昔 スペイン北西部のガリシア地方を
旅したとき
荒涼とした海岸線や自然を目の前にして
「太陽の国・スペイン」といったイメージとの
ギャップに驚きました

現地ガイドさんにその印象を話すと
「フラメンコや闘牛だけがスペインではないのだよ」
と ポツリと言われましたね

バスク地方を旅したときも
町中の道路標識や公共機関の案内には
必ずスペイン語とバスク語の
両方が記載されているのを認識して
なるほどね~ と思いました

スペインには 
さまざまな地方文化があり

田舎に行くほど
マドリードやEUのことをよく言わない人が
多いようにも感じました

スペインの地方の位置を示す地図




そして今回の  カタルーニャ独立騒ぎ

バルセロナで行われたカタルーニャ独立騒ぎのデモ


バルセロナは  大好きな街です

ガウディやモンタネールの建築物
ピカソやミロの美術館
ゴシック地区の迷路にたたずむ歴史あるバール
バルセロネッタの海水浴場
そして スリにあった地下鉄(笑)

バルセロナのゴシック地区の迷路の白黒写真

カタルーニャは
スペインのスパークリングワイン 
カヴァの名産地でもあります

カヴァの入ったグラス

そんなカタルーニャが 今 大揺れです

9月に起こった悲惨なテロ事件のあと
10月初めに行われた独立選挙に
端を発した騒動は

独立選挙の投票用紙

中央政府の
強硬かつ稚拙な対応のせいもあって 
泥沼化しています

28日には

中央政府は 
初めて憲法155条を用いて
カタルーニャの自治権を停止し
自治州政府の指導者たちを罷免し
新たな選挙を12月に行うことを
発表しました

会見する中央政府の指導者

それに対し 
カタルーニャ議会は 
再度 直ちに独立を宣言して

中央政府の会見に反対するカタルーニャ議会の指導者

解決の落としどころが見つからない 
最悪の状態に陥ってしまいました

いがみ合う双方が指導者

もともと 
カタルーニャ バスク ガリシア 
といった地域は
統一国家としてのスペインが
成立するずっと前から
独立した言語や文化を有する地方として 
長い歴史を持っていました

だから ジモピーの認識としては
スペイン人である前に
カタルーニャ人であり 
バスク人であり ガリシア人であり

自分たちの歴史や文化に 
強い誇りを持っている

 カタロニアはスペインではない と書かれた横断幕

でも カタルーニャは
バスクやナバーラが
自治州として独立した徴税権を有するのと異なり
税収を中央政府に払い 
中央政府から補助金を貰うシステムに
組み込まれているそうで

スペイン全体の 
国土の6% 人口の16%を占め
そしてGDPの20% 総輸出額の25%を有し
国内屈指の経済力を持つにもかかわらず

上記システムのために 
経済的な潤いを得られず
教育 社会保障 インフラ整備などは 
国内でも下位レベルだそうです

だから余計に
マドリッドの中央政府に対する不信感が強い

さらに 
両者の関係を決定的に悪くしたのが

カタルーニャ州議会が
2006年に成立させた自治憲章を
中央政府が国の最高裁に訴え 
2010年に憲法違反との判断を導きだし

それ以降 
カタルーニャ州議会が提出する
あらゆる独立のための政策を
ことごとく司法に訴え無力化する手段を
とり続けていること

そうした背景で起こった 
今回の独立騒ぎ

独立デモに参加するすごくたくさんの人々

ここまで泥沼化したのは
独立選挙の投票日に 
ラホイ政権の中央政府がとった
警察を導入しての強硬な排除策のせいで

警察を導入しての強硬な排除が行われた模様

あれがなければ
カタルーニャの人々の心を 
ここまで頑なにさせなかったのでは?
という論説が 
欧米のメデイアには多く見られるようです

確かに 
ラホイ政権の初期対応は稚拙だったように感じますが

でも その後の一貫した強硬な対応には
一歩たりとも譲らないぞ!
という強い意志を感じます

会見するラホイ首相

また フェリペ国王のコメントも
カタルーニャに対する思いやりは
微塵もなく
中央政府の対応に近いものが
あったように思います

会見するフェリペ国王

書き手は 
地方の文化や伝統は 
大切にされるべきだと思います

でも 国民国家としては 
国の統一を守るためには
こういう対応をせざるを得なかったのかな? 
とも思う

スペインをひとつにしようとしているイラスト




カタルーニャは 
EUや他のヨーロッパ諸国に仲介を求めたいようですが

他の国だって国民国家なのだし
ましてやEUは 
そうした国民国家の上に
立とうとしているわけだから
カタルーニャからのヘルプ!の声は 
無視されますよね

唯一 スコットランドが
カタルーニャにシンパシーを示していますが

EUはもちろん他のヨーロッパ諸国は 
無視を決め込んでいます

独立意識が強い地方と 
国民国家・ネーションとの関係は 
難しい

地方は独立した共同体として
国民国家ができる以前のずっと昔から 
機能してきたわけですからね

さて この問題 
どうなるのでしょう?

落としどころが 
見つかるのでしょうか?

現地在住の大野ゆり子さんが
Foresightというオンラインマガジンに
書かれたレポートによると

幸いなことに 
カタルーニャ人は非暴力をモットーとしているので
暴力沙汰が起きる気配はないそうです

非暴力をモットーとしているのカタルーニャ人のデモの様子

それと 
カタルーニャの人々全てが 
独立に賛成しているわけではなく
自治州政府の独立宣言に
異を唱える人々も多くおられて

独立に 賛成 反対 の双方の立場の
デモが起こっているそうです

独立に 賛成 反対 の双方の立場のデモの様子

内乱のような状態にならなければいいけれど、、、

しかし 
カタルーニャ人らしい気質を表した言葉に

Seny という

知恵 良識 精神的なバランス感覚
といったニュアンスを意味する単語があって

そうしたメンタリティを 
カタルーニャの人々は誇りにしているとか

Senyと書かれた多くのカタルーニャ人の顔が映ったポスター

SENY と書かれた
プラカードを持って
デモに穏やかに参加する人々も
少なくないそうで

SENYと書かれたプラカードを持って デモに穏やかに参加する人々の姿

まさに Senyに 平和裏に 
落としどころを見つけて欲しいものです!


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