左利き肝臓専門医ブログ

2018.10.20更新

何回かに分けてご紹介した「ネコ型社会」のお話の最後に

筆者の太田肇さんは 同志社の先生らしく
京都とネコ型社会について 面白い論理を展開されます


京都人は
婉曲な表現をし 本音と建前を使い分け 排他的であると
世間一般から見做されていて

(勧められたぶぶ漬けを ホントに食べちゃう人はいるのかな?:笑)

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日本の伝統を絵に描いたような文化なので
さぞかしイヌ型社会かと思いきや

実は 京都は日本では珍しいネコ型社会を形成しているそうで
ネコ好きの割合が日本で最も高く70%を超えているとか!

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筆者はその理由を列挙していかれますが

まず 遊びが京都の独自性と強みになっていると指摘されます

芸子遊び

蹴鞠 独楽回し 双六

映画発祥の地であり
フォークソング ライブハウスが盛ん

遊びが 京都の芸術や文化の中に浸透しているのです

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これまで何回か言及されたように
遊びは創造・革新性の原点でもあり

京都に研究開発型 技術集約型の企業群が多く
ベンチャー企業が育っているのも
京都人の遊び心の賜物だと指摘されます


また 京都では
遊びの精神から生まれた職人の繊細な感覚と技能も
高い評価を得ています

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では 放っておけばイヌ型社会になりやすい日本の風土で
京都はどのようにして ネコ型社会を形成できたのでしょう?


そもそも日本社会がイヌ型になった理由は? というと

外国からの人の出入りが少なく
民族的にも均一で 価値観も均一である

減点評価 ミスをしない 和を乱さないことが
秀でた能力や業績 自発性 積極性より評価され
突出することを避けようとする文化がある

ゼロサム型社会

食糧 資源などが限られているので
誰か得をすれば 誰か損をする

ポストも限られているので
出世したければ 仲間の足を引っ張るしかない

という現実

したがって モノもカネも地位も 固定されたメンバーで奪い合う
ホッブスの言う「万人による闘争状態」になりがちで

そうならないために
人々をイヌ化して飼いならす社会が必要となりました

領土争いをしながら民族間の争いを繰り返してきた欧米とは 対照的です

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こうした状況は 京都でも同じだと思います


さらに 京都は地理的に閉鎖的な環境にあります

ずっと京都に住む人が多く 企業も本社を敢えて東京に移さない
(大阪とは対照的だそうな)

閉鎖性は 独自の歴史 文化を生みます

*三代住まないと 京都人と認めてもらえない
*一見さんお断り
*京都人にしかわからない慣習が多い

よくテレビ番組などで揶揄される 京都の”むつかしい”ところですね(笑)

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こう考えると 京都こそがイヌ型社会の熟成にぴったりではないか?
と思ってしまうのですが

しかし 京都には 開放的で革新的な面があるのです!

新しもの好きで 市電やマネキンを生んだし
政治的にも革新の牙城だった

京都は商人の街なのでタテの関係が弱く

しかも 反権力 反東京の気風が強い

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さらに 個人主義が根付いている

他人に干渉されることを嫌い 他人の生活に深く立ち入らない
人間関係が濃密になるのを避ける

そのため 冷たい いけず 住みにくい と言われたりもしますが

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個人主義と言っても
一神教の原理原則を重んじる欧米型のそれとは異なり

他人に迷惑をかけなければ干渉しない という
庶民の処世術に近いマイペース型の個人主義こそが
京都人の価値観でもあるのです

そしてこれは まさにネコの生き方そのものです


徹底的に自分視点にこだわり 個人の自由を守る
人間関係で角を立てず 自分のペースを守る処世術

いわば 庶民的な個人主義


一方で ネコ型社会においては
ひとりひとりの個性 役割 貢献をはっきりさせることで
ゼロサム型の競争を避けることができます

具体的には

扱う商品 作る製品を分化して 京都全体で棲み分ける

そのため
同業者がやっていない商品を開発するイノベーションが生まれます


こうした”分化・棲み分け”が 京都の革新性につながっているそうです

棲み分けは専門分化であり
誇り高きオンリーワンになることだから
強者への依存 従属を避けることにもなります

実際に 京都の企業は特定企業の下請けにはならず
複数の会社と多元的な関係を持つことで
自立性を確保しているそうです

まさに 前々回に紹介した野良猫の知恵を実践しているかのようです

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京都の野良ちゃん インスパイア してる?(笑)


ちなみに日本では
「なわばりを守る権利 拒否する権利」についての認識が薄いそうです

なわばりを守り 嫌な時は断る

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自分の領域がしっかりしていて それが侵される心配がなければ
安心して他人と関われるし 困っている人を助けてあげられる

なわばりを認識して守るからこそ
侵される不安を解消できるし 外に対して前向きな行動が引き出せる

京都人は そうしたなわばり意識もしっかりしていると
最後に著者はまとめられていました


要するに
個がしっかりしていれば 他人に寛容になれる
ということですね?


そうか 京都はネコ型社会なのか?

思いもよらなかった指摘に
書き手は読みながらびっくりしました

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さすが京都は 色々と奥が深いですね!

 

2018.10.19更新

NHKの美の壺 銀座特集では
もうひとつ とても面白い話題を紹介していました

それは 銀座の柳

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昭和初期に流行した 西条八十が作詞した銀座にまつわる歌謡曲には

江戸のなごりの うすみどり

という歌詞があるそうです

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ちなみに 当院のそばにある亀島橋のたもとには
銀座の柳四世 があります

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さて うすみどり  何なのでしょう?


今より沢山の堀や水路が街中をめぐっていた江戸時代には
至るところに柳が生い茂っていたそうです

そう うすみどりは柳の葉の緑だったのですね


八丁堀も江戸を巡る堀の一角を占めていたことは  以前ご紹介しました

今は多くが埋め立てられてしまったので あまり面影がありませんが
江戸 東京は水の都だったのですね

この水路により 江戸の町は世界有数の街に変貌した
という話も聞いたことがあります

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さて 柳に話を戻しますが

柳の木は 水を好み 水の象徴ともされていたそうな

銀座にもたくさんの柳の木があったそうです


しかし 明治になって政府は 銀座の街路樹を
桜 松 楓といった見た目が華やかな木に変えてしまい
銀座から柳が消えてしまいました

そんな状況をはかなんで
昭和の末に 銀座の街に柳を復活させる運動が起こったそうで

都下の日野に残されていた銀座の柳から枝を持って来て
挿し木でつないでいくという根気強い作業が
有志の方々によって続けられました

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日々 あらゆるものが変化を続けている銀座の街で
変わらない柳を銀座の心のよりどころにしたい

そんな思いが こうした運動の根底にあったそうです

なるほどです


そこから話は 柳染め に転じます

柳染め 

不勉強な書き手は知りませんでしたが
主に着物や帯を染める草木染だそうです

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おしゃれ好きに人気の 街に溶け込む上品な色

暖かみのある肌色 気品が漂う灰色

そして 柳のおもむきを感じさせる うすみどり

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うすみどり 再び登場しましたね!(笑)


8月になると 過分に生い茂った柳の木の枝は
切って捨てられてしまいますが
それをトラック1台分もらって草木染めをするそうです

柳の葉は それほど草木染めにむいてはいないそうですが
段ボール2箱分の量を
1日10時間 1週間かけて根気強く煮詰めると
赤茶色の染料ができます

紡ぎの生地にそれを塗って
銅が入った色を定着させる媒染剤を上塗りすると
柳のうすみどりが現れてきます

乾燥させると色はより鮮やかになり
媒染剤の量を変えることで
みどりのグラデイエーションができるそうです

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やわらかいけれど 銀座らしく格好が良くて
品があってじゃまにならない色

番組では 柳染めの着物 帯を着た女性が
さっそうと銀座の路地を歩いておられましたが
なかなか絵になっていましたよ!

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格好良いけれど 目立ちすぎず邪魔にならず
そして 暖かく品がある

うーん まさに大人の世界!


銀座はやはり大人の街ですね
そして奥が深い!

小さい頃から慣れ親しんで
どこに何があるかくらいは知ったつもりでいましたが

銀座を余裕をもって歩くには まだまだ修行が足りません!(苦笑)

 

2018.10.18更新

では 各ビタミンについて解説していきます

まずは 脂溶性ビタミン から

脂溶性ビタミンは A D E K の4種類がありますが
今日は A と D の説明です


<ビタミンA>

@種類

ビタミンAは
植物で生合成されるβ-カロテンが  小腸で分解されて作られます

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β-カロテンは ニンジンの橙色の色素のもととなる物質です


レチノール レチナール レチノイン酸
の3種類がありますが


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β-カロテンが分解されて出来るのはレチノール
一般的にビタミンAというとレチノールのことを指します

酸化反応により レチノール → レチナール → レチノイン酸 に変化します

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@働き

*レチノール
 
エステル型として肝臓に蓄えられ
生殖 成長 上皮細胞の維持に関与します


*レチナール

ロドプシンという物質の材料になります


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ロドプシンは
暗い状況に順応して目が見えるようになる
視覚の暗順応に関わります


*レチノイン酸

核内受容体であるビタミンA受容体(RAR・RXR)と結合し
転写因子として機能して
細胞の増殖・分化に関わる遺伝子発現の調節を行います

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それ以外にも

*粘膜 皮膚などを健康な状態に保つ
 
*免疫力維持 のどや鼻などの粘膜に働いて細菌から体を守る

といった働きもあります
 
前駆体であるβ-カロテンには 抗酸化作用があります


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@ビタミンAを多く含む食品

β-カロテンは
緑黄色野菜などの植物性食品に多く含まれますが
吸収されにくく 油と一緒に摂ると吸収されやすくなります

一方 レチノールは
レバー うなぎ バター マーガリン チーズ 卵などの
動物性食品に多く含まれます


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日本人は緑黄色野菜からとるビタミンAが最も多く 4割余りを占めています

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@欠乏症

ビタミンAが不足すると
上述した暗順応が起こらないので
暗いところで目が見えなくなってしまう夜盲症がおこります

夜盲症は 現在の日本ではほとんどみられませんが
栄養状態がよくない発展途上国では
子供が失明する重大な原因になっています

また 皮膚 粘膜の乾燥や角質化などが生じるため
細菌やウイルスに対する抵抗力が弱まり
免疫力低下により感染症にかかりやすくなります

子供の骨や歯の成長障害も起こります


@過剰症

肝臓に貯蔵されますから
過剰になると肝障害をおこすおそれがあります

普通の食事からは 摂り過ぎる心配はありませんが
サプリメントやビタミン剤を摂取する場合は
過剰にならないよう注意が必要です

また 妊娠期または妊娠を希望する女性での過剰摂取は
胎児への悪影響が報告されているため要注意です



<ビタミンD>

@体内で合成・活性化されます

ビタミンDが他のビタミンと異なり特徴的なのは
皮膚で合成されることです

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*合成


皮膚で
コレステロールを原料に作られたプロビタミンD3から 
紫外線の作用で合成されます

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*活性化

ビタミンDが作用を発揮するには
体内で活性型に変換される必要があります

まず肝臓で 25位が水酸化されて 25(OH)Dに変換され
ついで腎臓で 1α位が水酸化されて 1α25(OH)2Dになり

活性型ビタミンD3になります

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@働き

*血中カルシウム濃度の調節

血中カルシウム濃度を一定に維持する作用があります

血中カルシウムが不足すると ビタミンDの働きにより

・小腸でのカルシウム吸収

・骨からのカルシウム遊離・溶出

・腎臓でのカルシウムとリンの再吸収

が促進され 血中カルシウム濃度が保たれ丈夫な骨が造られます

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ちなみに カルシウム濃度の調節にはビタミンD以外に

・副甲状腺が分泌するPTH(副甲状腺ホルモン)

・甲状腺が分泌するカルシトニン
 

が関与します


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PTH・副甲状腺ホルモン

カルシウム不足時に副甲状腺から分泌され
上記の機能を促進して 血中カルシウム濃度を増加させます

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カルシトニン
カルシウム上昇時に甲状腺から分泌され
カルシウムを骨に送り造骨を促進し 血中カルシウム濃度を低下させます

また カルシトニンはPTHの分泌を抑制します

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*遺伝子の転写制御

ビタミンDのもうひとつの重要な働きは
さまざまな遺伝子の転写制御を行うことです

ビタミンDは受容体のVDRと結合しますが
VDRは核内受容体なので ビタミンDは転写因子として働き

その遺伝子発現制御を介して
50種類以上のタンパク質の合成に関わっています


興味深いことに
VDRは上述したビタミンA受容体のRXRと二量体を形成して
機能を発揮します 


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@どんな食物に多く含まれるか

ビタミンDを豊富に含む食品は比較的限られており
魚介類 卵類 きのこ類などがその中心です

魚介類には
塩さけ100g中に23μg しらす干し100g中に46μgと
豊富に含まれています


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@欠乏症

紫外線作用で体内で作られるので
適度に日にあたっていれば欠乏症にはなりません

日照が足りなかったり 食事からの摂取が不充分で欠乏症になると
くる病 骨軟化症 骨粗鬆症が起こります

カルシウムの吸収 再吸収が不充分になるので
骨や歯の形成が上手くいかず そうした病気を発症してしまいます

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@過剰症

高カルシウム血症 腎障害 軟組織の石灰化
などをまねくおそれがあります

通常の食事を摂っていて過剰症になることはほとんどありませんが
サプリメントなどを服用している場合は 過剰に摂取しないよう注意が必要です

  

2018.10.17更新

体のなかでビタミンは どのような働きをしているのでしょう?

<ビタミンの働き>

ビタミンの働きは多岐にわたります

@補酵素としての働き

代表的なのが さまざまな生体反応における補酵素としての働きです

三大栄養素の代謝反応などの生体反応の多くは
酵素によって効率よく行われますが

酵素がその活性を発揮するためには
補酵素などの働きが必要不可欠で
ビタミンの多くは補酵素として機能します


補酵素としての働きで特に重要なのは ビタミンB類 です

ビタミンB群は
B1 B2 B6 B12 パントテン酸 ナイアシン 葉酸 ビオチン
の8種類がありますが

食事から摂った三大栄養素を
ミトコンドリアのTCA回路でエネルギーのATPに変換する反応で
ビタミンB群が各所で補酵素として働いています

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@抗酸化作用

ビタミンC E カロチノイド(ビタミンAの前駆体)には 
抗酸化作用があります


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酸化作用は老化などに関与する 生体にとって有害な反応ですが
これらのビタミンは生体成分の酸化変性を防ぎます

ビタミンCは 細胞外で働き

ビタミンEは 細胞膜内で働き 膜での連鎖的脂質過酸化反応を阻止します


ビタミンEは 抗酸化反応により酸化能を有するラジカルに変換されますが
ビタミンCにより抗酸化作用を持つビタミンEに再生されます

このように ビタミンCとビタミンEは共同作業をしています

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カロチノイドは 活性酸素を効率よく消去し
 細胞膜で生じるラジカルも補足します


@ビタミンによる遺伝子発現制御

ビタミンA Dは
ステロイドホルモンと同様の機構で遺伝子発現を制御します

*ビタミンAのレチノイン酸
 核内受容体RAR RXRと結合して 転写因子として機能します

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 標的遺伝子は
 ビタミンAの機能・代謝に関連するもの
 個体の発生・分化に関連するもの
 細胞内情報伝達に関連するもの
 など 多岐にわたっています


*ビタミンD

 核内受容体のVD受容体(VDR)と結合し複合体を形成し
 RXRと結合して 転写因子として機能します

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 標的遺伝子は
 カルシウムの吸収 輸送に関連するもの
 細胞膜のカルシウムポンプに関連するもの
 などです


ビタミンB6のピリドキサールリン酸
 ステロイドホルモン受容体の機能を低下させ 遺伝子発現を調節します

 HNF-1 C/EBPなどの転写因子とも結合し
 アルブミン遺伝子などの発現を抑制します


ビタミンKのメナキオン
 骨芽細胞で 核内受容体SXR/PXRと結合し 遺伝子転写を制御し
 この転写制御を介して 骨代謝の調節に関わっています


ビタミンC
 コラーゲン遺伝子の転写活性化
 mRNA安定化によるmRNA量増加を引き起こします



一方 ビタミンには 

*摂取不足による欠乏症

*過剰摂取による過剰症

が起こることがあります


<欠乏症>

長期間にわたり ビタミン不足が続くと 欠乏症状が出現してきます

短期間だけビタミンが不足しても 深刻な病気になることは少ないのですが
それでもビタミンが不足すると
なんとなく身体がだるいとか 調子が悪いなどの体調不良が起こり得ます

特に 激しい運動をする人 喫煙習慣のある人 妊娠した女性などは
十分なビタミンの摂取に気をつける必要があります

ビタミン欠乏症に陥ると
ビタミンを補酵素として利用する酵素が関わる
代謝系の機能不全症状が現れてきます

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<過剰症>

大量摂取によって過剰症がおこるビタミンについては
上限量を守り大量摂取は控える必要があります

現在 1日の上限量が定められているのは
ビタミンA D E B6 ナイアシン 葉酸
の6種類です

この中で はっきり過剰症が認められるのは ビタミンA D B6で
この3つに関しては 必ず上限量を守ることが大切です

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特に過剰摂取に注意したいのは ビタミンAとビタミンDで

ビタミンAでは 吐き気 頭痛 嘔吐などがおこり

ビタミンDでは 身体にカルシウムが沈殿し 尿毒症がおこります


一方 ビタミンEは 大量摂取しても大きな身体の不調はありません

ビタミンB6は 神経系に障害がおこる可能性があり

ナイアシンは 消化器系に影響がありますが
問題になったことはあまりありません

葉酸は 普段の食事で大量摂取することはないので
過剰摂取のリスクも少ないと言えます

 

2018.10.16更新

酵素の解説が終わりましたから ビタミン・ミネラル の話を始めます

まずは ビタミンから

ビタミンは 
タンパク質 脂質 糖質の三大栄養素と比べ
栄養学的な注目度はやや低いかもしれませんが
日々の生活で サプリなどで話題になることが意外に多いと思います

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<ビタミンとは?>

@微量栄養素

ビタミンはミネラルとともに「微量栄養素」と呼ばれています

微量と呼ばれるだけあって
わずかな摂取量で十分な働きをするのが特徴で
1日の摂取量は mg μg 単位という 非常に少ない量でよいのです

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@体内の重要な反応を調節している

ビタミンは体の調子を整えるのに役立っています

体内で起こっている
種々の生理機能や 栄養素の代謝反応の円滑な遂行に
欠かすことができない栄養素です

その働きは ビタミンの種類によって異なり
抗酸化作用 骨の形成 出血を止める 赤血球を造る といった
重要な働きをするものもあります


アルファベット順に ビタミンA B C D E K があり
ビタミンB群は8種類あるので
全部で13種類です


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@食物から摂取する必要がある

必要量は少ないのですが

体内で作ることができなかったり
作られても量が十分ではなかったりするので
食物から摂る必要があります

ビタミンB2 B6 B12 葉酸 ビオチン パントテン酸 ビタミンKなど
一部は体内で腸内細菌からも作られます



<水溶性と脂溶性>

水溶性と脂溶性の2種類に分けられます

*水に溶ける水溶性ビタミン

*水に溶けず脂に溶ける脂溶性ビタミン

です

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@水溶性ビタミン

ビタミンB1 B2 B6 B12
ナイアシン パントテン酸 葉酸 ビオチン
(以上がビタミンB群です)

ビタミンC 

の9種類があります

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水に溶けるので 尿などに排出されやすく体内に貯めておけませんから
必要量を毎日摂ることが大切です

一方 各組織で飽和量に達すると 余った分は尿中に排泄されるので
過剰摂取による副作用はほとんどありません

熱に弱く
長時間の加熱や長時間の水洗いで失われることが多いので
調理のときは気をつける必要があります


@脂溶性ビタミン

ビタミンA D E K 

の4種類があります

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水に溶けないので 排出されにくく体内に蓄積されるので
摂りすぎると過剰症になるおそれがあります

主に 肝臓や脂肪組織に蓄積されます

油と一諸に摂ると吸収がよくなります

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<ビタミンの摂取量>

健康維持のために必要な摂取量の目安として
ビタミンの種類ごとに
「推定平均必要量」「推奨量」などが定められています


@推定平均必要量(EAR)

ある年齢の50%の人にとっての必要量と考えられる値で
最低限これだけは必要という量です

摂取量がこれより少ないと 欠乏症のリスクが高くなります

よく運動する人 筋肉質で体格のよい人などは
この量よりも多めに摂る必要があります


@推奨量(RDA)

ある年齢の97~98%の人にとっての必要量と考えられる値で
これだけ摂っていれば満足できる量といえます


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@目安量(AI)

推定平均必要量や推奨量の科学的算出が困難な場合に備え
定められている値です

この量をクリアしていれば
ビタミン不足による身体のトラブルはほとんどないと考えられ
推奨量とほぼ同じと考えてよいでしょう


@上限量(UL)

過剰摂取による障害が生じない上限値です

これ以上多くの量を摂取すると
身体に変調がでてくる可能性が高くなりますので要注意です

 

2018.10.15更新

NHKの 美の壺 は マニアックな内容が多くて面白いのですが

先日は
「憧れの銀座」というタイトルで 銀座の話題を紹介していました

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八丁堀と銀座は徒歩圏内なので
書き手は小さい頃から銀座に行く機会が多かったのですが
知らない話も多く とても興味深かったです

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@ショーウインドウ

銀座といえば ショーウインドウ

なんと 250面以上もあるそうです

流行の最先端が見られるし 季節感も感じるので 見ていて飽きません

明治10年 時の政府は年間予算の4%もつぎ込んで
日本初のアーケードつきの商店街 煉瓦通りを作りました

しかし日本にはアーケードは馴染まず やがて撤去されましたが
通りのお店は 当時は珍しかった舶来の商品などデイスプレイする目的で
軒並みショーウインドウを作っていたので
それが銀座のショーウインドウの原点になったとか

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今の銀座のショーウインドウのデザインを手掛ける人たちは

ショーウインドウに並ぶ美しいものを見た人が
高揚感で気持ちのスイッチが入り 夢がかき立てられるような

そんなデイスプレイを心掛けていると語っていました


いちばん目立つ和光のショーウインドウは
1か月半ごとに季節感を先取りした内容にしているとか

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確かに ショーウインドウのデイスプレイには季節感を感じます

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書き手も お散歩がてらに
ブラブラと銀座のショーウインドウを見て歩くのが意外に好きです(笑)


@夜に魔法をかける

銀座の夜を輝かせる「光の仕掛け」についても紹介していました


まず 車道の路面に工夫がしてあるそうです

明るめのグレーの色で塗装されているため
街燈の光の反射率が高くなり
通り全体が明るく浮かび上がるようにしてあるとか

きらめく光の洪水が生み出されるそうな

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なるほど そうなのですね!


そして 街燈

LEDが使われていて光量が豊かなので
女性の髪や洋服を 鮮やかに見せる効果があるそうです

再度 そうなんだ!

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銀座のライトアップは斯界の最先端を走っていて
大正時代に日本で初めてネオンサインが登場したのも銀座でした


通りを浮かび上がるように 女性をより美しく見せるように
そんな意図をもって路面の塗装や街燈の工夫がなされているなんて
全く知りませんでした

個人的には
もう少し白色光でなく黄色い光を使って 暖かみを演出した方が
良いように感じます

今の光は 少し冷たい感じがしないでもない

でも それが 大人の街 銀座にはお似合いなのかもしれません

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番組に登場されていた壇蜜さんは
学生時代に銀座のクラブでバイトをされていたことがあるそうですが

銀座は ワルい街  カタカナの ワル が似合う街

よそゆきの顔の作り方を教えてくれた街


と語られていました

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夜の銀座は 人に魔法をかけてしまうのですね?

うーん 大人の世界だなあ
書き手はまだまだ勉強が足りません?(笑)

 

2018.10.13更新

熟女グラビア撮影会なのに

食事中の熟女さまたちのちょうど真ん中に
ピッタリのタイミングで顔をだしてくる
熟女が漂わす落着きなど 全く感じさせない白いネコ!(笑)

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デイジー 宿敵の楓とにらみ合って 一触触発モードです!

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それにしても さすが プロ!
緊張感が漂う画像ですね!


そして いつものように 先に手を出す楓さん

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まさに その瞬間をとらえた ベストショット!

楓の攻撃的な表情 姿勢も凄いけれど
デイジーが両目をつぶって身構えている姿も
臨場感があふれています!

再度 さすがプロ!


そしてこの写真は 事後の空気がよく醸し出されています

お互い 違う方向を見ているのがスゴイ(笑)

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楓は なんとなく不完全燃焼な感じ?

一方のデイジーは やれやれ という感じかな?(笑)


最後は この1枚

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さすがは 楓さん

私は良い子ですよ~ デイジーを叩いたりしてませんよ~

というしらばっくれた表情で ピンで〆を飾られました(笑)


ケニアさん 初対面にもかかわらず
短時間でそれぞれのネコの性格を見事にとらえられた
素敵な写真を撮っていただいて ありがとうございました!

 

2018.10.12更新

京都の老舗料理店の三代目 高橋拓児さんが語られる
和食のだしの香りの話題を続けます

ここで香りと記憶」の関連に話が進みます

プルーストのマドレーヌの話でも紹介したように
香りと記憶は とても密接な関係にあります

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香りが記憶を呼び起こす

だしの香りが幼い頃の懐かしい記憶が蘇らせるのは
香りが記憶をつかさどる海馬を刺激するから


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また 匂いの刺激は
扁桃体に伝わって情動を刺激して 快不快の感情を引き起こします


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つまり
脳の中の最も人間らしいエモーショナルな部分に 直接働きかけている

視覚や聴覚からの情報は
大脳皮質を経て 海馬や扁桃体に伝わりますが

嗅覚からの情報は 直接 海馬や扁桃体に伝わる

これがいちばん大きな違いで
それだけ嗅覚が記憶や情動に働きかける力が強いということです


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そして 香りは海馬を経て大脳皮質で記憶として蓄積され
またその香りを嗅いだ時に記憶が蘇るのです

つまり 
香りを楽しむことは
脳の奥にしまい込まれた記憶をたどる旅でもある

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なるほど~


高橋さんと聞き手の佐々さんは さらに敷衍します

だしの香りを楽しむことは だしそのものの記憶をたどる旅でもある

だしの素である昆布や鰹が育ち
収穫されたそれらを原料に 長い年月を経てだしが完成するまでの
時間の経過によって蓄えられた森羅万象の記憶が
香りによってひもとかれる

さらに 人を惹きつけるその香りは
人類に進化する前の祖先が海の中に暮らしていた頃に
由来するのかもしれない

香りを嗅ぐという行為は
進化の過程で先祖が身につけてきた「美味しい」という記憶の扉を
開ける作業でもある

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そういわれてみると
確かにだしの素は 昆布や鰹といった海の栄養素の塊ですね

それにしても だしの香りについてそこまで深く掘り下げますか
凄いですねぇ、、、


視覚優位の現代社会における 香りの立ち位置 

についても話は及びます

現在は さまざまな技術進歩で便利になったけれど
圧倒的な視覚優位の生活の中で
なぜか生きている喜びから遠い場所にいるのに気づくことがある

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それはひょっとすると
香りによって立ちあげる世界と切り離されているからかもしれない

香りを嗅ぐという行為は
しばしば受け身であり 意識されることがないけれど

しかし ひとたび香りに意識を向ければ
そこから立ち上がる世界は われわれが思うよりずっと深い

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うーん 深いけれど なんだか香り礼賛になってきました(笑)



最後に にほひ について言及されて興味深いインタビューは終わります


高橋さんは 能も嗜まれるそうですが

能には 日本人の香りに対する感性が色濃く表れている 

と指摘されます

能の達人は
扇一枚でその場の空気そのものを動かし
舞台から去っても その人の存在が色濃く残る

それを人は「にほひ」と呼ぶ

能独特の この世ならぬものの気配すら表す「にほひ」は
日本人が大切にしてきたものだとか

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それは 料理を作るときの心構えでもあるそうで

料理の背後に
目に見えない 音に聞こえないが 確かに存在し気配がする
そんな料理人でありたい

と語られます


うひゃ~ 格好良いですね!


にほひ かあ

古語辞典を紐解くと

美しい色合い 色つや つややかな美しさ
魅力 気品
香り
気分 余情

といった 懐の深い言葉が並んでいます

dasi19


和食のだしの香りから
「にほひ」という情緒豊かな古語にたどり着くなんて!

いつか京都の高橋さんのお店で お椀をいただきたくなりました!

 

2018.10.11更新

多くの酵素は 円滑に機能を発揮するために
その働きを助けてくれる共同因子を必要とします


<共同因子とは?>

酵素分子の中には
しばしばタンパク質以外の低分子物質が含まれています

それらは共同因子と呼ばれ 酵素の働きを助けてくれます


配合団

補酵素 有機化合物

補助因子 ミネラル・金属イオン

の3つのグループがあります

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@単純酵素と複合酵素

共同因子の有無により 酵素は「単純酵素」と「複合酵素」に分けられます

単純酵素: タンパク質だけでできている酵素
 ペプシン アミラーゼ リパーゼなどの消化酵素が代表例です

複合酵素: タンパク質以外の共同因子との複合体
 酵素の大部分を占めます


複合酵素のタンパク質部分はアポ酵素と呼ばれ
非タンパク質の共同因子が結合するとホロ酵素と呼ばれます

ezm50

複合酵素は 共同因子がないと活性化しません


また 共同因子としてミネラルを必要とする酵素は
金属酵素と呼ばれます


では 各グループについて詳しく説明します


<配合団>


酵素のタンパク質にしっかり結合した分子です

*カタラーゼにおける ヘム

*コハク酸デヒドロゲナーゼにおける FAD

などが代表例です

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<補酵素>

10種類ほど存在し そのほとんどがビタミンB群です


@補酵素が結合すると 酵素の働きは活性化されます

*酵素が反応するとき
 基質と一諸に共存することが必要とされ
 酵素反応の進行によって基質とともに消費されます

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*補酵素と酵素の結合は共有結合ではなく ゆるやかな結合です


@補酵素が働く反応

*酸化還元反応

*官能基の転移

などです

加水分解反応などの比較的単純な化学反応では 補酵素は必要とされません


ちなみに 官能基 とは

有機化合物の構造の基礎である炭素骨格に結合する原子集団で
水酸基 アミノ基 カルボキシル基 カルボニル基 
などがあります

ezm55
有機化合物の炭素鎖の
*どの場所に
*どのような官能基が結合しているか
によって その化合物の反応性や性質が規定されます

また 化学反応の際は
官能基に特異的な酵素の働きにより 有機化合物間で官能基の移動がなされ
化合物の性状が変化します

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@ビタミンBから出来ていることが多い


*食物から摂られたビタミンB群が
 体内で修飾を受けて補酵素に変わり機能を発揮します

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*エネルギー産生につながる
 タンパク質 糖質 脂質の三大栄養素の代謝反応に深く関与します


三大栄養素の代謝反応を簡単に復習すると 下図に示されるように

*糖質は 解糖系を経てピルビン酸からアセチルCoAになり

*脂質は 脂肪酸に分解され β酸化によりアセチルCoAになり

*タンパク質は アミノ酸に分解されて

それぞれ代謝の最終ステップであるTCA回路に流れ込みます


補酵素は これら各栄養素の代謝のさまざまな反応を
円滑に行えるようヘルプし 生体内でのエネルギー産生を支えます



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@ひとつの補酵素が さまざまな代謝系に対応し得ます


*例えば コエンザイムA(CoA)は
 置かれた状況により TCA回路 β酸化 のいずれにも関与します

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@補酵素の種類と機能


ビオシチン:カルボキシ基化を行う 原料はビオチン

コパミド補酵素:アルキル化などを行う 原料はB12・コバラミン

テトラヒドロ葉酸:炭酸基転移を行う 原料は葉酸

チアミンピロリン酸:アルデヒド転移 脱炭酸を行う 原料はB1・チアミン

ピリドキシサルリン酸:アミノ基転移 ラセミ化 脱炭酸などを行う
            原料はB6・ピリドキシン

コエンザイムA:アシル基転移を行う 原料はパントテン酸

NAD NADP:酸化還元を行う 原料はニコチンアミド ナイアシン

FAD FMN:酸化還元を行う 原料はB2・リポフラミン


<補助因子:ミネラル・金属イオン>

Mg Mn Zn Ca Cu Fe などのミネラルは
種々の酵素分子に取り込まれ
補助因子として触媒作用に関与します


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@関与する反応

*加水分解酵素を含め
 補酵素よりも より多くの種類の酵素の働きを補助します


@補因子の種類と機能

亜鉛
 アルコールデヒドロゲナーゼ カルボキシペプチダーゼA
 などの酵素を補助し
 細胞分裂 成長 エネルギー産生に関わります 

Mg
 ATPアーゼなどの酵素を補助し ATP産生に関わります 

Cu
 抗酸化酵素SOD チロシナーゼ アセトアルデヒド脱水素酵素
 などの酵素を補助し
 抗酸化反応などに関わります

Ca
 タカアミラーゼなどの酵素を補助し 代謝反応などに関わります

セレン
 グルタチオンペルオキシダーゼなどの酵素を補助し
 抗酸化反応などに関わります

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などがあります


来週からビタミン ミネラルについて説明しますが
それらの多くが補酵素 補助因子として酵素反応に関わっていることを
覚えておいてください

 

2018.10.10更新

酵素はどのようにして触媒反応を行っているのでしょう?

実はその詳細はいまだ明らかにされていませんが
以下に示す機序が考えられています


<酵素は活性化エネルギーを下げ 反応を容易にする>

一般に化学反応は 下記のようなプロセスを経て進行します

@活性化エネルギー

*反応物質に化学反応が起こるには
 エネルギーの高い山を超える必要があります

*反応物質が この山を超えられるだけのエネルギーを有していないと
 化学反応は完遂できません

*山を超えるのに必要なエネルギーを「活性化エネルギー」と呼びます


@活性化状態


*化学反応が起こると
 反応物質のなかで 原子の組み換えが連続的に起こります

*活性化エネルギーが最大になると 化学反応が最盛期になります

*このエネルギーの山で活発に反応が起きている状態が「活性化状態」です


@反応熱

*反応が生じると多量の熱が放出され 
 最終的に反応物質よりエネルギー状態が低い生成物質が出来ます

*放出された熱・エネルギーは「反応熱」と呼ばれます

*反応熱により 反応物質の分子が加熱され活性化されるので
 それ以降も反応が連鎖的かつ爆発的に進んでいくことができます



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では 酵素が加わると化学反応はどのように変化するのでしょう?

@酵素の働きにより 活性化エネルギーを抑えられる

*酵素の触媒作用により 活性化エネルギーを低くすることができるので
 化学反応が迅速に進行すると考えられています


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*しかし 活性化エネルギーを低くする詳細な機序はわかっていません


<酵素と基質が結合する機序>

@鍵と鍵穴

*基質の形状と 酵素の基質結合部位の形状が
 3次元構造的に「鍵と鍵穴(立体構造上のくぼみ)」の関係にあり

 酵素の基質結合部位に存在するくぼみ(鍵穴)に
 うまく結合できる構造の基質(鍵)だけを
 酵素の作用が発揮される活性中心へ導くことで酵素作用が発現される

 と考えられています

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*基質と酵素の活性中心は
 水素結合 イオン結合といった反応により結合します


<酵素と基質の結合により起きる立体的な変化>

@エントロピー・トラップ

*酵素の機能部位である活性中心では
 基質が酵素に結合する部位(結合部位)と
 酵素が触媒作用を発揮する部位(触媒部位)は
 別々に存在します

*基質は結合部位に結合すると自由が奪われ
 活性中心の触媒部位に正面から向かわされます

*この作用により 反応全体のエントロピーが減少し
 活性化エネルギーを下げることができます

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@基質を触媒部位に適切に向かわせることで
 基質の有効濃度を高める効果もあります


@誘導適合

*基質の結合により 酵素の立体構造が変化し
 触媒部位が適切な位置に配置され
 結合した基質とうまく向いあえて反応が起こりやすくなります


@基質分子の立体構造をひずませる

*結合により
 基質分子が圧迫されたりねじられたりして切れやすくなるため
 触媒反応が起こりやすくなります


こうしたさまざまな構造上の立体的変化により
酵素の触媒作用が円滑に効率的に進行すると考えられています



一方 酵素反応は過剰に行われないように調節されています

<酵素反応の調節機構>

@フィードバック制御

*代謝反応で生じた生産物が過剰になると
 その代謝反応を触媒している酵素の活性にフィードバック阻害がかかるので
 過剰な生産は制御されます

*反応の最終産物の代謝生産物が酵素の阻害剤となり
 フィードバックをかけることがよくあります


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@アロステリック制御

*フィードバック調節のひとつで
 酵素機能が他の化合物(エフェクター)によって
 調節されることです

*エフェクターは
 酵素が関わる代謝の生産物のこともあり
 代謝反応とは全く関係ない物質のこともあります

*エフェクターは 酵素の基質とは構造が大きく異なり
 酵素の基質結合部位とは異なる調節部位(アロステリック部位)に
 結合すると考えられています

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*この結合により 酵素の立体構造が変化し
 基質結合部位の構造も変化すると
 酵素の触媒活性や複合体形成反応が正または負に制御されます

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*酵素の活性を
 促進するエフェクターは アロステリック・アクティベーター
 抑制するエフェクターは アロステリック・インヒビター
 と呼ばれます

*アロステリック制御を受ける酵素の多くは
 複数のサブユニットの会合体の構造をしていて
 活性中心とアロステリック部位が
 別々のサブユニットに存在していることもあります



酵素そのものも
さまざまな機序により 活性化されたり失活したりします

<酵素の活性化>

@酵素の前駆体の切断

不活性な前駆タンパク質としてつくられ
ペプチド鎖の一部が切られて 活性型酵素に変化するものがあります

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*ペプシノーゲン → ペプシン
*トリプシノーゲン → トリプシン
*キモトリプシノーゲン → キモトリプシン
*プロエラスターゼ → エラスターゼ
*プロトロンビン → トロンビン

など


@リン酸化 脱リン酸化

*酵素のタンパク質構造に セリン トレオニン チロシン残基がある場合
 そのOH基はリン酸化されることがあります

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*リン酸化により酵素が活性化することがあり
 その場合は脱リン酸化が起こると酵素活性は失われます

*逆にリン酸化により 酵素が不活化されることもあります

*リン酸化・脱リン酸化は
 生体内で幅広く行われている重要な反応なのです


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@こうした
 ペプチド鎖の切断 リン酸化・脱リン酸化といった酵素活性の制御も
 全て酵素反応により行われます


<酵素活性の失活>

@立体構造の変化

酵素が活性を失う原因には その立体構造の変化が深く関与しています


@原因

*失活の原因として
 熱 pH 塩濃度 溶媒 他の酵素による作用 などが知られています

*これらの条件が大きく変わると
 酵素の立体構造が不可逆的に変わり 酵素は失活してしまうのです

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今日のお話は 基礎的な内容で難しかったかもしれませんが

*なぜ酵素の触媒作用により化学反応がスムーズに進むか
*酵素反応は制御されている
*酵素活性も制御されている

といったイメージを少しでも持っていただけたら幸いです


このあたりは
医学生の頃に生化学で 必死に でも面白く勉強したので
とても懐かしいです

アロステリック制御のことを知って興奮したのを 思い出しました(笑)

 

 

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