左利き肝臓専門医ブログ

2017.06.21更新

前回に引き続き
職業のパターン別でなりやすい生活習慣病について解説します


@Cパターンの ものづくり系の仕事の方

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*肥満 高血圧になりやすい

体を使う仕事がきついので
どうしても 高カロリー 高塩分の食事を好む傾向にあり

揚げ物や丼物などの ボリュームのあるガッツリ系の食事になりやすく
若いうちから 肥満や高血圧になりやすい

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このパターンの方の対処法は

ラーメン+ぎょうざ のような 炭水化物の重ね食いをやめる
大阪の方 要注意ですよ!(笑)

そして 弁当を食べるときは
野菜の惣菜をプラスし 野菜から食べる

社員食堂のメニューに 野菜がとれる定食メニューを増やしたところ
従業員さんの健診数値が改善した事例も よく見られるそうです

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このパターンの患者さんも 当院にはたくさん来られますが

若い頃にこうした食生活の習慣がついてしまい
中年になっても同じように食べているので
糖尿病や脂質異常症を発症されてしまうケースが多い

40歳を過ぎたら 代謝も落ちてきてメタボになりやすくなるので
同僚の若い方たちと同じ食生活を続けるのは危険です

これは 本当に 声を大にして注意したいことです




@Dタイプの 夜勤や交代制勤務の方は

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*肥満や脂肪肝になりやすい

生活リズムが作りにくく 食事時間が不規則で
夜勤明けの食事 お酒を飲んだりしたあとすぐに寝ることで
肥満や脂肪肝になりやすい


このパターンの方の対処法は

勤務が夜間にかけて長時間にわたるときは 分食をする

職場で午後6時くらいに
おにぎりやサンドイッチなどの軽食をとっておき
帰宅後はおかずをメインにして 炭水化物はとらない


夜勤明けのときは 食事前に入浴する

先に食事や飲酒をすると 入浴せずに寝てしまい
睡眠の質や 寝ている間の代謝も悪くなってしまいます


このパターンの方は
なんといっても 寝る前にドカ食いしないことが重要です


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是非 分食の生活習慣を身につけてください!



以上が 職業パターン別の
なりやすい生活習慣病と その対処法です

読み手の皆さんのお仕事がどのパターンかによって
注意すべきポイントが微妙に異なってきますので
是非 参考にされてください

また 以前にご紹介した
知らぬ間に太る食べ方に関するブログも 覗いてみてください



さて この記事の最後には

生活習慣を変えるには マイナーチェンジから

と提案されています

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昔から積み重ねてきたライフスタイルを変えるのは大変なことで

健康リスクが高い人ほど 早く成果を出したいとあせられて
ライフスタイルを大きく変えようとされますが

残念ながら

⻑年培ってきた習慣を大きく変えようとするほど

元に戻りやすいものです

過激なダイエットは必ずリバウンドするのと 同じことですね


ですから 先ず
仕事に差し障りがでないような 身近なマイナーチェンジから始めてみる

例えば

甘い缶コーヒーを 微糖のものやお茶に変える
菓子パンを おにぎりに変える

そうした小さな積み重ねを 確実に習慣化していくことが大切です

*現状の生活習慣・食習慣ではマズイことを自覚されて
*仕事の合間にできる マイナーチェンジを ご自分の意志で見つけられて
*そのマイナーチェンジを 新たな生活習慣にされる

そして 

*ひとつのマイナーチェンジに成功されたら
*その小さな成功を ご自身で評価され楽しまれ
*次のマイナーチェンジを見つけて 習慣化していく

そうした積み重ねを行うことが 成功の秘訣だそうです

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そうですね これは書き手にとっても耳が痛い

というのも 糖尿病や脂質異常症で当院に来院される患者さんたちに

生活習慣で病気になったのだから
新しい生活習慣を作って 薬を飲まないで済むように頑張りましょう

とアドバイスをしますが

その新しい生活習慣について
ついつい あれもこれも一度にお勧めしてしまいます

マイナーチェンジの積み重ね

アドバイスをする医者の方も 肝に銘じる必要がありそうです(苦笑)



最後に 興味深い話題をもうひとつ

最近は 社員の健康づくりを評価する企業が増えてきましたが

社内で健康に関するプログラムを作製し
それにのっとって 自らの健康マネジメントをすると

給与が上がる 臨時ボーナスが出るといった
インセンティブを与える企業も 増えてきているそうです

社員の健康づくりに投資すると 生産性や創造性が高まり
企業にとってメリットがあることが分かってきたためだとか

なるほど そういう時代になってきたのですね

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会社全体で禁煙プログラムを推奨し
社内の健康相談室や医務室で行う禁煙プログラムを達成すると
報奨金が出る企業もあるようです


また 健康保険証を1年間使わない
つまり無病息災で過ごすと ご褒美がもらえる健康保険組合
もあるそうで

言葉は不適切かもしれませんが
眼の前に人参をぶら下げて 社員の健康を推進するというのも
これからの企業が執るべき対策のひとつなのかもしれません

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健康管理の対処法が ずいぶん変わってきているようです


 

2017.06.20更新

職種によって なりやすい生活習慣病が異なる

こんな面白いレポートが 日経Goodayに掲載されていました

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2008年から開始されたメタボ健診で蓄積されたデータを解析したところ
仕事によって健康リスクが異なることが明らかにされたそうです


働いている方は 仕事によって特有の行動パターンがありますが
1日の大半を職場で過ごされるので そのパターンが健康に影響を及ぼす

なるほどです


職業を

*事務系 or 非事務系

*自分で生活リズムを作りやすい or 作りにくい

の2項目により 以下の4パターンに分けます


@Aパターン

*事務系で 自分で生活リズムを作りやすい
*デスクワークが中心の 管理部門や事務系の仕事

@Bパターン

*事務系で 自分で生活リズムを作りにくい
*顧客の都合が優先される 
 営業職 サービス業 接客業 IT関連などの仕事

@Cパターン

*非事務系で 自分で生活リズムを作りやすい
工場などの現場で 体を動かす仕事

@Dパターン

*非事務系で 自分で生活リズムを作りにくい
*夜勤や交代制勤務がある
 ガードマン ドライバー 医療介護などの仕事

読み手の皆さんのお仕事は どのパターンに属されますか?


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それぞれのパターンで なりやすい健康障害や生活習慣病が異なります


@Aパターンの デスクワーク中心型

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*大きな病気にはなりにくいが

*基礎代謝が低いので太りやすく 睡眠の質も悪くなりがちで

*肩こり 腰痛などが起こりやすい


座っている時間が⻑いので エネルギー消費量が少ない

また 気分転換のためについついお菓⼦を⾷べたり
習慣的に甘い飲み物を飲む⼈は やせていても⾎糖値が高くなりやすい

以前にご紹介した 座りっぱなしは危険 にも該当します


このパターンの方の対処法は

気分転換で飲む飲料を
甘いジュースやコーヒーからお茶にする ことが大切で

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会社の⾃販機のメニューを 
缶コーヒーやジュースをやめてお茶や⽔にしたところ
従業員の健診数値が改善した事例もあるそうです

糖分の多い飲料は控える
一定時間ごとに立ち上がって 全身を動かすようにする

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といった対処が重要なようです



@Bパターンの 顧客の都合優先の仕事の方は

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*メタボ 高血糖になりやすく

*IT関連の方は 若い頃から血圧上昇傾向がある


顧客の都合が優先なので ⾷事の時間が不規則になりやすく

空いた時間に
菓⼦パンやファストフードなどで簡単に食事を済ませざるを得ず

そのため糖質過多になりやすく
やせているのに高⾎糖ということが少なくない

営業職で仕事としての宴席が多い方は 食べ過ぎ飲み過ぎになりやすく
⾎糖値 コレステロール値 中性脂肪値 尿酸値などが高値になりやすい


また IT関連の方は 運動量も⾷事量も少なく
⻑時間同じ姿勢で作業して しかも緊張状態をともなうので
若いうちは太っていなくても ⾎圧が高めな方も多いようです

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この IT関連の方の高血圧は 意外でした

当院にもIT業種の方はたくさん来院されていますから
今後は血圧にも充分に注意したいと思います


このパターンの方の対処法は

ファストフードや菓⼦パンばかり食べる⼈は おにぎりに替える

というのも
⽶の⽅が精製された小麦粉より消化・吸収のスピードが緩やかなので
⾎糖値の急上昇が防げるからです


宴席が多い方は 食後高血糖を防ぐために
おつまみを食べる順番を変える

揚げ物などからではなく
糖分の吸収を遅らせるGI値の高い野菜や海藻などから食べ始める

などが効果的です

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会社の健康診断で糖尿病や脂質異常症などを指摘され
当院を受診される方で Bパターンの方の比率は かなり高いです

ついつい 営業のあい間の短い昼休みに ドカ食いしてしまう
夜のお仕事の宴会で 飲み食いが多くなってしまう

といった 悲鳴のようなお話をうかがうことが多いです

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そして ほとんどの方が
以前に解説した 太る食べ方をされています

忙しい日々で大変だとは思いますが
是非 対策を練っていただきたいものです


長くなりましたから Cパターン Dパターンの解説は 次回に続けます



2016.06.23更新

女性ホルモンのエストロゲンには
糖尿病や脂質異常症の発症を防ぐ作用があります

ですから 女性はエストロゲンの分泌量が減少する閉経前後から
エストロゲンの働きが消え
生活習慣病を発症しやすくなることを説明しましたが


実は 男性ホルモンのテストステロンの動態も
生活習慣病の発症に影響を及ぼします

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女性の閉経と異なり 
男性では性ホルモンが急激に減少することはありませんが
それでも加齢にともない テストステロンの分泌は徐々に低下してきます

30歳頃から 年に1~1.5%ずつ 緩やかに減少していくと言われ
60歳以上の19% 70歳以上の28% 80歳以上の49%が
基準値以下になるとされています

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但し 加齢による減少の程度には 女性と異なり大きな個人差があります


そして 女性ホルモンと大きく異なる点は
テストステロンは 加齢以外の原因によっても分泌が減少することです

なんと 肥満 糖尿病や 精神的ストレスが原因で
テストステロン分泌が低下するのです!


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そして テストステロンが低値だと 
糖尿病や生活習慣病の発症リスクが増える

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40歳代の糖尿病患者さんの40% 70歳代の患者さんの55%が
低テストステロン血症です

テストステロンが低値だとインスリン抵抗性になるので
糖尿病になりやすくなる


また 血管内皮細胞の機能障害がみられるので
動脈硬化の発症リスクが高まる
心血管疾患の死亡率が上昇することも 明らかにされています

テストステロンには 血管保護作用抗酸化作用があるためと考えられます


どうやらテストステロンには エストロゲンと同様に
生活習慣病の発症を未然に防いでくれる作用があるようです

テストステロンもエストロゲンも
同じコレステロールから作られるホルモンで
構造もステロイド骨格という似たようなものなので

働きに類似性があっても 驚くほどのことではないかもしれません

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で こうしたことから テストステロン値は
加齢にともなう生活習慣病関連のバイオマーカーになると考えられています


また テストステロンが低下すると
うつ病 認知機能低下 アルツハイマー病などのリスクが高まり
活力と性機能が損なわれ 生活の質が低下してしまいます


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さらに厄介なことに
テストステロンの低値は 心血管病 呼吸器病による死亡リスクを高め
それは 年齢 BMI 喫煙などとは独立した危険因子とされています


一方 高齢者でテストステロンが高値だと
死亡リスクは低値な方に比べ 22%も減少します

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つまり 血中のテストステロン値が低いと

*糖尿病や生活習慣病の発症リスクが増し
*うつ病や認知症の発症リスクが増し
*心血管系疾患による死亡率も増してしまう

わけで

中高年男性において
健康診断などでテストステロン値の経年的な測定を行うことの重要性が 
注目されています


一方で テストステロン値は肥満で低下するけれど
わずかながら骨格筋からも産生されるため
運動によりテストステロン値が増加することも 明らかにされています

ですから 生活習慣を改善して 減量して運動をすれば
テストステロンが増加して寿命も延びる

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いやー 正直に告白しますが
男性ホルモンのテストステロンに そんな一面があったとは
お恥ずかしいことに 不勉強で知りませんでした

テストステロンさん ごめんなさい


ちなみに テストステロンを増やす刺激としては
筋トレ以外にも 喧嘩や浮気などの不安定な興奮状態 もあるそうです

あ 糖尿病や生活習慣病で悩むお父さんに
喧嘩や浮気をお勧めしているわけではありませんよ(苦笑)




2016.06.22更新

恋愛関係が終わったとき
女性はすぐに前を向けるけれど 男性は未練を残してしまいがち、、、


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というお話をしようとしているわけではなくて(笑)

日本医師会雑誌が 2か月続けて
Women’s HealthMen’s Healthの特集企画を組みましたが
これが なかなか面白かったです

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平均寿命は 男性は女性より7年も短いのですが

それだけでなく 男は病気になったら早く死んでしまう傾向があるそうで
女性はそれに比べ 少し具合が悪くても粘り強く長生きするとのこと

なるほど~

一方 最近は 歳をとっても寝たきり状態にならず
活動的な日常生活を過ごせる「健康寿命」が重視されていますが

健康寿命の男女差は 平均寿命より短く 3年間

つまり 要介護状態で過ごす期間は 女性の方が長いのです

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どうして こうした現象が見られるかというと

男性は がんや心血管疾患などの 
短期間にポックリ逝ってしまう病気が多いのに

女性は 認知症やロコモティブシンドロームといった 
長期間にわたり寝たきりや介護を必要とする病気になりやすいから


男性は がんになりやすいですし

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動脈硬化の原因になる血管内皮機能の低下が始まるのは
男性は40代 女性は50代で 男性の方が早く

さらに 糖尿病や高血圧といった 
動脈硬化を誘導する生活習慣病も多いので
狭心症などの心血管疾患になりやすい

それに 同じ病気になっても 
重症化率は男性の方が高いというデータもあります


一方 アルツハイマー型認知症になる確率は 
女性は男性より1.3~1.5倍多いそうです

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再度 なるほど~ です



で どうしてこういうことになるのかというと
その原因のひとつが まさに 変われる女変われない男


女性は 健康意識がとても高く
健診などで異常値を指摘されたり 体調不安があったりすると
すぐに医療機関を受診することが多い

そして
健康上してはいけないことに対して 
比較的 素直に従って頑張る
(もちろん 例外もありますよ:笑)

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しかし男性は 自身の健康に関する意識が低く
健診などで異常値を指摘されても なかなか医療機関を受診しない

確かに 当院でも 
企業の保健師さんからの紹介で来られた男性中年患者さんは
なかなか継続して受診していただけないケースが多いです

そして 糖尿病 高血圧 肥満といった病気になりやすい生活習慣
食べ過ぎ 飲み過ぎ 喫煙 運動不足などは
男性に圧倒的に多いのですが

男性は それを指摘されても なかなか変えられない

まさに 変われない男 なのです


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だから 狭心症 心筋梗塞 脳梗塞といった重い病気が
ある日突然 青天の霹靂のようにやってきて
最悪の場合は あっという間に ポックリと逝かれてしまう、、、


ちなみに スポーツジムの利用者で
増えているのは60代の女性 減っているのは30代の男性だそうです



そうはいっても 確かに仕事に夢中になっている男性に
健康に関する意識を高めて 生活習慣を変えろといっても
現実問題として難しいのはわかるような気がします

それに 男性は社会的なストレスも多いでしょうから

男女共同参画が叫ばれる現代は
男女で社会的ストレスを分かち合う社会にすることも必要
との意見もあります


こんなことを書くと
社会で頑張っておられる女性は 
男性とは異なるストレスが多いのだから!

と 怒られるかもしれませんね(苦笑)


でも 逆に 女性はそうしたストレスを感じているので
自衛策として 
ワークライフバランスを意識した仕事ができるけれど

男性は そうした認識を持てないので 
余計に変われないのかもしれません


そういえば 昔 バイトしていた企業では
禁煙プログラムに成功すると 報奨金をもらえる制度があって
驚きましたが

変われない男性を変えさせるには
会社がそのような“エサ”をちらつかせて 
受診や継続した治療を励行するのも ひとつの方策かもしれません



ちなみに 平均寿命の男女差が少ないのは 
男女平等で女性の社会進出が多い北欧で 4年くらい

差が大きいのは 男性がマッチョな国が多く 
ロシアでは10年以上

日本はその中間の7年


さて この先 日本はどちらの方向に進んでいくのでしょう?

ひとえに 男性が変われるかどうか? 
にかかっている気もします(苦笑)

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2015.08.03更新

女性男性の生活習慣病の発症様式はかなり異なります 

男性30歳代から発症し加齢とともに増加していくのに対し
女性は若い頃の頻度は少なく 50歳代(閉経後)から急増します

@生活習慣病の土台となる肥満
男性は30歳代から増加し 30%以上の高い割合が持続します

女性は40歳代までは20%以下ですが 閉経後は加齢とともに増加します

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また 女性は男性と異なり 
若い頃は内臓脂肪より皮下脂肪の蓄積が多く(洋ナシ型肥満
閉経後は男性と同様の内臓脂肪の蓄積量が増加します(りんご型肥満


@脂質異常症
男性は30歳代から増加し 
その原因は肥満 食生活 飲酒などの生活習慣と考えられます

女性は40歳代までは少ないが 50歳代から増加し男性を上回るようになります

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女性は閉経までは
悪玉コレステロール(LDL)が低く善玉(HDL)が高いのですが
閉経により LDLや中性脂肪が増えてきて脂質異常症になります


@糖尿病
男性は40歳代から増加し始め以降は加齢とともに増加し続けます

女性も40歳代から増加が始まりますが 50歳代から急速に増加します

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そして糖尿病による動脈硬化の進行は男性より早く 
狭心症・心筋梗塞・脳卒中の発生リスクも男性よりかなり高い


@高血圧
男性
は40歳代から増加し始め以降は加齢とともに増加し続けます

女性は若い頃は男性より血圧が低いのですが
40歳代から増加が始まり 50歳代からさらに増加
加齢とともに男性と肩を並べるようになります

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@虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞
女性は男性より約10年遅れた発症増加パターンを示し

胸苦しい 悪心 呼吸困難 腹痛といった
胸痛以外の非典型的な症状を訴えることが多く
男性に比べ重症化しやすく予後も悪い

また男性に比べて
喫煙や糖尿病が重大なリスク因子になります


@脳卒中
発症年齢に男女差はありませんが
女性は男性より予後が悪く 後遺症が残りやすく
喫煙や糖尿病が重大な危険因子となります



このようにいずれの生活習慣病も 
女性は若い頃はなりにくいけれど 閉経後に急激に増え 
しかも予後が悪い場合も少なくない

こうした差異が生じるのは 女性ホルモン(エストロゲン)の影響です

エストロゲンは
・抗動脈硬化
・脂質代謝改善(悪玉LDLを減らし善玉HDLを増やす)
・内臓脂肪の分解促進
・尿酸の産生抑制
・骨の新陳代謝促進(骨からカルシウムが流出していくのを防ぐ)
といった作用を発揮し 女性を生活習慣病から守ってくれます

エストロゲンは女性を生活習慣病から守るボディーガードなのです

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しかしこの頼りになるエストロゲンの分泌量が 閉経により減ると

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内臓脂肪が増えて太りやすくなり 
悪玉コレステロールが上昇し動脈硬化が進みます

そうしてさまざまな生活習慣病になり 
虚血性心疾患 脳卒中 骨粗鬆症なども発症しやすくなります

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ボディガードガいなくなると ほんとに危険なのです
(ホイットニー・ヒューストン 更年期で太られたかどうかは?)


ですから40代の女性は 
まだケビン・コスナーがいるうちから太らないように注意され

50代になってボディーガードがいなくなっても 
生活習慣病を発症しないようにすることが大切です

また女性は 糖尿病が心疾患や脳卒中の予後を悪くしますから 
40代から肥満や糖尿病には充分に気をつけてください


マダム 今から生活習慣病への対処を始めることが大切ですよ!


2015.05.22更新

太っていることの弊害を 
これまでにもたくさんご紹介して注意を喚起してきましたが
今日は「肥満だと慢性腎臓病にもなってしまうという」という怖いお話です

高血圧の解説で腎臓が何回か話題になりましたが
腎臓の病気は糖尿病や高血圧に比べると あまり馴染みがないと思います
進行すると人工透析を受けなくてはならなくなる
という認識がある程度かもしれませんね

しかし腎臓病の患者さんの数は意外に多いのです

2011年の厚労省の統計では 
日本全国で外来通院して治療されている患者さんの数は
高血圧63.4万人 糖尿病20.9万人 脂質異常症14.9万人に対し 
腎臓病の患者さんは26.6万人 

なんと糖尿病の患者さんより多い!

最近は
慢性腎臓病 Chronic Kidney Disease(CKD)という概念が提唱され
自覚症状が少ない腎臓病を早期発見して
透析に至らせないようにしよう
という動きが盛んです


驚いたことに 
メタボリックシンドロームや肥満の人はCKDになるリスクが高い!

メタボの人はそうでない人に比べCKDの発症率は1.24倍高い
しかもメタボの病気(肥満 高血圧 高血糖 脂質異常)の数が
多いほどリスクが上がる

BMIが25以下の正常な人に比べ
BMIが25~30の軽度肥満の人は1.4倍 
30を越える高度肥満の人は1.8倍もCKD発症率が上がり
20歳のときに肥満な人は肥満でない人に比しその後のCKD発症率は3倍高い

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近年はCKDの患者さん数が増加していますが 
それは肥満者の数が増えているから?と推定されています

またCKDの病態が進行すると末期腎不全となり透析になりますが
末期腎不全の患者さん数も最近は増加傾向にあり
この動きも肥満者数の増加と一致しています


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さらに驚くべきことに 
肥満は高血圧や糖尿病とは独立した末期腎不全の危険因子である

つまり肥満だと高血圧や糖尿病でなくても
末期腎不全に成りやすい
ことも証明されています 

また末期腎不全の患者さんには腎移植が行われますが
健康な肥満の人から移植した腎臓とやせた人から移植した腎臓を比べると 
太った人から移植した腎臓は機能しないことが多い

肥満な人の腎臓は 移植してもうまく働いてくれないのです!

この成績には驚きました
どうしてこんなことが起こるのでしょう?

このような肥満の人がなる腎臓病を肥満関連腎症と呼び
日本肥満学会は2011年に
肥満関連腎症を肥満に伴う必須の合併症のひとつと認定しています

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どうして肥満だと腎臓が悪くなるのでしょう?

・肥満のインスリン抵抗性のために過剰分泌したインスリンが 
 ろ過装置の糸球体を肥大させて機能を落とす
・肥満だと交感神経が活性化されて難治性高血圧になり腎臓が悪くなる
・腎臓周囲の腹部脂肪が腎臓を圧迫して機能を落とす
・腎臓内に蓄積した脂肪が腎臓の細胞の障害を引き起こす
・脂肪が分泌する成分が悪さする
といった原因が推測されています

 

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減量による改善は期待されますが
尿にタンパクが漏れ出る状態は改善することは確認されているものの
低下した腎機能そのものが減量により元に戻るかどうかは 
はっきりとした結論が出ていないのが現状です


肥満が高血圧 糖尿病 脂質異常症などを引き起こすことは
広く認識されていますが

腎臓まで悪くしてしまうという認識はあまりありませんでした

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今後は肥満の患者さんを外来で診ていく過程
血圧 心電図 血液検査等を定期的に行うだけでなく 
尿検査も年に1~2回行い 
肥満関連腎症の早期発見に備えなければなりません

こんなこと 書き手が医学生や研修医だった頃は習いませんでしたし 
こんな病気の概念すらありませんでした

それにしても 肥満 おそるべし、、、

2015.02.26更新

「うーん このままだと 長生きできませんよ」

なんて患者さんに言ったら ドクハラだ!と怒られるでしょう
確かにそんなことを言われたらショックですよね

でも このままだとホントに長生きできないのでしょうか 
不安が頭をよぎります、、、

というのも、、、

昼間に診療しているときはずっと座っているし
早起きしてブログを書ているときも もちろん座っていますから
1日のうちで座っている時間は もしかしたら10時間に迫るかもしれません

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そんな生活パターンの書き手の目に飛び込んできたのが
「1日に6時間座る生活をしていると 3時間しか座らない生活の人に比べると
 15年以内の死亡確率が40%増える」 
という記事

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えっ?

また つい最近の Ann Intern Med に出た論文によると
1日に8時間以上座る生活をしている人は 4時間程度しか座らない人と比べ
10-20年以内に心臓病 がん 糖尿病になる確率が高
それにともない死亡する確率も増えるそうです

糖尿病になるリスクは なんと90%も上昇するとか!

しかもそうした生活を続けていると 
たとえ頻繁に運動していても その効果を帳消しにしてしまう

毎朝100回腹筋しても そのあとずっと座っていたら 
腹筋運動の効果は消失してしまいます

つまり長時間座っていることは 
肥満や運動不足とは関係なく 健康に害を及ぼす危険因子 なのだそうです

肥満指数のBMIが同じ値でも 
座っている時間が長い人ほど心臓病や糖尿病になりやすい


実はこうした研究成果は 既に世界各地から報告されていて
Sedentary death syndrome 座りすぎが死につながる症候群 
と呼ばれています

その弊害は 喫煙による弊害に勝るとも劣らないと推測されているとか

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ちょっと マズイじゃない、、、


どうして長時間の座位が健康に危険を及ぼすかというと
長い時間座っていると 脂肪燃焼率が大幅に下がり 善玉コレステロールが減り
逆に悪玉コレステロール 中性脂肪が増え インスリンが効きにくくなる 

したがって 動脈硬化が進んで心臓病になりやすくなるし 
インスリンが効きにくいので糖尿病になりやすくなる

また長時間の座位により 
染色体損傷や細胞老化を防ぐテロメアという構造体が短くなり 
老化しやすくなるとの報告もあります

テロメアの長さが保たれた方が老化しませんが 
運動時間を増やすより座っている時間を減らす方が 
テロメアの長さを伸ばすそうです

なるほどねぇ、、、


でも 立って診察するわけにもいかないし どうすれば良いのでしょう?

対策はいたってシンプル

30分から1時間にいちど 1-2分立つだけ 
で 座り続けることの悪影響から逃れることができます

しかも 一定時間だけ集中して運動するより 
少しずつでいいから立って体を動かす方がより効果的だとか

座っている時間を分割すること 
30分~1時間ごとに1-2分立って椅子から離れること
 が大切で
アメリカでは 仕事の会議を立って行ったり 
オフィスのPCデスクをスタンディング仕様にする会社もあるとか

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これからは診察室に入って来られた患者さんに 
いちいち立ってご挨拶しようかな?(笑)


一方 座っている時間が長く運動もあまりしない人が
1日20分の早歩き」をすることにより 死亡率は7.4%減るそうで
この効果は肥満の改善による死亡率の低下(3.7%)を上回るそうです

無理なダイエットに励むより 短時間でもいいから地道に毎日運動しましょう 
ということですね


そうか~ 立ち食いそば屋でそばを食べて スタンディングバーで酒を飲んで 
早歩きで帰ればいいんだ!
ん? ちょっと違いますか?(苦笑)

皆さんも イスに殺されないようにご注意ください!

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2015.02.20更新

健康診断の結果を持って相談に来られる患者さんが増えてきました
このホームページを見て来院される方が多く 
作製者としてはちょっと嬉しいかぎりです

糖尿病 脂質異常症 肝障害 高尿酸血症などが疑われる方が多く
血液検査で診断が確定した場合 
当院お手製のパンフレットを用いて病態や治療について説明して
食事療法や運動療法の参考用に お土産にパンフレットを差し上げています

パンフレットは待合室にも置いてありますが 気がつくと減っているので
これも頑張って作った者としては やはりちょっと嬉しいものです(笑)


さて 実際に相談に来られる患者さん達を診察していて感じますが
1種類の生活習慣病だけですむ場合は少なく 
多くの方が何種類かの病気をあわせ持っておられます

尿酸値がひっかかって来られて 再度採血したら脂肪肝も見つかったとか
肝臓の値が悪くて来られたら 糖尿病も見つかったとか

例えば高尿酸血症の患者さんは下図に示すように
高血圧や脂質異常症などの生活習慣病を高率に合併されています

ひとつの生活習慣病が見つかったら 
まだ発覚していなくても 背後に別の生活習慣病が潜んでいる可能性
を疑わなければなりません

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生活習慣病どうしの相互作用
も 重要なポイントです

たとえば 脂肪肝と糖尿病は お互いの病態形成に深く関与しあっていて
脂肪肝が悪くなれば糖尿病も悪くなるし 
逆に糖尿病が良くなると脂肪肝も良くなったりします

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治療中 例えば糖尿病だけ 高尿酸血症だけ注意していればいい 
というわけにはいきません

高血圧 糖尿病 脂質異常症 高尿酸血症 脂肪肝などの生活習慣病は
互いに関連しあいながら 動脈硬化に進展する大きな病態を形成している 
と考えられます

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ですから 上図に示すように 
ひとつの生活習慣病を薬で治療して良くなっても
今度は隠れていた別の生活習慣病が悪くなることもあります
糖尿病が良くなったら高尿酸血症が出てきた とか、、、

多くの生活習慣病の基盤に共通してある 内臓脂肪型肥満 を改善しなければ
言葉は不適切かもしれませんが「モグラたたきゲーム」のようなものです
だからこそ 生活習慣の改善こそがもっとも大切 なのです


また 気をつけなければいけないのは 
ある生活習慣病の治療に用いられる薬が 
他の生活習慣病を誘発してしまうことがあります

たとえば 脂質異常症の治療薬の一部は糖尿病を誘発してしまいます

そうしたことを熟知している 生活習慣病全般に通じた専門医に
相談していただくことが大切だと思います


荷物が多ければそれだけ大変なのは 言うまでもありません

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上図に示すように 脂質異常症だけ患われている方に比べて 
糖尿病や高血圧を合併されている方は
動脈硬化が進展しやすく 心筋梗塞を発症するリスクが何倍も高くなります

ですから 別の生活習慣病を合併している場合は 治療目標がより厳しく設定されます
たとえば脂質異常症で糖尿病がある方は 悪玉コレステロールをより下げなければいけませんし
高血圧でタンパク尿がある方は 血圧をより下げなければいけません


ひとつの生活習慣病を見つけたら 
他の生活習慣病が潜んでいないかチェック
して

全体的な病状を把握したら 
どの病気から優先的に治療を行うべきか判断し 
治療中に何に注意すべきか認識する

そこが専門医の「腕の見せ所」でもあります


そして どの生活習慣病のパンフレットでも最初にこの図をのせています

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多くの生活習慣病は 遺伝要因と生活習慣要因により発症します
そして 遺伝要因は改善できませんが 生活習慣要因は改善できるのです

もちろん 言うは易しなのは承知ですが でも そこを頑張るしかないのですよ

健診結果が心配な方は相談にのりますから どうぞ気軽にご来院ください

うーん 今日のブログはオチがないなぁ、、、(笑)

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