ハムレットを 
そしてシェークスピアを語るときに
必ず出てくるこのセリフ

To be or not to be?

満島さんはこのセリフについてこう語ります

「単純に死ぬとか生きるとかではなくて
 自分の価値感に殉じられるかどうか
 ということですよね

 ”生きるべきか 死ぬべきか” なんて 
 そんな単純な訳は好きではない」

舞台で演じる満島ひかり

僕が彼女くらいの若さのときに
そんな風に解釈していたかな、、、

ふとそんなことを思い
なんだか焦燥感にも似たようなものを感じます(苦笑)


オフィーリアの心が崩れていく有名なシーン

有名なシーンを演ずる満島ひかり

彼女なりのオフィーリアを表現しようとする満島さんは
悩み 苦しみ 舞台上で試行錯誤を繰り返します

思い余ってトリッキーな演技すら試みる彼女に
演出家はこうダメ出しをします

「ここで描かれているのは家族愛なんだ
 それを無視して自分勝手にバタバタあがくんじゃねーよ!
 自分のナイーブな感性を信じるんだ
 そうすれば必ずキャッチできるから」

ものを作り上げていく現場は
苦しいけれど面白いのかな?

そして満島さんはこう語ります

「先入観や固定観念を壊してから作らないといけない

 わからないまま演じることが大切だと思う

 わかったらアウト
 計算し始めてしまうから」

舞台でひとりたたづむ満島ひかり

でも 計算して演技することの面白さも
あるんじゃないのかな?

と 歳だけは重ねてきたオヤジは
ふと思ったりもします(苦笑)


この番組の大きなモチーフのひとつは
初共演する弟との役作りの葛藤

昨日のブログの冒頭に出てくる彼女の発言は
その弟に対して発せられた言葉でした

弟と演ずる満島ひかり

でも 正直言って
そこにはあまり興味がなかったです

一人っ子が兄弟姉妹の間の葛藤を理解するのは
ちょっと難しい

ただ満島さんの母性は強く感じました

男はいくつになっても
母性には弱いものです(苦笑)


いやー 久しぶりに
面白い番組を楽しむことができました

満島さんが演じるオフィーリア
ナマの舞台で見てみたかったけれど
とうに埼玉も大阪も公演は
終了してしまったようで残念です

久しぶりにシェークスピア悲劇を
舞台で見てみたくなりました


そうそう
この番組が秀逸だったもう一つの理由は
ナレーションの中里雅子さん

言葉を大切にするという内容の番組を
しっかりと説得力のある語り口で
案内してくださいました

彼女がテレ朝のアナウンサーだった頃
ファンだったのですよ(笑)


それにしても
役者さんは誰もが
シェークスピア劇に憧れを持つものなのですね

そういえば 昔 研究会で訪れた
シェークスピアの生まれ故郷の
ストラトフォード・アポン・エイボンでは
スワンシアターの土産物屋で
こんな筆箱が売られていました

土産物屋で売られていた筆箱

デッサンならともかく 
ブログの原稿を書くには
2Bはちょっと濃すぎないかな?(笑)
高橋医院