前回に引き続き
職業のパターン別でなりやすい生活習慣病
について解説します

@Cパターンの 
 ものづくり系の仕事の方

工場で働く人

*肥満 高血圧になりやすい

体を使う仕事がきついので
どうしても 
高カロリー 高塩分の食事を好む傾向にあり

揚げ物や丼物などの 
ボリュームのあるガッツリ系の食事になりやすく
若いうちから 肥満や高血圧になりやすい

ボリュームのあるガッツリ系の食事

このパターンの方の対処法は

ラーメン+ぎょうざ のような 
炭水化物の重ね食いをやめる

大阪の方 要注意ですよ!(笑)

そして 弁当を食べるときは
野菜の惣菜をプラスし 
野菜から食べる

社員食堂のメニューに 
野菜がとれる定食メニューを増やしたところ
従業員さんの健診数値が改善した事例も 
よく見られるそうです

社員食堂のメニューに並んだ野菜中心のメニュー

このパターンの患者さんも 
当院にはたくさん来られますが

若い頃に
こうした食生活の習慣がついてしまい
中年になっても
同じように食べているので

糖尿病や脂質異常症を
発症されてしまうケースが多い

40歳を過ぎたら 
代謝も落ちてきて
メタボになりやすくなるので

同僚の若い方たちと
同じ食生活を続けるのは危険です

これは 
本当に 声を大にして注意したいことです


@Dタイプの 
 夜勤や交代制勤務の方は

夜勤をする方

*肥満や脂肪肝になりやすい

生活リズムが作りにくく 
食事時間が不規則で
夜勤明けの食事 
お酒を飲んだりしたあとすぐに寝ることで
肥満や脂肪肝になりやすい

このパターンの方の対処法は

勤務が夜間にかけて長時間にわたるときは 
分食をする

職場で午後6時くらいに
おにぎりやサンドイッチなどの
軽食をとっておき

帰宅後はおかずをメインにして 
炭水化物はとらない

夜勤明けのときは 
食事前に入浴する

先に食事や飲酒をすると 
入浴せずに寝てしまい
睡眠の質や 寝ている間の代謝も
悪くなってしまいます

このパターンの方は
なんといっても 
寝る前にドカ食いしないことが重要です


夜勤 寝る前のドカ食い 体重増加 の悪循環を示す図

是非 
分食の生活習慣を身につけてください!

以上が 職業パターン別の
なりやすい生活習慣病と 
その対処法です

読み手の皆さんのお仕事がどのパターンかによって
注意すべきポイントが微妙に異なってきますので
是非 参考にされてください

また 以前にご紹介した
知らぬ間に太る食べ方に関するブログも 
覗いてみてください


さて この記事の最後には

生活習慣を変えるには 
マイナーチェンジから

と提案されています

小さなことからコツコツと と書かれたカード

昔から積み重ねてきたライフスタイルを
変えるのは大変なことで

健康リスクが高い人ほど 
早く成果を出したいとあせられて
ライフスタイルを大きく変えようとされますが

残念ながら

⻑年培ってきた習慣を
大きく変えようとするほど
元に戻りやすいものです

過激なダイエットは
必ずリバウンドするのと
同じことですね


ですから 先ず
仕事に差し障りがでないような 
身近なマイナーチェンジから始めてみる

例えば

甘い缶コーヒーを 
微糖のものやお茶に変える

菓子パンを 
おにぎりに変える

そうした小さな積み重ねを 
確実に習慣化していくことが大切です

*現状の生活習慣・食習慣では
 マズイことを自覚されて

*仕事の合間にできる マイナーチェンジを 
 ご自分の意志で見つけられて

*そのマイナーチェンジを 
 新たな生活習慣にされる

そして

*ひとつのマイナーチェンジに
 成功されたら

*その小さな成功を 
 ご自身で評価され楽しまれ

*次のマイナーチェンジを見つけて 
 習慣化していく

そうした積み重ねを行うことが 
成功の秘訣だそうです

積み木を積み重ねる人

そうですね これは書き手にとっても耳が痛い

というのも 
糖尿病や脂質異常症で
当院に来院される患者さんたちに

生活習慣で病気になったのだから
新しい生活習慣を作って 
薬を飲まないで済むように頑張りましょう

とアドバイスをしますが

その新しい生活習慣について
ついつい 
あれもこれも一度にお勧めしてしまいます

マイナーチェンジの積み重ね

アドバイスをする医者の方も 
肝に銘じる必要がありそうです(苦笑)


最後に 興味深い話題をもうひとつ

最近は 
社員の健康づくりを評価する企業が
増えてきましたが

社内で健康に関するプログラムを作製し
それにのっとって 
自らの健康マネジメントをすると

給与が上がる 
臨時ボーナスが出るといった
インセンティブを与える企業も 
増えてきているそうです

社員の健康づくりに投資すると 
生産性や創造性が高まり
企業にとってメリットがあることが
分かってきたためだとか

なるほど 

そういう時代になってきたのですね

報酬を差し出す人

会社全体で禁煙プログラムを推奨し
社内の健康相談室や医務室で行う
禁煙プログラムを達成すると
報奨金が出る企業もあるようです

また 健康保険証を1年間使わない
つまり無病息災で過ごすと 
ご褒美がもらえる健康保険組合
もあるそうで

言葉は不適切かもしれませんが
眼の前に人参をぶら下げて 
社員の健康を推進するというのも
これからの企業が執るべき対策の
ひとつなのかもしれません

目の前にニンジンをぶら下げてその気にさせようとする人

健康管理の対処法が 
ずいぶん変わってきているようです


高橋医院