かぜは 
ヒトからヒトへとうつるのが 
厄介ですが

では 
かぜはどうやってうつるのでしょう?

<かぜのうつり方>

かぜの感染経路には

*飛沫感染

*接触感染

*空気感染

の3種類があります

風邪の感染経路をまとめた図

@飛沫感染

感染している人の 
くしゃみや咳に含まれるウイルス
他人の鼻や口に直接入ることで起こります

くしゃみする人

かぜをひいて 
咳をしている人は
こうした飛沫感染を起こさないためにも 
マスクをすることが大切です

いわゆる 咳エチケット 
ですね

@接触感染

*感染している人との
 直接的な接触

*ウイルスが付着した環境表面を触る
 間接的な接触

により起こります

意外に盲点なのが 
間接的な接触による感染で
なにかに付着したあと 
そこで2時間~数日生き続けるウイルスもいます

それを触った手で目や鼻や口を触ると 
感染してしまうわけです

ドアノブなどからの接触感染リスクを注意する図

ウイルスが侵入してくる部位は 
目や鼻や口ですから
満員電車などの 多くの人がいる状況で 
何かものを触ったときは
その手で目や鼻や口を触らないようにすることが
予防になります

@空気感染

くしゃみや咳の微細な飛沫が
空気を浮遊して
それを吸引して感染する場合ですが

飛沫感染や接触感染に比べると 
はるかに低頻度で
かぜの感染の原因としては少ないです

<かぜの症状>

ウイルスが感染すると 
細胞のなかで増えはじめて
3~4日すると充分に増殖して
細胞に障害を及ぼすので
症状が出てきます

この 感染してから症状が出るまでの期間が 
潜伏期です

かぜの症状で特徴的なのは 
多彩な症状が出ることです

くしゃみ 鼻水 鼻詰まり 
喉の痛み 咳 
発熱 頭痛 倦怠感などが
急に でてきます

風邪の症状をまとめた図

これこそが 
ウイルスによるかぜの特徴で
細菌によるかぜとの
大きな鑑別ポイントになります

なぜなら 細菌によるかぜでは
細菌が感染した部位の症状しか出ず

ウイルス感染のように
多彩な症状がいちどに出てくることは
ありません

治療の説明で詳しく述べますが
かぜの原因が 
ウイルスか細菌かを見極めることが大切で
それにより治療方法が異なってきます

ですから
色々な症状が次々とでてくるか?

それとも
喉なら喉だけずっと痛くて 
鼻水や咳は出ないか?

そのあたりの情報が 
とても大切になります

さて 症状の中心となるのは 
以下の症状です

*くしゃみ 鼻水 鼻づまりなどの 鼻の症状

*喉の痛みなどの 咽頭の症状

*咳や痰などの 下気道の症状

感染が起きた場所の違いによる症状の違いを説明する図

多くの場合 
咽頭痛がまず起こり

少し改善したあとに 
鼻の症状が出てきて
 
最後に咳が続くことが多い

このように 
時間経過により症状が変化することは 珍しくありません

また

いったん症状が改善したあとに 
 再び症状が悪化する場合や

*膿性の痰がでてくる場合には 

要注意です

というのも

最初の症状はウイルスによるもので
それが改善したあとに
再度症状が悪化する場合は
二次性に細菌感染が起こっている可能性があるからです

こうなると 
抗生剤治療が必要になってきますから
上述したような症状の二峰性の変化があれば 
すぐに受診してください

治療をしないと 
症状は3~10日間ほど継続し
2週間ほど続くこともあります

風邪の症状の出現の時間経過を示す図

患者さんは 
咳 痰 鼻汁などに
2週間程度はウイルスを排泄しえますが
排泄のピークは発症2日目で 
3日目以降は低下傾向になります

発症してすぐは 
人さまにウイルスを撒き散らしやすいわけですから
マスクをするなどして
対処するようにしてください

くしゃみをして周囲にウイルスをまき散らす人





高橋医院