CKDにおける生活習慣病の管理の解説を続けます

ckdでの生活習慣病の管理の重要性を説明した図

糖尿病

糖尿病性腎症の発症・進展抑制には
厳格な血糖値と血圧のコントロールが重要です

厳格な血糖コントロールにより 
糖尿病性腎症の発症・進展を抑制できます

管理の目標は

*HbA1c 6.9%(NGSP)未満 
     5.8%(JDS)未満

*血圧は 130/80 mmHg以下

です

CKDと糖尿病のつながりを示す図

また 糖尿病網膜症の合併頻度が高いため
初診時に必ず眼科で網膜症の評価を行い
定期的な眼科でのフォローアップが必要です

@脂質異常症

ckdと脂質異常症の関連を示す図

CKDでは 
脂質異常症治療薬のスタチン製剤を用いて
脂質異常症の治療を行うことにより
蛋白尿 微量アルブミン量の減少と 
腎機能低下の抑制が期待されます

脂質異常症の治療により蛋白尿 微量アルブミン量の減少と 腎機能低下の抑制が期待されることを示す図

目標は 
LDL-C値を 
120~100mg/dL未満に
コントロールすることです

糖尿病 脳梗塞 閉塞性動脈硬化症の
合併がある場合も
LDL-C 120 mg/dL未満を管理目標とします

@高尿酸血症

CKDによる腎機能低下にともなう
尿酸排泄低下により
高尿酸血症の頻度は高まりますが

痛風関節炎の発症頻度は 
それほど高くはありません

高尿酸血症がckdに関わることを示す図

しかし 
女性で血清尿酸値が6.0mg/dLを超えると
末期腎不全のリスクが有意に高まることが
報告されており

血清尿酸値が6.0mg/dLを超えると 末期腎不全のリスクが有意に高まることを示す図

血清尿酸値を下げるために
過食 高プリン・高脂肪・高たんぱく質食嗜好
常習飲酒 運動不足の改善など
生活習慣の改善を指導することが
推奨されています

また 腎障害合併例 尿路結石保有例では
尿酸生成抑制薬を使用します

従来から使用されてきた
アロプリノールは
腎機能に応じた減量が必要ですが

新たな尿酸生成抑制薬の
フェブキソスタット(フェブリク)は
中等度までの腎機能低下例では 
腎機能に応じた減量は不要です

さらに
痛風関節炎を繰り返したり 
痛風結石を認める場合は
薬物治療の対象となり
血清尿酸値を6.0mg/dL以下に維持することが
望ましいとされます

尿酸値の管理の重要性を示す図

痛風発作時の治療として行われる
非ステロイド性消炎薬の短期間大量投与は
CKD では腎機能悪化のリスクが高いため 
避けるようにします

このように 
生活習慣病がCKD発症に関与している場合は
CKDの進展を防ぐために 
厳密な生活習慣病の管理が必要になり
管理がきちんとできていれば CKDの進展は防げる
と考えられています



高橋医院