左利き肝臓専門医ブログ

2017.08.18更新

夏に多く発生する 代表的な細菌性食中毒について説明します

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<サルモネラ>(感染型)

最も頻度が多く 日本の食中毒の1~3割を占めます

自然界の動物の腸内にいる菌で
卵 鳥肉 その加工品が感染源になります

潜伏期間は8〜48時間
水溶性の下痢 発熱 腹痛 嘔吐といった症状が見られます

卵や生肉は10℃以下で保存し
肉の生食は厳禁 卵も生では食べないほうがいいでしょう

75℃で1分以上加熱することで 感染は防げます

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<腸炎ビブリオ>(感染型)

サルモネラに次いで頻度が多い

海水中にいる菌で 水温が高くなる夏に増殖し 増殖速度が速い
感染源は魚介類やその加工品ですが 原因のほとんどは刺し身です

潜伏期間は12時間程度で
激しい腹痛 下痢 吐き気 嘔吐を認めます

魚介類は真水でよく洗うこと 10℃以下で保存すること
65℃で1分以上加熱してから食べることを勧めます

刺し身であれば 調理してから2時間以内に食べるのが賢明です

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<腸管出血性大腸菌>(生体内毒素型)

3番目に多い細菌性食中毒です

主に牛肉をはじめとする食肉に生息する大腸菌で
食材の加熱が不十分な場合に 食中毒の原因になります

特に生レバーは要注意です

生肉 加熱不充分な肉
サラダ 浅漬けなどの未加熱食品
殺菌が不充分な水

などが感染源になります

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感染後 増殖しながら強力なベロ毒素を作り出すのが特徴で
O157 O26 O111などが有名です

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非常に少ない菌で食中毒を起こし 感染力も強く
糞便を介して 人から人へ感染します

潜伏期間は4~8日前後で
下痢 腹痛などの症状がみられますが

乳幼児 高齢者では 溶血性尿毒素症候群 脳炎も起こり
命に関わるほどの重症化することがあるので 注意が必要です

食材の冷蔵保存 加熱処理が 対策として重要です


<黄色ブドウ球菌>(毒素型)

健康な人や動物の皮膚や粘膜に常にいる常在菌

100℃で30分加熱しても壊れない
エンテロトキシンという毒素を持っています

また 塩分がある程度高くても増殖します


感染源は
弁当 おにぎり 生菓子など 
長時間 室温で放置された食品です

潜伏期間は3時間程度で 食べてすぐに
激しい吐き気 嘔吐 腹痛 下痢 発熱 ショック症状を呈します


調理する人が手を洗って清潔にすることが大事で
手が荒れていたり 手に傷があったりする場合は グローブを使用します

顔や髪にも菌はいるので マスクや帽子を着ければより安全です

加熱に強い菌で 調理者の手から食材につくことが多いので
十分な注意が必要です

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<カンピロバクター>(感染型)

多くの動物が持っているありふれた菌ですが
少ない菌数で食中毒を引き起こすので注意が必要です

感染源は 生や加熱が不充分の鶏肉 が多く
レバー サラダなどの未加熱食品でも起こります

潜伏期間は2〜7日
発熱 めまい 頭痛 筋肉痛
ついで 吐き気 水溶性の下痢 粘血便 腹痛
などの症状が出現してきます

75℃で1分以上加熱することで 感染は防げます

但し 生の鶏肉などに触った手で生食するサラダ用の野菜などに触れると
2次感染するので よく手を洗ってから別の食材を扱うようにします

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<ウエルッシュ菌>(生体内毒素型)

酸素のない状態でのみ増殖し 食品中で毒素を作ります

カレー シチュー 煮物 スープなど 大鍋で大量に調理された食品
感染源になります

潜伏期間は4~12時間
下痢 腹満感 腹痛が生じます

夏は 作り置きのカレーやシチューは
必ず冷蔵庫で保管するようにして下さい

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このように 感染源となる食材は 

ナマ肉 レバー 刺身 作ってから長時間たったもの が多いので

充分に注意する必要があります


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2017.08.17更新

暑い夏に注意したい病気の最後に 食中毒 の解説をします

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食中毒は
身体にとって有害な微生物や化学物質などを 食品と一緒に食べることで
下痢 嘔吐 腹痛 発熱 などの症状が起こってくる病気です

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<夏は細菌による食中毒が多い>

原因の多くは 細菌やウイルスによるものですが

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冬の食中毒の原因はウイルス性(ノロやロタなど)が多いのに対し

夏の食中毒は 細菌性が多い

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上のグラフは 月ごとの食中毒の発生数と原因を示していますが

黄色の細菌性は 5月~9月の夏場に多く
水色のウイルス性は 11月~3月の冬場に多いことが わかります

食中毒を起こす細菌の多くは 20℃くらいの室温で活発に増え始め
人間の体温くらいの温度で 増殖のスピードが一番速くなり
また 湿度を好みます

ですから 夏は細菌性の食中毒に注意する必要があります


食中毒の多くは 飲食店の料理や仕出し弁当が原因になりますが
全体の1~2割は 家庭で起こっていますから
家で料理をする人は 食材の取り扱いに注意が必要です


<食中毒の起こり方>

細菌による食中毒は

*感染型
*生体内毒素型
*毒素型

に分類されます

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@感染型

感染型の細菌は 腸に行くまでに消化液によって消化されますが
大量の菌を食べた場合は 食中毒菌が腸まで達して食中毒を引き起こします

体内に入ってから1〜3日ほどかけて増殖し
その過程で胃腸に障害を起こします

カンピロバクター サルモネラ 腸炎ビブリオなどがあります


@生体内毒素型

感染後に体内で増殖してから 毒素を作って放出するので
潜伏期間は5日前後と ほかのタイプより長くなっています

これによる食中毒の症状は ときに生命を脅かすほど激烈で
O157などの腸管出血性大腸菌やコレラ菌が代表です


@毒素型

口に入る段階ですでに毒素を持っているので 
食べた後 数時間で発症します

黄色ブドウ球菌 ボツリヌス菌がこのタイプです


<対処と治療>

症状が軽い場合は 家で安静にして充分に水分補給を行いますが
下記のような症状があれば すぐに医療機関を受診すべきです

*嘔吐で水分を充分に取ることが出来ない
*水のような激しい下痢が頻回に起こる
*腹痛や嘔吐がひどくて 口から物が食べられない
*血便がある
*高熱がある

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医療機関での治療は まず安静を保ち
下痢と嘔吐による脱水を改善するために水分と栄養を点滴で補います

腹痛や脱水がひどい時 発熱がある時 粘血便がある時などは
食べたもの 食べてから発症するまでの時間などから原因菌を推定し
さらに糞便などから原因の細菌を特定し
その細菌に効く抗菌薬を投与します

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このように

*食べたものの種類
*食べてからどれくらいで症状が出たか

によって
ある程度は原因菌が推定でき 抗生剤投与を開始できますから
医療機関を受診する際は これらの点をしっかりと伝えてください


強い下痢止めは
腸内に原因菌を閉じ込めてしまい悪化させることもあるため
症状がひどい場合以外は使用せず

下痢止めを使用する場合は 必ず抗生剤も併用します

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早く受診して原因細菌を特定し 原因に応じた治療をすれば
数日の治療で治るのが普通です


注意が必要なのは 腸管出血性大腸菌
発見が遅れると命を落とすこともあり得ます

特に もともと体力の弱い子どもや高齢者は急激に重症化しやすいので
早急に受診することが大切です


<予防>

食中毒の予防は 細菌やウイルスを

*つけない
*増やさない
*死滅させる

という 予防の3原則に従います

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@つけない

調理する人や場所を清潔に保ち 食品に細菌やウイルスを食品に付着させない

こまめに手を洗う
肉や魚を切るときは使用する毎に包丁やまな板を洗剤で洗う
肉や魚の汁が他の食品につかないように分けて保存する

といった注意が必要です


@増やさない

細菌の多くは
10℃以下で増殖のペースが落ち -15℃以下で増殖が停止しますから

細菌が増えないように 生鮮食品は速やかに冷蔵庫に保管します

冷蔵庫内の温度上昇を避けるため 冷蔵庫のドアを開ける時間を短くし
冷蔵庫に食品を詰め込まないように注意します


@死滅させる

ほとんどの細菌は加熱によって死滅しますから
食品を十分に加熱調理してから食べ 生食は避けます

また 肉 魚 卵を調理した調理器具に熱湯をかけ
調理器具を台所用殺菌剤で殺菌することも励行します



2017.08.16更新

夏風邪夏型過敏性肺炎とは趣が異なりますが

夏に多く見られるのが 冷房病 です


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エアコンでの冷え過ぎ
によって
起こり


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オフィスで仕事をする女性に多くみられますが
最近は中高年の男性にも増えています


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<症状>

冷え性の症状に似ていて

頭痛 肩こり 腰痛 疲労感 食欲不振 不眠 むくみ
冷え 便秘・下痢 頻尿 生理不順

などが認められます

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<原因>

身体が冷やされることによる血行不良が第一の原因で

冷えにより血管が収縮して血行不良になり
そのために肩こりなどが起こります

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また 自律神経失調も大きな原因です

夏風邪でも説明しましたように

室内外での急激な温度変化に身体がついていけなくなり
5℃以上の気温差がある場所の出入りにより
体温調節を司る自律神経のバランスが乱れてきます


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体温を下げる交感神経 上げる副交感神経のバランスが崩れてしまい
体温調節が出来なくなります


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もともとヒトの身体は 自律神経のバランスにより
過剰になった体内の熱を 皮膚の水分を通じ汗として体外へ出すことによって
体温調節していますが

エアコンから送り出される乾燥した冷気は
大切な皮膚の水分をすっかり蒸発させてしまい
皮膚の水分がなくなり汗をかけないので 体温調節が出来なくなるのです


また 自律神経は全身の臓器の働きを調節しているので
そのバランスの乱れにより 全身のさまざまな症状が起こってきます


<対策>

身体を冷やしてしまわないように 冷えを避けることが大切

*クーラーの風に直接当たらないようにして
*エアコンの設定温度は28℃と高目にし
 外気温との差を少なくするようにします

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職場などでエアコンの温度調節が上手くいかないときは

*カーディガンなどの羽織るものやひざ掛け
*マスク (体感温度を上げてくれる)
*スカーフ マフラー (頭痛 肩こりに効く)
*腹巻 (お腹を冷やさない)
*レッグウォーマー 靴下の重ね履き

などにより対処します

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<予防>

自律神経の働きを正常に保つために 以下のことに気をつけます

@食生活

*3食きちんと食べる
*冷たい飲み物を摂りすぎない 暖かい飲み物を飲む


@お風呂に入る

*シャワーでは体の芯が温まらないため お風呂に入った方が良い
*38~40度のぬるめの温度で 20~30分は入浴して 全身の血行を良くします


@定期的な運動

*交感神経の働きをよくするため
 1日に20~30分のウオーキングを行うようにします

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@座りっぱなしを避ける

長時間 座ったままでいると さまざまな健康障害が生じますし
 自律神経の乱れも生じますから
 1時間に1回は定期的に椅子から立ち上がってストレッチをするようにします


@質の良い睡眠をとる

*夏風邪の項で解説したように
 エアコンのリモコンなどを上手く利用して 心地よい睡眠をとるようにします


@ストレスをためない

*ストレスがたまると自律神経の乱れが生じやすいので 上手く気分転換します

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