左利き肝臓専門医ブログ

2018.12.10更新

朝6時過ぎの東京駅新幹線ホームは まだ暗くて寒いです

osfg01

先週日曜日 6時30分東京発ののぞみで大阪に向いました

osfg02


大阪には1か月前に文楽を観に行きましたが
今回はちゃんとお勉強です

内科学会主催の学術講演会「内科学の展望」

osfg03


この学術集会は 年に1回 トピックなテーマで開催されますが
書き手はこれまで参加したことはありませんでした

でも今回のお題は 書き手が好きな免疫・炎症絡みだったので
専門医の点数取得も兼ねて大阪まで勉強しに行った次第です

専門医を維持するためには こうした講演会や学会などに参加して
5年間で一定以上の点数をとらないといけないのですよ


会場にはこんなポスターが貼ってありました

osfg05

大阪万博決定 おめでとうございます!

タクシーの運転手さんに
1970年の万博に当時小学生だった書き手は行きましたよ
と話したら とても驚かれました(笑)

osfg20


講演会はとても面白かったです

免疫 炎症という視点から
アトピー性皮膚炎 気管支喘息 関節リウマチ といった疾患
書き手が専門の肝臓 消化器病
糖尿病専門医さんが専門の糖尿病 生活習慣病
など全身にわたる幅広い病気について横断的に最新の知見が紹介されて
とても勉強になりました

osfg04

日々の診療では
ともすれば自分が専門の臓器の病気について視野を狭めて診がちですが

免疫や炎症というさまざまな臓器に共通して起こる現象を考え
全身の臓器代謝ネットワークをイメージしながら
個々の臓器の病気を診ていく

というアイデアは とても大切だと思います

また皮膚の病気やリウマチなどの専門外の病気について
最新の病態の考え方や治療について学べたのも有意義でした

一生懸命ノートをとってきたので(笑)
勉強になったことは またブログで紹介したいと思います


ランチにいただいた きざみうどん

osfg06


関西ならではのお味で美味しかったです!


で 講演会は15時半に終わったので
6時30分ののぞみには乗られなかった(笑)糖尿病専門医さんと合流して
せっかく大阪に来たのだからということで 年に一度の贅沢をしました

日曜日の16時頃からやっているお店はなかなかありませんでしたが
ネットで調べて梅田のとあるお店に

お店に行く途中には こんなお店もありました

osfg07

前回のブログで“でんがな”と書いたら
大阪出身スタッフに「そんなこと言うのは吉本とさんまだけです!」
と言われましたが でんがな あったよ!(笑)

で スタッフさんにこの写真を見せたら
反応されたのは「でんがな」でなく「どて焼き」でした!

「先生 どて焼きって知ってますか?」

さすが ジモピーは反応するところが違います(笑)

書き手は不勉強で知りませんでしたが
どて焼きは 関東で言うもつ煮込みなのだそうです

osfg07a

でも なんで煮込みなのに「焼き」なの?
関西ワールドは奥が深いです!


さて 路地の奥まったところにあるお店は こんな感じの雰囲気のあるところ

osfg08

カウンターに吊り下げられているものを見れば 何のお店かわかりますね(笑)

はい 大阪だから てっさ てっちり です!


まずは 湯引き

osfg09

こんなに大きな器でたくさんの湯引きを食べたのは 生まれて初めてです!


てっさ

osfg10

東京ではあまりお目にかかることがない(笑)
お皿が透けて見えない肉厚のてっさに感動です!

歯応えがあって 美味しかった!


そして てっちり

osfg11

アラ身も正身も とっても肉厚!
プリプリとした食感がたまりませんでした


立派な

osfg12

これも東京で見たことはありません
お鍋に入れると ゼラチンがとろけるようで美味しかった!


お店の方に
東京ではフグはとても贅沢品のイメージで
僕らは年に1回くらいしか食べませんとお話ししたら
びっくりされてしまいました(笑)

大阪ではもっと日常的に楽しまれるそうです


あ こんなものも いただいてしまいました

osfg13

オイチカッタ!(笑)


頭もお腹もいっぱいになり 満足した帰りの新大阪駅で
大阪出身スタッフが勧めてくれたチーズケーキを
スタッフのお土産に買いました!

osfg17
osfg18

あまり甘くなくフワフワとした食感は初めて!

osfg19


糖尿病専門医さんがチーズケーキのお店で並んでいる間に
書き手はこんなものを見つけて喜んでいました

osfg14
osfg15
osfg16

どれかひとつ 買ってくればよかったかな?(笑)

 

 

2018.12.09更新

各都道府県がまとめている
インフルエンザの流行の目安となる患者さんの定点あたり報告数

12/2の時点で 全国で0.93人 となっています

その前の週が0.52人ですから 1週間でほぼ倍増しています

(今年の報告数は棒グラフで示されています)



flu1801
この値が1.0人を超えると流行の目安とされるので
そろそろ流行り始める可能性が大きいと推測されます

和歌山 香川 三重 奈良などでは
既に1.0人を超えて流行しているようです

今年は昨年より暖かかったので 流行開始が遅れていますが
いよいよやってきそうな気配です


関東はどうでしょう?

下のグラフの赤四角で示される東京は0.94人で
やはり前週の0.50人から倍増しています

flu1802


グラフに示されているように
埼玉県(緑三角)で患者さんが最も多く
千葉県や神奈川県でも患者さんの数が右肩上がりで急増しています

関東では この週末から気温がぐっと下がるそうなので
インフルエンザウイルスの活動が活発化して
いよいよ本格的な流行が始まるかもしれません


ということで

ワクチン接種を受けていない方は 早目に接種してください

また予防には手洗いとマスクが有効です
(うがいは してもしなくてもどちらでもいいです)

flu1803


外出先から帰ったら
職場でも家でも 必ず手を洗う習慣をつけてください

また人混みに出るときは マスクをした方が安心です

flu1803a


そして 充分な休養と栄養補給

適度な湿度の維持も予防には効果的です(特に寝ている間)

flu1805

忘年会などが始まるシーズンですから 体調管理にお気をつけください!

flu1806  

 

 

2018.12.08更新

ローズさん いいなあ
糖尿病専門医さんとのブラッシングタイムですね!

rbtd01

毎晩寝るまえ ベッドの上で
ローズにとっても そして糖尿病専門医さんにとっても
まさに至福のひとときです!

お尻あたりをブラッシングされるのが 特にお気に入り!

rbtd02

糖尿病専門医さんの巧みなブラッシングテクニックにご満悦!
気持ちいいと なぜかペロペロもしちゃいます

rbtd03

あ ちょっと プライベートタイムをパパラッチしないでよ!

rbtd04


まあまあ そんなに怖い目線で怒らずに

はい 今度はブラシでなく手で顎周辺をマッサージ
これも大好きなので とろけちゃいます(笑)

rbtd05


そしていよいよ 本日のメインイベント!

ローズさんのヒラキ

rbtd06
rbtd07

気持ちいいから お腹丸出し おっぴろげです!

バレリーナのように 両手も泳がせます

rbtd08


そんな至福のときでも
女優のローズさんは ときどきカメラを意識

rbtd09

しっかり妖艶な流し目も飛ばします!

rbtd10


あー気持ち良かった

rbtd11

あれ やめちゃうの? もっとやってよ!

rbtd12

もう遅いから そろそろ寝ましょう

rbtd13

お休みなさいのペロペロです!(笑)

rbtd14


今回も 甘―い濃密な時間の一部始終を 動画でお楽しみください!
その2もあります

ローズのグルグルと喉を鳴らす音も 聞き逃さないでね!

 

2018.12.07更新

ヒトの受精卵へのゲノム編集については 国際的なルールを作る必要性がある

と多方面から意見が上がっています

また 科学者たちが社会の懸念に答えないと
この技術に必要以上の規制がかかる可能性もあります


<学会 政府などからの提言>

そこで 2015年12月にダウドナ博士が呼びかけ
ゲノム編集研究で世界をリードする
アメリカ科学アカデミー イギリス王立協会 中国科学院が共同主催して
ヒトゲノム編集国際会議が行われました

geed61

世界のゲノム編集研究者のみならず
倫理学者 法律専門家 人権擁護団体関係者なども参加したこの会議では

geed62

受精卵のゲノム編集に関して

基礎研究は
法的・倫理的ルールに基づいていればOKで 行われるべきものだが

臨床研究は 禁止する

との提案を出しました

geed63


受精卵のゲノム編集は

*有害なことが起きるか予測できない

*元に戻せないので 次世代に影響してしまうリスクがある

*安全性 有効性の確認が まだ十分ではない

*社会的コンセンサスが まだ熟成していない

といった理由からです


第2回目のヒトゲノム編集国際会議は
今年11月末 つい先日に香港で行われました


geed64


日本では
内閣府 総合科学技術・イノベーション会議 生命倫理専門調査会が

受精卵のゲノム編集に関して

*基礎研究は 容認される場合がある

*臨床応用は 容認できない

と提言しています

geed66a

基礎研究であっても 病気の治療に関連しない
美容やデザイナーベビーといった 特定の体の機能の増強を目的とした研究は
容認できないとしています

遺伝子は 過去の人類からの貴重な遺産であることを考えると
現在の社会において生活する上での不都合を理由に
次世代に伝えないという選択をするより
その不都合を受け止められる社会を作るべきだ
という考え方もある

と その報告書には記されてあります


また学術会議は

ヒトの受精胚を用いた臨床応用を想定したゲノム編集を伴う基礎研究は
控えるべきである

と提言しています

geed65


<ヒト受精卵へのゲノム編集研究の現状>

こうした 受精卵へのゲノム編集に警鐘が鳴らされる前の2015年2月
中国の中山大(広東省)のチームが
ヒト受精卵を用いてゲノム編集を試み 論文として報告しました


geed67

βサラセミアという遺伝性の血液の病気の
責任遺伝子をターゲットにした編集で
受精卵は正常に発生できないものを用いました

その結果
86個の受精卵のうち 28個で修復でき
一方 1/4程度で目的外の遺伝子操作も起きました


中国チームは
「成育できない受精卵を使うことで倫理的な問題を回避した」
としていますが

この研究が 各国政府や学会が 
当面の間 ゲノム編集を臨床目的で使わないよう求める声明を出す
大きな契機となりました

国際幹細胞学会 遺伝子細胞治療学会 アメリカのNIHなどが
相次いで そうした声明を出したのです


しかし その後も
受精卵を用いたゲノム編集が 中国やアメリカから相次いで報告されています

geed68

2016年2月には イギリスのフランシス・クリック研究所が
不妊治療を目的とした
正常な受精卵を用いたゲノム編集研究の承認を得ました

2016年4月には 広東医科大学が
受精卵を用い HIVに感染しないゲノム編集を行い成果を得ました

2017年8月には 米オレゴン健康科学大学と韓国などの研究所が
受精卵のゲノム編集によって
肥大型心筋症心につながる遺伝子の突然変異を修復し
疾患が子孫に遺伝しないようにすることに成功しています


geed69


<中国からの衝撃的なレポート>

ちょうど先週 ショッキングなニュースが世界中を駆け巡りました

中国の医師ではない研究者が ゲノム編集を施した受精卵を母胎に戻し
双子の女の子を出産させたというのです

その研究者は 前回紹介した
HIV治療のための受精卵のCCR5遺伝子切断を行ったようです


gefb02

タイミングよく開催されていた上述の香港の国際会議で
その研究者は発表を行い
自ら行ったことの正当性をしきりに強調しましたが

gefb04a

会場からも さまざまな関連学会からも 中国政府からも
厳しい非難の声が上がっています

gefb05


ある研究者は「彼は功名心で行動したとしか思えない」と語っています


またMITテクノロジーレビューという
最先端の科学の動向をレポートしているサイトでは

この研究者を知る人物は
科学に対する彼の野心は中国全体を覆う社会的な態度と一致していると語り
その態度は 共同社会におけるより大きな利益が
個別の倫理はもとより国際ガイドラインにさえ優先するという考えも含んでいる

という編集者によるコメントが出されました


CRISPRの生みの親のダナウド博士は 後述するように
この技術が社会に適切に受け入れられるよう奮闘されていますが

このニュースに接して「恐怖と驚きを禁じ得ない」と語られたそうです


また
CRISPRの人への応用を世界で初めて行った中国人のチャン博士は

今回の実験を取り巻く不透明さをも深く憂慮しています

遺伝子編集であれそれ以外のものであれ
あらゆる医療の進歩で特に無防備な人々の集団に影響を与えるものは
厳重かつ思慮深くテストされ
患者や医師 科学者 その他のコミュニティの構成員と公の場で議論され
公正な方法で実施されなければなりません

「提案された適用の適正さについての幅広い社会的なコンセンサス」がなければ
生殖細胞系を編集するのは無責任であろうというのが
現在のコンセンサスです

とコメントし 研究の即時停止を呼びかけました


香港での国際会議は この研究への深い憂慮を示して幕を閉じたようです


書き手もこのニュースを聞いてびっくりしましたが

でも やっぱり中国から出たかと思い
こういう危惧していたことが実際に起きてしまう世の中なのだな
と痛感しました

残念なことに
倫理観を持たない人は世の中に必ず存在しますし
哀しいかな 科学者の中にも倫理観が欠如した人はいるのです 

だからこそ これから紹介するような
社会全体でのコンセンサス造りが重要なのです



<一般社会人が参加したコンセンサス作りの重要性>

ゲノム編集は 非常に秀でた技術ですが
上述したような大きな危険性も内包しているため

必要性が低いことについて 単に可能だからという理由で行われると
社会は不安を抱いてしまいます

大きな発見であればあるほど 社会は不安を抱くのです


ですから ゲノム編集という新たな技術を得た時代の
新しい価値観 倫理観を
科学者だけでなく 一般の市民も参加して 共同で生み出して
それを社会で共有する必要性が提唱されています

CRISPR/Cas9の生みの親のダウドナ博士も
革新的な新たな技術の発見について語った自著の中で
(とても面白いのでご一読をお勧めします 文芸春秋版)

科学とは関係ない人たちこそが
ゲノム編集に関する倫理観の形成に加わるべきだと
熱く述べています

はたして そのような動きが社会に生まれてくるでしょうか?

geed70


書き手は 日本の提言で

遺伝子は 過去の人類からの貴重な遺産であることを考えると
現在の社会において生活する上での不都合を理由に
次世代に伝えないという選択をするより
その不都合を受け止められる社会を作るべきだ
という考え方もある

と記されたことに とても感銘と共感を覚えました


読み手の皆さんは ヒトの受精卵のゲノム編集について
どのように思われますか?

このブログを読まれたことを機会に ちょっと考えてみませんか?

 

2018.12.06更新

前回 ゲノム編集のヒトの病気の治療への応用の夢を紹介しましたが
その前に解決しなければならない重要な課題があります

それは 社会への説明と 倫理上の問題 です


<ゲノム編集の 社会への説明 社会の反応>

現在でも 遺伝子組み換え生物

2000年に採択されたカルタヘナ法という
国際的な枠組みを規定した議定書により

厳重な管理がなされ 自然界から隔離されています

geed51

遺伝子組み換え生物が自然界に出て 野生の生物と交雑すると
生態系が変わってしまうリスクがあるからです


geed52


遺伝子組み換え生物が 従来の生態系を変化させてしまうリスク

あまり考えたことがありませんでしたが
確かにそうしたリスクを考えないといけないのですね、、


では
ゲノム編集で作製された畜産物や農産物も
同じように厳しい管理下におかれるべきでしょうか?


遺伝子組み換えとゲノム編集は異なる とする意見があります

不確実な遺伝子組み換えとは異なり
ゲノム編集は正確に遺伝子を編集するので
遺伝子を無差別に変えるリスクは少ない

起こしている現象は 自然界で普通に起きている突然変異と同じことで
他の遺伝子を入れ込んでいるわけではないから
遺伝子組み換えよりはるかに安全だ
という意見です


一方で
たとえそうであったとしても
遺伝子改変の頻度は不自然に多くなるので 突然変異とは異なる
という意見もあります


このあたりは 未だ結論は出ていません


また 社会への正確な情報伝達が行われないと
ゲノム編集という技術そのものや ゲノム編集で出来た作物に対し
人々が感情的になり拒否反応を示されるリスクがあります

現在 社会に流通している遺伝子組み換え食品(GMO)に対しても
強固に反対する人々がいます

geed53
geed55


社会的認知が進んでいないゲノム編集では尚更です

実際に 一部の人たちは
ゲノム編集で出来た筋肉隆々の牛を
フランケン牛などと呼び拒否しています

geed54a

ゲノム編集は
なにか人の心にひっかかりを生じさせる

ゲノム編集で出来た動植物を抵抗なく食べられるか?

そうした意識や問いが 人々の心の底にあることは否めない事実でしょう


確かに ゲノム編集された農作物・畜産物に どう対応するか?
意見が分かれるところだと思います

食品として受け入れることが出来るか?
どのような手順を踏んでいれば安心できるか?

未だコンセンサスが得られていません


書き手は 畜産農産物への応用には基本的には許容派ですが
生態系への影響は本当に大丈夫なのだろうかと
不安に思う点もあります

読み手の皆さんは どのように思われますか?


<ヒトへの応用の倫理的問題>

ヒトへの応用は より深刻な課題です


現在の学会のコンセンサスは

体細胞への適応は良いが 受精卵はダメ

というものです


体細胞は
幹細胞から臓器に分化している細胞で
遺伝子編集を行っても 次世代に遺伝子の変化が引き継がれません

しかし 受精卵に遺伝子編集を行うと
次世代に遺伝子の変化が引き継がれてしまいます

それはリスクが大きい というのが 学会の意見です

geed54


受精卵の遺伝子改変・ゲノム編集を行っても良いか?

大きな問題です

倫理的な問題はないのか?
将来 問題が起こらないと言えるのか?

geed56
geed57


この問いは

*人間とは何か?

*人間は その体にどこまで人為的に手を下しても良いか?

という 哲学的な問題を提起しています


長くなりそうなので 次回に続けます

 

2018.12.05更新

CRISPR/Cas9を用いたゲノム編集について もう少し詳しく解説します


<CRISPR/Cas9の作用機序>

繰り返しになりますが このシステムは
CRISPRとCas9というふたつの役者の働きにより稼働します


@CRISPR

ヒトU6ポリメラーゼIIIプロモーターで発現されたガイドRNA(gRNA)で
編集の標的とするDNA配列に相補的なRNAを作製することにより
目的とするDNAに結合できるようにgRNAを設計します


@Cas9ヌクレアーゼ(DNA切断酵素)

目的とするDNAを切断するハサミ役です

geed35

このふたつを共発現させた運び屋(プラスミドDNA)を
細胞や受精卵に導入して
特定の標的DNA配列を切断するのです


切断されたDNAは働かなくなり
特定の遺伝子のノックアウトが簡単にできます

また 切断した場所に別の遺伝子を入れることもできます

導入したいDNAを加えておけば
切断の修復過程で その遺伝子DNAが取り込まれてつながるのです

つまり 切る 壊すだけでなく 編集ができるのが
このシステムの大きな特徴です

geed40


CRISPR/Cas9が作用したDNAは
切断された部位の修復を繰り返すうちに
修復ミスが生じて数塩基の変化が生じてきます

するとCRISPERは標的DNAの認識ができなくなり
切断が終了します


動物の種類 細胞の種類により用いられるCRISPR/Cas9が異なります

細胞に入りやすく 細胞内で働きやすくするための
プラスミドの改変等により
日々 新たなバージョンのCRISPR/Cas9が作製されています

最近では Cas9とは異なる
より小型で細胞内に導入しやすいDNA切断酵素も開発されています


実際の実験作業は 誰にでも出来るほど簡単で

*目的にあったCRISPR/Cas9プラスミドをオンラインで購入し

*狙うDNAに相補的なガイドRNAを合成し

*それをプラスミドに組込んで 細胞に振りかけ48~72時間培養する

こうした工程だけで 目的とするゲノム編集が簡単にできます


<オフターゲット作用>

CRISPR/Cas9の代表的なリスクが オフターゲット作用です

CRISPRが認識する標的DNA配列は On-target と呼ばれますが
(図で Perfect target と示されている部位)

同じ塩基配列を有するDNA部位は 遺伝子の他の部位にも存在し得ます
(図で ? で示されている部位)

geed41

こうしたDNA部位は Off-target と呼ばれ
染色体のさまざまな部位に存在している可能性があります
(下図の赤で示された部分)

geed42


こうした標的DNAとは異なる部位に存在している
Off-target DNAをも切断してしまう現象が オフターゲット作用です


オフターゲット作用を避けるには
標的DNAのなかで 他に同じ配列がないユニークな配列を狙って
CRISPRの相補RNAを設計する必要があります

geed43


しかし それでも従来の方法に比べ
はるかに効率よく狙った遺伝子だけをピンポイントで変えるため
多くの研究者はより安全性が高いと考えています


<ゲノム編集が行われる場面>

CRISPR/Cas9を用いたゲノム編集は
実際にどのような目的で どのような分野で 行われるのでしょう?

@農水畜産物の品種改良

農作物では

*病原菌に耐性のあるイネ

*芽の毒性を低くしたジャガイモ

*腐りにくいトマト

といった 効率的に品種改良を行った作物の作製が試みられています

geed44


また畜産物では

*筋肉量が増えた肉牛

geed45

*身が大きくなった鯛

geed46

などが 実際に作製されています

いずれも
筋肉の過度の成長を抑えるタンパク質・ミオスタチンの遺伝子を
ゲノム編集で切断することで 筋肉の量が増えます

geed47


筋肉の細胞数が増えたり
細胞ひとつひとつの大きさが大きくなりますが
せいぜい2倍程度でとどまることが多いようです

それ以外にも

*飼育しやすいように角をなくしたウシ

*ゲップをしない牛 炭酸ガスによる環境汚染が抑制できる

*熱病に強い豚

などの作製も 試みられています


将来的には

*筋肉量だけでなく 味や栄養面での改良

*不飽和脂肪酸の含有量がより多い魚 ビタミンをたくさん含んだ魚

*おとなしいマグロ

なども 作製の対象にされています


但し
こうしたゲノム編集で品種改良した農水畜産物の安全性の検証は
これからの課題です


@ヒトでの遺伝子治療や再生医療への応用

ひとつの遺伝子の異常で発症する遺伝病は
ゲノム編集により病気の原因となる遺伝子を破壊することで
効率よく発症予防できると考えられます

geed48


また HIV(エイズ)やがん治療への応用も試みられています

HIV感染症では
エイズウイルスの受容体であるCCR5遺伝子の切断により
体内でのHIVの感染増殖を抑制する治療が試みられています

geed49

がん治療では
発がんメカニズムの解析や がん免疫療法への応用が期待されています


また ゲノム編集とiPS細胞の組合せによる
難病の治療も試みられています

パーキンソン病 筋ジストロフィーなどの難病患者の
体細胞(皮膚など)からiPS細胞を作り 細胞レベルで病気を再現させ
その細胞にゲノム編集を行い 原因遺伝子を修復するという試みです


geed49a


ヒトの体にCRISPR/Cas9を投与する場合は

*注射によりCRISPR/Cas9を組織内に入れる

*定期的に注射を繰り返す

といった手順が想定されています


このように
CRISPR/Cas9用いたゲノム編集の難病治療への応用が
大いに期待されています

 

2018.12.04更新

2013年にゲノム編集の世界を一変させる
CRISPR/Cas9 という新たな画期的な技術が開発されました

geed31


開発したのは
カリフォルニアのジェニファー・ダウドナ博士(写真左)
フランス人のエマニュエル・シャルパンティエ博士(写真右)です

geed32

彼女達の発見に次いで
同じ年にアメリカ・ボストンのブロード研究所のフェン・チャン博士
マウス・ヒト細胞でのCRISPR/Cas9の有効性を確認しました

geed33

彼女達は 近い将来ノーベル賞を受賞するに違いないと言われています


<CRISPR/Cas9とは?>

目標とする特定のゲノムの破壊や置換を可能にする
フレキシブルかつシンプルなシステムで
特異性が高く毒性が低いという 願ったり叶ったりのものです

その基本は

ゲノムの好きな場所 狙った部位に
Cas9と呼ばれるDNA切断酵素を持って行くことができる技術で

目的とする特定の遺伝子の発現を編集することができます

geed34


その成功率は

従来の遺伝子導入初期のゲノム編集技術と比べてはるかに高く
受精卵や微生物にも応用可能です


受精卵にCRISPR/Cas9を注入するだけで
植物でも動物でもヒトでも とても簡単にできます

一度に複数の遺伝子を改変することも可能で
60カ所の遺伝子が編集できたという報告もあります


<発見の経緯>

CRISPR/Cas9の正体は 古細菌に存在するDNA配列です

20年以上前の1987年に日本人の石野良純博士が
古細菌に特徴的な繰り返し配列を有するDNAが存在することを
発見しました

しかし その時点では
この繰り返し配列のDNAがどのような働きをしているのかは
明らかでありませんでした


エマニュエル・シャルパンティエ博士とジェニファー・ダウドナ博士は

この繰り返し配列のDNAが
古細菌のウイルスに対する免疫システムであることを発見しました

geed33a


細菌はウイルスに感染するので
一度感染したウイルスを排除する免疫システムを有しています


この繰り返し配列はCRISPRアレイと呼ばれ

繰り返し配列の真ん中に
過去に古細菌に感染したウイルスの遺伝子断片(スペーサー配列
が存在していて

同じウイルスが古細菌に再び感染・侵入すると
古細菌のCRISPRアレイ中に存在する
そのウイルスの遺伝子配列(スペーサー)がガイド役になり
CRISPRアレイがウイルスに結合します

そしてCRISPRアレイに連結している
DNA切断酵素Cas9を用いて ウイルス遺伝子を切断します

このようにして古細菌は
過去に感染したことがあるウイルスの再感染を防いでいます

まさに古細菌の免疫システムです


そして この仕組みを発見したシャルパンティエ博士らは
CRISPRアレイとCas9からなる
特定のDNAを認識して切断するシステムが
ゲノム編集の新たな手段になる可能性を思いついたのです


<構成要素>

CRISPR/Cas9は CRISPRとCas9の結合体です

geed35


CRISPRは ガイドRNAで
その正体は TCCCCGC・・GCGGGGA 配列の繰り返しです

ガイドRNAが目的とするDNAに結合するように
目的とするDNAに相補的なRNAを・・の部位に仕込んで
CRISPRを設計します


Cas9は DNAを切断する制限酵素=ハサミ です

CRISPRに仕込まれたRNAが認識して結合したDNAを
Cas9が切断します


このCRISPRとCas9の複合体を作り 細胞に導入して実験に用います


<ゲノム編集の実際>

CRISPRとCas9の複合体が細胞内に導入されると

まずCRISPRに仕込まれた 目的とするDNAに相補的なRNAが
相手のDNAの目的とする部分を見つけ出して結合します

その後 Cas9が
相補的RNAが結合したDNAを切断します

geed36


除去したい部分が切断されたDNAは
自然に断端同士がくっついて修復されますから
目的とする部分は 完全にきれいに除去された形になります

また 切断した部分に別のDNAを組込みたい場合は
ターゲッテイングベクターを用いて容易に導入できます


<お手軽なCRISPR/Cas9システム>

現在は 自分が切断したいDNAに結合できる CRISPR/Cas9を
オンラインで簡単に注文でき 価格はたったの65ドルです

1日の注文数は平均200件以上で
世界38か国へ輸出されているとのこと

また 簡易キットも発売されています

geed38


上述したように このシステムは
初期のゲノム編集技術のZFN TALENと異なり
ガイド役のタンパク質を設計する必要がなく

CRISPRに目的とするDNAに相補的なRNAを仕込むだけで
特異的な遺伝子編集を簡単に行えます

特別な技術も必要としませんので
まさに 簡単でお手頃 誰にでもできる技術なのです


最近は このような DIY do it yourselfキット も発売されているようで

geed39

ちょっとびっくりです!  

 

 

2018.12.03更新

外国人から見た 日本文化のおかしな点

前回は茶道と相撲について論じられましたが 今回のお題は 

お笑い

日本のお笑いについて論じるのは
テレビで見かけることが多いタレントのパックンさんです

stw01

彼はハーバードで比較宗教学を学んだ経歴の持ち主です

比較宗教学 面白そうですね!(笑)


さて パックンは日本に来た当初
日本のお笑いの面白さが全く分からなかったそうです

そんな彼が やがて日本でお笑いの道を進むことになるとは
なかなか面白いのですが

それはさておき


パックンが「コメディーの原点」と自負するアメリカでは

芸人さんはひとりで 権力者やセレブを突き落とすようなネタを語り
そうした ”体制に歯向かう芸風” は
健全な民主主義のために不可欠な存在だと 考えておられるそうです

うーん お笑いと民主主義が結びつくとは 思いもよりませんでした(笑)

ちなみに そうした芸人さんは
Politicl comedian と呼ばれるようですね

stw02


だからパックンは

一発ギャグやリズムネタばかりが目立つ日本の芸風の面白さは
全く理解できなかったし

ボケと突っ込みの両者がいないと存在できない漫才という形式にも
違和感を覚えたそうです

stw03

なるほどねえ


確かにアメリカでは アカデミー賞授賞式などで
有名なコメディアンさんが
ひとりで司会をして舞台進行を取り仕切っていますが

彼等が聴衆の笑いをとるネタは 
往々にして 日本人にはその面白さが理解できないような(苦笑)
きわどいものが多いそうで

stw04

パックンは この点でも日米のお笑いの大きな差異を感じていて

日本ではネタの禁止領域が広すぎる と指摘します

アメリカの芸人は
人種や宗教の違い 下ネタなどを題材にすることが多いのに
日本では そうしたネタは使えない と言うのです

stw05


日本では民族や宗教の多様性が少ないし
国民性が上品だから仕方ないのかもしれないと

誉めているのか 揶揄しているのかわからない(笑)
そんな解釈をされていますが

それにしても強い制約を感じる と言われます


日本では 言論の自由は保証されているし 禁止事項もないのに
どうして風刺ネタがほとんど出てこないのか?

それは 目に見えない一線を越えた時の制裁を 肌で感じているからだ

と 指摘します

stw06


一線を越えた風刺を行うと

stw07


企業は怒り そのために広告が無くなり
政治家が怒り そのために取材が行えなくなったり
規制法案が検討されたりもする

stw08


それが日本のテレビ業界で お笑いや芸人が置かれた立場なので
日本のお笑いは 政治や社会的問題に触れることはほぼ皆無

欧米では ほぼ毎日 テレビで政治系お笑い番組が放送され
芸人が権力者を物笑いにして 国民と体制のパワーバランスに貢献し
社会のご法度に触れ 議論を広げる役割を担い
大きな影響力を発揮している

そんな状況とは好対照だと パックンは語ります

stw09


そして 議論をこんな風に話をまとめます

日本は忖度の国で 体制側からの圧力はスゴイから

体制や規範にチャレンジするようなネタで笑いをとる
アメリカンスタイルの芸風でなく

人を傷つけない 怒らせない 平和的なお笑いをとる芸風が
成熟しているのだと


最後は ずいぶん好意的にまとめてくれましたが

パックンが指摘したように
確かに日本のお笑いは 食い足りないというか 刺激がないと
書き手も思います

見聞きして”ニヤッ”と感じるタイプのお笑いが少ない

だから個人的には
あまりテレビでお笑い番組を見ないのかもしれません


一方で 社会規範やモラルに対する批判は
SNSなどのアンダーグラウンドな世界では繰り広げられ
その過激さには目を見張るものがある と聞きます


こうした両極端な状況は どうも不健全な気がします

政治や社会問題を上手に揶揄して笑いをとるような芸風が
日本でも成熟してくると良いなと
ひねくれ者の書き手は思ってしまうのですよ(苦笑)

 

2018.12.01更新

ちょっと書き手さん 私がこんなに見つめてあげているのに
何でコンピューターの画面なんて見ているのよ?

kss01

どうせまた つまらない自己満足のブログを書いているのでしょう?

読み手の皆さんは ゲノム編集なんかに興味ないわよ!

楽しみにしているのは「土曜日のネコブログ」なの!

kss02

ちょっと 全身で語っているのだから こっちを見なさいよ!

ホラ!

kss03

うーん 楓さん ホントに語っているようですね(笑)

しょうがないから かまって差し上げますか?

kss04

あ そうそう 良いわね!
ヒゲの根元あたりを優しく撫ぜられるのは好きよ!

ついつい 後ろ足も出ちゃうわ(笑)


kss05

気持ちいいとペロペロもしちゃうのよね!


朝だから お顔も洗わないとね!

kss06

よいしょ ナメナメ ゴシゴシ!

kss07

楓さん 今日の天気予報は?

あれ ネコが耳の上から顔を洗い始めると晴れで
下から洗い始めると雨でしたっけ?

kss08

どっちか忘れちゃったから
そんなこと どうでもいいわ!


さてと そろそろ起きますか

kss09


書き手さんのお腹の上に乗って コンクエストしないとね!

kss10


そうそう この前 医院のスタッフの皆さんに
動画を載せるようにアドバイスされていたでしょう?

ちゃんとやったの?


ハイ たった今 頑張りました!

クリックして 誘うシッポの微妙な動きを どうぞご堪能ください!(笑)


最後に少しグルグルと喉を鳴らしているのを  聞き逃さないでね!


2018.11.30更新

医院の看板と入口の表示を 新しくしました!

2014年にリニューアルオープンした際に 最初に入口のデザイン 

clien02

しばらくしてから表の看板のデザインを

clien01

それぞれ決めたため 両者が統一されていませんでした


それと 当院では
日本に住んでおられる外国人や 観光などで訪れた外国人にも
診察をしていますが

これまで看板等に英語表示がなかったのですよ

当院のHPではEnglish pageを設けていますし
外国人向けの医療機関紹介サイトにも掲載していただいているので
外国人の患者さんが来られることが少なくありません

アメリカ ヨーロッパ アジアの国々をはじめ
最近は中南米からの患者さんも来られたりします

観光客より
日本に住んで生活しておられる人の方が多いかもしれません

それと 意外に女性が多い


ということで 英語の表示は必要だなと思っていた矢先に

東京都が「外国人患者受入れ体制整備支援事業」の一環として
観光庁が実施している「訪日外国人旅行者受入れ医療機関」を対象に
英語表示の看板等の設置に補助金を検討するというお知らせがきて

当院は「訪日外国人旅行者受入れ医療機関」に指定されているため
これを機会に看板などに英語表示を入れて一新しよう
という運びとなりました

国や都は 2020年オリンピック対策や 外国人観光客数増加を目指して
こうしたことを積極的に行っているようです


で デザイン会社さんにお願いをしたのですが
最初にいただいた案では こんな感じのマークが入っていて

clien03

うーん なんだか 免税店 土産物店 飲食店のような感じで(笑)
ちょっと違和感があったので 遠慮させていただきました



そして先日 まずは入口のデザインの変更

作業しているところを見せていただきましたが
シール方式になっているので 意外に簡単にはがすことができます

clien04

そして 新しいデザインはこれ

clien06

表の看板と色調を統一して 英語表示も加えました

オレンジ色なので以前より明るい感じがすると 身内受けは良いです!(笑)


それから 表の看板

看板そのものを取り替えるのかと思っていたら
こんな風に 新しいシートを上張りしていくのですね

clien11
clien12

ちょっとビックリでした(笑)


真ん中に英語表示を入れて こんな具合です

clien07

外国人の患者さんにも わかりやすくなったでしょうか?


ちなみに スタッフさんたちは
Diabetes Endocrinology Hepatology Gastroenterology
の意味がわからないと言っていましたが
糖尿病 内分泌 肝臓病 消化器病の英訳です

clien08

確かに 内科を意味するInternal Medicineは見聞きしたことがあっても
Diabetesなどの専門的な単語は
初めてご覧になる方も多いかもしれません


ということで 入口と看板のデザインも変わって ちょっと気分一新です!

clien00

待合室で外国人の患者さんを見かけることもあるかもしれませんが

彼等彼女達は異国で体調不良になって余計に不安でしょうから
視線が合ったらちょっと微笑みかけていただくだけで
気持ちが安らぐと思います

そんなプチ国際交流もお楽しみください!

  

前へ

entryの検索

カテゴリ

高橋医院 メールでのお問い合わせはこちら 高橋医院 メールでのお問い合わせはこちら