梅雨の晴れ間の日曜日

お気に入りのヴァイオリニストの
ギル・シャハムさんが来日して
ソロでリサイタルを開いたので

久し振りに 
彼の音色を楽しみに行きました

リサイタルのプログラム

彼の長年の友人である
ピアニストの江口玲さんとの共演です

ギル・シャハムと江口玲さんの写真

プログラムは こちら

プログラム

前半のウィーラー ドルマンは
聴いたことがありませんが

プログラムノートに書かれているように
ギルさん自身が
とても好みの曲のようなので楽しみです

プログラム・ノートに書かれたウィーラー ドルマンの解説

いつものように 楽しそうな表情を浮かべて 
ギルが登場

楽しそうな表情のギル

期待が高まります!

でも前半の後半に入り始めたとき
突然 不協和音のような音が響いてきて

あれっ? 
急にヴァイオリンの調子が悪くなった?

思わず隣に座る糖尿病専門医さんを見ると
彼女もなんとなく怪訝な面持ちです

ドルマン作曲の 
ヴァイオリン・ソナタ 第3番 ニグン

全く初めて聴く作曲家さんのソナタですが
うーん スムーズで心地良い感じは 
全くしないなあ

むしろ 
少し心が不安になるような聴き心地です

ちょっと難解な現代音楽を聴いているような感じ


でも 曲が展開していくうちに 
違和感はなくなってきて
不協和音に聴こえた激しい旋律も 
次第に心地良くなり

最後のアダージョ フィナーレは
満足して聴き終えることができました

それにしても この曲は 
インパクトがあった!

プログラムノートによると
ドルマンさんは 1975年生まれのまだ若い
ギルと同じイスラエル人の作曲家さんで

今回のヴァイオリン・ソナタは
ギルと 妹のピアニストのオルリさんの
リクエストで作られたそうです

ギルと妹のオルリさんの写真

ニグン

初めて聞く単語でしたが
ユダヤの伝統音楽のことを指す
言葉だそうです

ユダヤ人が踊る姿を描いた絵

ドルマンさんは 作曲にあたって
東欧のクレズマー音楽や 
北アフリカから中央アジアなど
世界各地に伝わるさまざまな
ユダヤの伝承音楽を調査されましたが

その根幹に存在する共通性に気がついて 
驚かれたそうです

そして 
それらからインスパイアされたイメージと

各地域によって
異なる非ユダヤ系音楽的伝統
東欧 グルジア マケドニアなどの
民族音楽の要素も取り込み
綜合的に曲を構成されたそうです

面白いですね!

ギルと妹のオルリさんの演奏風景

ユダヤの伝統音楽に触れるのは 
初めての経験でした

確かにユダヤの民は 
西暦紀元直後から起こった
民族の離散・ディアスポラによって
世界中で暮らすことを余儀なくされました

このあたりは 
結構デリケートな問題なので
軽々しく話題にするのは 
憚られる気もしますが

離散を余儀なくされた人々が
自分たちオリジナルの
伝統的なユダヤ民族音楽を
移住した地域の民族音楽と融合させながら
世界各地で 
それぞれの新たな音楽世界を形成していった

ということには 
歴史やロマンを感じずにはいられません

しかも 
根本に流れているユダヤ音楽の共通性は 
失われていない

そうなんだ~! 興味があります!

東欧 ロシア 中央アジア 北アフリカ
ユダヤ人たちが
世界の各地でどんな音楽を作っていったのか?

そして どんな部分が共通エレメントなのか?

ドルマンさんに聞いてみたくなりました

それにしても
民族音楽でよく聴かれる
フォルクローレ風の響きは
哀愁を帯びていて 
心に訴えかけるものがあって
良いですよね

初めて聴いたニグン

とても興味深かったので
すぐにCDを購入してしまいました!

購入したCDのCDジャケット

ユダヤの伝統音楽ねえ

新しもの好きの書き手は 
またも簡単にはまってしまいそうです(苦笑)

ギルさん 
新しい世界を教えてくれて どうもありがとう!

彼は いつかニグンをオーケストラで演奏したい 
と言っていたので
それを聴ける日が楽しみです!

アンコールで演奏してくれた
ボルコムのポップス風の曲も
素敵でした!

アンコール曲の題名が記されたボード

初めて彼の演奏を聴いたときも 
ハリウッドの映画音楽でしたが

ギルは守備範囲が広く 
なんでも楽しそうに美しく聴かせてくれるので
いつも大満足です

楽しそうな表情のギル

良い気分で会場を出ると 
見事な紫陽花を愛でることができました

見事な紫陽花

あ ちなみに 糖尿病専門医さんは
やはりバッハやフランクの方が
安心して聴けて
ユダヤ伝統音楽はパスだそうです

CD買って 
そんな旋律を部屋で聴いていたら
楓が驚いてテロするよ!

と忠告されましたが 
今のところまだ大丈夫です(笑)


高橋医院