左利き肝臓専門医ブログ

2018.06.20更新

糖尿病では 大血管障害により 
足にさまざまな病変が生じやすい ので注意が必要です

というのも

下肢への血行が障害されると 歩行障害や潰瘍 壊疽を起こし
重症化すると 下肢の切断につながってしまうからです

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@特徴

*潰瘍の有病率は 0.7%  欧米では1.5~10%

*再発が多い

*7~20%が下肢切断に至ってしまう
(非糖尿病患者さんの8倍 アメリカでは下肢切断の60%以上が糖尿病)

下肢切断者の生存率は低い

このように 頻度はそれほど高くありませんが

ひとたびなってしまうと
下肢の切断という 命に関わるリスクを背負うことになります

下肢切断後の5年以内の死亡率は なんと約70%にも及びます

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@他の合併症のリスクファクターになる

ご多分に漏れず 下肢の合併症も
他の合併症のリスクファクターになります

総死亡率は 1.89倍 
心筋梗塞のリスクは 2.22倍
脳梗塞のリスクは 1.14倍

にそれぞれ増加します

また うつ病 感染症 慢性腎障害も増えることが報告されています


つまり 下肢の病変が存在するということは
細小血管症 動脈硬化症が進行した結果と考えられる
さまざまな全身の合併症を有していることが示唆されるので
充分な検査を行うことが推奨されます


@病因

以下の3つの要因が関与しています

*血管障害

血流が悪いので白血球などが集まりにくく
小さな傷でも化膿しやすくなり 壊疽が起こり
末梢動脈疾患(PAD)合併による虚血性潰瘍では 
神経性潰瘍より切断率 予後が悪いです

*神経障害

知覚神経が麻痺して痛みを感じないので
病変に気付かず 傷や感染を放置して悪化し
壊疽が起こってしまいます

血管障害よりも 頻度としては多いと考えられています

*感染症

足の化膿によって生じる局所の感染から 全身に菌が回ってしまい
とても危険な病態になってしまいます

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@誘因


意外なことに 靴擦れが最も多く69%で
熱症が19%
ついで 外傷 感染症 乾燥・亀裂などが誘因となります

前述したように 知覚が鈍麻していますから
靴擦れや火傷の痛みに気がつかず 放置されてしまうのです

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@できやすい場所

*甲 くるぶし の 靴擦れ

*足裏 踵 の まめ

*指裏 の ウオノメ

*爪 の 真菌症

*指の間 の 水虫

こうした部位に出来やすいので注意が必要です

また 深爪によって菌が入ることもありますから 要注意です

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@治療

*血管障害には

内科的には 末梢循環改善薬が用いられ
外科的には バルーン療法 バイパス術などが行われます

また
血管の再生を促す再生治療 血管増殖を促す遺伝子治療などの先進医療も
試みられています


*神経障害には

抗菌剤の投与が対症療法的に行われ
病変部の安静 免荷 保護も行われています


@対策

足の定期的な観察による 早期発見 フットケアが大切です

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特に 皮膚の状態 変形のチェックが重要で
指の間の観察も忘れてはなりません

発赤 乾燥 肥厚 角化 ウオノメ 白癬症 爪の病変 水疱 潰瘍
などの有無を確認します

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また 歩行時に足を引きずるようなことがあると
太い血管に動脈硬化性の変化が生じている可能性がありますから

そうしたことがある場合 すぐに医療機関を受診してください

 

 

2018.06.20更新

書き手は非国民です 申し訳ありません!

だって 絶対に負けると思って
昨晩はテレビを見ずに 早く寝てしまいました

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で 朝 起きて びっくり!

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えっ コロンビアに勝っちゃったの?!


ホント?

日本代表の選手の皆さん サポーターの皆さん
本当におめでとうございます!

斜めにかまえて
シニカルなコメントをしていた天邪鬼な書き手を
どうかお許しください(苦笑)

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それにしても
まさか日本に負けるなんて思ってもいなかったであろう
コロンビアの監督

記者会見では さすがに目がうつろでしたね

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でも 懲りない書き手は
反省もせず ついつい こちらの方に目がいってしまい、、、(再苦笑)

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あ 再度 どうも申し訳ありません

セネガル戦は 正座して観戦するようにします(再々苦笑)


ちなみに 書き手が留学していたときのボスは コロンビア人でした

マニュエル 今頃 怒ってるかな?(笑)


2018.06.19更新

これまで 糖尿病の細小血管の障害による合併症である
糖尿病性神経障害 網膜症 腎症
について解説してきましたが

今日は 比較的太い血管が障害される 糖尿病性大血管障害について説明します

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<糖尿病性大血管障害とは?>

糖尿病では 比較的大きな動脈も糖尿病によって障害をうけることが多く

この大血管障害は
糖尿病に共存する事が多い脂質血異常症などの影響が
比較的大きいとされています

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つまり 糖尿病以外でも見られる動脈硬化と同類と考えて差し支えありません

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@大血管障害は 他の合併症のリスクファクターになります

細小血管症と大血管症は 互いのリスクファクターになります
また 血管性認知症の強いリスクとなり得ることが報告されています


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@種類

*心臓に血液を送る血管が障害をうけると 狭心症心筋梗塞が起こり

*脳への血管が障害を受けると 脳血管障害が起こり

*下肢動脈が障害を受けると 閉塞性動脈硬化症が起こります

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@リスクファクター

*高血圧 脂質異常症 肥満 加齢 喫煙 ストレス 冠動脈疾患の家族歴
 などが大血管障害のリスクファクターで
 糖尿病のリスクファクターとほぼ同じです

*上述したように
 網膜症 腎症などの細小血管症は 心血管疾患リスクを上昇させます


@細小血管障害より 早期から出現する

神経症や腎症などが
糖尿病を発症してからある程度の年月を経て発症するのに対して
大血管障害は 糖尿病の早期から発症するのが特徴です

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<狭心症 心筋梗塞>

@糖尿病に合併する狭心症 心筋梗塞には 下記のような特徴があります

*神経障害で解説したように 糖尿病では知覚鈍麻があることが多く
 労作時の狭心痛(胸の痛み)が現れにくいので
 早期発見が遅れがちになります

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*病気の原因となる 心臓を栄養する冠動脈の動脈硬化の範囲が広い

*生命予後や治療成績が悪い

ですから 糖尿病患者さんは 定期的な心電図検査を行うことが必要です


<脳血管障害>

@糖尿病に合併する脳血管障害には 下記のような特徴があります

*高血圧と糖尿病の相乗効果でリスクが上昇する

*細い血管の小梗塞が多発するので
 半身麻痺などの典型的な症状が出にくい

*そのため 無症状で CT検査で初めて診断される例もあります



<対策>

@生活習慣の改善 肥満の是正が有効で
 それによりリスクファクターが減少します

@糖尿病対策

*持続する高血糖が 大血管症の発症リスクと密接に関係するので
 早期からの血糖コントロールが有効です

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*HbA1cの1%の低下で リスクが14%減少します

*低血糖の頻度 血糖変動幅の減少が 大血管の合併を抑制するので
 メトホルミン DPP4阻害薬 SGLT2阻害薬などの
 低血糖リスクが低く 血糖変動幅を小さくする薬剤の使用が効果的です

一方 高齢者や血管合併症進行例での厳密な血圧・血糖コントロールは
逆に心血管イベントを起こしやすくなる との報告もあるので注意が必要です


@高血圧対策 

厳格な降圧療法が有効です

*10mmHgの血圧低下で
 総死亡率が13% 心血管イベント発生リスクが11% 脳卒中発生リスクが27%
 それぞれ減少します

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@脂質異常症の対策

*脂質コントロールも有効です

*高LDL-C血症治療薬のスタチン製剤によるLDL-C 37mg/dLの低下で
 総死亡率が9% 心血管イベント発生リスクが22%
 脳卒中発生リスクが21% 
 それぞれ減少します

*高中性脂肪血症治療薬のフィブラート製剤では 有意差は認められません

*高中性脂肪血症治療薬のEPA
 スタチン製剤の冠動脈イベント発症抑制効果を増強します

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このように 糖尿病性大血管障害を合併した患者さんでは
充分な血糖 血圧 脂質異常症のコントロールが求められますが
そこが上手くいけば 発症進展は抑制されます


2018.06.18更新

サッカーのワールドカップ・ロシア大会が開幕して
世間さまは たいそう賑わっていますが

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書き手としては
ずっとご贔屓のオランダが なんと予選敗退して出ていないし

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日本も3戦全敗かな? なんて思っているので
(サポーターの皆さん 非国民をお許しください:苦笑)
いまひとつ 盛り上がりに欠けます


そして 生来の天邪鬼な性格もあり

興味は この時期に行われている
ラグビーのテストマッチに向います(苦笑)


6月は 北半球 vs 南半球の テストマッチ月間

春にご紹介したように
北半球は 2月~3月にかけて6か国対抗が行われ
見事にアイルランドが イングランドの3連覇を阻止して優勝しました

そして 南半球は
相変わらず 書き手ご贔屓のNZ・オールブラックスがリードしています


6月の毎週末に それぞれ3戦ずつ行われているのが

*オールブラックス vs フランス
*南アフリカ vs イングランド
*オーストラリア vs アイルランド

のテストマッチです


16日には それぞれの第2戦が行われましたが
書き手はJ-portsのオンデマンドで ライブで楽しむことができました


まずは オールブラックス vs フランス

昨年 日本にも苦戦して不調だったフランス
6か国対抗では少し復調してきましたし
もともとオールブラックスには善戦するチームです

キャプテンは
オールブラックスが怪我のリードに代わり サム・ホワイトロック

ホワイトロック オールブラックスデビューの頃から見ていますが
遂にキャプテン代行になるまで成長されました、、、

対するフランスは 120Kgの巨漢センターのバスタロー
いつも体を生かしたスゴイ突進をする選手です

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さて 最近の書き手の御贔屓選手は ダミアン・マッケンジー

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175cmと小柄ですが まるで牛若丸!

とにかく動きが俊敏で
彼がボールを持つと 思わず身を乗り出してしまいます

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彼は 所属クラブチームのチーフスでは 司令塔のスタンドオフをしていますが

オールブラックスのスタンドオフには
2年連続して世界最優秀プレーヤーの栄冠に輝いている
ボーデン・バレットが君臨しています

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しかも 今シーズンは
オールブラックスのロック フルバックに弟たちが選ばれ
3兄弟で一緒にプレーしているのですよ

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第1戦でも フルバックはダミアンが入ることが多かったのに
バレット弟が先発して ダミアンは控えスタート

ダミアンは途中出場して大活躍しましたが どうして先発じゃないの?

まあ 確かに スタンドオフとしての安定度は
バレットに一日の長があるとは思いますが

でも ダミアンのトリッキーなプレーも面白いと思うけれどなあ、、、


で 第2戦では バレットが早々に怪我で退いたこともあり
ダミアンがずっとスタンドオフでゲームを仕切り
バレット弟のトライも演出して

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見事にフランスに連勝!

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でも オールブラックスの出来は イマイチだったかな?

試合後の論評でも
ダミアンは陣形が崩れたときには エクセレントな仕事をするけれど
未だ発展途上である というような評価をされていました

ダミアン 頑張って欲しいなあ!



さて ヨーロッパチャンピオンのアイルランドとオーストラリアの戦い

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第1戦はワラビーズ(オーストラリア)が勝ちましたが
アイルランドのスタンドオフのセクストンが復帰した第2戦は

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シーソーゲームになりましたが しっかりとアイルランドが勝ち切りました

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北半球のラグビーは南半球に比べて
連続性やスピード感に劣っていて面白くないと感じていましたが

さすがは6か国対抗を制しただけあって
アイルランドラグビー 流れも見事で面白かったです

来週の第3戦が楽しみです


そして イングランド vs 南アフリカ

第1戦は42-39で 南アフリカが接戦をものにして勝利

2015年のワールドカップで
監督として日本代表を率いて南アフリカを下した
名将エディ・ジョーンズさん

彼が監督に就任してから
テストマッチ18連勝と破竹の勢いだったイングランド

まさか 南アフリカに敗れるとは とびっくりしましたが

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なんとこの試合でも 南アフリカに終始ペースを握られてしまい

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しかも 連覇が途切れた6か国対抗でもみられたような
余計な反則を繰り返してばかりで
元気者のイトジェのファイトも 空回りです

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ということで 23-12のスコアで連敗して 意気消沈

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なんと 6か国対抗から テストマッチ5連敗になってしまいました

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イングランドのマスコミでは
エディさんの進退説も噂に昇り始めたとか

来週の試合で3連敗したら マジでヤバイかも?

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どうしたエディさん? どうするエディさん?

もしかして これも
来年に迫ったワールドカップを見据えての 敢えて計算ずくの低空飛行なの?

 

2018.06.16更新

立派な桐の箱

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高級メロンが入っていそうですが
箱のなかには こんな可愛い表紙の冊子が入っていて

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出てきたものは コレ

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陶器で出来た ネコさまたちのお水飲み容器です


前回ご紹介しした 素敵なキャットツリーを作っているRINNさんは
こんなものも作っておられます

その名も オシャレに IZUMI

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獣医師さんと相談されて
ネコがいちばん楽な姿勢で水を飲める高さになっているそうで

なんと 徳島の窯元で 4日間かけてじっくりと焼かれたものだそうです

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権威ある研究機関 International cat care の報告によると

ネコの食器に使われる素材は
陶磁器が最も適しているのだそうです


我が家でも これならお値段的にも手が届きそうなので さっそく購入

いつも使っているガラスの水飲みと 並んで置いてみました

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どちらの容器のお水が 先に減るでしょうか?(笑)


そういえば ビールもグラスでなく陶器で飲むと美味しいそうで
ツウは 陶器のジョッキで楽しまれるそうですが

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うーん 書き手は どちらも美味しいように思えます(苦笑)


で いちばん最初に IZUMIでお水を飲まれたのは このネコさん

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なあに コレ? 新しいものね!


さすが 何にでも興味津々のローズさんです


まずは 品よく 肉球につけて味見して

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美味しかったようで 本格的に口をつけて飲まれていました

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他のネコさんたちは どちらがお好みかな~?(笑)

 

 

2018.06.15更新

忖度の話を続けます


なぜ日本社会では忖度がはびこるか?

日本社会には 同調圧力 なるものがあるそうで

皆と一緒でないと不安になる
なんでも横並びが大好き

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例えば
日本の有給休暇消化率は50%で 世界で一番低いけれど
そのかわり 祝祭日の数は際立って多い

ひとりで有給休暇はとりにくいけれど 皆と同じ祝祭日なら安心 ということ

そして
日本のサラリーマン社会が 忖度のクモの糸に縛られているのは
この同調圧力が強いから というわけです


確かに日本人は
他の人と同じだと安心するし
人と異なることを嫌がる 怖がる傾向がありますね

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で 社会で同調圧力が大手を振っているのは 排除への恐怖 が原因で

同調圧力に逆らえば 組織から排除されかねないという恐怖があり
排除されないようにするためには 皆と同じようにするのがいちばんで
だから無意識のうちに自己規制が働いて 圧力に従う

日本人は 大きくてブランド力のある組織に属すると安心できるけれど
一方で ひとたび属すると
今度は排除への恐怖がとても強くなるのです

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別の見方をすると

主語を 一人称単数から 所属組織に明け渡してしまう傾向が強く

自分で判断するより 忖度のネットワークのなかで
周囲の希望や意向を推し量りながら
それに沿って生きることを好む傾向がある

そうすれば 自己責任を感じずにすむし  さらに社会や組織から高く評価される


うーん 耳が痛いかも?(苦笑)


ここで 山本七平さんの 「空気」の研究 という論文が引用され
前回も登場した“空気”と 同調圧力の関連が語られます

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つまり

まわりの人々の暗黙の同調圧力が 空気になり
その空気が 人と社会を支配するほどの大きい影響力を持つのが
日本の社会の特徴で

空気が強い社会では 忖度の必要性がさらに増す


この空気は
まことに大きな絶対権を有した妖怪のようなもので

非常に強固で 絶対的な支配権を有する判断基準となり
あらゆる議論や主張を超えて 個人を拘束する

その前では 論理的な分析や論証は一切吹っ飛んでしまい
あらゆる議論は 最後は空気によって決定される

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空気によって ロジカルな判断ができなくなってしまう

うーん 怖いことです、、、


一方で
空気に抵抗するものは 異端として社会的に葬り去られるので
人は何も言えなくなる

特に最近の社会では 空気の支配が強まっていると
著者は危惧されています


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でも 書き手は思うのですが
誰が 何が どのようにして 空気を形成するのでしょう?

そんなことを疑問に思っているようでは
空気に敏感にもなれないし
忖度上手にもなれないのでしょうか?(苦笑)

 

2018.06.14更新

今日は 糖尿病性腎症の 症状と対策について説明します


<症状>

かなり進行した状態になるまで
ほとんど自覚症状がないのが 腎症の特徴です

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ですから 厄介なのです


病期が進行してくると さまざまな症状が現れてきます

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しかし
こうした症状が出てくる前に発見し 治療を開始しなければなりません

そのために 以下のような検査を定期的に行います



<検査>

@尿検査

タンパク尿をチェックしますが
 はじめのうちは 出たり出なかったりする場合が多いです

*タンパクが常に出続ける状態になると ある程度 腎症は進行しています

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@尿中微量アルブミン

*この検査により
 従来の試験紙法でタンパク尿陽性となる以前に
 異常を検知することが可能になりました

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*早期診断のマーカーで
 透析 腎移植 eGFR半減 顕性腎症への進展リスクです

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*糸球体における
 基底膜のアルブミン透過性の亢進 尿細管での再吸収の障害
 により生じ
 血管内皮細胞障害も反映します

*尿中アルブミン・クレアチニン比 30mg/g・Cr以上が陽性
 30~299mg/g・Cr範囲が 早期腎症

*この時期に血圧や血糖のコントロールなどを厳重に行えば
 腎症の進展が阻止できる可能性が高いことがわかってきたため
 この時期で発見することが大変重要と考えられています

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*採尿条件で変動するので 複数回実施する必要があります

*高血圧 メタボリックシンドロームでも生じます


@eGFR

*腎機能を評価する簡便な方法です

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*eGFR(mL/min/1.73m2
 = 194 x Scr(mg/dL)-1.094 x 年齢-0.287(女性はx 0.739)

という数式で計算され 低い値だと 腎機能の低下を示します

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<対策>

@まだ腎機能低下がみられない早期から 厳密な血糖コントロールを行えば
 腎症の発症・進展が抑えられます

@微量アルブミン尿の時期に発見して
 血糖コントロール 血圧の管理を徹底して 進行を予防するよう努めます

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@食塩摂取制限

*食塩摂取による血圧への影響=食塩感受性は
 正常アルブミン尿期に比し 微量アルブミン尿期以降で亢進しているので
 食塩制限は有効です

@高血圧のコントロール

*病期に関わらず 腎症の進展抑制のために重要です

*降圧剤の
 アンギオテンシン変換酵素阻害薬 アンギオテンシンⅡ受容体拮抗薬
 その降圧作用とは独立して
 微量アルブミン尿 タンパク尿を減少させる効果があり
 他の降圧剤に比し有意な腎保護効果があり 腎症の進行予防に役立ちます

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@脂質異常のコントロール

*脂質異常症治療薬の スタチン フィブラート
 ともにアルブミン尿抑制効果を示す可能性が指摘されています

*スタチンは eGFR低下の抑制効果も期待されています



<糖尿病性腎臓病 という新しいコンセプト>

@最近 アメリカなどでは

「糖尿病性腎臓病  Daibetic kidny disease : DKD」

という新しい概念が提唱されているので 紹介します

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@海外では
 尿タンパク陰性でも 腎機能低下が進行する糖尿病患者さんが急増していて
 そのような患者さんは

*腎機能低下が高度になるまで タンパク尿が出現しない

*タンパク尿が改善しても 腎機能低下が進行する

*腎機能が低下した糖尿病患者さんの66%が 正常アルブミン尿だった

といった特徴を有しています

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@そうした患者さんが増えてきた要因として

*血糖コントロールの向上 RA系阻害薬の普及などの治療法の進歩

*寿命延長による
 腎機能低下への動脈硬化性因子(腎硬化症)の関与の相対的強まり

が推定されていて


従来の糖尿病性腎症を内包する
 より大きな疾患概念としての糖尿病性腎臓病

 というコンセプトが提唱され

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*より早期から タンパク尿とともに
 eGFRによる腎機能のフォローを欠かさないことが 提唱されています


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経過が長い糖尿病患者さん 特にお年を召した方では

タンパク尿だけを指標にするだけでなく
腎機能(eGFR)も早期からcheckしていく必要があるようです


 

2018.06.13更新

今日は 糖尿病性腎症 の説明をします

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<糖尿病性腎症とは?>

神経障害 網膜症と並ぶ 糖尿病の細小血管症の三大合併症のひとつで
 糖尿病発症後10~15年を経過する頃から認められ
 糖尿病の死因の約15%を占めます


@現在日本では 人工透析を行っている患者さんは約8万人おられますが
 そのうち糖尿病性腎症の患者さんは43.5%で  第1位です

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 また 新たに人工透析を導入される原因の第1も 糖尿病性腎症です

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@腎症は 他の合併症のリスクファクターになり

*腎症患者は 心血管疾患の合併率が高く 死亡頻度も高い

*腎機能(GFR)低下とアルブミン尿は
 心血管疾患の独立したリスクファクターである

*網膜症 足病変の合併頻度が高い

ことが明らかにされています


@糖尿病性腎症では 腎臓の中心的な働きをする糸球体が障害されます

糸球体は血液をろ過して老廃物を尿に排出する部分ですが

それを栄養する細小血管が 持続した高血糖により障害されて
腎機能障害が生じてきます


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腎臓の働きが悪くなると

*アンモニアなどの老廃物が溜まる

*水分が溜まり浮腫がおこる

*血液が酸性に傾く

*貧血が起きる

*カルシウム代謝に異常が起こり 骨がもろくなる

*血圧が上昇する

といった不具合が生じます

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<病期>

病態の進行の程度により 下記の6期に分かれます

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@腎症前期

*尿中のアルブミン(通常は尿に漏れないタンパク質)は陰性
*腎機能(GFR)は正常 時に高値 

@早期腎症

尿中にわずかにアルブミンが漏れ出す微量アルブミン尿を呈する
*GFRは正常 時に高値

@顕性腎症前期

*尿中タンパク質の量が増えて顕性蛋白尿の時期を迎え
 通常の検尿で検出できるようになります
*持続性タンパク尿は 1g/日未満
*GFRは ほぼ正常 60ml/分以上

@顕性腎症後期

*尿中に漏れ出す量が多すぎると
 ネフローゼ症候群となって体の機能の維持に支障を来す
*放置していると 次第に尿中の蛋白排出が増加し
 ついには1日何グラムもの量になります
GFRが低下し始め 60ml/分未満になる
*この時期になると
 一般には1~2年くらいのうちに腎機能低下が顕著となり
 腎不全となります

@腎不全期

*持続性タンパク尿
*腎機能のマーカーである血中クレアチニンが上昇してくる
*GFRが著明に低下する
*老廃物や不要物を尿中に排泄する働きの障害が現れる
*下肢の浮腫 心不全
 尿毒症(腎症で排泄できない毒素が体内に溜まってくる状態)を
 起こしてきます

@透析療法期

*人工透析や腎臓移植などの治療を受けるしか手がなくなります

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このように 腎症の進行にともなって
徐々に尿にタンパク アルブミンが漏れ出してくるようになり
腎機能が低下して 自覚症状が出現してきます 

 

2018.06.12更新

糖尿病性網膜症の 検査と治療について説明します


<検査>

眼底検査を行います

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 進行すると大きな出血斑点があらわれ
 このような変化は眼底検査でわかり 眼底写真で記録されます

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<治療>

@基本は 糖尿病コントロールを強化することです

HbA1c 6.9%未満

FBS 110mg/dL未満

*食後2時間値 180mg/dL未満

を目標にします

但し 治療により低血糖を起こすことは禁物
重症低血糖が 網膜症 腎症の発症の進展リスクを
有意に上昇させてしまいます


@光凝固療法

レーザー光線を網膜の血管にあて
その熱で 細かな血管から血液成分が漏出している部分を固めてしまい
進行を多少なりとも抑制しようとするのが
この治療の原理です

最近では 新生血管があらわれる増殖網膜症の早期はもちろんのこと
前増殖性網膜症の段階でも
光凝固療法を受けたほうがよいと考えられています

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網膜症がさらに進んで
大出血や網膜剥離 網膜の前にある硝子体の混濁などが出現すると
治療は極めて困難で 失明の危険が差し迫ってきます

完全失明をくい止める事を目的として
硝子体手術など 様々な治療が行われていますが
確実な方法はありません


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<対策>


@1年に1度は 眼科受診をすること

特に糖尿病を発症して10年以上経過している方
より高頻度な眼科受診が推奨されます


@リスクファクターである 血圧のコントロールも重要で

*血圧は140/80mmHg未満に維持し

 高い場合は
 レニンアンギオテンシン阻害剤などの降圧薬治療が有用です

*脂質異常症は 有意なリスクファクターではありませんが
 高中性脂肪血症治療薬のフィノフィブラート系薬が
 網膜症の進展抑制に有効との報告があります


妊娠は 網膜症の発症・進展を促進するので 注意が必要です

妊娠により リスクが1.6~2.5倍に上昇し
HbA1c高値 妊娠初期の急激な血糖低下 高血圧が進展因子となるので
早期治療が必要です

但し 出産後には改善し 長期的な進展リスクにはなりません

  

 

 

2018.06.11更新

昨年の流行語大賞になり 最近また世間を賑わせている 忖度

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書き手はお恥ずかしいことに
マスコミで話題になったおかげで
生まれて初めて この言葉を知りました(苦笑)

うーん いい歳をして
これまで忖度しない人生を過ごしてきたのでしょうか?

それとも 意識しないで 忖度してきた?(笑)


ということで お勉強好きな書き手は
片田珠美さんという精神科の先生が書かれた
「忖度社会ニッポン」という角川新書を読んで とても勉強になったので
何回かに分けて内容をご紹介します

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<そもそも 忖度とは何か?>

忖度は

*相手の指示がなくても

*相手の意向 欲望を推し量り

*先回りして満たそうとする

行為のことで

立場の弱い人が 強い相手にすることが多い

意地悪な言い方をすると
地位の低い人に こびりついた習性で
権力者にこびへつらい 自分の地位を盤石にしようとする行為である

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なるほど~!


で 勉強が出来る優等生は 小さい頃から“忖度の達人”で

もともと忖度の能力が高く
その能力で 他人から褒められる成功体験を繰り返して
忖度のうまみを肌身で感じている

そうした優等生が
官僚 裁判官 エリートサラリーマンなどに成長して
彼等が生息する 忖度がはびこる組織で さらに腕を磨いていく

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再度 なるほど~!!


また意地悪な言い方をすると

忖度できる人は
自分の意見を考える習慣がなくなっていることに気付かず
ゴマ擂りが発想の原点になっている人で

物事の客観的な評価 何が正義かの判断ができなくなり
権力者の力が衰えると 直ちに見捨てられる

うーん 手厳しいですね!(笑)



で 忖度がはびこる組織

一般社会から隔離された世界で
なかでの競争が激しく
懲罰 異動などの不安や恐怖に常にさらされている

そんな環境で 忖度出来る人は
常に 成功や出世への野心と
地位を失うことへの不安や恐怖を抱えているので
ついつい 得意の忖度に磨きをかけてしまう


また そのような組織では
上層部が忖度出来る人を上手く使いこなす

はっきりとした言質を与えず 具体的に指示するような野暮なことはせず
曖昧に言って 部下に忖度させるように仕向ける

お~ 重要なことを具体的に指示するのは 野暮なのですね!(笑)

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さて ここで “空気” というコンセプトが登場します

忖度出来る人は そうした社内の“空気”を敏感に感じることができ
なおかつ それに疑問を感じず
“空気”が導くままに 半ば無意識のうちに自己統制できるので

組織のなかで 偉くなっていける!(笑)

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でも それは
組織内で 社会からかけ離れた判断が横行していくことでもあり

さんざん話題になった大企業での数々の不正は
こうした忖度にまみれた組織が故に 行われてきたのではないかと
著者は推測されています


<なぜ 忖度するのか?>

何といっても 自己防衛のため

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まわりに波風を立てたくない
権力者に気に入られたい 嫌われたくない 怒らせたくない

そうした思いから 無意識のうちに相手の顔色をうかがい
相手が何を望んでいるか察知し 先回りしてそれを満たそうとする

そして 他人の評価や評判に過敏に反応してしまう


一方で 忖度への見返りへの期待もあるけれど
忖度しても報われないことも多々あることも現実

そこが 人生の不条理な点でしょうか?(笑)


また 見返りの期待よりも本能的なのが 承認欲求

子どもの頃は 他人に誉められたいから忖度して
そして 忖度できる子は 良い子 気が利く子と 誉められる

大人になると 他人に認められたい 評価されたいから忖度して
そして 忖度できる大人は 忖度社会では出世していく

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でも そうした人たちは

他者の欲望を満たそうとするあまり
自分が何をしたいのかわからなくなり
アイデンティティーの危機に陥るリスクがある

また 忖度疲れにも陥ってしまう

周囲に対する対他配慮性が優れている人は
気配りが出来て 他からの評価が高いが そのせいで疲れてしまうことが多い


対他配慮性は 社会生活を送るうえで不可欠で
それがないと 自分勝手で傲慢な人間になりやすいけれど
その原動力が承認要求だけだと 自分を失ってしまうリスクがある

なるほど


*忖度とは何か?

*なぜ忖度するのか?


*忖度出来る人は どんな人か?


*忖度が幅を利かす組織は どんな組織か?


なんとなくイメージできた気がします


でも 忖度って 良いことなのか 悪いことなのか?
どちらなのでしょう?

この文脈だと ネガティブ感にあふれていますが
相手の気持ちを慮ること自体は 悪いことではないのでは?

読み手の皆さんは どう思われますか?

 

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