中央区・内科・高橋医院の
ダイエットに関する情報


糖質ダイエットの
理論的背景わかったけれど
実際に効果はあるの?

懐疑派が心配している 
長期に及ぶ糖質ダイエットの
健康への影響はないの?

気になるところです


<短期間での効果>

開始した当初は 
実際に体重が減少する場合が多いようです

糖質制限の減量効果はカロリー制限を上回ることを示したグラフ

ただ 糖質の代わりに
脂肪・ケトン体がエネルギーとして使われて、、、
という 
想定されている理論によって
減ったというより

糖質をとらないことで 
カロリー摂取量が減少するため
と考えられています

現在 日本で推奨されている食事内容の
半分以上は糖質なので
糖質制限すれば 
当然カロリーは減るということです

書き手はときどき 
大戸屋さんでランチをいただきますが

あそこのメニューには
カロリー表示がされていて
ご飯抜きのおかずだけのカロリーも
併記されていますが

ご飯・糖質がないと 
おかずの種類によっては
カロリーが半分くらいに減っています

糖質がないとカロリーが減ることを示すメニュー

なるほどです

また 6カ月の時点で
体重が減るだけでなく
血糖も中性脂肪も改善します

糖質制限は血糖も中性脂肪も改善することを示すグラフ

しかし 
最初の6ヶ月間は体重減少したけれど
1年間では有意な差が見られなかった
との報告があります

初期効果があるのは間違いないけれど
どうやって持続させるかが 
大きな問題のようです


<長期の糖質ダイエットの健康面への影響>

10年以上の長期的な影響では 
死亡リスクが高いという報告が複数あり

糖質制限による
タンパク質・脂質の摂取量増加の影響と
推測されています

分厚いステーキの写真

特に 極端な低糖質・高タンパク質食では
心筋梗塞などの心血管疾患のリスクが
60%も増加し
死亡率は4%増加するとの報告があります

また 
糖質制限とタンパク質・脂質の過剰摂取は
糖尿病の発症リスクも高める
という報告もあります


一方で 国立がんセンターが 
糖質ダイエット開始10年後に行った調査では

女性では
糖質の摂取が少なく 
タンパク質・脂質の摂取が多いほど
糖尿病発症のリスクが低下する傾向が認められた
という報告もあります


しかし 糖質制限で脂肪をたくさん摂取すると 
女性ホルモン分泌過剰に繋がり
乳がんの発がんリスクを増やすとの報告もあり
普通の女性が厳しい糖質ダイエットをするのは危険と
警告されています


ただ 長期の糖質ダイエットのリスクを
明らかにした検討では
アトキンスダイエットのような
厳しい糖質制限をしているケースが多く

1日糖質摂取量150g程度のマイルドな糖質制限の
長期継続の悪影響は
明らかにされていません

また最近は 
長期の糖質ダイエットの危険性を訴える
一部の論文に対する
信頼性に疑問も投げかけられています

論文の多くは 
メタアナリシスという
過去に発表された論文のデータをまとめて
再解析する手法が用いられていますが

メタアナリシスで用いられる手法を説明するイラスト

データ解析に利用された論文のなかには
信憑性が不充分なものがあり
そうした場合は
メタアナリシスで導きだされた結論は信頼できない
という批判です

このように学会レベルでも議論がわかれていて
糖質制限の長期継続の影響は 
現時点ではまだはっきりしない

議論する人たち

というのが事実のようです
高橋医院