ヒトは どうして 
ご飯を食べるのでしょう?

映画「家族ゲーム」で家族が食事をしている様子

いきなり話が脱線して恐縮ですが
先日 TVで久しぶりに
映画の「家族ゲーム」を見ました

上掲写真の食事シーン 印象的でしたね

で なんのために食べるか?

そりゃ 
甘いものや脂っこいものをたくさん食べて
脳内に快楽物質を放出させて 
気持ち良くなるためだよ!

冷蔵庫を開けて盗み食いしている人

と答えたあなた

是非 当院に
糖尿病・メタボチェックにおいでください!(笑)


つまらない冗談はさておき

ヒトが食べるのは 
エネルギーを得るためです

食物を食べると 
胃や腸で消化分解されて
糖質 脂肪 タンパク質などの
栄養素になります

そして 
栄養素を材料にして 
酸素を使って
エネルギーを作るのです

食事で摂った栄養素が体内で酸素によりエネルギーに変換される過程を示した図


エネルギーは 
ヒトの体のさまざまな活動で必要とされます

以前に基礎代謝のお話をしましたが
ヒトの体でエネルギーは 
以下の3通りに使用されます

@基礎代謝 

起きているときも寝ているときも 
四六時中行われている代謝活動で
全エネルギー消費の60%を占めます

@活動時代謝

運動や生活活動で 
全エネルギー消費の30%を占めます

@食事誘発性熱産生

食事をしたときに産生される熱で 
体温維持等に関与し
全エネルギー消費の10%を占めます

エネルギー消費の内訳を示したグラフ


体内で
主に基礎代謝として
エネルギーが消費される状況は
多岐にわたります

@手足や体幹の筋肉が収縮するとき

@1日中休むことなく内臓が働く
*心臓や肺が働くとき
*肝臓が栄養素の代謝や体成分の生合成をするとき
*腎臓が尿を作るとき

@頭を使って考えるとき
脳内の沢山の神経ニューロン間で
複雑に情報がやりとりされる

@細胞の新陳代謝
さまざまな働きをする
タンパク分子や細胞膜を新たに作るとき

@体のなかの分子のメインテナンスするとき
*傷ついたDNAを修復
*機能が低下したタンパク分子を修繕

@食べ物からエネルギーのもとになる
 栄養素を得るために消化吸収するとき

@寒さに耐えられるように体温を保持する

などなど

ちなみに
体のさまざまな臓器が消費するエネルギーの割合は
*筋肉が21.6%
*肝臓が21.3%
*脳が19.9%
*心臓が8.6%
*腎臓が8.1%
ですが

各臓器の1Kgあたりが1日に消費するカロリーは
*心臓 腎臓が440Kcal
*脳が240Kcal
*肝臓が200Kcal
*筋肉が13Kcal
*脂肪が4.5Kcal


筋肉は全体量が多いので 
消費エネルギーに占める比率は高いですが

臓器が機能するために必要とされる
単位重量あたりのエネルギーは(kcal/Kg/日)
心臓 腎臓 脳 肝臓で多く 
筋肉では低い

各臓器のエネルギー消費量を比べた図表

こうした視点からみると 
人間の体って面白いですね

そして 常日頃からお話ししているように
体内で消費される以上の量のエネルギーを摂取したら
余分なエネルギーは脂肪として蓄積され 
デブになります

いずれにせよ
このように体の中で日夜消費されているエネルギーを得るために
ヒトはせっせと 朝昼晩 食物を食べているわけです

では 食物の摂取で得られた栄養素から
どのようにして 
エネルギーが得られるのか?

話を先に進めましょう
高橋医院