左利き肝臓専門医ブログ

2018.02.22更新

自律神経失調症の根本的な治療は

原因となる不規則な生活習慣を改善するとともに

ストレスに対して上手な対処をすることです


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薬物は 症状を和らげているに過ぎませんから
日常生活での対処が 自律神経失調症の治療の王道とも言えます


<生活習慣の改善>

乱れた不規則な生活パターンを見直すことが 第一歩です


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現代社会では 多くの方が

*睡眠時間 食事時間が不規則

*運動 休養が足りない

といった日常生活を送られ それがストレスの原因になっています


@睡眠

体内時計が狂うと 自律神経の働きも乱れます

既に説明したように 
体内時計の調節も 視床下部で行われていますから
そこが狂うと 同じ視床下部で調節されている自律神経バランスも
狂ってしまいます

不眠の解説でお話しましたように
太陽の動きと連動して 早寝早起きを心掛けることが大切です

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@運動

運動するとイライラが解消され 精神的にもリフレッシュできますから
日常生活のなかに運動習慣を取り入れることが重要です

有酸素運動(早歩き ジョギング 水泳など)と
無酸素運動(筋トレ ストレッチなど)を うまく組み合わせて
自分の生活パターンにあった運動習慣を作ってください

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@休養

オン・オフをはっきりさせて
上手に休養をとってリフレッシュすることが大切です

仕事中のリフレッシュ 仕事のあと 週末のリラックスを
心掛けてください

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@栄養


朝 昼 夕 3食きちんと規則正しく食べて
偏りのない栄養素の摂取をすることが肝要です

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ストレスが多いと ビタミンB群 C群の消費が増えるので
ビタミン補給には気を配ってください

ビタミンB群は 神経の働きを正常に保つ働きがあり
豚 魚 穀物 豆類などに多く含まれています

B1は 中枢 末梢神経の働きを正常に保ち
足りないと だるい 疲れやすいといった症状が現れます

B6は セロトニンなどの神経伝達物質の合成に関わり
足りないと 気分のふさぎこみが生じます

B12は 神経細胞内のタンパク質 核酸の合成 神経細胞の修復に関わり
足りないと 手足のしびれ 気分の不安定が起こります


ビタミンC群は ストレス対抗ホルモン・コルチゾールの合成に関わり
果物 野菜に多く含まれています


また ビタミンEは 
女性ホルモンの黄体ホルモンの合成に必要で
ナッツ類 植物油 魚 カボチャ アボガドなどに含まれていますから
女性の更年期障害の際は それらの食材の積極的な摂取が望まれます

さらに イソフラボンは 女性ホルモンに似た構造と働きをするので
更年期障害では イソフラボンを多く含む大豆などの豆類の摂取もお勧めです



<ストレスへの対応>

ストレスの感じ方 とらえ方 ストレスに対する抵抗性は
人によって異なりますから

ストレスがあったときの自分の反応を客観的に観察して
自分のストレス耐性を知り
それにあった ストレスとの付き合い方をする必要があります


@心構えとしては

*ストレスを自覚する
 
 自覚できていないと 気付いたときにダウンするリスクがある

*現在の自分の状態を冷静に見つめて ありのままを受け止める

*時間が解決すると 気長に構える

*深く考えすぎず楽観的になり ポジティブ・シンキングに徹する

*自分に自信を持ち 自分のペースを貫く

*やれるところまでやって あとは開き直る

*自分ひとりで抱え込まない

*完璧主義を捨てて マイペースで開き直る

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@対処法としては

*言いたいことを言葉にして言う

*感情を無理に抑えず 素直に出す

*人間関係を円満にする
 ・相手を理解し 自分を知る
 ・相手の話をきちんと聞く
 ・Yes Noをはっきりと
 ・思いやりを忘れない
 ・自分の価値観を持つ
 ・問題を後回しにしない

*オンとオフを上手に切り替える
 ・オフの日も朝寝坊をせず リズミカルに過ごす
 ・オフの日には外出 スポーツ 趣味などで気分転換して楽しむ

*体を動かして汗をかく

*趣味を持つ

*音楽を聴く

*時間に追われずスローライフを心掛ける

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こうして意識的にリラックスして
交感神経優位に傾きがちな忙しい現代生活のなかで
副交感神経を働かせて バランスをとるようにするのが大切です

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2018.02.21更新

自律神経失調症には さまざまな治療法がありますが

*薬によって 症状を和らげる

*心理療法などで 身体と心の両方への働きかけ 根本的な治療を試みる

*食生活 生活習慣の改善を図り 原因を取り除く

といったことが中心になります


以前説明した 自律神経失調症のタイプにより 主たる治療法が異なり

@本態性型は 自律神経調整薬

@神経症型は 抗不安薬 心理療法

@心身症型は
 ストレスコントロール 生活習慣 生活環境の改善
 自律神経調整薬 抗不安薬 漢方薬

@抑うつ型は 抗うつ薬 心理療法

などが行われます


治療は長期戦となり
治療開始1か月後には症状は改善することもありますが
治療をやめると 症状がぶり返し再燃を繰返すことが多いので
根気よく治療を継続することが大切です

治療終了までには 3~4年はかかると思っていた方が良いでしょう



<薬物治療>

つらい症状を和らげるために 以下に示す薬物を用いた治療が行われます

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@抗不安薬

大脳辺縁系に作用して不安をやわらげる 最もよく使われる薬物で
ストレスが原因のタイプに有効です

作用が弱いタイプの薬物が主に使われますが
眠気 ふらつき だるさなどの副作用がでることがあり

また 長期服用で依存性を起こす恐れもあります

*作用が弱い薬としては リーゼ セレナール ハイロング

*中程度の薬としては ソラナックス セルシン

*強い薬としては ワイパックス デパス

などが 主に使われます

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@自律神経調節薬

視床下部に作用して 交感神経・副交感神経のバランスを整えます

抗不安薬に比べ 作用も効き目も穏やかで
精神症状が少なく 軽度の身体症状がある場合に適応となります

ジヒデルゴット 頭痛 低血圧 立ちくらみに

ハイゼット 肩こり 頭痛 腸管運動低下に

グランダキシン 頭痛 頭重 倦怠感 発汗に

といった薬が主に使用されます

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@自律神経末梢作用薬

亢進している交感神経 副交感神経の働きを遮断して 症状を和らげます

動悸 不整脈 血圧上昇などの交感神経亢進による症状の抑制には
βブロッカー(インデラルなど)が用いられます

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腹痛 下痢 吐き気などの副交感神経亢進による症状の抑制には
胃腸の緊張を和らげるブスコパンが用いられます

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一方 立ちくらみ 低血圧 起立性調節障害など
交感神経の活動低下が原因で起こってくる症状に対しては
血圧を上げる作用があるリズミックが投与されます


@睡眠薬

睡眠薬については 既に不眠の解説で詳しく紹介しましたが
ベンゾジアゼピン系非ベンゾジアゼピン系薬物を中心に
患者さんの不眠症状に適した薬物を選択します

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@抗うつ薬

抗不安薬の効果が弱い場合に 使用されます

心療内科や精神科の先生方に相談して 処方していただくことが多いです

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<心理療法>

心理療法は 薬物治療と並ぶ重要な治療法で

医師との充分な会話により
患者さんの問題を探り出し 不安 緊張を改善することを目的とします

患者さんは 悩みを話すことで心が軽くなり 原因にも気づけるます

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もともと
自分の症状のことを理解してもらえなくて
不満や不安が強くなっておられるので

医師は患者さんの話をしっかりと聞いて それはつらいですねと受けとめ
患者さんが 悩みながら生きてきたことを理解 支持し
前向きに病気に立ち向かってもらうようにし

なぜ症状が起きているかを説明し 必ず治ると約束し 不安を拭い去る

これが 心理療法の基本となります

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さらに 一歩進んだ行動療法などもありますが
それらは心療内科などの専門家と協力して行われます



2018.02.20更新

ストレス以外にも 自律神経失調症の原因はたくさんあります

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<現代社会の不規則な生活・生活リズムの乱れ>

不規則な生活 生活リズムの乱れは
ストレスと並んで 自律神経失調症の大きな原因のひとつです

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具体的には

@昼夜のリズムの変化

*交感神経と副交感神経のスイッチの切り替わりがうまくいかない

*夜型は自律神経失調症を起こしやすい

夜は休むべきなのに休まないと 自律神経のバランスが崩れてしまう

@朝食抜きなどの不規則な食生活

@過度な冷暖房のなかで生活する

@パソコンやテレビゲームばかりしている

@歩かない車社会

@無駄の省きばかりを優先する過度に合理的な生活様式

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しかし患者さんは
こうした生活習慣の乱れがストレスとなり 自律神経失調症の原因となることを
認識されていないことが多い

ですから

自律神経失調症は 生活習慣病でもあって
不規則な生活は自律神経失調症の原因となることを
患者さんに気付いていただくことが重要です



<個人の体質 性格>

自律神経の調整機能が弱い体質だと
ちょっとしたことでバランスを崩しやすい

@小さい頃から虚弱体質

@冷え症 食べても太らない 下痢しやすい 疲れやすい 低血圧

@ストレスに弱い傾向がある

といった体質の方は要注意です



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そうした方は 自分の体質を知ったうえで上手に付き合うことが大切で
悪くなる契機 パターンを知り
ひどくなる前に体調を管理して症状を防ぐようにすると良いでしょう


一方 ストレスに弱い性格の方は 自律神経失調症になりやすい


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@感情を抑えこんでしまう

*ノーと言えない

*まじめで仕事熱心 完璧主義で 決まったパターンを好む

*融通が利かない 適当に振る舞えない 開き直れない 気分転換が下手

*我慢して頑張ってしまう

*クヨクヨ考えがちで 些細なことが気になる

@感情表現や処理の仕方が下手

*情緒不安定で イライラしてしまう

*他人を思いやれない

*対人関係でトラブルを起こしやすい

@身体の生理的な欲求を抑えてしまう

*空腹や便意を我慢してしまう

@権威 肩書に弱い

@親離れできていない

@人に依存しがち

@周囲の眼 他人の評価を気にしてしまう

@気持ちの切り替えが下手

@マニュアル通りにしか行動できない

@無理しても頑張ってしまう

こういった性格の方は要注意ですが
本人が自分の性格を把握 自覚していないことが多いので
まず そこに気がついていただくことが大切です


体質や性格は薬では変えられませんが
日々の生活でさまざまな注意をすることで 多少なりとも改善できます

具体的な対処法については あとで詳しく説明します



<女性ならではの原因>

最後に
自律神経失調症の発症に影響を及ぼす 女性ホルモンについて言及します

自律神経失調症は 女性に圧倒的に多い病気ですが
それは 女性ホルモンの分泌異常と関連しているからです

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思春期や更年期には 女性ホルモンの分泌が不規則になります


ホルモンの分泌は視床下部が制御しますが
既に説明したように 
視床下部は自律神経の制御にも深く関与します

ですから 自律神経失調症と女性ホルモン分泌異常はリンクしやすく
思春期や更年期の女性は注意が必要です


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また 女性ホルモン以外にも

@人間関係のストレスに敏感

@言葉でのコミュニケーションを重視する傾向がある

といった女性特有の性質も 自律神経失調症を発症させやすくしています

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女性ならではの 繊細な性質が 裏目にでてしまうようです



2018.02.15更新

自律神経失調症の原因でいちばん重視されているのは ストレスです

身体を取り巻く外部環境に変化が生じると
その状況を大脳皮質が判断し 大脳辺縁系で情動となり
ストレスとなって視床下部に伝わり 自律神経に影響を与えます


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ストレスがかかると 身体は反応します

ときには ストレスにより程よい緊張感がもたらされて良いのですが

この状態が長く続いて許容範囲を越えると
異常な反応が起こり 心身の機能が狂ってきてしまいます


厄介なことに
本人は ストレスがかかっていることを自覚していないことが多く
またストレスの原因の特定は難しく 時間がかかります

というのも
原因はひとつではなく 内的要因と外的要因が複雑に絡み合うからです

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また 似たようなストレスに対しても その反応はヒトにより異なり
症状が一時的に改善しても ぶり返すこともよくあります


ストレスの代表的な例としては

@身体的ストレス

*病気 怪我 睡眠不足 栄養不足 不規則な生活など


@精神的ストレス

*不安 恐怖 挫折 怒り

*健康や将来に対する不安 家庭内の問題


@社会的ストレス

*仕事 学業に関する問題

*人間関係のいざこざ


@物理的・環境的ストレス

*気圧の変化 寒暖の変化

*季節の変わり目

*騒音 照明 災害

などがあります

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また 年代によって影響を受けやすいストレスは異なります

@成人では 生活環境の変化 就職 結婚 子育て など

@中年では 社会的責任の増大 更年期 など

@老年では 体力の衰え 健康問題 老後の不安 孤独 など

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このように 自律神経失調症の原因になり得るストレスは多種多彩です


意外なのが
季節の変わり目や寒暖の変化も ストレスの原因となり得ることです

確かに 春になると調子が悪くなると言われる患者さんも よくおられます

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さて こうしたストレスがかかっても
そこから自律神経失調症まで進んでしまう方と 進まない方がおられます

その差は 生活習慣や 個人の体質・性格によります

次回はその点について説明します



2018.02.14更新

特定の器官だけの症状が見られる自律神経失調症
別の病名で呼ばれているものもあります

@パニック障害
*突然の動悸 息切れ 胸痛 頻脈 呼吸困難を訴えます

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@起立性調節障害
*加齢で増加し 男性に多い
*朝起きられない人が 実は起立性調節障害であることが多い

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機能性胃腸障害・胆道ジスキネジー

@過換気症候群

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@メニエール病・咽頭喉頭異常症・乗り物酔い

@口内異常感・舌痛症・顎関節症

片頭痛・緊張性頭痛
*血管収縮後の一気の拡張により生じる

@円形脱毛症・発汗異常・慢性じんましん

@夜尿症・神経性頻尿

@更年期障害

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これらの疾患の病態には 自律神経の異常が関与していると考えられ
自律神経失調症の類縁疾患と見做されています



一方 自律神経失調症と鑑別すべき疾患
自律神経失調症と見誤ってはいけない疾患もあります

また 合併症として自律神経の異常を認める疾患もあります


糖尿病
*糖尿病では 末梢神経障害の一環として 自律神経失調症が起こりやすい
*糖尿病の自律神経失調症は治りにくい

@膠原病

貧血

甲状腺機能異常

@精神疾患
*軽症だと 自律神経失調症と症状が重なることが多いです



@心身症との違い

心身症は 
悩み 不安 不快 気掛かりなどの精神的ストレスが引き起こす
臓器の器質的異常をきたす病気です

自分でストレスが自覚できていなくて 体の不調ばかりを訴えることが多く
過剰に社会適応してしまう人にみられる傾向が強い疾患です

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症状は 器官特異的ではっきりしていて

明らかに器官の器質的異常を認め

自律神経失調症のように 不安定な症状はありません


内科的治療により症状の改善は認めますが
あくまで原因はストレスなので  そこを解決しないと 良くなりません



@うつ病 神経症との違い

既に説明したように
自律神経失調症は 身体症状だけでなく 
精神症状もともないやすいのですが

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その精神症状は うつ病や神経症に似ていても
本格的な精神科領域の疾患 精神病理的なものではありません


一方

うつ病


*抑うつ気分 絶望感 不安 焦りなどにより 行動や思考が抑制される
*心身のエネルギー状態が極端に低下している
*朝ひどく 夕方に改善する日内変動がある
*マイナス思考 悲観的になり 衝動的に自殺に走る傾向もある

といった特徴が認められます

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注意すべきなのが 仮面うつ病 で

身体症状が強く前面に現れ 精神症状は比較的軽いので
自律神経失調症と間違えられやすいのが特徴です

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神経症

不安・心配などの心理的原因から 身体の不調を訴える病気で
最も多い精神疾患です

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パニック障害・全般性不安障害・強迫性障害などのタイプがあり

強い不安 緊張がみられ
動悸・息苦しさ・めまい・発汗・頭痛・ふるえなどの症状も訴えます



2018.02.13更新

自律神経失調症には 4つのタイプがあります

<自律神経失調症のタイプ>

@本態性型

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生まれつきの体質によるもので ストレスがなくても発症します

小さい頃から 低血圧 虚弱体質 立ちくらみなどがみられる人に多い

自律神経失調症の10%程度で 少ないタイプです


@神経症型

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心理的要因が原因で発症します

自分の体の変調に敏感で それが不安感につながります

クヨクヨと気にする 人への依存心が強い
物事に固執・執着する 些細なことで不安になる 
といった人に多い

わずかな精神的ストレスや感情の変化で
容易に自律神経のバランスが乱れてしまいます

不安感 頭痛 ほてり 手足のしびれ 口の渇き 記憶力や集中力の低下 
などの症状が見られます

精神科領域の疾患である神経症との鑑別が 難しいこともあります

性格的な問題がベースにあるので
カウンセリングなどで 時間をかけて改善させる必要があります


@心身症型

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自律神経失調症の約半数を占める いちばん多いタイプで

几帳面でストレスを感じやすい人が
ストレスの許容範囲を超えてしまうと 発症します

几帳面 まじめ 努力型 理想が高い完璧主義
無理をし過ぎる 不満を抱え込みやすい
喜怒哀楽の感情を無理に抑えたり 疲労などを我慢する人に多い

不眠 めまい 肩こり 頭痛 などの症状が見られます

生活リズムを見直し 体の休息をしっかりとり
心身ともにリラックスすることが大事です


@抑うつ型

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ストレスの慢性的な蓄積がある状態で
転居 退職などの 人生の大きな転機や節目が訪れたときに 発症します

責任感が強い 几帳面 完全主義 執着心が強い 真面目で努力家 
頑張りすぎる 気分が沈みやすい人に多い

うつ症状 不眠 頭痛 食欲不振 めまい 微熱 などの症状がある

生活習慣を見直すとともに
うつ症状については カウンセリングなどを受けた方が良い場合が多いです


<自律神経失調症の症状>

さて 自律神経失調症で見られる症状には

*個人差が大きい

*体のあらゆるところにあらわれる

*定番の症状がない

*いくつもの症状が重複して出ることも少なくない

*症状が変化したり 現れたり消えたりを繰り返すこともある

*朝は症状が出やすい

といった特徴があります


*からだがすっきりしない

*疲れがとれない

*食欲がない

*熟睡できない

といった 誰にでもいちどは覚えがあるような普通の症状が多いのですが


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@思い当たる原因がないのに 症状がみられる

@充分に休んでも 症状がよくならない

場合は 自律神経失調症を疑うべきです



自律神経は全身の器官に分布していますから
自律神経失調症の症状は 全身の多岐にわたりますが

全身症状 として認められることが多いのは

@疲労感 倦怠感
*数日休んでも回復せず どんどんひどくなり 何をやるにもおっくうになる

@めまい 立ちくらみ
*フラフラした感じ 足が地についていない感じ
*脳や三半規管への血流低下が 自律神経障害により起こる

@微熱

@不眠・眠気

@食欲がない
*極端に体重が減ることはない

@体がほてる

といった症状です


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一方 自律神経失調症で見られる局所症状 各器官の症状

@頭痛 頭が重い
*締め付け ズキズキ 首・肩の凝り

@首 肩のこり 張り 膝のだるさ

@疲れ目 涙目

@耳鳴り 耳閉塞感

@口が乾く 味覚異常・苦味 口のなかが痛い

@喉の異物感 圧迫感 イガイガ感 つまる

@動悸 息切れ 胸部圧迫感 手足の冷え

@息切れ 酸素欠乏感

@吐き気 腹部膨満感 下痢 便秘
*消化器系は 精神的影響 自律神経の影響を最も受けやすい

@頻尿 残尿 尿が出にくい

@生理不順 性欲減退・インポテンツ

@手足のしびれ 痛み 冷え ほてり ふらつき

@皮膚 粘膜の乾燥 多汗 脱毛 かゆみ

といったものです


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また 自律神経失調症では
これまで説明したような身体症状だけでなく
精神症状も認められることが多いのも特徴です

但し 精神症状だけが単独で見られることは あまりありません


よく見られる精神症状としては

@イライラ 些細なことが気に障る

@気持ちが落ち着かない 不安で仕方がない

@何にも興味がわかない

@憂うつになる わけもなく落ち込む

といったものがあります

@集中力 記憶力の低下 も良く見られます
*今まで出来ていたことが スムーズにできない
*大切なことなのにすぐ忘れてしまう

などの症状は 抑うつ型に多く見られます


こうした精神症状は
視床下部が 大脳辺縁系 大脳皮質と
上手くコミュニケーションできないために起こると考えられ

身体症状とリンクして 悪循環を形成すると厄介で
身体症状と精神症状のどちらが中心となっているかを判断するのは困難です



2018.02.08更新

自律神経失調症の診断は 既に説明したように少々厄介です


診断の基本は 除外診断 他の疾患の可能性を否定することです

からだがすっきりしない 疲れがとれないといった
自律神経失調症を疑わせるような症状を訴える患者さんが見えたとき

まず 自律神経失調症の可能性を疑い

次に 症状の原因となるような内臓の病気がないか検査します

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そして 

内臓の器質的病変の可能性が否定されたら
自律神経機能の低下を確認します

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この3段階の手順で 自律神経失調症の診断がなされますが
3番目の 自律神経機能の低下の確認が難しい

というのも 
自律神経の機能を定量的に評価する検査法が
なかなか良いものがない


現在 唯一行われているのが
心電図を用いて 心拍変動のリズム を評価する検査です
(R-R間隔変動)

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ヒトの心臓が拍動する間隔は 1拍ごとに微妙に変化していて
ゆらぎがあります

このゆらぎは 交感神経 副交感神経により制御されていて
心臓が疲れないように
副交感神経が交感神経をなだめ 心臓を休ませようとしているのです

そのために 心拍変動・ゆらぎが生じます


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自律神経の機能が低下して このバランスがなくなると
交感神経が優位になり  心拍変動のゆらぎがなくなり
心拍リズムが機械のように一定になるのです

そこで
心臓が拍動する度に心電図上に現れるR波の間隔を測定 分析して
心拍変動のゆらぎを定量的に解析して
自律神経の機能の低下の有無を評価するのです

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これが 現在行われている 唯一の自律神経機能評価法です


但し この検査法は
あくまで心臓に対する自律神経の機能を評価しているもので
この結果をもって 他の器官に対する自律神経機能も評価できるか
はっきりとわかっていません

こうした事実が
自律神経失調症の診断を困難にさせている原因のひとつです

 

 

2018.02.07更新

ヒトの体の器官 内臓は 
交感神経と副交感神経によって二重支配を受け
そのバランスにより機能が制御されていることをお話ししました

特に 循環 呼吸 消化 代謝 体温調節といった
生命維持の根幹にかかわる重要な機能が 自律神経により調節されています


<交感神経と副交感神経のバランスの乱れ>

自律神経失調症の病態の本質は
この交感神経 副交感神経のバランスの乱れにある

と考えられています

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たとえば
ストレスがかかると 交感神経の活動が亢進し 身体は戦闘モードになります

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そして ストレスがなくなると
交感神経の興奮が静まり 副交感神経の働きが復活してきますが

ストレスが持続すると
交感神経の優位状態が続き 内臓の緊張状態が続いて
やがて内臓が器質的障害を起こしやすくなります

さらに そうした状態が続くと
副交感神経も疲弊して 機能が低下してきます



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つまり 自律神経失調症は
交感神経の緊張 活動が度を越した状態が持続して
逆に副交感神経は機能が低下してしまった状態と考えられます



ちなみに 副交感神経の機能は 加齢により衰えてきます

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したがって
高齢者の自律神経失調症は 副交感神経が低下するタイプが多い

そうなると 循環器系は休めなくなり
加齢による動脈硬化の進行もみとめられるので
狭心症や心筋梗塞などの病気を起こしやすくなります


また

*副交感神経の働きは老化の指標になる

*副交感神経は交感神経よりダメージを受けやすい

といった仮説も考えられています


<原因としてのストレス>

あとで詳しく述べますが

自律神経失調症の原因でいちばん多いのは ストレスです


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ですから ストレスで自律神経の機能が低下すると
上述したような病態で
内臓の機能異常をともなう自律神経失調症になる


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ストレスがかかっても 自律神経の機能低下がなければ
ストレスにより惹起される不安に対する治療のみで大丈夫
ということになります

自律神経がしっかりしていれば 内臓病変は起こらないのです


ストレスによる自律神経失調症のときは
脳内での神経伝達物質の産生パターンに異常が見られます

ストレスで交感神経が活発になると
アドレナリン ノルアドレナリンが分泌され

大脳辺縁系で不安 イライラ 怒りの情動が起こり

視床下部に影響して 自律神経のバランスが乱れ失調症を生じます


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ストレスによって ドパミンも分泌されますが
アドレナリンと異なり
ストレスが快感になるような心地よい緊張が呼び起こされます

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つまり ストレスに強い人は
アドレナリンよりドパミンを多く分泌するようです

ドパミンを分泌させるには 前頭葉を使うことが大切で
前向きになる 想像する 物を創る 歩く といったことが効果的です


一方

精神を安定させるセロトニン

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その分泌は ストレスにより減少します

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セロトニンは 
交感神経を抑え 副交感神経の味方をするので
自律神経失調症のときは セロトニン分泌が増えた方が良い



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そのためには 
外で運動する 無我の境地になる作業をする 笑う
といった行動が効果的です



2018.02.06更新

これまで 自律神経について説明してきたので

今日からは 自律神経が病む 自律神経失調症 の解説を始めたいと思います


<自律神経失調症の微妙な側面>

ただ 自律神経失調症 という病気には “微妙” な側面があります

1960年代からその存在が提唱され始めた自律神経失調症は
他の多くの病気で認められる
しっかりとした定義や 学会が作製した診断や治療のガイドラインがありません


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さらに 
欧米では 自律神経失調症は病気として認められていません
日本でも 正式な病名としては公認されていないのです

ですから 
疾患のとらえ方 治療方針も
医師によりまちまちで 一定していないのが現状です

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“微妙” と表現したニュアンスを ご理解いただけたでしょうか?

自律神経の説明を始めた項
医学部では 自律神経失調症のことをあまり学ばない 
と話しましたが そこにもこうした事情が反映しているのかもしれません


<自律神経失調症の症状と診断>

一般的には 自律神経失調症は

頭痛 めまい 動悸 疲れやすい 倦怠感 吐き気 のぼせ 
なんとなく体調が悪い 

といった類の  業界用語で「不定愁訴」と呼ばれる身体症状があり

しかし 血液検査・画像検査などでは 何も異常が発見されない


また 

不安感 抑うつ症状などの精神症状をともなうことが多いが
明確な精神障害は認められない

そのような状態を指し示します

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こうした自律神経失調症が疑われる患者さんの数は多いのです

不定愁訴はあるけれど
検査してみると 何も異常がみつからない

内科医としては 診断に迷う悩ましい存在です

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いろいろと調べても何も異常がないとき
患者さんが訴える症状がなぜ起こるか説明がつかないとき
候補として頭のなかに この病名が浮かんできます


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そもそも 自律神経の機能を検査することが難しい
という不利な点があります

心臓や肺の病気は 心電図やレントゲンをとれば異常がわかりますし
肝臓 膵臓 腎臓 糖尿病などの生活習慣病は
血液検査や尿検査で異常が見つかります

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ところが あとで詳しく説明しますが
自律神経の働きを検査で正確に評価するのは難しい

だから はっきりと診断が下せないのです


しかも

*本当に心臓 肺 肝臓などの 内臓の病気を否定できるか?

*うつ病や神経症などの 精神科領域の病気ではないのか?

この2点を 念入りに吟味しなくてはなりません

安易に自律神経失調症と判断して
内臓の病気や精神科の病気を見逃すことがあってはならないのです

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現代の医療のなかで 自律神経失調症という病気がおかれた
“微妙”な位置を ご理解いただけたでしょうか?

それでも 自律神経失調症の 病態の解明や治療法の検討は進んでいます

次回から そうしたことについて詳しく説明していきます



2018.01.26更新

東京都は 1/25に
都内におけるインフルエンザ流行警報を発令しました

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1月15日~21日の インフルエンザ患者さんの定点報告数は 49.67人で
先週( 22.84人)から約2.2倍に増加し

ついに 流行警報の基準の30人を超えました


都内で 2万人を超える患者さんが インフルエンザに罹られています

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赤の折れ線の今年は 患者さんの増加率が急峻で
例年と比べても 患者さんの数が多く 流行が大規模なことがわかります


ほぼ都内全域が
流行警報を示す真っ赤になってしまいました!

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この傾向は 全国的にもみられています

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このところの寒波と乾燥で
ますます患者さんの数が増えるリスクがあります

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マスク 手洗いを徹底されて 充分な感染予防をされて下さい


ちなみに今年は例年と異なり 依然としてB型が多く見られます

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当院でも 約30~40%はB型の患者さんです

B型は 発熱の程度はそれほどひどくなく
嘔吐や下痢といった症状を示すことも多いので ご注意ください



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