尿の検査は 
外来で試験紙を用いて
簡単に行われます

尿検査で検出できるのは

*白血球

*赤血球

*タンパク

*糖

などです

尿の試験紙の写真

<蛋白尿>

通常は 
タンパク質は尿細管で再吸収されるので 
尿中にほとんど出ず
出たとしても 
1日に100~150mg程度です

そのうち 
アルブミンが10~30mgで 
約半分を占めています

尿中に蛋白がたくさん漏れていることは
腎臓に障害があることを反映し

蛋白尿それ自体が 
腎臓に障害を与えます


@持続性か 一過性か

蛋白尿が見られた場合
それが 持続性か 一過性か 
が問題になります

というのも
健康な方でも 運動後などに
一過性に蛋白尿がみられることがあり
起立性蛋白尿と呼ばれます

また 発熱 ストレスなどでも
蛋白尿がみられることがあります

尿タンパクの再検査について説明した図

通常は 
早朝起床時 安静時には
見られないことが多いので
朝起きてすぐの尿を
持参していただいて検査したり
随時尿を何回か検査して 
3回以上連続した場合に持続性と診断したりします

<血尿>

血尿は

@肉眼的血尿  
 見た目でわかる 赤褐色 暗黒褐色の尿

@顕微鏡的血尿  
 見た目ではわからない

に分類されます

血尿が起こる病気をまとめた図

@原因として多いのは

*腎・尿路系の 結石 腫瘍 外傷血液凝固異常IgA腎症などの腎実質病変

*腎尿路感染症

などで

そうした病気を疑った詳しい精密検査が必要になります

<白血球>

膀胱炎などの尿路感染症の際に認められ
細菌も同時に検出されることが多く 
診断の助けになります

<糖>

血中の糖は 
腎臓で濾過される過程で 
尿細管で再吸収されますが

血糖が異常に増加して
限界(閾値)を超えると
尿に糖が出てきて検出されます

一般的には 
血糖値が160~180mg/dLを超えると 
尿に糖がでてきます

血糖値が160~180mg/dLを超えると 尿に糖がでてくることを説明した図

尿糖は
排尿から次の排尿までの間に起こった
高血糖を反映しており

糖尿病の可能性を示唆する所見ですから
精密検査を進める必要があります

@腎性糖尿
 
尿に糖が出たら 必ず糖尿病 
というわけではありません

尿糖の排泄閾値が低い 
つまり尿細管で
糖を再吸収する力が弱いと
血糖値が正常でも
尿糖がでることがあり
この状態は 腎性糖尿 と呼ばれます

腎性糖尿は
糖尿病とは関係ありませんが
尿細管障害という病気と
関連していることがあります



高橋医院