自律神経失調症には 
4つのタイプがあります

<自律神経失調症のタイプ>

@本態性型

本態性型の説明

生まれつきの体質によるもので 
ストレスがなくても発症します

小さい頃から 
低血圧 虚弱体質 立ちくらみなどが
みられる人に多い

自律神経失調症の10%程度で 
少ないタイプです


@神経症型

神経症型の説明

心理的要因が原因で発症します

自分の体の変調に敏感で 
それが不安感につながります

クヨクヨと気にする 
人への依存心が強い
物事に固執・執着する 
些細なことで不安になる

といった人に多い

わずかな精神的ストレスや感情の変化で
容易に自律神経のバランスが
乱れてしまいます

不安感 頭痛 ほてり 
手足のしびれ 口の渇き 
記憶力や集中力の低下

などの症状が見られます

精神科領域の疾患である神経症との鑑別が 
難しいこともあります

性格的な問題がベースにあるので
カウンセリングなどで 
時間をかけて改善させる必要があります

@心身症型

心身症型の説明

自律神経失調症の約半数を占める 
いちばん多いタイプで

几帳面でストレスを感じやすい人が
ストレスの許容範囲を超えてしまうと 
発症します

几帳面 まじめ 
努力型 理想が高い完璧主義
無理をし過ぎる 不満を抱え込みやすい
喜怒哀楽の感情を無理に抑えたり 
疲労などを我慢する人に多い

不眠 めまい 肩こり 頭痛 
などの症状が見られます

生活リズムを見直し 
体の休息をしっかりとり
心身ともにリラックスすることが大事です


@抑うつ型

抑うつ型の説明

ストレスの慢性的な蓄積がある状態で
転居 退職などの 
人生の大きな転機や節目が訪れたときに 
発症します

責任感が強い 几帳面 
完全主義 執着心が強い 
真面目で努力家
頑張りすぎる 気分が沈みやすい人に多い

うつ症状 不眠 
頭痛 食欲不振 めまい 微熱 
などの症状がある

生活習慣を見直すとともに
うつ症状については 
カウンセリングなどを受けた方が良い場合が多いです

<自律神経失調症の症状>

自律神経失調症で見られる症状には

*個人差が大きい

*体のあらゆるところにあらわれる

*定番の症状がない

*いくつもの症状が
 重複して出ることも少なくない

*症状が変化したり 
 現れたり消えたりを繰り返すこともある

*朝は症状が出やすい

といった特徴があります

*からだがすっきりしない

*疲れがとれない

*食欲がない

*熟睡できない

といった 
誰にでもいちどは覚えがあるような
普通の症状が多いのですが

自律神経失調症でみられる全身症状をまとめた図

@思い当たる原因がないのに 
 症状がみられる

@充分に休んでも 
 症状がよくならない

場合は 自律神経失調症を疑うべきです

自律神経は全身の器官に分布していますから
自律神経失調症の症状は 
全身の多岐にわたりますが

全身症状 
として認められることが多いのは

@疲労感 倦怠感
*数日休んでも回復せず 
 どんどんひどくなり 
 何をやるにもおっくうになる

@めまい 立ちくらみ
*フラフラした感じ 
 足が地についていない感じ
*脳や三半規管への血流低下が 
 自律神経障害により起こる

@微熱

@不眠・眠気

@食欲がない
*極端に体重が減ることはない

@体がほてる

といった症状です

自律神経失調症でみられる局所症状 各器官の症状をまとめた図


一方 自律神経失調症で見られる
局所症状 各器官の症状

@頭痛 頭が重い
*締め付け ズキズキ 首・肩の凝り

@首 肩のこり 張り 膝のだるさ

@疲れ目 涙目

@耳鳴り 耳閉塞感

@口が乾く 味覚異常・苦味 口のなかが痛い

@喉の異物感 圧迫感 イガイガ感 つまる

@動悸 息切れ 胸部圧迫感 手足の冷え

@息切れ 酸素欠乏感

@吐き気 腹部膨満感 下痢 便秘
*消化器系は 
 精神的影響 自律神経の影響を最も受けやすい

@頻尿 残尿 尿が出にくい

@生理不順 性欲減退・インポテンツ

@手足のしびれ 痛み 冷え ほてり ふらつき

@皮膚 粘膜の乾燥 多汗 脱毛 かゆみ

といったものです

自律神経失調症でみられる精神症状をまとめた図


また 自律神経失調症では
これまで説明したような身体症状だけでなく
精神症状も認められることが多いのも特徴です

但し 精神症状だけが単独で見られることは 
あまりありません


よく見られる精神症状としては

@イライラ 些細なことが気に障る

@気持ちが落ち着かない 不安で仕方がない

@何にも興味がわかない

@憂うつになる わけもなく落ち込む

といったものがあります

@集中力 記憶力の低下も良く見られます
*今まで出来ていたことが スムーズにできない
*大切なことなのにすぐ忘れてしまう

などの症状は 抑うつ型に多く見られます

こうした精神症状は
視床下部が 大脳辺縁系 大脳皮質と
上手くコミュニケーションできないために
起こると考えられ

身体症状とリンクして 
悪循環を形成すると厄介で
身体症状と精神症状の
どちらが中心となっているかを判断するのは困難です
高橋医院