左利き肝臓専門医ブログ

2017.05.27更新

前回に引き続いて
キャットシッターの草分け 南里さんのインタビュー記事を紹介します


猫は 人の感情や気持ちに敏感なので
こちらの不安や緊張が 猫の健康に影響を与えるようなこともあります
猫は自分を映す鏡だと考えたらわかりやすいと思います

もし近寄ってこなかったら
私ちょっとイライラしてるのかも ごめんね 気づかせてくれてありがとう
といった受け取り方をすると 猫との関係が変わってきます


はい これは 思い当たる節が大いにあります

書き手がいちばん印象的だったのは

仕事が上手くいかず ふて寝していたら
ローズがそっと添い寝してくれたことです

普段は 寝ている体の上を縦横無尽に元気に蹂躙していくのですが
こちらが落ち込んで元気がないときは そっと添い寝してくれる

ネコはヒトの気持ちがわかるのだな と実感しました

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ちなみに お酒を飲み過ぎたときは 誰も寄ってきません(苦笑)



南里さんは 昨今のネコブームについて こんな感想を述べられます

あまりに過剰な猫ブームは早く終わってほしいと思います

猫は人間のために存在する動物ではなく 猫は猫として生きているので
人間が勝手に癒しを求めるのは違うと思います


なるほど

ヒトの勝手な自己満足的なネコブームは どこか変なんじゃないの?
という警鐘ですね

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それから どうしても今みたいなブームになると

やたらに猫を大事にして「猫様」にしてしまう人が増えるでしょう?

人の方も下僕になる方が簡単なんです

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再度 なるほど~ です!

確かに 経験的に言っても 下僕になる方が簡単かもしれません
さすがの鋭いご指摘です



でも 猫と人は対等であるべきだと私は思います
とはいえ この対等というのが 結構難しいんですけどね

人間が成熟して猫と対等な関係でつきあえるようになったら
お互いの暮らしの質も良くなると思うんですよ


はい 我が家も共同生活の長い時間を経て
ようやくネコsと 少し対等の関係が築けてきたかな とも思いますが

ネコsも そう感じてくれているかな?(笑)


対等の関係を構築するには
「擬人化」ではなく「擬猫化」してみることですね

よく「擬人化」して人間の気持ちを投影して
「ひとりぼっちでお留守番させて可哀想~」などと思ってしまいがちだけれど

それは猫の習性を理解せずに
感情移入だけが過剰になっている状態だと思います

逆に自分が猫だったらどうされたい?と考えてみましょう

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これは 人とネコの関係に限らず
人と人の関係においても重要なことですね

もし自分が相手の立場だったら どう感じるだろう?

そう思って行動することは とても大切なことですが
でも 忙しい日々のなかでは それが意外に難しかったりする

自戒 自戒で    次回に続きます(笑)



2017.05.26更新

一時代を築いたグローバル自由主義経済が 行き詰っているかに見える現代

そうした現況を どう打破していけばいいのか?


グローバリゼーションによって引き起こされた
2008年のリーマン・ショック 金融危機

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その対策で脚光を浴びたのが ケインズ理論です

書き手も さすがにケインズは知っています(笑)

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ケインズは 1929年の世界大恐慌に際し

社会の安定のために最も恐れるべきことは 失業者の増大で

これを回避するために
国は借金をしてでも市場に巡らせ 仕事を作るべきである

という理論を展開しました


このケインズ理論は 2008年のリーマン・ショック後に再び喧伝され
世界各国が行った金融緩和政策の理論的背景になりました


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しかしシャルマは

ケインズ理論が誇張されて悪用されている と説きます


危機のときは借金しても良いが 好況になったらそれを返さないといけない
経済が回復してきたのに いつまでもケインズ理論にしがみつくのはおかしい
単に赤字の正当化にケインズ理論を使っているだけだ

と 現在 多くの国で行われている金融緩和政策を批判し

負債を返し終わらないと 危機は終わらないのに
ウオールストリートの発想は あまりにも近視眼的である

と揶揄します

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ケインズもアダム・スミスも
現代の為政者お抱えの経済学者たちに うまく利用されているだけ

ということでしょうか?



こうした現状に対してシャルマは

世界にあぶく銭・イージーマネーが増えていて
このあぶく銭が金融危機後に増大し 資産格差を導きだした

と指摘します

あぶく銭・イージーマネー



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あぶく銭ねえ

確かに金融取引で得たお金は 額に汗して働いて得たお金ではないから
人を勘違いさせてしまうリスクがあるような気がします

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一方 セドラチエックは

既成の理論や支配層が崩壊しつつある現在
新たなパラダイムシフトが望まれていて

ちょっと驚いたのですが

禅的な精神が 混乱した世界を統合する候補になる可能性がある

と述べるのですよ


さらに驚いたことに 対談していたシャルマも呼応するように

儚さ 永遠なものなど何もなく全ては過ぎ去っていく
そうした禅的な感覚こそが これからの経済活動を導くバックボーンになる

と言うのですよ


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えっ ここで禅が出てくるの?

また 勉強しないといけないことが増えました(苦笑)


でも 欧米人に禅ファンは多いですね
隣の芝生は青く見えるのかな?(笑)



さて 行き詰まりを見せている 欲望おもむくままの自由主義経済

それに代わる新たなシステムは どんなものなのでしょう?


三井物産の社長さんは
欲望の資本主義でなく 持続性があり人に優しい資本主義が必要と語り

日本のベンチャービジネスの育英者の原丈人さんは

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イノベーションの重要性を説かれるとともに

企業が得られた利益を株主だけに還元せず社会全体に還元する仕組みの
公益資本主義こそが 21世紀の資本主義であると述べられます

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こうした文言は 最近あちこちで見聞きすることが多いですが
でも 具体的にどうやっていったらよいのか まだファジーな気がします



セドラチエックは 最後に再びケインズに言及し

彼は 
マネー自体が 人の心の底に潜む欲望の対象物であることを見抜いていて
現在の欲望資本主義を予見していたのかもしれないと述べます

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しかし それが行き詰まり
今まで信じていたものが信じられなくなった現在の世界では

経済におけるアインシュタイン的な価値観の変革者
新たなケインズが求められているとし

社会システム全体を 従来にない形で変革する経済学の必要性を強調します


また IT時代は経済が抽象化していて
それに伴い 欲望も物質世界から抽象世界に移っているので
具体的な変革の道筋を模索するのは大変かもしれないと危惧します



一方 スティグリッツは最後に

資本主義は 人の金への追求により支えられているのに
それだけでは前進しないことが究極の皮肉である と述べます

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うーん なんだか 
それこそまさに 禅問答のようですね(苦笑)



そして番組は この一文のテロップが流れて終わります

欲望は無限で 満たされることを望まない

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ほらね 欲望が問題だって 最初に言ったでしょ?(笑)

でも うーん 欲望

どう付き合っていけば いいのでしょう?



2017.05.25更新

糖質制限ダイエットをしていると

糖質の代わりに 脂肪酸から変換されたケトン体
エネルギー源として利用されます

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一方 糖尿病のコントロールが悪いとケトン体が増えて
血液が酸性のアシドーシスになり命にかかわるので
ケトン体は危険だと見做されていることを解説しました

前回も言及しましたように

確かに内科医としては
ケトアシドーシスは怖い 危険だ  というイメージがあります

というか そのように教育されています

ですから書き手も
糖質ダイエットでケトン体が増えてくるという話を読んだとき

えーっ 大丈夫なの? と 素直に思いました(笑)



しかし 色々と勉強してみると

*健康な人の血液中にケトン体が増えてくること と

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*糖尿病のコントロールが悪い状態で
 ケトン体が増えてケトアシドーシスになること は

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異なる現象のようです

ケトーシス と ケトアシドーシス は違う!


糖質がない状態では ケトン体が増えてきてエネルギー源として使われる
つまり 健康な人でも血中のケトン体が増えることがある

ということを 少なくとも書き手は 医学生の頃に勉強しなかったので

ケトン と聞いただけで
ケトアシドーシス 怖い という条件反射を起こしてしまったのです



では 健康な人の血液中にケトン体が増えてくることは 危険なのでしょうか?


健康な人で 糖質を制限したときにケトン体が増えてくるのは
あくまでも生理的な反応で つまり生理的ケトーシスで
すぐに生体内のホメオスタシスが働くので アシドーシスにはならない

一方 糖尿病の患者さんがケトアシドーシスになるのは
ケトン体のせいではなく インスリン欠乏による高血糖のせいで

生理的なケトーシス と 病的なケトアシドーシス は違います

お恥ずかしい話で恐縮ですが 書き手はこのことを知りませんでした
(汗)ですね(苦笑)



害にならないどころか

生体にとって ケトン体が増えることによるメリットもあるようで

ちょっとオタク系の糖尿病専門誌でも 最近はそんな特集が組まれています

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たとえば

血糖値は低下して インスリン抵抗性も改善
さらにレプチン抵抗性も改善して レプチンの働きで食欲が減るそうです

また 話題の長寿遺伝子サーチュインの一部が活性化され
サーチュインが活性化すると
ケトン体が作られるというサイクルもあるようです
(老化やサーチュインの話は 近々中にする予定です)

さらに ケトン体の一種のβヒドロキシ酪酸は
酸化ストレスから体を守る抗酸化物質を活性化する作用もあるようです


ですから ケトン体=悪者 ではない ということのようです

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生理的ケトーシスについて勉強していて興味深かったのが
妊婦さんや新生児のケトン体のことです

妊婦さんは 糖質制限をしていなくてもケトン体が高いそうで
但し アシドーシスにはなっていない

また 
胎児は絨毛で作られたケトン体をエネルギー源として用いており
生まれたばかりの新生児は 成人より血中ケトン体が高い

胎児や新生児 特に神経細胞の発達期には
糖質よりケトン体がエネルギー源として利用されるそうです


また ケトン体を含む食事を用いた治療
*小児のてんかん アトピー 食欲不振
*認知症 アルツハイマー
*一部のがん
を対象に行われ 成果が得られているようです

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再度 お恥ずかしい話で恐縮ですが
生理的ケトーシスについては ほとんど無知だったので
糖質ダイエットについて調べたおかげで とても勉強になりました



ただ エネルギー産生の2プラトンシステムについて
疑問に思うところもあります

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糖質が原料になる糖質系回路にプライオリテイがあり 

脂肪酸がケトン体に変換されるケトン体回路が
糖質系が働かなくなったときにだけ スイッチがオンになるのは
どうしてなのでしょう?

ケトン体がエネルギー源として使われるケトン体回路は
糖質系回路のバックアップに過ぎないのでしょうか?

少しでも脂肪を減らしたいと思っている身としては
普段から脂肪を燃やすケトン体回路も稼働してくれればいいのに
と思ってしまいます(笑)



 

2017.05.24更新

糖質は体にとって重要なエネルギー源なので

糖質を制限する糖質ダイエットでは 
糖質の代わりのエネルギー源が必要になります


ここで エネルギー源となるのが 脂肪です

糖質ダイエットで痩せる理由のひとつが
脂肪がエネルギー源として消費されるので減る ということでした


このときに 糖の代わりにエネルギーの材料になるのが ケトン体 です


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ケトン体は
糖質が枯渇した状態の肝臓で 脂肪酸から変換されるもので


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血流に乗って筋肉や心臓に運ばれ

それらの組織の細胞内で アセチルCoAに戻され
TCA回路でエネルギー産生の材料になります


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糖質ダイエットの是非をめぐる論争では

このケトン体が 大きな主役になっています

というのも

ケトアシドーシスという

糖尿病のコントロールが不良なときに起きてくる
ケトン体が過剰に蓄積して 血液が酸性に傾く

命にかかわる危険な病態があり

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糖質制限でケトン体が産生されるようになると
ケトアシドーシスになって危険だと考えられたからです

糖質ダイエット反対論者からは
今でも そうした危惧が懸念されています



この論争の決着をつける前に
ケトン体についてもう少し詳しく説明したいと思います


ケトン体
糖質不足時の重要なエネルギー源になることを説明しましたが

水溶性なので脳にも容易に到達し
糖質と同様に 脳のエネルギー源としても利用されます


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ケトン体は 肝臓で ケトン体回路という代謝経路で産生されます

糖質がないと脂肪細胞内の中性脂肪が分解され
血中に遊離脂肪酸が放出され 肝臓に取り込まれて
それを原料にしてケトン体が変換されます

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上述したように
ケトン体は肝臓から血中に出て 脳 心臓 筋肉などに運ばれ

それぞれの臓器の細胞内で
アセチルCoAに戻されて TCA回路でエネルギー産生の材料になります

糖質が枯渇(約13時間を要する)してから
4~5時間たつと ケトン体回路が動き始めます


こうした事実から

ヒトのエネルギー産生系は 2プラトンシステムである 

という考え方が提唱されています


2プラトンは

*糖質を原料とするエネルギー産生系(解糖系)
*脂質(脂肪酸)を原料とするエネルギー産生系(ケトジェニック系)

のふたつを意味します

*解糖系は 糖質を摂取したときに 糖がエネルギー源になり
*ケトジェニック系は 糖質がないときに ケトン体がエネルギー源になる

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糖質がある状態だと
インスリンによる中性脂肪分解抑制作用が働くので
ケトン体の原料となる脂肪酸が放出されず ケトン体は産生されません

つまり

*糖質を摂っていると糖質系が動いて 脂質系は休眠しており

*糖質が枯渇すると 脂質系が動き出してケトン体が産生される

こうした 補助的な2プラトンシステムにより
ヒトのエネルギー産生は 制御されています



さて ケトン体が増えることの危険性について 話を戻しましょう

糖尿病のコントロールが悪いと
ケトン体により血液が酸性(ケトアシドーシス)になり危険です

書き手も研修医の頃に夜間当直をしていたとき
糖尿病性ケトアシドーシスで意識が混濁した患者さんが救急車で運び込まれ
真夜中に初めて診るケトアシドーシスの患者さんを
脚を震わせながら必死に治療したことがあり
 
あの夜のことは 今でも強く記憶に残っています、、、

ケトアシドーシスは 内科の医者なら誰もが
一度や二度は 肝を冷やした経験があると思います

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そんなケトアシドーシスを
厳格なアトキンスダイエットを行った糖尿病患者さんが起こされて
亡くなってしまった事例が数例報告されて

糖質ダイエットはケトアシドーシスになって危険だという意見が
世の中に出回りました


では
本当に糖質ダイエットでケトン体が増えてくると 危険なのでしょうか?

話が長くなったので 次回に続きにします



2017.05.23更新

糖質制限ダイエットですから

糖質が減った分のエネルギーを 脂質とタンパク質でどう補うか?

ここが大きな議論のポイントになります


一部の糖質制限ダイエットを推奨する本では

糖質さえ制限すれば あとは何をどれだけ食べても構わない
だから無理せず長続きできる 

と主張されていますが


反対論者からは

そんないい加減なことを言っているから危険だ

というオブジェクションが出ています

糖質制限を行うと タンパク質や脂質の摂取が過剰になり
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」で定めた
タンパク質や脂質の推奨上限量を超える可能性があるので

上限量を超えることの長期的安全性につい
て十分に検討する必要がある

という趣旨です

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日本人の祖先はそれほど肉食をしてこなかったので
体質的に高タンパク質食の有害性が
欧米人より低いレベルで生じる可能性がある

極端な低糖質・高タンパク食が
動脈硬化を促進するとの動物実験結果もある

との注意が促され

タンパク質を多量に摂取するなら
*動物性タンパクより植物性タンパク
*牛乳カゼインより大豆タンパクを多く摂るべきだと
タンパク質の質を問う意見もあります



実際のところ 高タンパク食の影響は どうなのでしょう?

高穀類繊維の食事と比べて  高タンパク食の方が
インスリン抵抗性を高くし
糖尿病リスクを上げるという報告があります

また 高タンパク食により心血管イベントによる死亡率の増加も
報告されています

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さらに 2007年の世界保健機関による報告書では
タンパク質の多い食事は
腎臓疾患患者さんの腎機能を悪化させる明らかな証拠があり

糖尿病 高血圧などによる腎機能低下の可能性があれば
タンパク質制限が行われるべきとしています


また 高タンパク食は 尿中カルシウムを増加させることが立証されており
タンパク質摂取量が結石生成に影響することや
動物性タンパク質が腎結石のリスクを増加させる可能性があるので

リスクのある患者さんでは
安全な量でかつ植物性タンパク質が望ましいとされています


こうした報告をみると

腎臓病を患っておられる方や
糖尿病や高血圧に合併して腎機能低下がみられる方は
糖質制限ダイエットによる高タンパク食は避けた方が良いようです

どうしても糖質制限ダイエットを試みたいという患者さんは
主治医の先生によく相談されたから始めるべきです


また 健康な方でもリスクが発生する報告がありますから
過度なタンパク質摂取は控えた方が良いかもしれません

少なくとも

糖質さえ制限すれば あとは何をどれだけ食べても構わない
ということは決してありません



脂質に関しては

栄養素の説明の項で言及したように
基本的には脂質制限の重要性は否定されています

だからといって タンパク質と同様で
どれだけ食べても構わないということはありません

既に解説しましたように 脂質の質にこだわることが大切

*トランス脂肪酸は摂らないようにする
*ω3系脂肪酸を積極的に摂取する
*肉よりも魚の脂を多めに摂る
*調理に使う油をオリーブオイルにする
*間食はナッツ類にする

などといった注意が必要です

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再度 繰り返しになりますが

糖質さえ制限すれば あとは何をどれだけ食べても構わない
ということは 決してありません

この点は 充分にご注意いただきたいと思います

 

 

2017.05.22更新

欲望の資本主義・2017


番組は後半に進んで
現代の資本主義を牛耳るグローバリゼーションについて語ります


ここで新たに登場するのが
モルガン・スタンレーの投資ストラテジスト ルチル・シャルマです

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彼の意見は面白い!


そして 前半に登場したコメンテーターのなかで
そのユニークな意見で存在感を示していたセドラチエック
ふたりで対談を始めます

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NHKさん 良い番組構成じゃない(笑)


シャルマは

グローバルリズム 反グローバリズムは 繰り返す波のようなものだが
現在の反グローバルリズムの流れは強まる一方で しばらく続くであろう

と分析します


それに応えて セドラチエックは

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欧米で隆盛を極めつつある反グローバリズムの動きは
暗く閉塞的で帝国主義的で尊大なフォースのようで

このフォースには アンチ知性・学問の面がある と述べます

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イギリスをEUから離脱させ トランプを新大統領に選んだのは
まさに反グローバリズムの動きに他ならないと思いますが

それをポピュリズムと呼び
ある種の蔑みの評価を下す考え方は
セドラチエックが語るアンチ知性・学問に一致します

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本当にそうした解釈が的を得ているかどうかは 判断が難しいでしょうが



ここで 最初に紹介したエマニュエル・トッドが登場し

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現在の世界を覆う グローバリゼーション・ファテイーグ
自由貿易の限界についてコメントし

反グローバリズムの人々が主張する保護主義経済についても
好意的に論評します


*反グローバル化に希望を見出すべきである
*ネーション・国家という単位だけが 安定や変化を導ける
*保護主義が 世界経済や貿易に悪影響を及ぼすとは限らない

というのです

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その際 彼にちょっとした感情の発露があったのは
既にご紹介した通りです(笑)


さて どうなのでしょう?

経済素人の書き手から見ても
グローバリゼーションの嵐を吹き起こした自由主義経済は
行き詰っているように見えるので

トッドが唱える説には 正直 シンパシーも感じます

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でも  グローバルからネーション(国家)へ
そうした流れが 本当に世界経済を発展させ
人々を幸せにするのでしょうか?

ここ数年で その答えの一端が見えるのでしょうか?

ホント どうなのでしょう?



一方 前述したシャルマは トッドと同様に

ここ何十年か世界を席巻したグローバリゼーションと自由主義経済が
スローダウンしていることを認めます

そして 行き詰った原因を

*先進国の多くで起こっている人口減少
*それまでに経済成長の原動力だった国の借金が限界に達したこと

を挙げ

こうした問題を解決するために 新たな経済モデルが必要であると説きます


一体 どのようなモデルなのでしょう?



2017.05.20更新

キャットシッター界の草分けにしてカリスマ的存在の南里秀子さんが
猫の学校(ポプラ社) というタイトルの 新しい著書を出されたそうです

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我が家にローズとデイジーを ほぼ時期を同じくして迎えたのは

南里さんが書かれた それゆけ キャットシッター! という本を読んで
(この本 面白いです!)

1匹で飼うより2匹で飼った方が
ネコにとっても 飼い主にとっても 色々ハッピー というアドバイスに
なるほどね と同意したからです

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最初にシッテイングをお願いしたときには
南里さんご自身が我が家に来られ 色々とアドバイスをいただきました

現在 定期的に遊びに来ていただいている
キャットシッター まんまる伊藤さん
南里さんの厳しい修行を受けられ 暖簾分けを許されたお弟子さんです

あ 江東区 江戸川区近辺でキャットシッターをお探しの方
是非 まんまるを宜しくお願いします!



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そんなご縁があるので
某雑誌に掲載されていた 新刊発行のインタビュー記事を
興味深く読ませていただきました


で その記事のタイトルが

猫と暮らしても「下僕」になるな

すっかり下僕と化している書き手は 思わずドキッとしましたよ(苦笑)


南里さんは インタビューに答えて 次のように語られます


猫にとって 人は環境の一部なんです

彼らはテリトリーに重点を置く動物なので
猫にしたら 人に飼われているのではなく
自分のテリトリー内に人がいる という認識


人の方が猫目線を持たないと この食い違いは拡大していきます


自分のテリトリー内に人がいる か
確かにそうかもしれませんね

うちのネコsも それぞれがしっかり自分のテリトリーを有していて
書き手たちがそこに入っていくと 特に寝ているときとかは
一体何しに来たの? という視線を投げかけてきます

ネコを飼っている のではなく
同じ空間を共有している感覚かな?

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猫から好かれるコツは
こちらから働きかけるのではなく
向こうから何か要求してきたときにすぐに応じること

一緒に暮らすためには 彼らのペースを尊重できる気持ちの余裕が求められます

無理強いしない 嫌がることをしない
そして猫によって何が嫌かは違うので それを察する力も必要です


はい ネコsとの共同生活も15年ちかくなってきたので

彼女達がどんな気分でいるか 
どんなことをされたくないか どんなことをされたいか
かなり理解出来てきました

そして我が家の場合は
3ネコそれぞれの個性も 把握できているかな?(笑)

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ただ 必要に応じて注意を向けることは大切ですが

猫は自立した精神の持ち主ですから
過保護や過干渉にならないように気をつけましょう

確かに最初の頃は 書き手側に過干渉の傾向が強かったと思います

特に書き手は ネコを飼うのが初めてだったので
ついつい 昔飼っていたイヌと同じような感覚で接してしまい
色々と鬱陶しい思いをさせてしまったのではないかな?(苦笑)

南里さんが言われるように

ネコとヒトは共同生活者ですから
自分の状況 相手の状況を 相対的に見ながら
接していくことが大事なのでしょう

でも 最初のうちは それが難しかったのも事実です(苦笑)

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続く

 

 

2017.05.19更新

スティグリッツ

アダム・スミスの「見えざる手」を
時代にフィットしないと切り捨てたあと

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資本主義は 産業革命で大規模化した


つまりイノベーションにより
経済活動が大規模化 生産効率も向上した と述べ

経済成長におけるイノベーションの重要性を強調します


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しかし 手放しでイノベーションを礼賛するのではなく

イノベーションや研究開発が 社会に果たす役割を
考えないといけない

と 釘を刺します


新しいテクノロジーが
社会に どんなに新しい市場や大きな利益をもたらしたとしても

それが社会に価値があるかどうかを 慎重に見極めないといけない

イノベーションが切り開く新しいプラットフォームは
将来的に労働者の仕事を奪い 賃金も下げる可能性がある

と警鐘を鳴らすのです



確かに最近は

新たなテクノロジー・イノベーションの代表選手と見做されている
人工知能・AIが活躍する社会では 

多くの仕事がAIに奪われ
人の雇用が減少するリスクが指摘され 

そうした危惧が まことしやかに論じられています

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ところがここで ベンチャー企業経営者のスタンフォード

そんなイノベーションに対するネガティブな評価を一蹴します(笑)

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新しいイノベーションによる 従来のシステムの創造的破壊により
古い産業を駆逐し新旧交代をはかり
市場を乗っ取り利益を得ることが 我々の目標である と

生々しく えげつないまでに イノベーションを礼賛するのです


今起きていることは
新しいテクノロジーによる第4次産業革命であり

単に経済に衝撃を与えるだけにとどまらず 種の進化の瞬間である

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労働を基本としたシステムから 高度に自動化されたシステムへの移行
という大変化であり
従来の経済評価指標の生産性や雇用率などでは評価しきれない


そうしたシステムの変化により
世の中の半分の人が職を失うかもしれないが

仮にそうなったとしても
その状況を 多くの人が汗水たらして働かなくて良い環境と捉え

資本主義とは異なる 新しい社会システムを構築しないといけない

と主張するのです

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えーっ そこまで言うか?

というか シリコンバレーの最前線のベンチャー企業家は
自分たちが切り開いた未来の先に

労働というものを重要視しない 新たな社会システムの構築まで
考えているのですね

これは書き手にとって ちょっとカルチャーショックでした

びっくりしました

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そして イノベーションが 新たな欲望の担い手になるのかな?

とも思いました



ちなみにスタンフォードは 番組の最後で

自分の情熱の源は 金でなく テクノロジーへの愛である

と語っています


それもまた 偽りのない気持ちなのでしょう

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イノベーションかぁ、、、



2017.05.18更新

臨床医学系の学会が有する大きな役割のひとつに

病気の診断や治療に関するしっかりとしたガイドラインを作成して
コンセンサス・指針をつくる

ことがあります

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その昔 書き手もお手伝いしたことがありますが 本当に大変な作業です

日本全国の医師が このガイドラインをもとに日々の診療を行うと思うと
ひとつの言葉 ひとつの数字たりとも おろそかにできませんでした



そんな学会は
今や隆盛の糖質ダイエットを どのように評価しているのでしょう?


アメリカ糖尿病学会の見解は 下記のように変遷してきました

*2007年までは「糖質制限食(130g/日以下)は してはいけない
*2008年には「糖質制限食は カロリー制限食と同様に減量に有用である
*2012年には「糖質制限食は 血糖管理や脂質改善にも有効である

ここ10年あまりで
糖質ダイエットの評価が大きく前向きに変化しているのがわかります

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そして2013年には
過体重の糖尿病患者さんの体重減少のために 2年以内の短期間の
*低炭水化物食
*低脂肪食
*カロリー制限食
*地中海食
を推奨していて 

減量のために糖質ダイエットを2年ほど行うことは
推奨されるに至りました

但し 低炭水化物食では 腎機能 脂質状態 タンパク質摂取量の監視と
適切な低血糖治療が必要であるとしている と注意もしています


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2014年の栄養に関する勧告では
*他の炭水化物源よりも
 野菜 果物 全粒穀物 豆類 乳製品からの炭水化物の摂取が
 良好な健康状態に必要である とされ

*炭水化物では
 低いグリセミック負荷の食品が血糖値を少々制御するとして推奨し

糖質を含む食材の種類にまで踏み込んで言及しています

そして 糖質の比率は
全エネルギー比率の40%未満が望ましいとしています



では 日本糖尿病学会の評価はどうでしょう?

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2013年に出された日本糖尿病学会
「日本人の糖尿病の食事療法に関する日本糖尿病学会の提言
 ~糖尿病における食事療法の現状と課題~」では

日本人の肥満の是正と糖尿病予防に関しては

*運動療法とともに積極的な食事療法と
*総エネルギー摂取量の制限(カロリー制限)

が基本で もっとも重要であるとし

カロリー制限なしの炭水化物摂取制限は
長期的な食事療法としてのエビデンスが不足しているため
(腎機能障害例での有効性・安全性も確認されていない)
現時点では薦められない 

と言及しています

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また 炭水化物摂取に関しては
日本人の平均摂取比率と同様の50~60%(150g/日以上)
程度の比率を目安とし

高血糖以外の病態も考慮する必要があるため
どのような糖尿病合併症を持っているかによって増減するべき 
としています

また 1日に最低130gは摂取すべきと勧めています


炭水化物のエネルギー摂取比率を50~60%とするエネルギー制限食は
日本人の嗜好性に合い遵守性も担保できる食事療法である
と 評価する一方で

極端な糖質制限食は リスクがないことが証明されていないので
現時点では推奨できない

というのが 日本の糖尿病学会のスタンスのようです


そして結語では

日本人の伝統的な食文化を基軸にしながら
現在の食文化の変化にも対応した食事療法の在り方を考えることが重要とし
新たなエビデンス構築が必要だと主張しています


この日本糖尿病学会の提言に対し

糖質ダイエットを推奨する原理主義的な方たちは 厳しい評価をされ
現実路線の方たちは 一定の評価をされているようです


書き手は糖尿病学会員ではありませんが 勉強して感じたのは

アメリカの学会がここ10年あまりで
糖質制限ダイエットを認める流れで動いてきたので
日本の学会も認めざるを得なくなってきたのかな

ということです

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確かに1日50g以下の厳しい糖質制限は
持続可能性や長期リスクに疑問点がつくため
現実的には1日150g程度の制限が妥当と考えますので

日本糖尿病学会の提言は 現実的なものに思えます



2017.05.17更新

糖質ダイエットの理論的背景わかったけれど 実際に効果はあるの?

懐疑派が心配している 長期に及ぶ糖質ダイエットの健康への影響はないの?

気になるところです


<短期間での効果>

開始した当初は 実際に体重が減少する場合が多いようです

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ただ 糖質の代わりに脂肪・ケトン体がエネルギーとして使われて、、、
という 以前説明した想定されている理論によって減ったというより

糖質をとらないことで カロリー摂取量が減少するため
と考えられています

現在 日本で推奨されている食事内容の半分以上は糖質なので
糖質制限すれば 当然カロリーは減るということです

書き手はときどき 大戸屋さんでランチをいただきますが
あそこのメニューにはカロリー表示がされていて
ご飯抜きのおかずだけのカロリーも併記されていますが

ご飯・糖質がないと おかずの種類によっては
カロリーが半分くらいに減っています

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なるほどです


また 6カ月の時点で
体重が減るだけでなく血糖も中性脂肪も改善します

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しかし 最初の6ヶ月間は体重減少したけれど
1年間では有意な差が見られなかったとの報告があります

初期効果があるのは間違いないけれど
どうやって持続させるかが 大きな問題のようです



<長期の糖質ダイエットの健康面への影響>

10年以上の長期的な影響では 死亡リスクが高いという報告が複数あり

糖質制限によるタンパク質・脂質の摂取量増加の影響と推測されています

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特に 極端な低糖質・高タンパク質食では
心筋梗塞などの心血管疾患のリスクが60%も増加し
死亡率は4%増加するとの報告があります


また 糖質制限とタンパク質・脂質の過剰摂取は
糖尿病の発症リスクも高めるという報告もあります


一方で 国立がんセンターが 糖質ダイエット開始10年後に行った調査では
女性では糖質の摂取が少なく タンパク質・脂質の摂取が多いほど
糖尿病発症のリスクが低下する傾向が認められたという報告もあります


糖質制限で脂肪をたくさん摂取すると 女性ホルモン分泌過剰に繋がり
乳がんの発がんリスクを増やすとの報告もあり
普通の女性が厳しい糖質ダイエットをするのは危険と警告されています


ただ 長期の糖質ダイエットのリスクを明らかにした検討では
アトキンスダイエットのような厳しい糖質制限をしているケースが多く

1日糖質摂取量150g程度のマイルドな糖質制限の長期継続の悪影響は
明らかにされていません


また最近は 長期の糖質ダイエットの危険性を訴える一部の論文に対する
信頼性に疑問も投げかけられています

論文の多くは メタアナリシスという
過去に発表された論文のデータをまとめて再解析する手法が用いられていますが

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データ解析に利用された論文のなかには信憑性が不充分なものがあり
そうした場合はメタアナリシスで導きだされた結論は信頼できない
という批判です


このように学会レベルでも議論がわかれていて
糖質制限の長期継続の影響は 現時点ではまだはっきりしない


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というのが事実のようです



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