでしょう(笑)

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朝立ち

医学的に言うと 早朝勃起・夜間睡眠時勃起 ですが

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これが 男性更年期障害の原因となる
テストステロン低下の初期のバロメーターとなるのだそうです

だから 中高年の男性患者さんの
朝立ちの状況を把握することは大事!



うーん 今まで そんなことを考えたことはありませんでした、、、


そもそも 朝立ち は

欲情が関与しない 
あくまでテストステロン依存性の生理的現象であり

テストステロンの低下は 朝立ちの自覚喪失を引き起こす


朝立ちの障害は
テストステロン低下により誘導される 
血管内皮細胞機能の障害によって起こりますが

血管内皮細胞機能障害は 
最も細い直径1~2mmの陰茎動脈から始まり
引き続き 3~4mmの心臓血管 
5~7mmの脳の血管の動脈硬化へと進行する可能性が高い


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つまり 朝立ちの障害は 心血管障害の早期マーカーにほかならないわけで

このことは日本循環器医学会のガイドラインにも記載されています



ちなみに ED・勃起障害
テストステロン低下による 陰茎の海綿体の血流維持の低下によるもので

海綿体に血流を供給する陰茎動脈は
前述のごとく細いので 動脈硬化の影響を受けやすい


糖尿病や脂質異常症などのメタボリックシンドローム
はっきりとした自覚症状がないので
ED・勃起障害が 最初に自覚される自覚症状となり

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生活習慣病や それにともなう動脈硬化性血管病の
早期診断に使える可能性があるそうです

そうなんだ!

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実際に 糖尿病 高血圧 脂質異常症などが原因のED
増えているそうです


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そして 動脈硬化の診断には
頸動脈エコー検査や脈波速度検査が行われることが多いですが

男性には 「元気に朝立ちされていますか?」

とうかがうことが より鋭敏な検査に匹敵するようです



前回ご説明したように こうした性機能障害は
内科でなく泌尿器科の先生が診療する機会が多いのですが

泌尿器科の偉い先生が言われるに

内科の医者は 朝立ちを軽んじすぎている!


糖尿病や生活習慣病 LOH症候群を疑う患者さんには
きちんと朝立ちや勃起障害のことを 詳しく問診しないといけないのに

内科の医者は 
恥ずかしがっているのか 格好つけているのか知らないけれど
そんなことを患者さんに聞くのはとんでもないと思っている節がある

それは 間違っている! と

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うーん 耳が痛いですね、、、


確かに初診で来られた患者さんに
 
いきなり「朝立ち 元気ですか?」とお尋ねしたら

診察室の空気が固まるかもしれません(苦笑)
年配の患者さんだったら マジで怒られてしまうかもしれない


でも 朝立ちやEDが
動脈硬化や生活習慣病の早期診断のマーカーになるなら
是非とも 患者さんに状況を伺うべきです

現に 糖尿傍 脂質異常症 メタボリックシンドロームは
早朝勃起障害やEDの 独立した危険因子そうです


再度 うーん 奥が深いですね、、、


そんなわけで 内科医はだからダメだ!と言われないように
当院でも 糖尿病やメタボの中高年の男性患者さんには 
大変 不躾なことを伺うかもしれません

その際には 今日 解説したようなこともご理解いただき
決してふざけているわけではないことを ご承知おきくださると幸いです

どうか 宜しくお願い致します



2016.06.29更新

男性更年期障害LOH症候群の説明をしましたが

注意が必要なのは
男性更年期障害=LOH症候群 ではない ということです


実は 更年期症状がある症例の約半数がテストステロンは正常域内にあり

男性更年期障害の病態は複雑で 
加齢によるテストステロン低下のみでは説明できません


特に 日本における男性更年期障害は ストレス性心身症症状の割合が多く

こうした精神心理症状は更年期の初期から認められ

さらに時間が経過して 更年期の後期から熟年期において 
テストステロン欠乏症状が前面に出てくる場合が多いのです

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逆に男性更年期障害の症状を呈さないLOH症候群も存在します

テストステロンの分泌低下は認めるけれど 典型的な自覚症状はない

けれど前回解説したように 糖尿病やメタボリックシンドロームを発症し
心血管系病による死因のリスクになる 厄介な病態です

下図に示されるLOH症候群のさまざまな病態のなかで
真ん中のメタボリックシンドロームのみが目立つタイプです


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ですから 男性更年期障害で見られる精神心理症状を認めた場合でも

その実態はテストステロンが低下していないうつ病などで
テストステロン補充療法が効かないこともあり得て

その場合は 抗うつ薬などの力を借りた方が有効なことがある


逆に 典型的な男性更年期障害の症状は見られなくても
糖尿病やメタボリックシンドロームの患者さんで
実はテストステロンの分泌低下が存在していることがあり

そうした場合は テストステロン補充療法を行うと
糖尿病やメタボリックシンドロームが改善することもある

このあたりは とても微妙で 複雑です

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特に厄介なのが 
LOH症候群のうつ症状と ホンモノのうつ病との鑑別です

LOH症候群のうつは 30代後半から徐々に増加し 中高年のうつと関連します

うつ病と診断されて 抗うつ薬治療を行っていても効かないときは
LOHを疑って テストステロンの測定を行う必要があります

このあたりは LOH症候群の治療を行う医師が
精神神経科の専門医と連絡を密にとって
患者さんの状況に応じた適切な治療を行うことが大切です


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内科医としていちばん気をつけなければいけないことは

中高年の男性で 肥満 糖尿病 生活習慣病を患っておられる方が
実はLOH症候群も併せて患っておられる可能性
見落とさないことかもしれません

特に 精神症状や性機能症状がみられる場合は可能性を考慮して
ちょっと聞きづらいですが 性欲や勃起に関することを詳しくお聞きしたり
実際に血中テストステロン値を測定するべきでしょう

前回 ご説明したように テストステロン補充治療を行うと
インスリン抵抗性や脂質代謝の改善がみられることが多いので
このあたりは 実は重要なことだと思われます

肝に銘じなければいけません

 

 

2016.06.28更新

更年期障害と言えば かつては女性の病気と考えられていましたが
ここ10年余りで 男性にも更年期障害があることが 明らかにされています

前回 ご紹介した 男性ホルモンのテストステロン
加齢により減少してくることが 大きな原因のひとつと考えられます

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こうした 加齢によるテストステロン産生低下が原因となって
さまざまな症状が現れてくる病態を

LOH症候群:晩発性性腺機能低下症候群 と呼びます


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LOH症候群は
血中テストステロン値が300ng/dl以下になって 症状が出てくる病気ですが

2005年に世界の主に泌尿器科関連の学会が提唱した疾患概念で
まだ10年ほどの歴史しか有していません

つまり 社会的な認知度も 必ずしも高いわけではない


50代 60代 70代 80代の男性の
おおよそ12% 20% 30% 50%が該当するとされていて
中高年男性におけるLOH症候群の有病率は 極めて高いといえます


LOH症候群の発症には
肥満や運動不足も関与するとされており

また 几帳面でまじめで 人一倍頑張り屋だけれど
ちょっと神経質で 気分転換が下手な方は
LOH症候群になりやすいそうです

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読み手の皆さん 大丈夫ですか?


臨床症状は極めて多彩ですが テストステロン値の低下にともない

*まず 性欲が減退し
*次に 活力の低下 抑うつ 睡眠障害 集中力の欠如 
 肥満 糖尿病などが生じ
*最終的に 勃起障害 ほてりを呈する

とされています

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<身体症状>

*疲労感
*体の痛み ほてり
*筋力の低下 
*骨粗鬆症
*内臓脂肪の増加
*体毛(ヒゲ 陰毛)と皮膚の変化

<精神症状>

*知的活動 認知力 見当識の低下
*抑うつ
*不安
*睡眠障害

<性機能>

*性欲減退
*ED 勃起障害

これらが LOH症候群で見られる 主な症状です

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診断は 精神・心理症状(5問) 身体症状(7問) 性機能関連症状(5問)
それぞれに関する計17問の質問で構成されるアンケートを行い
その解答を点数化して評価して行います

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また 血中のフリーテストステロン値が8.5pg/ml未満だと
LOH症候群と確定診断されます



治療は まずカウンセリングを行いますが

上記の臨床症状を呈している40歳以上の男性で
血中フリーテストステロン値が8.5pg/ml未満だと
テストステロン補充療法の治療対象になります

テストステロンの投与は
注射薬を2~4週おきに注射するか
軟膏を1日に1~2回 体の一部に塗ることによって行います

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テストステロン補充療法により
筋肉量 筋力 骨密度 体脂肪量 血中脂質値 インスリン感受性
気分 性欲 などの改善が認められます

但し 長期間にわたり投与すると 心臓病などのリスクが増すために
治療経過中 適宜 血液検査を行い
テストステロン値をチェックするとともに

少なくとも3か月後には 診断時に用いたアンケート調査により
効果判定と有害作用の検討を行って

それらの結果にしたがい 6カ月から1年で一旦中止するのが通常です


副作用としては 前立腺がんの危険性が指摘されていて
治療中にがんマーカーのPSAは継時的に測定すべきですが

テストステロン補充療法が前立腺がんの発症リスクを高めるという
確固たる証拠があるわけではありません



これらの治療は 主に泌尿器科でなされることが多いのですが
泌尿器科の先生方のお話では

男性ホルモン・テストステロンが低下していますと
患者さんに検査結果をお伝えすると
非常に落胆されてしまう方が とても多いそうです

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そして それが故にか
積極的にテストステロン補充療法を受けようとされる方が多いそうで

おそらく 閉経期の女性でも同じようなシチュエーションかもしれませんが
性ホルモンの減少や低下というのは
男性にとっても女性にとっても とてもデリケートな問題なのでしょう


ですが 補充療法により 症状が改善することも多いわけですから
きちんと患者さんに説明して ご理解をいただいて治療を行うことが
とても大切だと思います

また 肥満や運動不足を改善して ストレスと上手く付き合うことも
日々のLOH症候群対策として重要です

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ここでも 生活習慣の改善が大切なようです




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