左利き肝臓専門医ブログ

2017.09.25更新

バイエルンは ドイツ南部にある ミュンヘンを首都とする州です

フライ・シュタットというニックネームが示すように
お堅いイメージがあるドイツのなかでは
自由で開放的な文化が栄えています

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観光名所として有名なノイシュバンシュタイン城を建て
ワーグナーの世界に心酔しすぎて身を滅ぼした
狂王とも呼ばれたルートビィヒ2世が治めた地方でもあります

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そんな文化の誉れ高いバイエルンの国立歌劇場が
この秋 アジアツアーを行い 日本にもやってきました

持ってきたオペラの演目は 魔笛 と タンホイザー

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実は ホントは行く予定はなかったのですよ

だって 日本で開催される海外有名歌劇場のオペラのお値段は
バレエや音楽会に比べて とてもエクスペンシブ!!

毎回 どうしてこんなに高いのかな? と 不思議に思うほどです(苦笑)


でも ちょっとした幸運が舞い降りてきて
9/23・魔笛の日本初演日のチケットを入手することが出来たので
ホントに久し振りに 日本で海外歌劇場のオペラを見てきました

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バイエルン国立歌劇場の マジック・フルート

実は約四半世紀ほど前にハネムーンで訪れたミュンヘンで
現地の知人の招待で観に行って以来なので
なんだかとても懐かしく 楽しみにしていきました

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久し振りの上野の街には こんな旗がはためいていました

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魔笛 

モーツアルトの最大のヒットオペラですが
なんといっても ちょっと意味不明なワンダーランド的な
まるでおとぎ話の世界のようなお話で

それこそ 今回一緒に持ってきたワーグナーのタンホイザーのように
確かに感動はするけれど 重たくてくたびれる世界とは好対照です

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ちなみにタンホイザーにも結構魅かれたのですが
いやいや ワグネリアンになるには まだまだ修行が足りません?

日本人のワーグナー好き ワグネリアン振りについては
また別の機会に蘊蓄しようと思います(笑)


でも 考えてみたら オペラって
楽しくて夢のある世界が描かれることが 少ない気がします

結構 悲劇が多いですよね

高いお金を払って 気分が落ち込むような世界を観に行くより
コスパが良くてハッピーな気分になれるバレエを観に行く方が良いや
と いつも思っているのですが(笑)


その点 魔笛は良いです!


で 実際の舞台ですが とても華やかな演出で素敵でした!

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ただ 魔笛のストーリーって ホントに妙で

第1幕では
主人公のタミーノが 夜の女王に
悪の帝王ザラストロから娘のパミーナを助けるように命を受けるわけですが

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第2幕になると
悪いのは夜の女王で ザラストロは実は良い統治者であることがわかり

そのザラストロの命令で タミーノとお付きのパパゲーノは
沈黙の修行 火や水のなかをくぐる鍛錬をして
遂にパミーナの愛を得てハッピーエンドになりますが

なんだか その修行や鍛錬のあたりが どうもうさんくさく感じて、、、


大体 どうして沈黙がそんなに重要なの?

パパゲーノと同じようにおしゃべりな書き手は
ついつい そう思ってしまいます(笑)

よく言われるように
モーツアルトもメンバーだったというフリーメイソンの影響なの?と

いつものように 書き手は物事を真っ直ぐに見られないのですよ(苦笑)

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まあ 舞台は美しいのですが


あと ちょっと 夜の女王の迫力が足りなかったかな?

個人的には 魔笛は
タミーノやパパゲーノでなく 夜の女王が主人公だと思っていて(笑)

夜の女王が 1幕 2幕で歌う2回のアリアを聴きにいくもの

という認識でいるのですよ

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特に2幕で パミーナにザラストロを殺すように強く迫るシーンは
なんとなくマゾ的な気分でアリアに聴き惚れる

これが正しい魔笛の鑑賞の仕方だと 勘違いしているので(笑)

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演出的にも 歌唱力的にも もうちょっと迫力満点だと良かったです


ということで
久しぶりのオペラの世界 存分に楽しむことができました

チケット入手にご協力いただいた方 有難うございました!


幕間のロビーでは あまり着飾った方はおられなかったのが意外でした

それだけ 海外からのオペラ公演が日常的なものになったのでしょうか?

それにしては まだチケットの値段が高すぎるです
どうしてバレエとこんなに違うのよ?

と 最後までセコク感じる書き手なのでした(苦笑)


ところで マジック・フルート

その音色で動物たちを自在に操れるようですが

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我が家のウンコテロリストも その笛で矯正できないかなと
上野からの帰り道で 糖尿病専門医さんが呟いておられました(笑)



2017.09.23更新

はい 楓さん 起きてください!

えっ 日曜日なのに
どうして朝早くから起こされないといけないの?

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寝起きを襲われて 楓さん ご不満そうですが
スミマセン 今日は3年に1回の ちっくんの日なのですよ

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10時半に病院の予約をしてありますから
久し振りにキャリーに入ってお出かけですよ!

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えーっと ウンコテロリスト矯正用のしつけ教室は 3階で、、、

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あ これは ワンコのしつけ教室でしたね 失礼!(笑)


楓さんが入るのは こちらでした

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診察室の壁には こんな素敵な絵がかかっていました

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おや 楓さん 診察台の上で 神妙にしているじゃないの?

全く いつもながら 外面はイイのだから(笑)

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でも 後ろにおられる 白衣の先生の存在にきづいているかな?


ねえ トモノさん 私 これから何をされるの?

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大丈夫だよ すぐに終わるから!

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あれ 楓とトモノさん

最近は 楓がトモノさんの部屋でテロすることが多いので
仲が悪いのではなかったっけ?

トモノさん 優しいね!(笑)


さて 楓さん 頑張ろう!

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ちっくん!!

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はい もう おしまいです!


泣きもせず 暴れもせず 頑張ったね!
えらい えらい!

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看護婦さんが ご褒美のバンダナを巻いてくださいました!
どうもありがとうございます!


家に帰ると ローズに
あんた 消毒液臭いわよ! と チェックされていました(笑)

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あ~あ とんだ1日だったわ!

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楓さん お疲れさまでした

それにしても ピンクのバンダナ お似合いだね!(笑)



2017.09.22更新

書き手の最近のお楽しみは 毎週末に開催されている
The Rugby Championship

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ニュージーランド オーストラリア 南アフリカ アルゼンチン
南半球のラグビー強国が リーグ戦形式で南半球王座を決定する大会です

もともとは NZ AUS 南アの3か国で行われていましたが
力をつけてきたアルゼンチンが数年前から加わり 今の形式になっています

この大会 BS放送のJ-Sportsでライブ放送をしていて
オンデマンドで好きなときに見ることもできるので とても重宝!
J-Sportsさん ありがとうございます!


さて 書き手のご贔屓チームは ずーっと昔から

NZ の All Blacks

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2015年のワールドカップで優勝したときは
このブログでも 興奮気味に喜びを書かせていただきました(笑)


で 先日 アルゼンチン戦をライブで見始めたら
なんと スターティングメンバーに懐かしい名前を発見!

ウイングの  ミルナー・スカッター

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2015年ワールドカップで 
キレキレのラン 変幻自在なステップを連発してトライを重ね
All Blacksの優勝に大きく貢献しましたが

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その後 怪我が続いて代表から離脱していて
あの走りにインパクトを受けてファンになっていた書き手は
寂しい思いをしていたのです


そんな彼が やっと怪我が癒えて この試合で2015年以来の先発復帰!

スター復活です!

メンバー紹介を見て 思わず手を打ちましたよ!(笑)


で お約束通りのキレキレの快走を見せてくれての 復活トライ連発!

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今後の活躍が楽しみです

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All Blacksは 2015年のワールドカップ優勝を花道に
キャプテンやスタンドオフなどの主力メンバーがごっそり引退したので

2019年に日本で開催されるワールドカップでの3連覇に向けて
新たなチーム作りが試行錯誤されている真最中です

綺羅星のごとく人材が豊富なNZですから
いったいどんなメンバーでバックスラインが構成されるか楽しみですが
ミルナー・スカッターの復活は 個人的には嬉しい限りです!



そして この試合では 新たなスターも誕生しました

フランカーでAll Blacksデビューした ヴァイア・フィフィタ

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凄い! 速い! 強い! びっくりしました!!

ボールをもらうと一瞬で加速して マークする相手の選手を置いてきぼり

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そして タックルを強烈なハンドオフでいなして

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相手に正面からぶち当たってなぎ倒し

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ライン際を快走して タックルされても倒れず そのままトライ!

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まさに ぶっちぎり!!


解説者が

速すぎる! 強すぎる! ブリリアントなスター誕生だ!

と絶叫していましたが まさにその通り


いやー 凄いタレントが出てきてしまいました!

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これで フォワード第3列のメンバー争いも激しくなって楽しみです


懐かしいスターの復活 新しい凄いスターの登場

その両方を目のあたりにすることが出来て
All Blacksファンとしては とても幸せな夜になりました!



2017.09.21更新

ドパミンは 中枢神経系に存在する神経伝達物質で
交感神経系のホルモンのアドレナリン ノルアドレナリンの前駆体でもあり
運動調節 ホルモン調節 快の感情 意欲 学習に関わる脳内物質です

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前回紹介した 
中脳腹側被蓋野と大脳基底核の側坐核が司る食欲の報酬系調節系
このドパミンが仕切っています

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そして 厄介な依存性が生じる機序にも ドパミンは深く関わっています

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報酬系調節系の基本は
中脳腹側被蓋野で ドパミンが合成されて
それが側坐核へ投射されることです

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側坐核がドパミンを受取ることが 快楽の中心となりますが

側坐核は受け取ったドパミンを放出して
前頭連合野 扁桃体 帯状回 視床下部 海馬などの脳の部位に
情報を伝えます

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報酬系調節系のドパミンシグナルには さまざまな物質が影響を与えます

大脳皮質の前頭連合野で喜ばしい体験・経験を感じると
中脳腹側被蓋野に興奮性のグルタミン酸を送り ドパミンを作らせます

アルコール ニコチン コカイン アンフェタミンなどは
ドパミンの産生や作用を増強させますが

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食欲抑制作用があるレプチンは ドパミンニューロンを抑制します

レプチンの受容体は中脳腹側被蓋野にも多く発現していて
レプチン刺激により ドパミン放出量が減って 側坐核のドパミン濃度が減り
快楽は抑制されます

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摂食中枢の食欲促進系のオレキシンニューロン
中脳腹側被蓋野のドパミンニューロンを活性化しますが

摂食中枢のもう1種類の食欲促進系ニューロンのMCH
逆に側坐核のドパミン系を抑制し
オレキシンによるドパミンニューロン活性化も抑制します

恒常性調節系による快楽系の制御機構は複雑です



さて 厄介な依存性の発生には ドパミンの枯渇が関与しています

過剰な快感・快楽刺激が持続すると
ドパミン受容体の減少 ドパミンシグナル強度の低下が起こり
ドパミンによる側坐核への報酬刺激が減弱してしまいます

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このため
以前と同じ報酬を得るためには より多くのドパミン分泌が必要になり
よりたくさん食べないといけなくなります

こうして 依存性が形成されてしまいます

ちなみに 食欲の依存性は 薬物のそれを凌駕するもので
ラットの実験では 薬物依存は3日で消失しますが
食欲依存は2週間たっても残存します

恐ろしいものです



一方 肥満したヒトでは
ドパミンの放出や ドパミン受容体発現が 低下しています

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中脳腹側被蓋野から側坐核に放出されるドパミン量が少ないので
摂食終了後も なかなか快感・満足感が得られず
その結果 よりたくさん食べるようになってしまいます

肥満のヒトは まさに食欲依存性になっているわけですね



また 食事内容も 報酬系調節系に影響を及ぼします

ジャンクフードや高脂肪食を食べていると
報酬系におけるドパミン合成・分泌が低下してしまい

食べても満足が得られない まさに依存性の状態になり
ますます ジャンクフードや高脂肪食を食べ続けることになります


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以前 砂糖に対する習慣性・依存性を紹介しましたが
砂糖の常習的な過剰摂取でも
同じような報酬系の変化が起きているのかもしれません


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逆に 健康的な食事は 報酬系を鍛えるとされています

減量プログラムで半年間 健康で低カロリーな食品を食べ続けた人は
報酬系領域でのドパミン合成・分泌が増えて
ヘルシーな食品を食べたときの報酬が増加し 喜びを示すようになりました

それと同時に 不健康な高カロリー食品への報酬は低下したそうです

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ジャンクフードや高脂肪食の
何がどのように 報酬系でのドパミン合成・分泌を低下させ

健康で低カロリーな食品の
何がどのように 報酬系でのドパミン合成・分泌を低下させるのか

とても興味深いところです



2017.09.20更新

これまで説明してきたように
生物の食欲は 生命維持のために起こってくるもので

体内の栄養・エネルギーレベルにより規定され
視床下部・脳幹で制御されます

これを 恒常性(ホメオスタシス)・メタボリックハンガー調節系 と呼びます


しかし ヒトは他の生物と異なり
恒常性調節系とは別の食欲調節系を有しています

栄養・エネルギーレベルでなく 食の快楽・欲求により規定され
本能的な恒常性調節系を凌駕してしまう調節系

それが 報酬系(快楽性)・ヘドニック調節系です

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この独特の調節系を理解するために
まず脳内で快感を得る 報酬系 というシステムについて説明します

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報酬系は 快楽中枢と呼ばれ

何かをしたい という欲求刺激の増加により ポジティブな情動が生起され
その行動が維持され さらに増加していく現象を司ります

ある行動を行うことにより 欲求が満たされると
ヒトの脳内には 快楽が発生します

この 行動により快楽が発生する現象は 報酬を得る と表現されます

だから 報酬系


そして この快楽により
ヒトはもっと その行動をしたいと欲するようになります

こうなると 快楽を求める欲求は 意志の力を超えてしまいます
報酬を得る行動は 意志の力では止められなくなってしまう


そして 依存性が生じてきます

ある行動をすると報酬が得られることが続くと
ヒトはもう その行動をすることでは
快楽を得ることが できなくなってしまいます

飽きてしまうのです


そこで 快楽を得るために
もっと激しい行動をするようになる

これが 依存性の発生です

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快楽を得るための報酬系の活動 そして依存性の発生は

薬物依存などで起こりますが 食欲でも起こるのです

報酬系の活動により
恒常性調節を超え 体内の栄養・エネルギー状態を無視して
ひとえに快楽を得るために
もっと食べたいと思うようになってしまう

そして 食べて快楽を得ることに依存性が生じて
さらにもっとたくさんのものを食べるように
エスカレートしてしまう

恐ろしいことです


この報酬系は

中脳・腹側被蓋野 と

大脳基底核の側坐核 が司ります

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簡単に説明すると

中脳・腹側被蓋野ドパミンという脳内神経伝達物質が合成され

それが側坐核に投射され 側坐核がドパミンを放出することで
報酬系の活動が起こってきます


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このシステムの詳細は 次回説明しますが

報酬系の基点となる腹側被蓋野には

恒常性調節系を司る視床下部の弓状核・外側野・室傍核などから
POMC AgPY オレキシン MCH CARTなどのニューロンが投射され

恒常性調節系が 報酬系調節系の制御に関わっているのが興味深い点です

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食欲が 恒常性と報酬系の二本立ての調節系で制御されているのは
ヒトに特有の現象ですが

より本能的でプリミティブな恒常性調節系が
ある意味で本能を凌駕している報酬系調節系を
どうして制御しているのでしょう?

食欲の制御を報酬系調節系だけに任せていては
危ないからではないでしょうか?


上述したように 報酬系では行動に飽きが生じます

この飽きを克服する形で さらなる食の欲求が起こり
依存性が発生しますが

報酬系に不具合が生じて 依存性が発生せず
さらに食べたいという欲求が生じず 食べることに飽きてしまったら
生命活動を維持できなくなります

そこで そんなリスクを有する報酬系を独り歩きさせないように
恒常性調節系が報酬系調節系に働きかける
そんなシステムが出来たのではないでしょうか?


ヒト特有の報酬系調節系というシステムは
他の生物も共有する本能的な恒常性調節系からすると理解不能で

ときに 本能の恒常性調節系を無視した過食行動をとらせる厄介なもので

だからこそ 報酬系調節系を独り歩きさせてはいけないと
ヒトのなかに潜む生物学的な本能が
恒常性調節系に報酬系調節系を監視させている?

恒常性調節系と報酬系調節系の関係 
そんな具合に深読みすると 意外に面白いかも?(笑)



2017.09.19更新

レプチンは 食欲を抑制するので

肥満のヒトにレプチンを投与すれば痩せられる!

レプチンが発見されたとき 大騒ぎになって
大手製薬会社は レプチンの発見者に
大きな研究所が建てられるくらいの大金を払って その権利を買ったそうです

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ところが その目論見は あっという間に崩れてしまいました

だって 

肥満のヒトの血中レプチンを測定してみたら
やせている人よりも はるかに高かったのです!

下の棒グラフ 左の3本が男性 右の3本が女性で
黒が肥満 濃いグレーがやや肥満 薄グレーが肥満でない人

体重が増えるにつれて 血中レプチン値が高くなっています 

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やせさせるためにレプチンを投与しても それでは意味がない!(苦笑)

まあ レプチンは脂肪細胞から分泌される物質なので
脂肪たっぷりのおデブちゃんの血中にレプチンが沢山存在するのは
当たり前といえば当たり前ですが


では どうしておデブの血中にたくさんあるレプチンは
食欲を抑えて 代謝を亢進させて 痩せさせてくれないのでしょう?


そういえば 似たような話を
このブログで以前に読んだことはありませんか?

糖尿病の患者さんの一部では
インスリンがたくさん分泌しているのに 血糖が下がらない

だって インスリン抵抗性 になっているから


はい それと同じで

肥満のヒトは
レプチンがいくら沢山あっても 食欲は抑制されません

だって レプチン抵抗性になっているから

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レプチン抵抗性


肥満で脂肪細胞がレプチンを分泌し続けたり
高脂肪食を食べ続けたりすると

レプチンがあっても その作用は見られなくなります

食欲制御に関係する脳の部位では
弓状核にいちばん早く
レプチン抵抗性が見られるようになるそうです


前回説明したように レプチンは
食欲制御に関係する脳のさまざまな部位に作用して
食欲を低下させ 代謝を活発化させ 
快楽をともなう食欲だって 低下させるのに

残念なことに
おデブさんはレプチンをたくさん持っているのに
そうした効果は全く認められないのです


インスリン抵抗性といい レプチン抵抗性といい
ホントにデブの体は めんどうくさくて厄介なことになっていて
困ったものです(苦笑)

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で どうしてレプチン抵抗性が起こってくるのか?

インスリン抵抗性と比べると
その詳細なメカニズムはわかっていませんが

肥満なヒトでは

*レプチンが血液と脳を隔てる脳脊髄関門をうまく通過できないので
 血中には沢山あっても 脳で働くレプチンは少ない

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*視床下部でレプチン受容体を発現する細胞において
 細胞内から細胞表面へのレプチン受容体の移動が上手くいかず
 レプチンの刺激が細胞内に伝わらない

*同上の細胞において
 受容体の細胞内部分におけるシグナル伝達が
 SOCS3 PTP1bなどの抑制因子により過剰に抑制されるため
 レプチンの働きが阻害される

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*視床下部で 過剰な脂肪酸による脂質毒性や過剰な栄養により
 小胞体ストレスが生じて それが慢性炎症を誘導してしまう

*視床下部で慢性炎症が生じると
 受容体の細胞内部分におけるシグナル伝達が抑制され
 さらに弓状核でのニューロンが減少してしまう

といった いくつかの原因が想定されています


インスリン抵抗性で見られたように
受容体から核に至る細胞内情報伝達に障害が起きている可能性があり

それに加えて
肥満によって誘導される脳内の慢性炎症が関わっている
と推測されています


こうしたレプチン抵抗性を誘導する機序が解明され
その状態を改善する手立てが見つかれば
肥満状態でもレプチンが機能できるようになり 

まさに 当初の目論みどおり
レプチンが夢の抗肥満薬として活躍できる日が来るかもしれません



2017.09.18更新

秋といえば やはり これです!

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定食屋さんのこんな広告を目にする季節になると
さんま大好き!の書き手は いてもたってもいられなくなります!

去年一昨年も この時期に さんまネタのブログを書いていますが(笑)

今年は例年になく不漁とのことで なかなか食べる機会がなく
先日やっと 今年初めていただくことができました


でも 噂通り 今年のさんまは ちょっと、、、

これが 昨年 同じような時期にいただいたさんまの塩焼きで

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今年は こちら

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ご覧になってお解りのように 身が細いし 脂のノリも悪い

この時期 根室沖で獲れるさんまは
いちばん脂がのって美味しいはずなのに

でも さんまラバーは 
いつものように しっかりときれいにいただきました(笑)

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別の日に家でいただいたさんまは 少し身が大きかったですが
でも 脂のノリはもうひとつだったかな

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お店の方にうかがうと 去年のブログに書いたように

海水温の変化や 沖合で中国の船が根こそぎ獲っていく状況下で
(日本の漁船の10倍以上の大きさの中国船が沢山稼働しているそうです)
年々 さんまの状況は悪化しているそうです

去年もひどかったのに 今年はさらに悪くて
来年以降もどうなることかと お店の方は心配されていました


美味しい脂ののったさんま 食べられなくなってしまうのかな?

哀しいことです



さて 週末の午後 デパ地下を徘徊していたら
こんな秋も発見しました!

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高い! びっくり!!

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確かに 国産で とても立派なお品ですが 8万円ですか!

余計なお世話でしょうが
いったい どなたがお買い上げになるのでしょう?(笑)


そのとなりには こんな別の秋もありました

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こんな風にして デパ地下で売られているのですね!
初めて見ました



そして 家への帰り道 宝町の交差点あたりを歩いていたら
街路樹の下あたりが なんとなく匂うのですよ

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えっ もう? と思って路上を見たら こんな光景が

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銀杏の実が  落ちて潰れて
あの独特の匂いを周囲に漂わすのは
11月に入ってからと認識していたので驚きました!


色々なところで さまざまな小さな秋を感じた
休日の午後でした



2017.09.16更新

まだ日中は暑いときがありますが
朝夕はずいぶんと 過ごしやすくなってきました

蒸し暑さで目が覚めることがなくなり
季節の変わり目 秋の訪れを実感できる今日この頃ですが


我が家では ちょっと特別なことで 秋の訪れを楽しめます

それは ネコsの何気ない行動です


ネコは 基本的に寒がりなのでしょうか?

夏に冷房を入れていると 冷気は重たいので床近くに溜まるようで
ちょうどそのあたりが行動範囲のネコさまたちは
ソファの上やキャットツリーの上 本棚の上などに避難されます

そして最近は
早朝に体を丸めて 暖をとるような姿勢をしていることが多い


ローズは 書き手の机の上の お日さまが当たる暖かい場所に寝るし

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デイジーは
夏の間はスイッチをオフにしていたネコ用ホットカーペットに乗るようになり
スイッチをオンにしたら 気持ちよさそうに寝はじめました

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楓はなぜか クリーニングに出す書き手のワイシャツ袋の中に入りこんで
満足気な表情をしています

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暖かいのかな?
それとも 大好きな書き手の芳しい残り香に包まれて幸せ?(笑)

ネコさんたち 三者三様の朝の過ごし方に 秋の訪れを感じる我が家でした



2017.09.15更新

パウル・クレーの話を続けますが

彼は 音楽と絵画 の両方に強く惹かれていて
音楽の分野で用いられている ポリフォニー というコンセプトを
絵画にも導入しようとしました

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ポリフォニー って なんだ?

ポリフォニーとは もともとは音楽用語で

全く異なる旋律を歌う複数の声が 同時に進行し
それら複数のパートが互いに影響しあうことによって
協和したひとつの曲を形成する

18世紀に生まれた そのような音楽形式を指します


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中世の教会音楽でよく用いられた技法のようで
教会全体を共鳴させるような響きわたる宗教音楽の音響効果は
ポリフォニーに依るところが大きいと言われています

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この技法のポイントは 

複数の異なる動きの音による構成で
それぞれが勝手に自己主張をしながら
その混沌の中で なにか予定調和的なものを創造する

それが 聞く人の心の琴線にうったえるのかもしれません



さて クレーは

自立した複数の主題が同時に存在するのは 音楽に限ったことではない

と語り


最初は 水彩画で透明な色層を重ねていく画法

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やがて 点描と太い線による区切りを用いて
画面の多声性を構成する画法を駆使することにより

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絵画におけるポリフォニー表現を試みたそうです


前回のブログ
こうした画法により 時間の流れを表現しようとしたのではないか
と推測しましたが

展覧会で購入した本を読むと 彼が表現したかったのは

「時間の流れ」 ではなく 「過去と現在の同時性」 だったようです


なるほどです

経時的な流れの中で立ち止まる のではなく
タイムワープするような感覚 意識を 表現したかったのでしょうか?


そして 絵画におけるポリフォニー表現で最も重要なもの

それこそ まさに色彩!

クレー 奥が深いです!

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もうひとつ忘れてならないのが 運動というコンセプト

ポリフォニーで表現したいことのひとつは
世の流れを表す 運動 なのでしょう



複数の主題の同時多発性と相互作用

全体の流れとしての運動


クレーが表現しようとした このようなコンセプトが妙に気にかかるのは

現代社会や科学の主流である 分析主義的なパラダイムに
行き詰まり感を憶えているからかもしれません


書き手のブログでは
度々 木を見て森を見ず という表現が出てきますが

大学で研究をしていた頃も
いつも 分析主義的なパラダイムには疑問を持っていましたし

今 ブログを書きながら 世の中の色々なことについて考えるときも
それは変わりません


分析的なスタンスや手技は 慣れると意外に簡単で
ある意味で 何の疑問もなくその世界に没頭することが出来ます

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一方で

世の中で起こっているさまざまな事象を
包括的に解析したり 俯瞰的に見ることは
想うのは簡単ですが 実際にはなかなか困難です

だけど それをやらないと 根本的な理解はできないのかもしれない


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クレーの作風を詳しく学んで ふと そんな思いを再認識した次第です


そんなこと AIなら簡単にできるのかな?(笑)



2017.09.14更新

視床下部の弓状核が 
食欲制御の第一次中枢として
体内の栄養・エネルギー状態を感知して 食欲促進 抑制ニューロンを働かせ

その情報が
第二次中枢である 摂食中枢 満腹中枢に伝わり

そこからさらに 脳全体に情報が伝えられて 食欲が制御される

こうした機序を説明してきました

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全体像がなんとなくつかめた感じがしてきたところで
レプチンと食欲制御との関わりについて まとめておきましょう


レプチンは 食欲を抑制する働きを有する物質であることを 説明しました


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また 脂肪細胞から分泌されるレプチン
体内の脂質エネルギー状態を反映して
長い時間スパンでの食欲制御に関わることも 説明しました


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具体的には

栄養・エネルギーセンサーの弓状核や 
摂食中枢 満腹中枢の働きが
レプチンにより制御されることも 説明しました


でも それぞれの説明のなかで断片的に出てきただけなので
レプチンがどのようにして食欲制御に関わっているか
なんとなく消化不良になっているかと思います


レプチンという言葉の語源は ギリシャ語の痩せる・leptosと言われています

その名のとおり レプチンには

視床下部に作用して食欲を抑制して
エネルギー代謝を促進し 脂肪細胞を縮小させて体重を減らす作用

があります

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ですから 1994年にレプチンが発見されたとき
夢のやせ薬がついに見つかった!? と大騒ぎになりました

しかし残念ながら そうは問屋が卸さなかった
そのてん末については 稿を改めて説明することとします


さて レプチンの受容体は 脳内の様々な部位に発現していますが 

特に発現の程度が強いのは

*視床下部の 弓状核 満腹中枢 摂食中枢
*室傍核 腹側被蓋野

といった食欲制御に関わる部位であることがわかりました


では 具体的にレプチンがどのように作用しているかというと

弓状核への作用は 全体の作用の50%ほどと見做されていて

*食欲促進系のNPY /AgRP/GABAニューロンのNPY産生を抑制する
*食欲抑制系のPOMC/CARTニューロンを活性化する

ことにより 食欲を抑制します


また脳の他の部位にも 残りの50%ほどの力で作用し

*摂食中枢に作用して
 食欲促進系のオレキシンニューロンを抑制して 食欲を抑制する

*満腹中枢のTRHニューロンを刺激して
 甲状腺ホルモンの合成を促し 代謝を活性化して体重を減らす

*腹側被蓋野・側坐核の報酬系のニューロンを抑制して
 快楽による食欲を抑制する

といった働きにより 食欲を抑制し 代謝を活発化させます

appet42

このように 

レプチンは さまざまな機序により 食欲を抑制していること

が明らかにされました


では そんな働きを有するレプチンの
ヒトの体にとっての存在意義は なんなのでしょう?


その後の研究により

レプチンがあることで食欲が抑制されることよりも

レプチンがないことで飢餓感を感じて食欲が増すこと 

の方が 
生物学的には重要ではないか? と考えられています


次回に説明する 肥満のヒトで認められるレプチン抵抗性という現象
そうした考え方が起こるに至った大きな原因のひとつですが

人類の祖先は 食糧難の環境に生きていましたから
常にエネルギーを得るために お腹が減った飢餓状態だった

当然 肥満のヒトは少なく体脂肪も少ないので
レプチンも産生されず 食欲はいつも全開状態だった

だから 体は
レプチンがある状態より レプチンがない状態に親しみがある
と解釈するのが妥当と考えられているのです


またしても ご先祖様が作られた体質には逆らえません ということ?(笑)


ちなみに
痩せてレプチンが低下すると 食欲は増しますが 性腺機能は低下するそうで

これは
低栄養状態で生殖行動を起こすと 妊娠維持に支障がきたす恐れがあるので
そうしたことが起きないようにするための 合目的的現象とされています

うーん 人の体の仕組み・反応は 深いですね!


次回は

レプチンが多く存在して食欲を抑制することに 
なぜ意義が見出せていないのか?

について説明します


 

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